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4.4 日本語教師研修

4.4.2 研修の内容

実施日 2016 年1月 22 日〜24 日 研修の内容

①グローバル化社会とそれが要求する外国語教育

②新しい外国語教育の方向性。自己の日本語教育の内省と目標

③コミュニケーションをするということ、コミュニケーションの能力を身に付ける外国語 能力

④日本語教師に必要な知識、資質。自己の研修ニーズ分析と研修の自己目標設定

⑤効果的な日本語教育カリキュラムデザイン

⑥学習目的設定とその実現のための教室活動、評価、次回研修までの宿題

第1回研修では基本理念として、これからの日本語教育のあり方は、「わかる・できる」

から、より実践的な意味において「つながる」ということが提案された。これまでの教科 書消化主義的な指導法の問題点を指摘し、何が学習者にとって必要なのか、そして、その ために必要な能力、つまりコミュニケーション能力は「対人、解釈、提示」という3つのカ テゴリーを展開することによって達成できるという方向が示された。更に、授業展開とし てそれらをどのように構成していくかとの演習を行った。また、講座参加者には、デジタ ルポートフォリオへの投稿を通じて教師と学習者への継続的な指導評価ふり返りの方法も

はじまっている。

第 2 回

実施日 2016 年4月 8 日〜10 日 研修の内容

テーマ:カリキュラムのバックワードデザイン:ゴール設定からレッスンプラン、テスト へ

①「学習のめやす」の提唱するアプローチ:ソーシャルネットワーキングアプローチ

②日本語を教える意義とは(新しい参加者のため)

③カリキュラムのバックワードデザイン

④(グループディスカッション)自分の教育理念、目標。教科書から始めるか、自分のゴー ルから始めるか

⑤学習のゴール設定:Can-Do記述によるゴールの設定

⑥ゴールを達成したかどうかを調べるテスト:パフォーマンスゴールにはパフォーマンス テスト

⑦レッスンプラン:パフォーマンスができる学習者を作るためのレッスン

⑧教科書の料理法:パフォーマンスができる教科書の使い方

⑨効果的な日本語教育とは

研修の教科書ともなっている「学習のめやす」のアプローチを話し合った。その枠組み の中で、日本語を教える意義とは何かを話し合った。また、講師はカリキュラムのバック ワードデザインについて説明し、カリキュラムのゴール設定からレッスン、テストをどの ように計画するかを時間をかけて議論した。

第 3 回

実施日 2016 年 12 月 14 日〜16 日 研修の内容

テーマ:評価が変える日本語教育

①目標設定、教育における評価の役割、評価の基本概念

②評価の基本概念、評価のパラダイムシフト

③パフォーマンス評価とオーセンティック評価、バックワードデザイン

④評価のルーブリックとフィードバック

⑤ポスター発表、ディスカッション、まとめ、反省、これからの課題

言語教育における評価は 1990 年代からパラダイムシフトとも言える大きな変化を遂げて きている。従来の学習者をふるい分けたり、成績を付けたりすることから、学習者の学習 を助け、学習を促進することに評価の目的が変わってきており、評価が教育に果たす役割 がさらに大きなものとなり、評価が教育を変える原動力にさえなっている。この研修では、

新しい評価とはどのようなものかを考え、それをどのようにカリキュラムに取り入れ、学 習を促進していくかを考え、実際に評価をデザインしてみる。

第 4 回

実施日 2017 年3月 24 日〜26日 研究の内容

テーマ:言語能力をどのように記述し、どのように評価するか

外国語教師にとって、学習者の言語能力を正確に記述できることは、言語能力を評価す る上でも、クラスの目標を立てたり、カリキュラムを作る上でもとても重要なことである。

今回の研修では、どのような要素で言語能力のレベル、内容を記述するかを考えてみる。

まず、口頭能力はどのような要素によって記述可能かを実際の口頭能力試験をしながら考 えてみる。その後、聴解、読解、作文能力についてもどのように言語能力の記述が可能か を考えてみる。さらに、これらの要素を考えながら、自分の教えているクラスの到達目標 を記述してみる。このような記述をしておくことにより、学習者にも達成すべき目標を明 確に伝えることができるし、ほかの先生たちにも自分のプログラム、クラスが何をしてい るかをはっきりと伝えることができ、他のクラスと自分のクラスの関係付けをはっきりさ せることができる。

活動:

①目標設定、口頭能力の記述のしかた

ACTFL Proficiency Guidelines、Activity 1 ACTFL Speaking Proficiency Guidelinesの分析

②口頭能力の評価のしかた

ACTFL OPI とProchievement Test、Activity 2 Prochievement Testの作成

③作文能力の記述のしかた、評価のしかた

Activity 3 ACTFL Writing Proficiency Guidelinesの分析、Activities 4, 5 ライティングテスト のプロンプトの分析と作成

④聴解能力、記述のしかた、評価のしかた

Activity 6 ACTFL Listening Proficiency Guidelinesの分析、Activities 7, 8 リスニングテス トの分析と作成

⑤読解能力、記述のしかた、評価のしかた

Activity 9 ACTFL Reading Proficiency Guidelinesの分析、Activities 10, 11 リーディングテス トの分析と作成

⑥クラスの目標を書く、その目標を達成するためにどのような活動をすべきか。ポスター セッション、意見交換

Activity 12 クラスの達成目標の記述、意見交換、まとめのディスカッション、次の研修(7

月)の目標設定