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2自由度遊星歯車機構のモーメント

ドキュメント内 Microsoft Word - E-1-15v3.1.doc (ページ 99-102)

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ということは動力の流れから見れば片方から入って他方から出ていくという関係でないの で単純ではない。すなわち作用点での動力の流れは作用点の運動状態によって決まるので、

力と運動方向に注目する必要がある。ここで、動力の流れについて考えるための準備とし て簡単なテコの例を挙げてその力と仕事の関係について最初に考察する。

1.2 テコの仕事の例

(1) 一端が固定されている場合

一般的な例題としてテコ(梃子)の一端が押さえられている状態を考える。図5.1-2は梃 子の端に重石を乗せて他端を足で踏んで梃子の間に挟んだ物を絞る状態を示している。こ の方法は物を圧縮する方法として昔から使われてきた。ここで足で踏む力FaをA点に加え れば梃子の理によってB、C点でFb、Fcの力が作用する。もし石に作用する重力の反力F

の大きさ25がF>Fならば石は動かずA点の変位sに伴ってC点は変位sだけ、挟ま れた物を絞ることができる。

B C

F

F F

b

c s

s

a

F

a

A

s

石 F

絞り物 c l

l

b a

図5.1-2 梃子で物を絞る装置

ここでこの力と変位の関係は

F l l

l F s l

l l s

c a b

b

a c b

a b

  a

 

, (5.1-1)

このとき絞り物が受けた仕事はFcと変位scの積(= Fcc)で表される。上式からわか るとおりこの積はA点のFとsの積に等しい( Fcc= F )。つまり入力である 足の仕事に等しい。エネルギ保存則から言えば当然のことである。

ここで梃子の各点に作用する力と変位の方向を考えると、A点のFとsはそのベクト ル方向は同じ向きである。一方、C点ではFとsのベクトル方向は逆方向を向いている。

したがってA点と,C点での力と変位のベクトルの内積の符号はA点は正であるのに対し て、C点では負となる。この関係より

Fa

s

a + Fc

s

c = 0 (5.1-2)

つまり力と変位のベクトル内積が正の場合はその力の作用点は入力であり、負の場合の作

25 ここでは梃子が石から受ける力を考えているので上向きの力のとなる

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用点は出力側端子であることがわかる。ここで梃子に関しては力と変位(速度と置き換え てもよい)のベクトル方向が同じ作用点を入力端、互いに逆向きの時出力端とする。この 条件が端子における動力流方向の決定法という。

(2) 3点が動ける場合(図5.1-3)

ここでもしA点に作用する足の力が変わらないものとすると、梃子の各作用点に作用す る力も変化はない。しかし石の重力F‘がFよりも小さいとき(F‘<F)、B点では石 は持ち上げられてsだけ変位すると考えれる。このときC点の変位はB点が動かなかった ときよりも少なくなる。そしてB点では石を持ち上げ、C点では絞る仕事をするので、こ れらの作用点はいずれも出力端と考えることができるので、それぞれの点での変位と仕事 の大きさは次のようになる。

C

F F'

b

c

s

s F A s'

F

c

b

s

s

絞り物 F B

l

l

a a a

図5.1-3 石が軽い場合

まずs’の大きさはB点が動かなかったときのC点の変位sとA点を中心として、B点 がsだけ動いたときのC点の移動量の代数和で与えられる。

s s l

l l s

c c a

a b

'   s

 (5.1-3) ここでB点とC点の仕事はそれぞれ次のようになる。

B点の仕事 F s l l F s

b s a

b a s

 (5.1-4)

C点の仕事

F s l l

l F s l

l l s F s F l

l s

c c a b

b

a c a

a b

s

a a a a

b s

'   

 



 

(5.1-5)

この場合のB、C点の変位方向はそれぞれ力の作用方向と逆方向である。したがって先 の符号の決め方を踏襲すれば、上式の関係から各作用点でのベクトルの内積の和は

Fa

s

a + Fc

s’

c + Fb

s

= 0 (5.1-6) 当然のことながらエネルギ保存則が成立している。

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ここでB点での変位とC点での変位はいずれか一方が決まれば他方も決まる関係にある が、A点での変位には依存しない。しかしB、C点が出力端であるためには作用点での変 位には限界がある。すなわち作用点での力の方向と変位の方向が逆向きであることが出力 端の条件である。そのため例えば重石の重力が大きくなり、地面にめり込んでいったとす れば、B点の変位はA点の力と同じ向きになる。この場合B点は出力から入力に変化した ことになる。

すなわち2個の出力の変位はその作用点の状態によって決まるが、梃子の2個の作用点 B、Cが同時に出力端であり続けるためにはそこに働く力の方向と同じ方向に動くことは できない。

1.3 遊星歯車内の動力流の方向

上で述べた梃子の力の作用点での入出力の条件を遊星歯車機構に応用する。その例を図

5.1-4の系で考える。ここで太陽歯車を駆動側とした場合の遊星歯車内の力の関係を図のよ

うにとる。すなわちA点が入力であることから、A点の力FAとA点の速度VAの方向は同 じ向きとなる26(図 5.1-4)。遊星歯車内のピッチ点Bと軸心O点の力の方向と大きさはA 点の力の方向と大きさが定まれば、梃子の理により定まる。

A O

B

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