プロジェクトの内容決定の基本方針

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第3章 プロジェクトの内容および技術的側面の検討

1) プロジェクトの内容決定の基本方針

本案件形成等調査の提案の際、対象プロジェクトの技術方式・出力として、日本国内で稼働中の東京 電力・広野火力発電所 5 号機(60 万 kW:USC、主蒸気温度:600℃、2004 年 7 月運開)、6 号機(60 万 kW:USC、2013 年 12 月運開)等を参考に、USC・60 万 kW の採用を想定した。これらはいずれも高品位 な瀝青炭を使用している。本プロジェクトで使用する炭種としては、インドネシアに産出する瀝青炭、

亜瀝青炭や海外炭を含めて、幅広い炭種を想定していた。

その後の調査の過程で、文献調査及び JCOAL 等からのヒアリングを通じて、インドネシアのエネルギ ー政策として、瀝青炭は主に輸出用に用い、国内消費用としては亜瀝青炭が重視されていること、及び 価格的にも亜瀝青炭の使用がリーズナブルであることが判明した。

また、インドネシア産亜瀝青炭を使用した USC として、単機容量が 100 万 kW の計画はあるが、単機 容量が 100 万 kW 未満の計画は無いことがわかった。インドネシアでは今後、バタン(100 万 kW×2 基)、 インドラマユ(100 万 kW×1 基)の USC 石炭火力発電所の運開が予定されており、いずれも単機容量は 100 万 kW である。その他 PLN が計画・検討している USC 石炭火力である Jawa-1、Jawa-4、Jawa-5、Jawa-6 も、いずれも単機容量は 100 万 kW である。

環境省の「BAT の参考表」(平成 26 年 4 月)では、日本における最新鋭の USC 石炭火力技術として、

90~110 万 kW 級、70 万 kW 級、及び 60 万 kW 級を挙げているが、いずれも燃料仕様は「瀝青炭で、灰融 点の高い石炭(灰溶融温度 1400℃超)が主体」としており、また USC は「発電規模が大規模となるため、

小規模なものには採用不可」としている。

また、国内の専門家ヒアリング及び技術文献より、水分が多いインドネシア産亜瀝青炭を使用する場 合、高温・高圧化では材料の腐食が進行しやすいため、腐食を防ぐ高価な材料が必要となり、スケール メリットの観点から 100 万 kW 級の出力規模が必要であることがわかった。

このため、インドネシア産亜瀝青炭を使用した 60 万 kW の USC は、技術的に全く不可能ではないもの の、実績も計画もまだ無く、実用機としては相当のリスクがあり、実証機的な性格が強くなることが判 明した。

以上の経緯により、本 FS 調査の対象として、インドネシア産亜瀝青炭の使用を前提に、USC(超々臨 界圧)だけでなく、SC(超臨界圧)、Sub-C(亜臨界圧)、CFB(循環流動層)も含めて検討を行うことと した。

(参考1) USC、SC 等の定義等

表 3-12 USC、SC 等の定義等

技術方式 定義・備考

超々臨界圧(USC:Ultra Super Critical)

超臨界圧(SC)のうち、主蒸気温度が 566℃を超えるもの。発電規模 が大規模となるため、小規模なものには採用不可。

超 臨 界 圧 ( SC : Super Critical)

蒸気圧力が 22.1MPa 以上、かつ主蒸気温度が 566℃以下。設計によ っては USC 並の熱効率となるものもある。

技術方式 定義・備考 亜 臨 界 圧 ( Sub-C : Sub

Critical)

蒸気圧力が 22.1MPa 未満。ボイラの型式がドラム式。発電規模が大 規模なものには、熱効率の良い USC や SC が採用されるが、小規模の ものには Sub-C が採用されている。

出典:環境省、最新鋭の発電技術の商用化及び開発状況「BAT の参考表」(平成 26 年 4 月時点)

(参考2) 日本国内における USC 石炭火力発電所の実績及び計画(例)

表 3-13 日本国内における USC 石炭火力発電所の実績及び計画(例)

事業者 発電所 号機 ステージ 運開時期 出力

東京電力 広野 5 号機 稼働中 2004 年 7 月 60 万 kW 6 号機 稼働中 2013 年 12 月 60 万 kW

中部電力 碧南

3 号機 稼働中 1993 年 4 月 70 万 kW 4 号機 稼働中 2001 年 11 月 100 万 kW 5 号機 稼働中 2002 年 11 月 100 万 kW

電源開発 磯子

新 1 号機 稼働中 2002 年 4 月 60 万 kW 新 2 号機 稼働中 2009 年 7 月 56.2 万 kW(暫

定)

電源開発

竹原 新 1 号機 建設中 2020 年 9 月(予定) 60 万 kW

高砂

新 1 号機 計画(ア

セス)中 2021 年(計画) 60 万 kW 新 2 号機 計画(ア

セス)中 2027 年(計画) 60 万 kW 常 陸 那 珂 ジ ェ

ネレーション 常陸那珂 - 計画(ア

セス)中 2021 年度頃(計画) 65 万 kW 鹿島パワー 鹿島 2 号機 計画(ア

セス)中 2020 年頃(計画) 65 万 kW 注) 日本国内の USC は、全て瀝青炭を使用している(する)ものと推定される。

出典:各種資料を基に調査団作成

(参考3)インドネシアにおける USC(超々臨界圧)石炭火力の導入実績・計画、及びその利用炭種

①導入実績

USC の導入実績はまだない。

②導入計画

USC の導入計画は下表に示す通りであり、いずれも単機容量は 100 万 kW である。

表 3-14 インドネシアにおける USC の導入計画 発電所名 出力 場所 運開時期 利用炭種 事業

形態 事業者 備考

バタン

200 万 kW

(100 万 kW×2

基)

中部ジ ャワ州 バタン 県(226

ha)

1 号機:2016 年末頃(※)

2 号機:2017 年中頃(※)

亜瀝青炭

(インド ネシア

産)

IPP

BPI 社 ( ビ マ セ ナ・パワー・イン ドネシア社):電 発、アダロ・パワ ー社、伊藤忠商事 が出資・設立

運開時期(左 記の※)は、

用 地 買 収 の 遅れにより、

遅 延 の 見 込 み

インドラ マユ

100 万 kW

西ジャ ワ州イ ンドラ マユ

2019 年 3 月

検討中

(インド ネシア産 低品位炭 が有力)

PLN の

系統用 PLN

ODA 案件

(円借款

(E/S)あり)

出典:各種資料を基に調査団作成

上記のほか、PLN は下図に示す Jawa-1、Jawa-4、Jawa-5、Jawa-6 を検討している。これらの詳細は不 明だが、いずれも単機出力:100 万 kW の USC として計画・検討されている。

図 3-7 PLN が計画・検討している USC/SC 発電プラント(IPP を含む)

出典:I Made Ro Sakya (PLN)、Current Status and Future Development of Coal Thermal Power Plant in Indonesia(2013.9)

図 3-8 インドネシアにおけるクリーン・コール・テクノロジー(CCT)のロードマップ

出典:I Made Ro Sakya (PLN)、Current Status and Future Development of Coal Thermal Power Plant in Indonesia(2013.9)

原典:JICA CCT Study, October 2012, with updated projects and schedule by PLN

(参考4)インドネシアにおける SC(超臨界圧)石炭火力の導入実績・計画、及びその利用炭種

①導入実績

表 3-15 インドネシアにおける SC(超臨界圧)石炭火力の導入実績 発電所名 出力 場所 運開時期 利用炭種 事業

形態 事業者 備考

パイトン

Ⅲ(増設)

81.5 万 kW

パイト

ン 2012 年 3 月 亜瀝青炭 IPP

Paiton Energy:

東京電力㈱、三井 物産㈱、インター ナショナル・パワ ー社、バツ・ヒタ ム・ペルカサ社が

出資

インドネシ ア初の SC プ ラント(三菱 重工業製)

チレボン 66 万 kW

ジャワ 島西部 チレボ ン地区

2012 年 7 月

発熱量:

5,000kca l/kg(推 定)

IPP

Cirebon Electric

Power:丸紅等が 出資

イ ン ド ネ シ アで 2 例目 の SC プラン ト

Cilacap Baru/Adi

pala

66 万 kW

中部ジ ャワ州 Adipala

2014 年(予 定)

発熱量:

5,500kca l/kg

PLN の 系統用

China National Technical Import and Export Corporation

イ ン ド ネ シ アで 3 例目 の SC プラン ト

出典:各種資料を基に調査団作成

②導入計画

SC 石炭火力に関する個別の計画は明らかではない。前出図における Banten 発電所(625MW、2016 年 運開)は、容量的に見て SC(超臨界圧)の可能性があるが、詳細は不明である。

なお、PLN の電力供給事業計画 2012-2021 では、「ジャワ・バリ系統の開発計画で検討している発電所 の候補は、1,000MW 級の超々臨界圧石炭火力発電所と、超臨界圧石炭火力発電所 600MW、天然ガス火力 発電所 750MW、最大需要に対応する石油燃料ガス発電所 200MW、揚水式発電所 250MW である」としてい る。

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