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速度の関係

ドキュメント内 Microsoft Word - E-1-15v3.1.doc (ページ 119-123)

第6章 閉路型遊星歯車機構の動力流

1.2 速度の関係

(1) 速度線図

閉路型遊星歯車機構の速度線図を図 6.1-1(b)に示すがこれの描き方は1自由度機構 のπ2の線図からひく方が描きやすい。ここでは1自由度機構は速度関係が構造から決まる ことを利用している。その順序をアルファベットで図6.1-1(b)に示した。すなわち端子③ の角速度ベクトルω3の先端とOを結んだ延長線と、π2の太陽歯車のピッチ円半径を示す 線との交点aを求める。次いでπ2のキャリアが固定されていることから、Oを通る垂線上 にπ2 の遊星歯車の中心位置b点を取り、a、b点を結ぶ指動線を引いてその延長上にπ2 の内歯歯車の周速を示すc点を取る。このc点とO点を結ぶ指動線の延長上に角速度ω2が 得られる。この角速度は端子②あるいはπ1の内歯歯車の角速度でもあるので、内歯歯車の 周速はeで得られる。一方、端子③の角速度は最初に与えたのでaを通る指動線上にπ2の 太陽歯車と同じ角速度を持つπ1の遊星歯車中心の周速fをとることができる。そこでe fを結ぶ指動線の延長上に端子①の太陽歯車のピッチ円周速を示すg点が取れる。これか ら端子①の角速度ω1が求まる。これを逆にgから描き出すと、f点を決める段階でこの点 がすぐには決められないことが分かるであろう。

ω ω ω

2

ω 平面a 3'

ω ω ω

H 2 3

ω平面

ω 平面

A

b

23

図6.1-2 π1の角速度平面 図6.1-3 π2の角速度平面 (2) 速度の幾何学的関係

閉路型遊星歯車機構の角速度に関する幾何学的関係は次のように考えることができる。

すなわちπ1機構はω1、ω、ω3’座標内でω平面を持ち(図 6.1-2)、π2機構もまた ωH、ω、ω座標内でω平面をもっている(図6.1-3)。ここでπ2機構でのキャリア固

112

定の条件はω平面とω-ω面内の交線Aで表され、この直線によって二つの角速度(ω

、ω)の関係を示している。ここで直線Aとω軸を含む面ω23平面を考えると、この平 面はπ2機構のキャリアが固定されているときのω、ωの一般的な関係をしめしている。

ところでπ1、π2は端子②と③’を共通軸としている。従ってこれを 3 次元直角座標 で表すとき、それぞれの機構におけるω座標ω2、ω3を重ねることができる(図6.1-4)。

このときω平面とω23平面が交わる交線Bが得られる。この直線Bは原点を通り、ω面 内にあるが、これがπ1、π2機構の組合せで得られる3端子①②③の角速度の幾何学的関 係を表す。すなわちこの機構の3軸の角速度はこの直線Bの上を移動することになる。そ してこの運動状態にある直線上の位置はω1, ω2、ω3のどれか一つの角速度を定めること によって一義的に定まる。つまり1自由度機構が成立したことになる。

図6.1-4 閉路型遊星歯車機構の角速度平面

(3)3端子角速度の関係との関連

角速度の幾何学的関係を一般化遊星歯車機構の角速度の関係式で表すことを考える。

まずπ1の機構に関しては次の関係が成立する。この関係はω平面を表す。

0aa1

1aa2

2aa3

3' 0aa1aa2aa3 (6.1-1) 同様にπ2の機構に関しては次のようになり、ωb平面を表す。

0abH

Hab2

2ab3

3 0abHab2ab3 (6.1-2) ここでωH=0より上式(6.1-2)は

0ab2

2ab3

3 (6.1-3)

この式はω2-ω3平面を表すが、この式(6.1-3)は次の連立方程式のように考えることもでき る。ただしこの場合は速度係数間の関係は成立していない。

a

a a a

bH

bH H b b

  

 

0

0

2 2 3 3

,

  

(6.1-4)

ω ω ω

3’

=ω

3

2

ω 平面

ω 平面

A B

23 a

113 この式(6.1-4)はω軸を含むω23平面の式を表す。

次にπ1機構とπ2機構においてω3=ω3、およびω2が共有であることを考慮して次の 連立方程式(6.1-5)を解くと

0 0 0

1 1 2 2 3 3

2 2 3 3

  

  

 

 

a a a

a

a a a

a a a

bH

bH H b b

  

  

,

(6.1-5) その解は次のようになる。この式(6.1-6)は原点を通るB線を表す。

1

 

2 3 3 2

2 1 3

3 1 2

( ) ,

a a

a b

a a

a b

  a a

a b

a a

a b (6.1-6)

この式(6.1-6)は 1.2(b)項で述べた角速度の幾何学的な関係を数式で表したものである。

このようにして得られたω空間内での直線は一つの座標値が定まると残りの座標値も一義 的に対応する。すなわち機構の速度関係が直線で表されるということは、とりもなおさず 1自由度機構に他ならない。

(4)J特性図とt直線の関係

π1の遊星歯車機構はその3個の軸と端子の対応がつけば特性図の内では1個のJ直線が 対応する。その直線の方程式は次式(6.1-7)で表されることは3章において既に述べた。

3

1

32

1 2

1

1 1

   

 



j (6.1-7)

一方、π2ではキャリアが固定されているので、端子③と②の角速度の関係は次式(6.1-8) の通りとなる。

3

j

32H

2 (6.1-8)

ここで式(6.1-8)において両辺をω1で除しても式(6.1-8)の示す条件は影響されない。この ようにして得られた式(6.1-8’)は(ω2/ω1)-(ω3/ω1)座標内での原点を通る勾配jH32

の直線を表す。これをt直線という。

3 1

32 2

1

j

H (6.1-8’)

この両式(6.1-7)、(6.1-8’)はいずれも直線の式であるが、それらは図6.1-5のような関係にあ る31。すなわちJ直線は(1,1)点を通るのに対してt直線は原点を通るので、この両者 は必ず交点tpを持つ。したがって式(6.1-7)と(6.1-8’)の連立方程式の解は交点tpの座標を示 す。その値は次のようになる。

2

1

31 2

32 32

1

3 1

32 31 2

32 32

1

  

  

  

  

p

H

p

H H

j

j j

j j

j j

,

(6.1-9)

上式(6.1-9)は次のように表すこともできる。この式は式(6.1-6)に等しい。

31 3章では特性図の座標は横軸ω1/ω3、縦軸ω2/ω3とした。ここでは遊星歯車機構の入力端子が①であ ることより横軸ω3/ω1、縦軸ω2/ω1にとっていることに注意。

114

1

 

32 32

1 2 31 2

3 32 31

j

H

jjj

H

j

2 (6.1-9’)

1. 2.(c)項との対応で上式を示すために式(6.1-7)式を次のように表す。

0  j

312

1

j

321

2

  ( ) 1 

3 (6.1-10) ここで式(6.1-5)の速度係数との対応は次のようになる。

a j a j a

a a j a

a a a

bH b

H

b

1 31

2

2 32

1

3

2 32 3

1

0 1

   

   

, ,

, ,

(6.1-11)

これらの値を幾何学的な条件から求めた式(6.1-6)に代入すると、特性図上で得られた式 (6.1-9)が得られ、両者が一致することがわかる。

図6.1-5 J直線とt直線の関係

ここで図6.1-5のtpは遊星歯車機構π1に拘束機構π2を結合したときの、この機構の動

作点を表す。ここでもし拘束機構の歯数の関係を変えると式(6.1-8’)の勾配jH32の値が変 わるので、この動作点tpはJ直線上を移動することになる。したがって拘束機構に無段変 速機を用いて連続的に速度の変換を行った場合、動作点は J 直線上を連続的に移動するこ とがわかる。

1

1 J直線

t p

ω1 ω2 ω1

ω3

ω2 ω1 p

ω3 ω1 p

π2の特性 π 1 の特性

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2 閉路型遊星歯車機構の動力

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