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差動制限装置

ドキュメント内 Microsoft Word - E-1-15v3.1.doc (ページ 114-118)

F FF

3.3 差動制限装置

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と車輪の間のもの、gは雪と車輪の間の走行抵抗だと考えれば、雪の上に乗っている車輪 は回転しているのに、土の上に乗っている車輪は動かないことになる。このとき自動車を 前進させるのに必要なトルクはg側の車輪は少なくともuの大きさを必要とする。ところ が土の上にあるh方の車輪は停まってしまってもエンジンはさらに回転速度を増加させ、

g方の車輪を空転させるためにエンジンのトルクはu以下に落ちてしまい結局、自動車は 動かない。

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ことになるので太陽歯車glの動力を吸収することになる。その結果左の車輪に供給される モーメントは吸収された分だけ小さくなる。

一方右側の摩擦面frg、とfrh、の間では左側と逆の現象が起こり、太陽歯車grの方が引 っ張られるようになる。つまり右の車輪に動力が供給されその分モーメントは大きくなる。

この摩擦板を通じてやりとりされるモーメントの大きさは両輪の速度の差とモーメントの 大きさによって決まる。その状態の一例を図5.3-12に示す。

M

0.5M 0.5M 0.1M

0.4M 0.6M

多板クラッチ 太陽歯車 遊星歯車

太陽歯車1

図5.3-12 LSDの動力流 図5.3-13 差動制限装置の例28

差動歯車は速度を自由に分配できるという優れた特性を持っているが、トルク分配比が 固定されていることは自動車の操縦安定性の面から見れば欠点でもある。上に示した装置 はそれを補うための装置であるが、このような装置を差動制限装置、或いはLSD(limited slip differential)とも呼ばれる。ここに示したのはその一例で種々の方式が考えられている。

後輪用デフ エンジン

前輪用デフ

センターデフ

図5.3-14 センターデフの例29

差動歯車装置は車輪の両輪の間で速度を振り分ける用途に使われるのが一般的であるが、

4輪駆動車において、エンジンの回転を前輪と後輪に振り分けるためにも使われている。

この様な装置をセンターデフと呼んでいる(図 5.3-14)。その場合も前輪に供給されるト

28 栃木富士産業(株)カタログ

29 日産自動車 カタログ

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ルクと、後輪に供給されるトルクの比が常に固定されていることは必ずしも望ましい条件 ではない。そのためセンターデフにおいても、差動制限装置が用いられることがある。

以上は開路型遊星歯車機構の例として自動車に広く用いられているデフを取り上げた。

ここでは原動機が一つで負荷が2個ある組み合わせで使われている。そして両方の負荷に は等しいモーメントを与える特長をうまく使っていた。そのためこの機構は同じ歯数の2 個の太陽歯車を構成するために傘歯車が使われた。2個の太陽歯車の歯数が異なっている 場合当然のことながらモーメントの配分比は均等ではなくなる。

図5.3-15 スイスのアプト式電気機関車 図5.3-16 アプト式機関車の駆動歯車30

そのような例としてスイスのアプト式軌道を走る電気機関車(図5.3-15)の駆動部分(図 5.3-16)がある。この例はわかりやすく示した機構であるが、実際はもう少し複雑で図中 10で示された傘歯車からなる差動歯車機構は平歯車で構成された平行軸の遊星歯車機構が 用いられている。この傘歯車6が車輪8と結合された歯車7に、一方の傘歯車2が、軌道 間にあるラック5にかみ合うピニオン4と歯車3を介してかみ合っている。そして油圧ブ レーキ13が両傘歯車の相対速度を制御する、いま仮に両傘歯車がブレーキ13によって結 合されたとすると、差動歯車機構は1体となる。

この時、歯車2と6の直径は異なるので車輪の角速度とピニオン4の角速度は異なるが、

ピニオン4は車軸に固定されていないので、その角速度の差はここでは干渉を起こさない。

しかし歯車6の直径が歯車2の直径よりも小さいので車輪の角速度はピニオン4の角速度 よりも遅くなる。つまりブレーキで両者の結合を強くすると車輪は引きずられるので、駆 動状態では電動機の動力は車輪の方に多く配分される。このようにブレーキを操作するこ とにより歯車2と6の間のトルク配分を加減して車輪と、ピニオンの動力の大きさを最適 値に制御しながら、山道を登り下りする。この考え方は車で使われた差動制限装置と同じ

30 B.Meier,M.Vogel, E.ZbidenRack-Adhedion

Rack-Adhesion Locomotive of Type He 4/4II for the SBB Grunig Line and the Furka-Oberalp Railway

109 である。

ここで述べた例はいすれも原動機が 1個で負荷が2個の場合であったが、原動機が2個 で負荷が一つの場合についても、この機構を使うことができる。その関係は負荷と原動機 の関係を入れ替えることで、同じような考察をすることができる。

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