概念設計および適用設備の仕様

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第3章 プロジェクトの内容および技術的側面の検討

3) 概念設計および適用設備の仕様

上記の基本方針に沿って、インドネシア等における同規模・同方式の石炭火力発電所(亜瀝青炭焚き)

の設計仕様も参考にしつつ、前節の最後に提示した2ケースを対象に、対象設備の基本仕様を策定した。

a) 敷地及び主要設備

図 3-10 ASC アニエール工場の鳥瞰写真

注:発電プラントは、中央の点線の上部に建設予定 出典:Google Map

ASC 社が予定している新発電所用の敷地(自社保有)は、上図の右上に位置し、最大 40ha である。40ha の中には小山が存在しており、これを崩さなければ利用可能面積は 15ha となるが、小山を崩せば最大 40ha を利用可能である。

本敷地の中に、以下の設備等を格納する。

・発電設備等: ボイラ、タービン、発電機、排煙処理装置(電気式集塵装置(ESP)、脱硫装置、

脱硝装置)、誘因ファン(IDF)

・共通付帯設備: 排水処理装置、水処理装置、変電設備、給油タンク(起動時の補助燃料用)

・燃料貯蔵設備(貯炭場): 雨による水分の増加を防止するため、屋根付きの屋外貯炭場とする。

・その他設備: 揚炭機(アンローダ)、石炭灰輸送設備

このうち、発電設備等の面積は、既存の事例を参考にすると、ケース1の場合 6ha 程度、ケースの場 合 5ha 程度であるが、これは設計によりさらなるコンパクト化が可能である。

なお灰捨場については、外部の業者に石炭灰処理を委託する。

図 3-11 プラント配置図(ケース1:SC、60 万 kW×1 基)

貯炭場

タ ー ビ ン建屋

( 発 電機を含む)

超臨界ボイラ 排煙処理装置

誘 因 ファ ン(IDF)

煙突

タ ー ビ ン用変圧器 冷 却 用 海水ポンプ

温 排 水 排出装置

変電設備

起 動 用 石油タンク

排 水 処 理 設 備

0m 100m 200m 300m 400m 500m 600m

0m 100m 200m 300m 400m 500m

図 3-12 プラント配置図(ケース 2:CFB、15 万 kW×3 基)

貯炭場 ター ビン建屋

( 発電機を含む)

CFBボイラ 排煙処理装置

誘 因 ファ ン(IDF)

煙突

タ ー ビ ン用変圧器 冷 却 用 海水ポンプ

温 排 水 排出装置

変電設備

起 動 用 石油タンク

排 水 処 理 設 備

0m 100m 200m 300m 400m 500m 600m

0m 100m 200m 300m 400m 500m

図 3-13 ASC アニエール工場(敷地左部)の鳥瞰写真

注:発電プラントの建設予定地は、本図の主に左側の部分である。

出典:ASC、Company Profile

b) 発電プラントの出力及び方式

2)で設定した2ケースに従い、以下の通りとする。

・ケース1 SC(超臨界圧) 60 万 KW×1基

(所内消費:2.5 万 kW、PLN へ:30 万 kW、ASC へ:27.5 万 kW)

・ケース2 CFB(循環流動層) 15 万 KW×3 基

(所内消費:2.5 万 kW、PLN へ:15 万 kW、ASC へ:27.5 万 kW)

図 3-14 ケース 1(SC)の発電プラント構成

出典:環境省(2014.10)

図 3-15 ケース1(左:SC)及びケース2(CFB)のボイラ構造

出典:環境省(2014.10)

c) 発電プラントの蒸気条件等

発電プラントの蒸気条件等は、インドネシア等における既存の設計・導入事例を踏まえて、以下の通 りとする。

表 3-18 発電プラントの蒸気条件等

ケース1(SC) ケース2(CFB)

蒸発量 1,810t/h(100%負荷) 475t/h/基×3 基(100%負荷)

主蒸気圧力 246 kg/cm2 174 kg/cm2

主蒸気温度 566℃ 541℃

再熱蒸気温度 566℃ 541℃

熱効率 40.5% 37.6%

出典:各種資料を基に調査団作成

ケース1は、主蒸気温度が 566℃以下のため SC(超臨界圧)であるが、主蒸気温度・再熱蒸気温度と ともに、SC と USC の境目である 566℃であり、USC に近い仕様となっている。

d) 使用する石炭の発熱量

使用する石炭については、「(3) 5) 燃料調達」で検討した2ケースを採用することとする。

即ち、石炭の中長期的な安定的な供給確保可能性を重視し、以下の石炭を使用する。

・ケース 1: SC(超臨界圧) 60 万 KW×1基

・既存の PLN 発電所と同様の発熱量 5,000kcal/kg の石炭を使用 ・ケース 2: CFB(循環流動層) 15 万 KW×3 基

・今後の主流となる 4,200kcal/kg の石炭を使用

e) 石炭の年間使用量

既存の設計事例を参考に、今回使用する石炭の発熱量を勘案して計算すると、石炭の毎時消費量は、

以下の通りである。

・ケース1 255 t/h (小数点以下、四捨五入)

・ケース2 81.7 t/h/基×3 基 = 245 t/h (小数点以下、四捨五入)

これを基に年間の石炭消費量を計算すると、以下の通りである。

・ケース1 255t/h×8,200h/年(=年間時間 8,760h/年-定期点検 560h/年) = 2,089,481 t/年 ・ケース2 245t/h×8,200h/年 = 2,009,498 t/年

f) 貯炭量

貯炭量は、発電所の石炭の1回当たり受入量と受入頻度により異なるものの、概ね通常の使用量の 1

~2 カ月程度とするのが一般的である。

本プラントでは、石炭の山元が、ジャワ島に近いカリマンタン島やスマトラ島であるため、輸送上の 優位性を考慮し、1カ月(30 日分)として計画した。

貯炭方式は屋外貯炭場(屋根付き)とし、30 日分の貯炭量は以下の通りである。

・ケース1 毎時石炭消費量×24h/日×30 日=255t/h×24h/日×30 日=183,467 t ・ケース2 245t/h×24h/日×30 日=176,444 t

g) 灰捨場

灰捨場は、外部の業者に石炭灰処理を委託する。

h) 取水路・放水路

ケース1・2とも、蒸気タービン復水器用の冷却水として海水を使用する。海水は、プラントが面し ている海から取水し、使用後の昇音した海水は、再循環を防ぐために、取水部から十分(約 1.5km)離 れた場所に排出する。

取水方式は、取水地点から陸地まで開渠方式にて計画し、発電プラント近傍にポンプ室を設置する。

ポンプ室にはスクリーン設備、塩素注入設備等を設置する。

ポンプ室~発電プラント~放水口までの冷却水輸送はいずれも配管とし、地下に埋設する。

i) 仕様(まとめ)

以上の主な仕様を、以下にまとめて整理した。

表 3-19 発電プラントの基本仕様

ケース1 ケース2

① 方式 SC(超臨界圧) CFB(循環流動層)

② 発電出力 60 万 KW×1基 15 万 KW×3 基=45 万 kW

③ プラント所内消費 2.5 万 kW 2.5 万 kW

④ PLN への売電出力 30 万 kW 15 万 kW

⑤ ASC への供給出力 27.5 万 kW 27.5 万 kW

⑥ 年間稼働時間 8,200h/年×定格稼働 8,200h/年×定格稼働

⑦ 蒸気蒸発量 1,810.0t/h

(100%負荷)

475.0t/h/基×3 基

(100%負荷)

⑧ 主蒸気圧力 246.0kg/cm2(24.1 MPa) 174.0kg/cm2(17.1 MPa)

⑨ 主蒸気温度 566℃ 541℃

⑩ 再熱蒸気温度 566℃ 541℃

⑪ 熱効率 40.5% 37.6%

⑫ 石炭発熱量 5,000kcal/kg(インドネシア 産亜瀝青炭)

4,200kcal/kg(インドネシア 産亜瀝青炭)

⑬ 石炭消費量(毎時) 255 t/h 245 t/h

⑭ 石炭消費量(年間) 2,089,481 t/年 2,009,498 t/年

出典:調査団作成

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