第6章 閉路型遊星歯車機構の動力流
3.1 構造と特性図
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では電気自動車の性能アップという目的を満たす必要がある。ハイブリッドカーはこの両 睨みの中で両方の性能を満足しなければならない難しさがある。
ここでハイブリッド方式にはシリーズ方式と、パラレル方式と呼ばれるものがあるが、
プリウスではパラレル方式を採用した34。パラレル方式はエンジンと電動機の動力を重ねて 使うような方式であるために、動力の分配機構が要求される。遊星歯車機構はそのための 仕掛けとして理にかなっているので、遊星歯車機構が採用される。ここではプリウス方式 を閉路型遊星歯車機構の例題として遊星歯車機構がどのように使われているかを述べる。
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電機Gと電動機 Mは電気的に接続されていて発電機の電気出力は電池に充電する場合と、
電動機に直接供給する場合がある。逆に電動機は発電機から電力の供給を受ける場合と電 池からもらう場合の 2 通りがある。ハイブリッドエンジンとしての性能評価は電池の電力 供給能力で行われなければならない。しかしここではその部分まで立ち入る余裕がないの で、発電機と電動機の役割に限って述べることにする。
v
u
①
② ③
R π
図6.3-3 スケルトン図 図 6.3-4 システム図
ここで発電機と電動機の電気的結合は、この間で機械的には速度の無段変速が行われて いるので、発電機-電動機系は無段変速機 R と見ることができる。したがってこのスケル トン図をシステム図に描き直すと図6.3-4のようになる。ここで端子の配置が図6.3-3のス ケルトン図と右左逆になっているのは、今までの考察との一貫性を保つためのものである。
また端子vは構造図で言えば減速機の入力側に相当し、車輪につながる出力端子である。
vの先に減速機があるが、ここでは減速機部分までの考察は必要ないのでこのようにした。
なおこのシステム図からわかるようにこの系は出力結合型を示している。
ここで初代のプリウスと第 2 世代以後のプリウスの構造を少し解説しておく必要がある かもしれない。初代の構造は図 6.3-5(a)の写真に示すように遊星歯車機構(動力分割機構)
の出力①は金属ベルトで減速機に繋がっていた。これが第 2 世代以後このベルトがなくな り、図 6.3-5(b)の写真に遊星歯車機構が 2 個並んでいるような構造に変わっている。しか しこれの右側の遊星歯車機構はキャリアを固定した遊星歯車機構で通常の減速機の役割を している。全体の構造が複雑になったわけではない。そして写真の左側の機構が初代でも 使われている動力分割機構である。これをスケルトン図で示したのが図 6.3-6 で、この図 より解るようにベルトを省略した事によって全体の機構はむしろスリムになった。またこ こでは電動機Mの回転方向が逆になるが、電動機の回転方向は結線を入替えることで対応 できることがらであり、このことにより以下の説明の内容が変わるわけではない。
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図 6.3-5 初代プリウスと第 2 世代以後の変速機構造
図6.3-6 第2世代以後のスケルトン図
(2)特性図
遊星歯車機構πの端子を図6.3-4のように設定して特性図を描く。この場合遊星歯車機構 には2K-H型を採用していることは図6.3-2から分かるが、その歯数関係が定かでないので、
内歯歯車歯数zrと太陽歯車の歯数zsの比(zr/ zs)を便宜的に3とすると、j H21=-3 より、伝達比の関係からj 12H= j 123= 4、J 直線はX,Y座標上の(0、 j 123 )、および
(1,1)の2点を通過する直線で表される。したがって特性図上のJ 直線は図6.3-7の ように表される。
この特性図(図6.3-7)の横軸はω1/ω3であるので、出力軸①とエンジンの角速度の比 である。エンジンの回転方向は不変でありその回転方向を正、車が前進しているときのω1
の回転方向を正方向とするならば、横軸の正座標は車の前進方向をしめす。このように回 転方向を決めれば縦軸ω2/ω3の正座標は太陽歯車がエンジンと同一方向に回っているこ とを示している。また発電機Gに関しては通常はω2が正方向回転のとき発電している。
G エンジン M
制御装置 減速装置
電動機M 発電機G
動力分割機構π
(a) 初代
動力分割機構π
減速機
電動機M 発電機G
(b) 第2世代以後
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J 直線 2
1
1.0 3
4
0
α 1 領域 A
C
D
X 1
β領域
2領域 α
E B
ω2
ω3
ω1
ω3
図6.3-7 J 特性図