例(17)、(18)では 、được「 出来 る」を入れ なく ても 意味 は通 るが、đượcを 入れる と自 分 への恩 恵の 気持 ちが 追加 され る。
許可使 役で は、NP1はあ るこ とを しよ うとす る NP2に対 し、許可 を下 す意 味 を表す 。つま り、NP2の 動作は NP1の元 で行 われ る もので ある 。
(3) Tôi để cho con cái tự quyết định tương lai của mình.
私 させる 子供 自分で 決める 将来 自分の
(私は 子供 に自 分の 将来 のこ とを 決め させる 。)
(4) Giám thị ngó lơ để cho sinh viên quay cóp.
試験監 督 見ぬふ り させる 学生 カンニ ング する
(試験 監督 は見 ぬふ りを して 、学 生に カンニ ング させ た。)
例(3)では 、被 使役者 であ る「 子供」が自分 の意 志で「将 来の ことを 決め る 」とい う行 為
を、使 役者 であ る「私 」は 辞め させ る ことも 可能 だが そう しな かっ た。例(4)も同 様で 、被 使役者 であ る「 学生 」が 自ら の意 志に よって 「カ ンニ ング する 」と いう 行為 を引き 起こ して いるこ とを 、使 役者 であ る「 試験 監督 」が妨 げよ うと すれ ば出 来る のに 、そ うせず に「 見ぬ ふり」をす るこ とで 成り 行き に任せ た ことを 表す 。ベ トナ ム語 での để使 役動 詞は元 々の 本動 詞の意 味は 「~ おく 」で ある が、 使役 動詞と して 用い ても 元の 意味 がま だ残 ってい る。 従っ て、日本 語に おけ る放 任使 役文 では「 ~てお く 」を つけ てい ても 、ベトナ ム 語では để 使役 構 文しか 用い られ ない 。
仁田(2009)は 、既 に起 きて いる 事態 をその まま にし てお く場 合に は放 置的 な意味 にな る
と述べ てい る。 放置 使役 文も 「~ てお く」を 伴う こと が多 いと 述べ てい る。
「~て おく 」を つけ てい る使 役表 現は 、被使 役者 が自 らの 意志 によ って ある 行為を 引き 起 こして いる こと を使 役者 が成 り行 きに 任せる とい う意 味を 表す 。使 役者 はい つでも 、被 使役 者が主 体と なっ てい る出 来事 を妨 害で きる状 態で ある 。つ まり 「~ てお く」 を付け ると 、被 使役者 の行 為は もう 既に 行わ れて いる 意味を 表し 、こ れか ら引 き起 こそ うと してい る場 合に は用い られ ない。例え ば例(5)で は、妻がこ れか ら眠 ると いう 行為 を引 き起 こして いる とい う意味 には 解釈 でき ない 。し かし ベト ナム語 では 、放 任の 意味 でも 放置 の意 味でも 、い ずれ
も同じ để(cho) 使役 動詞 しか 用い ら れない 。
(5) a.家 に 帰 っ て 来 る と 妻 が 寝 て い た 。 疲 れ て い る よ う な の で 、 妻 を 眠 ら せ て お い て 、 一人で 晩御 飯を 用意 した 。
b. Lúc về nhà vợ tôi đang ngủ. Trông vợ có vẻ mệt,
時 帰る 家 妻 寝てい る 見える 妻 よう 疲れる
nên tôi để cho vợ ngủ, một mình nấu cơm tối.
だから 私 させて おく 妻 寝る 一人で 作る 晩御飯
ベトナ ム語 では 放任 使役 は、使 役者 が被 使役者 によ る行 為を 任せ ると いう 表現 におい ては 、
đành phải「 仕方 がな く」 とい う言 葉を 付加す るか しな いか によ って 、消 極的 な放任 又は 、積
極的な 放任 の意 味を 表す 。前 者は 使役 者が被 使役 者の 行為 を仕 方な く任 せる という 意味 を表 すのに 対し て、 後者 は使 役者 が自 分の 善意で 、被 使役 者に その 行為 を任 せる 。
(6) Con gái tôi đã đăng ký học lớp học nhảy rồi 娘 私 [既然] 申し込 む ダンス クラ ス [完了]
nên tôi đành phải để cho nó học.
だから 私 [仕方 がな く] させる 彼女 勉強す る
(娘が ダン スク ラス に申 し込 んだ ので 、仕方 なく 、彼 女に 勉強 させ てお く。)
(7) Tôi để cho con gái tự quyết định chuyện hôn sự của mình.
私 させる 娘 自分で 決める 婚姻 自分の
(私は 娘に 自分 の結 婚の こと を決 めさ せる。)
例(6)では 、使 役者で ある「私」は被 使役者 の「 ダン スを 勉強 する」行為 に 賛成し てい な
いが、 仕方 がな い状 態に 置か れた ので 、消極 的に 被使 役者 の行 為を 任せ る意 味を表 す。 一方
例(7)では、使役 者は 自分 の意志 で、被使役 者に よる 引き 起こ そう とし てい る行為 を任 せる
意味を 表す 。
ベトナ ム語 では 、cho使役動 詞とđể使役 動詞は 場合 によ って 置き 換え るこ とが 可能で ある 。 しかし 、意 味的 には 少々 異な る。
(8) a.Tôi để cho con gái tự quyết định chuyện hôn sự của mình.
私 させる 娘 自分で 決める 婚姻 自分の
(私は 娘に 自分 の結 婚の こと を決 めさ せる。)
b.Tôi cho con gái tự quyết định chuyện hôn sự của mình.
私 させる 娘 自分で 決める 婚姻 自分の
(私は 娘に 自分 の結 婚の こと を決 めさ せる。)
例(8)a では 、使 役者 は被 使役 者の意 志を尊 重す る 。一 方(8)bでは 、NP1の許可 がな け れば、 被使 役者 は自 分の 行為 を行 うこ とがで きな い。 つま り、 許可 使役 の場 合は被 使役 者で ある NP2 の動 作は 使役 者で ある NP1 の許可 の下 で行 われ るが 、放 任の 場合 は NP2 の 動作 ・ 作用は NP1の 許可 なし に行 うこ とが 可 能であ る。