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(8) a.Tôi để cho con gái tự quyết định chuyện hôn sự của mình.

私 させる 娘 自分で 決める 婚姻 自分の

(私は 娘に 自分 の結 婚の こと を決 めさ せる。)

b.Tôi cho con gái tự quyết định chuyện hôn sự của mình.

私 させる 娘 自分で 決める 婚姻 自分の

(私は 娘に 自分 の結 婚の こと を決 めさ せる。)

例(8)a では 、使 役者 は被 使役 者の意 志を尊 重す る 。一 方(8)bでは 、NP1の許可 がな け れば、 被使 役者 は自 分の 行為 を行 うこ とがで きな い。 つま り、 許可 使役 の場 合は被 使役 者で ある NP2 の動 作は 使役 者で ある NP1 の許可 の下 で行 われ るが 、放 任の 場合 は NP2 の 動作 ・ 作用は NP1の 許可 なし に行 うこ とが 可 能であ る。

しかし 、対 応す る他 動詞 がな い場 合、 日本語 は「 自動 詞+ させ る」 形で 表現 する。 この 場 合「自 動詞 +さ せる 」は 無意 識的 な動 作を表 わす 他動 詞の 役割 を果 たす 。

(1) 花子は 唇を 尖ら せて 、言 った 。

(2) 花子は 耳を 峙た せた 。

一方、 ベト ナム 語で は、 日本 語の 「自 動詞+ させ る」 のよ うな 表現 は存 在し ない。 ベト ナ ム語で は体 の一 部と 全体 の区 別を 意識 するこ とは ない 。体 の一 部の 動作 は体 全体の 動作 と見 なされ る。 従っ て、 体の 一部 の動 作は 自動詞 で表 現す るこ とも 許容 され るし 、場合 によ って は他動 詞と し て 使わ れる こと も可 能で ある。 この よう な場 合、 以下 のよ うに 「動詞 +体 の一 部」か 、あ るいは「体 の一 部+ 動詞」の 形で表 され るの が一 般的 であ る。使 役 を表わ す cho、 bắt、để、làm、khiến等 を用 いる こと は 不可能 であ る。

(3) a.Bà cụ nhấp nháy hai con mắt nhìn đứa cháu.

お婆さ ん 瞬く 二つ 目 見る 孫

b.お婆 さん は目 を瞬 かせ て、 孫を見 つ めた。

(4) a.Toán thám báo ngồi xệp trên thành hố mới đào,

コマン ド 座る 上 縁 穴 ばかり 掘る

chân đung đưa. (BN:1990)

足 ぶらぶ らす る

(直訳 :コ マン ドは 掘っ たば かり 穴の 縁に腰 を下 ろし 、足 がぶ らぶ らし た。)

b.コマ ンド は、 掘っ たば かり の穴の 縁 に腰を 下ろ して 、足 をぶ らぶ らさ せた 。

(バオ:1999)

(4)では nhấp nháyは 他 動詞 とし て使 われる のに 対し て、(5)のđung đưa は 、自 動詞 とし て 使われ てい る。しか し、(4)の 自動 詞 的用法 と(5)の他 動詞 的用 法は 入れ 替 えるこ とが 可能 である 。つ まり nhấp nháy hai con mắt は hai con mắt nhấp nháy、chân đung đưa は đung đưa chân に置き 換え るこ とが 可能 であ る。「 体の 一部+ 動詞 」で も「 動詞 +体 の一 部」で も許容 され る。

このよ うな 置き 換え が可 能な 場合 が多 い。

(5) a.Cô ấy chu miệng nói.

彼女 尖る 口 言う

b.彼女 は口 を尖 らせ て、 言っ た。

(6) a.Con trâu trắng dẫn đàn lên núi,

水牛 白 連れる 群 登る 山

vểnh đôi tai nghe sáo trở về.

峙つ 二つ 耳 聴く 笛 帰る

b.白い 水牛 は群 を山 に連 れて 行き、 耳 を峙た せて 笛の 音を 聞き 、帰 った 。

(7) a. Hanako run người, lắp bắp hỏi: Ai đó?

花子 震える 体 淀む 聞く 誰?

b.花子 は身 体を 震わ せ、 口ご もりな が ら、聞 いた :「 誰? 」

例(6)、(7)、(8)aでは chu「尖 る」と vểnh「峙 つ 」run「震え る 」は 他動 詞 として 使 わ れ

ている が、 自動 詞と して 使わ れる 場合 もある 。し かし 例(4)、(5) とは 異な り、こ れら の動 詞 が 自動 詞 と し て 使 われ る 場 合 は 、qua「過 ぎ る 」、lại「 来 る 」、lên「 上が る 」、xuống「 下 が る」、ra「出 る」、vào「入 る」等 の方 向を 表わす 語と 共に 用い る必 要が ある。例(6)、(7)、(8)

aは以下 のよ うに 言い 換え るこ とが出 来る。

(8) Cô ấy miệng chu lại nói.

彼女 口 尖る 戻って 言う

(9) Con trâu trắng dẫn đàn lên núi,

水牛 白 連れる 群 登る 山

đôi tai vểnh lên nghe sáo trở về.

二つ耳 峙つ 上がる 聴く 笛 帰る

(10) Hanako người run lên, lắp bắp hỏi: Ai đó?

花子 身体 震える 上がる 淀む 聞く 誰?

これら の文 にお いて は 、日 本語 では自 動詞に 対応 する 他動 詞が ない ため 、や むなく 自動 詞 に

「させ る」 を付 けて 、他 動詞 の働 きを させて いる 。一 方ベ トナ ム語 では 、こ れらの 動詞 は自 動詞の 役割 も他 動詞 の役 割も 果た すこ とがで きる し、 いず れの 用法 を使 っ て も文の 意味 は変 わらな い。

次に、 体の 一部 分で はな く 体 の一 部分 の機能 を果 たす 動作 を表 す場 合を 見て みよう 。

(11) a. Cô ấy bước lật đật chẳng nhìn một ai.

彼女 歩む バタバ タ ~ない 見る 一人も b. 彼 女は足 をバ タバ タさ せて 、誰 も見 ようと しな い。

(12) a.Taro vừa chạy được một vòng sân đã thở hồng hộc.

太郎 ばかり 走る 得る 1周 運動場 [既然] 呼吸す る弾 む

b.太郎 は運 動場 を一 周し たば か りな の に、も う 息 を弾 ませ てい る 。

例(12)、(13)は体 の一部 分で はな く 、その一 部分 の状 態を いう 。従 って 体の 一部分 を(呼 吸する 鼻や 歩く 足等 )省 略し て、「動 詞 +副詞 」の形で 表す 、あ るい は「副詞 +動詞 」形で表 わすこ とが 可能 であ る。 例えば hồng hộc thởは thở hồng học、bước lật đậtは lật đật bướcに 置 き換え るこ とが 可能 であ る。省 略し な い場合 は mũi (miệng) thở phì phò「 鼻/ 口から、ハー ハ ー息が 吐き 出さ れる 」、chân bước lật đật「 足が バタ バタ 歩む 」に なる 。いず れも日 本語 に翻 訳する 場合 は同 じよ うに 訳さ れる 。日 本語で は、 体の 一部 分を 行う 動作 は言 わなく ても よい が、体の 一部 を表 現す る必 要が ある。例えば「 息」や「 足」で ある。従っ て、日本語 では「 体 の部分 +動 詞+ させ る」 の形 がよ く使 われる 。

以下の (14)は ベト ナム 語で は自 動詞 しか用 いら れな い。

(13) a.Kiên trượt (chân) ngã (BN:1990)

キエン 滑る (足) 転ぶ

(直訳 :キ エン は 滑 って 転ん だ 。)

b.キエ ンは 足を 滑ら せて 倒れ 、転ん で 落ちた 。 (バオ:1999)

(14) a. Taro (bị) gãy tay . 太郎 (bị) 折れる 手

b. 太 郎は手 を折 った 。= 手が 折れ た。

ベトナ ムの trượt「滑 る」、 gãy「 折 る」は自動 詞と して の用 法し かな い 。一見「NP1 V NP2」 の よ うに 見 え る が 、 この 場 合 、NP2 は 目 的 語で は な く 、 補 語と し て の 役 割を 果 た して い る。

(15) では 、日 本語 では、「折 る」 とい う他動 詞が 存在 する ため、「さ せる 」を 使わず に、 他 動詞を 使う 。こ の場 合の 他動 詞は 無意 識的に 使わ れて いる 。し かし ベト ナム 語では この よう な場合 、他 動詞 を使 う の でも なく 自動 詞を用 いる 。 他 動詞 は意 図的 動作 を表 す場合 に限 られ ている 。

(15) Taro bẻ gãy tay.

太郎 折る 手

太郎は 何ら かの 目的 で、 わざ と手 を折 った。 つま り太 郎の 意図 によ るも のな ので自 然な 文 である が、 太郎 の意 図に よる もの では ない場 合、 例(15) は不 自然 にな る。 この場 合、 日本 語では 無意 識的 な他 動詞 の役 割を 果た すのに 対し て、 ベト ナム 語で は意 識的 な他動 詞の 役割 を果た す。

次は日 本語 では「 体の 一部 +自 動詞+ させる 」形を 用い るの に対 して 、ベ トナ ム語で は「 体 の一部 +形 容詞 」形 であ る。

(16) a.Tên Ngụy thở rốc, mồm há hốc, mắt sáng trưng. (BN:1990) 奴 傀儡兵 息を切 らす 口あん ぐり 目 キラキ ラす る

(直訳 :傀 儡兵 は息 を切 らし 、口 はあ んぐり 開き 、 目 が輝 いた。)

b.傀儡 兵は 一呼 吸し て大 きく 口を開 け ると、 目を 輝か せて 言っ た。( バオ:1999)

(17) a.(Anh ấy) môi run run nói. (BN:1990)

(彼) 唇 震える 言う

(直訳 : 唇 が震 え、 言っ た。)

b. 唇 を震わ せて 言っ た。 (バオ:1999)

このよ うな 場合 は「 形容詞 +体 の一 部」に置き 換え るこ とは 不可 能で ある。sáng trưng mắt、 run run môiとい う表 現は 不自 然で ある 。

(18) a.??Nhìn thấy có người đến cứu, cô ấy sáng trưng mắt.

見る いる 人 来る 助ける 彼女 キラキ ラす る 目

(19) b.Nhìn thấy có người đến cứu, mắt cô ấy sáng trưng.

見る いる 人 来る 助ける 彼女 キラキ ラす る 目

(やっ てく る人 を見 て、 彼女 は目 が輝 いた。)

(20) a.??Anh ấy run run môi, thì thào.

彼 震える 唇 呟く

b. Anh ấy môi run run, thì thào.

彼 唇 震える 呟く

(彼は 唇が 震え て、 呟い た。)

3.8.2 NP2 が 身体部位ではな い無 生物の場合

日本語 では 被使 役者 である NP2 は無生 物でも 許容 でき る。 しか し、NP2 が 無 生物の 場合 、 NP1は 命令 ・指 示等 の働 きか けを 行う ことが 出来 ない 。

(21) 国を発 展さ せる 。

(22) パソコ ンに 席を 選ば せる 。

(23) 機械に 小説 を訳 させ る。

対応す る他 動詞 がな い自 動詞 の場 合は 助詞「 を」 を取 るが 、他 動詞 の場 合は 助詞「 に」 を 取る。

ベトナ ム語 では 、làm choを 用い る構 文 の中で NP2の 位置 に無 生物 が来 る場 合 もある 。làm cho 構文 では NP2が 自発 性あ るい は行 為を行 う能 力が ない 無生 物で も可 能で ある。 しか しこ のよう な構 文で は、NP2自 体が 行為 を 行うこ とが 不可 能で ある ため、NP1 は 工夫し て NP2の 状態変 化を 引き 起こ す必 要が ある 。

(24) Taro có thể làm cho cái gậy đứng được.

太郎 できる させる 棒 立つ

(太郎 は棒 を立 たせ るこ とが でき る。)

(25) Taro dựng cây gậy lên.

私 立てる 棒 上がる

(太郎 は棒 を立 てた 。)

(26) Bố đã làm cho con cá gỗ bơi được.

父 [既然] させる 魚 木 泳ぐ 出来る 。

(父は 木の 魚を 泳が せる こと が出 来た。)

例(25)で は「 棒」 は一 人で 立つ 力が ないた め、 太郎 は自 分の 意図 で棒 を「 立つ」 状態 に

するた め 、色々 工夫 しな いと いけ ない 。従 って 、NP2が ある 状態を 達成 する ために NP1は 工 夫し、 努力 する 必要 があ る。 一方 、太 郎の特 別な 技に つい てで はな く、 ただ 太郎の 「棒 を立 てる 」と いう 動作を 表し たい 場合 は(26)の よう に、他動 詞の dựng「立 てる 」を 用い れば 十 分であ る。 また (27)で は、NP2は木 の魚な ので 、勿 論自 発的 に泳 ぐこ とは 出来な い。「父」

はエン ジン を付 けた り、何 らか のこ と をして 泳げ る状 態に させ るこ とを 表す 。つま り、làm cho を用い る構 文は 本来 そう なり 得な い、 そうな り難 い、 また そう なる こと を予 想して いな い状 態を NP1の意 思で 現実 に導 くと いう 意 識であ る。

また、 無生 物の NP2は 原因 結果 を表 す 「NP1 khiến cho NP2 V」 にも 可能 であ る。

(27) a.Taro làm bẩn áo của Hanako

太郎 汚す シャツ の 花子

b.太郎 は花 子の シャ ツを 汚し てしま っ た。

(28) a.Taro làm cho áo của Hanako bẩn

太郎 させる シャツ の 花子 汚れる

b.太郎 は花 子の シャ ツを 汚し てしま っ た。

(29) a.Tarou làm đổ cà phê khiến cho áo Hanako bẩn mất rồi.

太郎 零す コーヒ ー させる シャツ 花子 汚れる てしま う b.*太 郎はコ ーヒ ーを 零し て、 花子 のシ ャツを 汚れ させ た。

c.太郎 はコ ーヒ ーを 零し て、 花子 のシ ャツを 汚し てし まっ た。

ベト ナム 語で は、 例(28)、(29)、(30)a は意 味上 で異 な る。 例(28) は動 作主 の太 郎 は 直接 的に 花子 のシ ャ ツを 汚す とい う意 味を 表す 。ベ トナ ム 語で は bẩn「 汚れ る」 には 対応 す る自動 詞が ない ため 、他 動詞 を表 した い場合 は làm と 結合 して 、他 動詞 化す る。従って 、(28)

a は 日本 語の (28)b に適 合す る表 現 である 。し かし 、(28)a は 動作 主で あ る「太 郎」 は意 図を持 って いる かい ない かは 明白 では ない 。一 方、(29)a では 太郎 がわ ざと 花子の シャ ツを 汚すと いう 意味 であ る。cho を 入れる と、太 郎の 意図 性が 強く なる 。一 方、(30)a で は、 太 郎の意 図を 表さ ない 。太 郎が 間接 的に 、花子 の服 を汚 して しま った とい う意 味を表 す。 つま り、太 郎が コー ヒー を零 した のが 原因 で花子 のシ ャツ が汚 れて しま った とい うこと であ る。

ベトナ ム語 では (28)、(29)、(30)は それぞ れ意 味が 異な るが 、日 本語 では いずれ も同 じで ある。

この原 因・ 結果 を表 す表 現で は、 日本 語は「 で、 ~V 他動 詞」 表現 を用 いる 傾向が 多い の に対し て、 ベト ナム 語では khiến cho使 役構文 を使 うこ とが 多い 。

また 、ベ トナ ム語で は 、無 生物の NP2 は場合 によ ってcho 使役 構文 をと るこ とも可 能で あ る。