147
H s i
π
z =64
z =20 s
i
2
-1 -2 -3
α1-3 α1-1
4 2 3
α2-4
α1-4 -2 -1
Y 3
α2-1 α1-2
1 α2-3
0 1 X α2-2
α2-3 α2-1
図7.1-6 2K-H型機構 図7.1-7 動力流がα2型になる領域
まずω1 /ω3 =(X=)3において、α2 の領域を通過するJ直線は図7.1-7よりα2-
1の領域を通ることから J直線のω1 /ω3 軸(X軸)との交点j213 が3より大きくな ければならない。すなわち端子①、②、③とs、i,Hの組み合わせの中では図7.1-5、表
7.1-1を参考にして、①=s、②=i、③=H(jisH =j213=42/10)がこの条件に当て
はまる。したがって歯数の関係からこのJ直線上に於いて、ここでの遊星歯車機構の運動 をω1 /ω3 =3の状態に固定するためには、J直線のω1 /ω3 =3の点(e点)を通る j14直線を求めることに帰結する(図7.1-8)。即ちJ直線の通る座標は与えられているか らJ直線上のω1 /ω3 =3のY座標(ω2 /ω3)は簡単な計算によって3/8がえられる。
この点が系の動作点である。従ってe点を通るj14直線の勾配として1/8を得る。
1
1 2 2
j
1320
-1
4 6
=42/10
j
14 123
=42/32
J 直線
3/8 e
Y
X
148
ここでj14の大きさはこの直線が参照線を横切る点のX座標で与えられるので、数値とし てはこの勾配の逆数で、j14=8で与えられる。したがって歯車列Bの伝達比を8に選ぶこ とによって、今、問題としている閉路形遊星歯車機構として図7.1-9の系が解として得られ る。この系の動作点eはα2領域であるのでBの歯車列を流れる動力流P2は④から⑥を結 ぶ直結軸を流れる動力P1よりも小さい(P1/P2>1)。この動力の分流比率は動力分配の式 (6章2.3)で次のように与えられる。
P
P j
j
1 v v 2
3 21
213 3 1
1 1
1 42 10
1 3 1
2 5
.
(7.1-2)(7.1-2)式からわかるようにこの場合端子①を流れる動力は端子②の動力の2.5倍になるこ とを示している。
s H
① 1
③
π
②
B
⑤
④
⑥ v u
i
z z z z
1 2 3
4
z =64
z =20
s i
j =
14z z z z
43 2 1
=8 P
P
21
図7.1-9 e点の解
ここで系の伝達比をω1 /ω3 =3に保ったまま歯車列Bに流れる動力(②の動力)の大 きさを端子①に流れる動力の大きさに比べて,さらに小さくするには交点eをY軸と平行 に動かしてJ直線上をX軸に近づければよい。当然その時にはJ直線とj14の勾配は変わ るが、J直線上の点が横軸に近づくことはj3v21v(=P1/P2)→∞に相当し(6章2.3(1)参照)、
端子①を流れる動力は端子②を流れる動力よりも相対的に小さくなる事を意味する。した がってこの場合はj213 が3よりそれほど隔たりがなく、3以上の値をもつ遊星歯車機構の 選定を行なうことになる。そしてj14直線もまた勾配が小さくて、J直線との交点の横座標 が3となる値に定めればよい。
149
③
①
②
π
Z1
Z3
図7.1-10 題意を満たす遊星歯車機構
ところで入出力の伝達比ω1 /ω3 が3であるための機構を求めるだけならば、このよう な閉路形遊星歯車機構にしなくても、1個の遊星歯車機構で今求めようとしている伝達比 は実現できる。例えば図7.1-10のラビニヨウ型遊星歯車機構においてZ3/Z1=3の条件が 満たされるならば端子②を固定したときω1/ω3=3が満足されるので、閉路型遊星歯車機 構を構成する必要はない。従って、題意を満たすために閉路形遊星歯車機構をあえて採用 する理由は、機構の構成上求めようとする伝達比の正確な値が遊星歯車機構の構成条件に より1個の遊星歯車機構で得られない場合や、閉路型遊星歯車機構の歯車列Bの歯数を変 えることによって何段かの変速比の得られる機構がほしい場合など、特殊な場合である。
150
2
無段変速機を組み込んだ閉路形遊星歯車機構閉路形遊星歯車機構の特徴を有効に利用できるのは分路内のRに無段変速機を用いる場 合である。このような機構では無段変速機の速度比の範囲を適切に選べば、変速機の速度 比の変化範囲よりも大きい範囲で系全体の伝達比を変化させることも出来るし、逆に閉路 形遊星歯車機構の伝達比の変化範囲が無段変速機のそれより小さく繊細な変化をする装置 も設計できる。しかし、この速度の変化範囲の中での動力流が環流状態で、この部分に無 段変速機があるならば、無段変速機は入力以上の容量を必要とする場合がある。その反面、
分流領域に動作領域を選ぶことによって入力の1/2以下の小さい動力しか無段変速機に 流さず、容量の小さい無段変速機で大動力の速度を無段階に変える装置を得ることもでき る。
このような例として図7.2-1のような無段変速機を含んだ閉路型遊星歯車機構をとりあげ る。ここで3端子πは1節の場合と同様に先の図7.1-6に示す2K-H形遊星歯車機構と同じも のを考え、各軸と端子の結合状態は全ての組み合わせ(6通りの組み合わせ)の可能性をも たせてある。
z =20
ss H
①
③
B π
⑤
⑥ v u
i z =64
i
④ ②
R
2K-H
図7.2-1 Rに無段変速機を挿入した場合の機構
無段変速機Rを含んだ系(②-R-B-①)の伝達比tはボ-ル状の遊星ロ-ラの回転軸 を傾けることによって無段階に変えることができる。このときの端子②-④-①の間のω2
/ω1の最大値をtmax 、最小値をtmin とする。歯車列でつながれた1.2節の例題では、歯 車列Bの伝達比j14を決めれば閉路形遊星歯車機構全体の伝達比が定まった。ここでは同様 の考え方により無段変速機の速度比r(=ω4 /ω2 )がrmax 、rmin の間で変化したとき の閉路形遊星歯車機構全体の伝達比がどうなるかを考える。
この系はtmax 、tmaxが1.2節における例題のj14直線に相当するのでt直線とJ直線の 交点が系の動作点を定める。従って、無段変速機の速度比がrmax 、からrmin まで変化し たときrの変化に応じてtがtmaxからtmaxまで変化すれば、このときの閉路形遊星歯車機 構の変速比は図7.2-2に示すようにa,bの間の値で与えられる。この図7.2-2の概略は既に 述べたので、ここでの目的はこの線図で表される機構がどうのようになるかを線図との対
151 応で記すこととする。
p
min
1
O t
t=t v
参照線
min
j
14min
u
j
14直線
t
maxr
maxt=t
maxn n
v
u
mr
m