Ⅲ-2設計変速領域
2.5 出力結合型による解
160
表4.2-5 J直線Ⅱ-2による機構仕様
P1/P2 速度比 r t j14
伝達比の最大値 m点 10/54 125 -0.78 -0.62
伝達比の最小値 n点 10/150 0.45 -0.28
161
る。つぎにこのj14直線と無段変速機の速度比の上限rmax(=3)とが交差する点uをと る。さらにその横座標tmax と参照線が交差する点cと原点を結ぶtmax 線をひき、系の伝 達比の上限値ω1 /ω3 =5との交点n点を求める。このn点と(1、1)点を通る直線は J直線を与えるので、J直線と横軸との交点はj213を与える。ここではj213=8.14が得ら れる。端子と要素の関係はⅢ-1直線を使っているので、①=s、②=i、③=Hを考慮 すれば、このj213の値から 2K-H 型機構の歯数の関係が求まる。すなわちj213=jisHよ り、jHsi=-zi/zs=-7.14(図7.2-17)。
1 3
14
3
5 7 11
j =34
9
9 j14線
線 r 線
min
R の 変 速範 囲
u
v
t t
t
n α
tmax min
J 直線
X Y
rmax
min max
rm1
m 参照線 2
d c
j132
a
=8.14
設計変速領域
2
図7.2-16 出力結合型の特性図
H s i
π
z z is
②
①
③
π
①
②
③
=7.14
図7.2-17 解としての遊星歯車機構
次に無段変速機の速度比の下限を求める。この値は次のようにして求まる。最初にJ直 線が系の伝達比の下限ω1 /ω3 =2と交わる点mを求める。この点と原点を結ぶ直線がt
min線を与えるので、この直線が参照線と交わる点dの X 座標がtminを定める。このtmin
とj14線の交点vのY座標が速度比の下限値rmとなる。これらのデータを表7.2-6に示す。
ここで2K-H型遊星歯車機構の伝達比として-zi/zs=-7.14が得られたが、この伝達 比を満足する機構を構成するためには遊星歯車を段付にしないと、機構構成の上では小さ
162 な容積に収まらないであろう。
表7.2-6 出力結合型の機構仕様
P1/P2 速度比 r t j14
伝達比の最大値 m点 0.325 0.44 2.33 34/9 伝達比の最小値 n点 1.59 3.0 11.3
上述の例ではn点はω1 /ω3 =5としたが、題意を満足するための値としては、設計変 速領域を広げ、n点をX>5としてもm点がX<2であるかぎり、ここでの変速範囲の要 求条件は満足している。ここで得たj213の値は8.14で5より大きいので常に上述の条件は 満足していることがわかる。
ところでここでもしj14>34/9に選ぶならば図7.2-16において交点uは右の方向に移動 するので、tmaxの勾配は小さくなる。その結果n点は下方に移動し、n点と(1、1)点 をむすぶJ直線の勾配は大きくなる。従ってj213 は8より小さい値を採ることができる。
j14<34/9ならばこれとは逆向きの効果がある。しかしここで得られた例からわかるように、
ここではv点のY座標を1より大きい値に選ぶことはできない。したがってこの場合の無 段変速機の速度比rに関しては、rmin<1でなければならない。
m点およびn点の動力流の比率を示すP1/P2(=j3v21v) はm点で約1/3、n点で約 10/6である。従って、無段変速機の容量としては入力動力のほぼ3/4の容量を必要とするが n点では、入力の3/8の動力が流れる。つまりn点では無段変速機に流れる動力のほうが端 子①に流れる動力よりも小さい。また無段変速機の速度比の変化範囲は入出力の伝達比の 変化範囲より大きく、微細な速度調整が可能な機構といえる。
入出力の伝達比5~2の領域で、動力流状態がα領域にある箇所は、入力または出力に 逆転歯車を設けることを考えるならば、第2象限においても実現可能である。その解法は 上述の方法と同じであるので読者の練習問題としておく。
s H
①
③
B π
⑤
⑥
u v
i
④ ②
R
j
His
=-7.14
入力
図7.2-18 出力結合型の機構
163
なをこのような出力結合形で、ここで要求されている伝達比がα領域の動力流状態で実 現できる機構は図7.2-18の機構とこの機構の入力または出力側に逆転歯車を設けた機構の 2種類しかない。
(2)rmin=1/3を最初に設定する方法
前項(1)の例では最初にrmax=3をとり、u点を求めることから始めたが、この手続 きをrmin(=1/3)にとり、v点を求めることから始める方法も考えられる。ここで同じj
14を使うと、図7.2-19に示すようにv点が系の伝達比の下限ω1 /ω3 =2より小さいとこ ろにきてしまう。その結果、v点の参照線上のX座標d点と原点を結んで得られるtmin線 と設計変速領域の下限線との交点m点のY座標はY>1となる。したがってここから得ら れるJ直線はⅢグループでなくなり、設計条件を満足できない。もしこの方法で設計条件 を満たすJ直線を求めようとするならばj14をさらに大きくし、v点をX>2の位置にもっ てくる必要がある。
1 3
14
3
5 7 11
j =
349