ファイルのラウドネスを設定できます。ラウ ドネスは最大ピーク レベ ルとは対照 的であり、レベルノーマラ イザーとはまったく異な る動作 をします。たとえばラウドネス ノーマライザーは設定した -12dB のレ ベルに一致するよう、ラウドネスを処理します。
" ゲイン値の変更 ...(Gain Change...)" の場合は、ラウドネス をある値 まで増やすと、不要なクリッピングを生じます。これを抑えるにはピー クリミッター("Peak Master" プラグイン)で処理する必要があります。
ラウドネス ノーマライザーの場合は、ラウ ドネスを適切に増やしなが ら、シグナルピ ークのリミットを同 時に行い、必要なラウドネ スを得 られます。
このよ うな波形 のピー ク 部分のレベル を 0dB 以 上 に上げます。
すると、ピ ーク が削ら れ た部分の音が歪みます。
ステレオ ファイルの場合 は、両方のチャンネルに対して個別に処理さ れます。
• この処理過程には 2 つのステージがあります。まず検出を行い、そし てレンダリングを行います。
検出の結果は " 統計(Statistics)" に示さ れます。すべて適切な状況 である場合は、" 実行(Render)" ボタンを押して処理を行います。
• " 一括処理セット(Batch processor)" の中にも、ラウドネス ノーマ ライザーが用意されています。複数のファイ ルを同じ設定で一括処 理できます。
ダイアログには以下のオフションが含まれています :
項目 説明
実行後のラウドネス
(Desired Loudness)
必要なラウドネスを設定します。"+/-"の両方 の値を設定できます。
値を高く設定することは、必 ずしも良好な結 果にはなりません。リミッタ ーを必要とする ゲインを超えてしまい、歪み を生じる場合も ありま す。必要な ラウドネ スを設 定した後、
"統計(Statistics)"(下記 参照)を使 用して、
必要 な増幅 ゲイン 量とピ ーク リ ミッタ ーの 要 / 不要が確認できます。軽いピーク リミッ トは許容されますが、強くリ ミットを行った 場合はレンダリングの結 果、期待したラウド ネスを得られず、音質も 下がります。このよ うな場合には、処理が適用さ れた後に警告が 示されます。やり直すことも可能です。
間隔(最大値維持)
(Sliding interval (keep maximum))
このオプションを無効に している場合は、選 択範囲(またはファイル 全体)の総合的な平 均 ラウ ド ネス を ラウ ド ネ ス リ フ ァ レン ス
(RMS)とし て使 用しま す。有効に した 場合 は、オーディオの選択範囲内 で検出された最 大ラウドネス値が保有さ れ、これをリファレ ンスとして使用します。ファ イル全体のラウ ドネスが高いか平均的で ある場合は、このオ プションを無効にした方 が良いでしょう。ダ イナミ ックレン ジが高い ファイル の場合は、
"間隔(Sliding interval)" を使用する方が良い でしょう。
聴覚特性を考慮
(Compensate for ear's frequency sensitivity)
人間の聴覚は、中域の周波数 帯と比べて、低 域と 高 域の 周 波数 に 対 して 鈍 くな り ます。
("Fletcher-Munson" 曲線として知ら れていま す)その上、この現象は全体のラ ウドネスに も依存します(低いラウドネ スの場合、聴覚 は周波数の差異に対して敏感になります)。た とえ ば低 域成 分を 多く 含む 場合、補 正オ プ ション を使用 すると低 い RMS 値 となりま す
(低 域 につ い ては そ れほ ど 敏感 で はな い た め)。中域成分を多く含む場合は値が高くなり ます。2つのファイルのサウンドを同じ大きさ となるようにノーマライズしたい場合は、"実 行後のラウドネス(Desired loudness)"(この 場合、値を パーセン ト表示 にしてく ださい)
とこの値を同じ値にします。
オーディオ範囲から ラウドネスを検出
(Catch loudness from audio selection)
現在 のオー ディオ ファ イル(また は選択 範 囲)から検出される平均ラウドネスで、"実行 後のラウドネス(Desired loudness)"の値を設 定します。
ピークリミッター -最大ピークレベル
(Peak Limiter - Max peak level)
処理 結果 のオー ディ オに おけ る最大 ピー ク レベルを設定します。値を低くす るとラウド ネスも低くなります。
ピークリミッター -ソフトネス
(Peak Limiter -Softness)
値を高くすると、知覚ラウドネス の効果が最 大となりますが、サウンドが荒く なる場合が あります。このパラメーター を調整して、音 質と望ましい効果のバランスを 最適化できま す。
DCオフセットの除去
(Remove DC offset)
ファイル内に DCオフセットが存在する場合、
ラウドネスの算出に影響します。したがって、
このオプションを有効しておく ことをお勧め します。DC オフセットについて89 ページの
『D C オ フ セッ ト の 除去 ...(El imin a te DC offset...)』をご参照ください。
試行/ 検出 - 精度
(Attempts / Analysis -Desired precision)
"実行後のラウドネス(Desired loudness)"が ピーク リミッ ティングを必要 とする場合は、
ラウドネスも共に低くなりま す。リミッティ ングは複雑な処理を行うため、あ らかじめ算 出とゲイン変更を自動適用で きません。この オプションを利用して、求める結 果の精度を 調整できます。
項目 説明
ダイナミクスの調整 ...(Dynamics...)
この機能 は、" 処理(Process)" メニ ューで " ダ イナミックスの調整 ...
(Dynamics...)" を選択して呼び出します。このダイアログでは、コンプ レッサー、リミ ッター、ノイズゲートな どのエフェクターによ る効果 を、オフライン処理で作成できます。オーディオのダイナミック処理は 非常に奥が 深いテーマなので、このマ ニュアル上の限られたス ペース では、すべてを説明できません。ダイアログにデフォルトで付属するプ リセットを一通り試してみて、効果を確認することをお勧めします。ま た、プリセット のパラメータを変更し てみて音がどのように変 化する のを確かめてみると、理解が深まります。
" 反応時間(Time Response)"
" 反応時間(Time Response)" 部分の設定は、グラフィック部分の設定 内容にかかわらず適用されます。このオプションは、オーディオ中のレ ベルの変化が、どのように処理の量に影響を及ぼすか設定できます。
たとえば、" アタック(Attack)" は、オーディオ中の 1 つ 1 つの音の開 始部分に関係するパラメータです。この値を大きくすると、それぞれの サウンド の開始(アタック)部分が、処理 されないまま通過す る時間 が長くなります。
最初は、" 自動(Auto)" チェッ ク ボックスをオンにして試し、期待ど おりの結果 にならない場合には、それ ぞれのコントロールを使 用する ことをお勧めします。
" ノーマライズ(Normalize)"
処理の前ま たは後で、オーディオのレ ベルを最適化する際に使 用しま す。処理の前後両方で使用することもできます。この機能を実行する際 は、次の点にご注意ください。
• すべてのダイナミクス処理の効果は、処理されるオ ーディオのレベ ル(振幅)に影響を受けま す。たとえ ば、自動一括処理など を利用 して、レベルの異なるたくさんのファイルを処理 する場合、ファイ ル間で結果が異ります。この問題を避けるには、" 処理前(before)"
チェックボックスを有効にします。
試行 /検出 - 最大パス数
(Attempts / Analysis -Maximum number of passes)
WaveLab Studio は精度を上げるために、多く の検出パスを実行します。こ のオプションで は、実行するパスの最大数を指定します。
試行 /検出 - 指定ピーク レベル圧縮率
(Attempts / Analysis -Authorized peak compression)
コンプレッションを行い過 ぎると音質は劣化 してしまうため、ここで適用 するコンプレッ ション量を制限します。"-1dB"から "-20dB"の 間で値を設定できます。必要 なラウドネスを 得るために、実際に最大コン プレッション量
(-20dB)を必要となる場合は、"実行後のラウ ドネス(Desired loudness)"の値を低くするこ とを再考しましょぅ。この方 が結果が良くな ります。
不一致の場合は警告
(Warn if unmatched)
これを有効にすると、ノーマ ライズ処理の結 果、必要なラウドネスや精度 を最終的に得ら れなかった場合に警告を 示します。このオプ ションは"一括処理(Batch processor)"には含 まれていません。
統計(Statistics) 処理するファイルの情報を 表示するウィンド ウが開きます。ここにはDCオフセット、元々 のラウドネス、ピーク レベル、実行後のラウ ドネスに対して必要なゲ イン量、リミットを 行う必要の有無も示されます。
項目 説明
• " 処理前(before)" を有効にすると、処理されるオーディオのレベル が変化することがあるため、スレッショルド レベルを再調節する必 要があります。ノーマライズの詳細については、81 ページの『レベ ル ノーマライザー ... (Level Normalizer...)』をご参照ください。
• 処理によってレベルが増幅される場合は、" 処理前(Before)" の数値 を 0dB より小さくして、クリッピングが生じるのを防げます。
" 圧縮(Dynamics)"
" グラフで設定(Graphic editing)" チ ェック ボックスが無効 になって いると、ダ イナミック処理はシンプ ルなコンプレッサーと 同じように 機能 します。" 閾値(Threshold)" および " 比率(Ratio)" を設定して、
オーディオを圧縮する量を決めます。
" グラフで設定(Graphic editing)"
" グラフで設定(Graphic editing)" チェック ボックスが有効な場合、処 理を行う レベルの範囲をグラフで設定できます。つまり、リミッター、
ノイズゲート、エキスパンダーなどを、グラフ上で作成できます。それ ぞれの プリセットを例として参 照すると、グラフと処理内 容の関係を 理解しやすくなります。
• このグラフでは、入力信号は横軸に、出力信号 は縦軸に表示されま す。ま っすぐな対角線 の場合、それぞれ の入力信号と出 力信号は 1 対 1 の関係であることを示し、オーディオ信号が処理されていない ことを意味します。
処理なし
• グラフ上のラインが 45 度の角度で始まり、ある位置で下方に傾いて いる(より低い角度に変化している)場合、この位 置で、入力信号 よりも出力信号が低 くなっていることを示 します。これ により、コ ンプレッサー機能が実行されます。
コンプレッサー
• 逆に、グラフ上のラインが上方に向いている(より高 い角度に変化 している)場合、その地点から、出力信号が入力信号 より高くなっ ていることを意味します。これは、エキスパンダーに相当します。
エキスパンダー
• グラフ上のラインがある位置から水平になって いる場合、それ以上 の入力レベルでは、レベルの変化に関わらず出力信 号が一定である ことを示します。これは、リミッターに相当します。
リミッター