第 9 章 発音の評価がプレゼンテーション評価に及ぼす影響
9.4 発音の評価がプレゼンテーションに及ぼす影響
9.4.2 韓国人日本語学習者による結果
次に、韓国人学習者による結果を、「発表の良さ」、「興味」、「わかりやすさ」、「慣れ」、「資 料」の順に分析する。
まず、韓国人学習者による「良い発表だと思う」の評価に影響を与えていたのは、「アク セント」、「摩擦音」、「イントネーション」の3つの要素であることがわかった。これらの うち、説明力が高かったのは、「アクセント」であり、アクセントへの評価が高くなるほど、
良い発表であると判断されることがわかった。また、「摩擦音」と「イントネーション」に 関する評価が高くなれば、発表の良さへの評価も高くなるという結果が得られた(表9-9)。
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表9-9 韓国人学習者による発音の評価が発表の良さに与える影響
従属変数:発表の良さ 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限
定数 1.113 5.553 .718 1.508
アクセント .335 .352 4.552*** .190 .480
摩擦音 .203 .168 2.858** .063 .343
イントネーション .188 .209 2.613* .046 .329
R2(調整済み R2) F(2,12)
投入基準:F 値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10
*p < .05、**p < .01***p < .001
回帰係数 Bの95%CI
.393(.385)
50.841 除かれた変数:破裂音、破擦音、長音、促音、撥音、プロミネンス
次に、韓国人学習者による「内容に興味がある」の評価に影響を与えていたのは、「アク セント」「促音」の2つの要素であった。これらのうち、説明力が高かったのは、「アクセ ント」であり、アクセントへの評価が高くなるほど、内容に興味があると判断されること が考察される。また、「促音」に関する評価が高くなれば、興味への評価も高くなるという 結果が得られた(表9-10)。
表9-10 韓国人学習者による発音の評価が興味に与える影響
従属変数:興味 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限
定数 1.450 5.671 .946 1.954
アクセント .355 .322 4.833*** .210 .499
促音 .243 .183 2.746** .069 .417
R2(調整済み R2) F(2,12)
投入基準:F値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10 28.501
除かれた変数:破裂音、摩擦音、破擦音、長音、撥音、イントネーション、プロミネンス
***p < .001
回帰係数 Bの95%CI
.194(.187)
次に、韓国人学習者による「内容がわかりやすい」の評価に影響を与えていたのは、「ア クセント」、「促音」の2つの要素であった。これらの2つの要素は同じ程度の説明力を持 っており、アクセントと促音への評価が高くなるほど、内容がわかりやすいと判断される ことが明らかになった(表9-11)。
表9-11 韓国人学習者による発音の評価がわかりやすさに与える影響
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従属変数:わかりやすさ 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限
定数 1.694 7.079 1.223 2.165
アクセント .292 .282 4.255*** .157 .427
促音 .298 .239 3.603*** .135 .462
R2(調整済み R2)
F(2,12) 29.923 .202(.195)
除かれた変数:破裂音、摩擦音、破擦音、長音、撥音、イントネーション、プロミネンス 投入基準:F値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10
***p < .001
回帰係数 Bの95%CI
次に、韓国人学習者による「発表に慣れている」の評価に影響を与えていたのは、「イン トネーション」、「アクセント」、「摩擦音」の3つの要素であることがわかった。これらの うち、説明力が高かったのは、「アクセント」であり、アクセントへの評価が高くなるほど、
発表に慣れていると判断されることが明らかになった。また、「イントネーション」と「摩 擦音」に関する評価が高くなれば、慣れへの評価も高くなるという結果が得られた(表9-12)。
表9-12 韓国人学習者による発音の評価が慣れに与える影響
従属変数:興味 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限
定数 .130 0.549 -.336 .596
イントネーション .321 .287 3.788*** .154 .488
アクセント .354 .299 4.080*** .183 .525
摩擦音 .303 .202 3.616*** .138 .468
R2(調整済み R2)
F(2,12) 65.019 除かれた変数:破裂音、破擦音、長音、促音、撥音、プロミネンス 投入基準:F 値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10
***p < .001
回帰係数 Bの95%CI
.453(.446)
最後に、韓国人学習者による「資料が適切である」の評価に影響を与えていたのは、「プ ロミネンス」と「摩擦音」の2つの要素であった。これらは同じ程度の説明力を持ってお り、プロミネンスと摩擦音への評価が高くなるほど、資料が適切であると判断されること が考察される。また、「摩擦音」に関する評価が高くなれば、資料への評価も高くなるとい う結果が得られた(表9-13)。
表9-13 韓国人学習者による発音の評価が資料に与える影響
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従属変数:資料 非標準化(B) β ltl(12) 下限 上限
定数 1.878 7.620 1.392 2.363
プロミネンス .273 .263 3.895*** .135 .411
摩擦音 .271 .214 3.173*** .103 .440
R2(調整済み R2) F(2,12)
.168(.161)
23.638
除かれた変数:破裂音、破擦音、長音、促音、撥音、イントネーション、アクセント 投入基準:F値の確率 = .05, 除去基準:F値の確率 = .10
***p < .001
回帰係数 Bの95%CI
以上の結果から、韓国人学習者がプレゼンテーションを評価する際には、「アクセント」、
「摩擦音」、「イントネーション」、「促音」、「プロミネンス」の評価が影響を与えていた。
これらのうち、特に、プレゼンターのアクセントが正確であるかがプレゼンテーションを 評価するもっとも重要な要素であり、次には摩擦音であることが示唆された。