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57.温清飲 (うんせいいん)

ドキュメント内 Q.c i.p.ai (ページ 120-124)

 出典 龔廷賢著『万病回春』

   

やや久しく虚熱に属するものは、よろしく血を養いて而して火を清くす。

婦人経脈住まらず、あるいは豆汁のごとく、五色あいまじえ、面色痿黄、

臍腹刺痛、寒熱往来し、崩漏止まざるものを治す。(血崩門)

 腹候

   

腹力中等度前後(2‑4/5)。ときに心下痞䌤 あり(腹候図)。

 気血水

    血が主体の気血水。

 六病位

    少陽病。

 脈・舌

   

舌質は紅、舌苔は黄。脉細数。

 口訣

   

この方は、温と清と相合するところに妙ありて、婦人漏下あるいは帯下、

あるいは男子下血久しく止まぬ者に用いて験あり。(浅田宗伯)

全体では、消炎、解熱、鎮静、抗菌作用とともに滋養強壮、鎮痛、鎮痙、

循環改善の効果が得られ、清熱と補血という攻補兼施の処方となっている。

(『中医処方解説』)

 本剤が適応となる病名・病態

    a  保険適応病名・病態

効能または効果

皮膚の色つやが悪く、のぼせるものに用いる:月経不順、月経困難、血の 道症、更年期障害、神経症。

b  漢方的適応病態

血虚・血熱。すなわち、皮膚につやがない、頭がふらつく、目がかすむ、

爪がもろい、手足のしびれ感、筋肉の引きつりなどの血虚の症候とともに、

のぼせ、ほてり、いらいら、不眠、目の充血、口渇などの熱証や、鼻出血、

不正性器出血、下血など鮮紅色の出血がみられたり、灼熱感のある暗紅色 の発疹(湿潤性がない)、あるいは皮膚炎、口内炎などが生じるもの。

 構成生薬

   

地黄3、芍薬3、川芎3、当帰3、黄䊫1.5、黄柏1.5、黄連1.5、山梔子1.5。(単 位g)

 TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説

    清熱瀉火・解毒・補血活血・止血。

腹 候 = 腹 力 中 等 度 前 後

(2‑4/5)。ときに心下痞 䌤あり。

 効果増強の工夫

   

血熱と血虚の程度や原因の違いなどにより、黄連解毒湯と四物湯の割合を 変えて対処することも考えられる。

 本方で先人は何を治療したか?

   

矢数道明著『臨床応用漢方処方解説』より

婦人血崩の病、諸出血、慢性で頑固な皮膚粘膜疾患でとくに皮膚そう痒症、

慢性湿疹、尋常性乾癬、掌蹠膿疱症、皮膚炎、じん麻疹、ベーチェット症 候群(眼症状少ない)など。

龍野一雄編著『改訂新版漢方処方集』より

子宮出血、メトロパチー、子宮がん、痔、膀胱腫瘍、腎臓結核、じん麻疹。

桑木崇秀著『新版漢方診療ハンドブック』より 分泌物のあまりない熱証の皮膚疾患。

ヒ ン ト

 わが国の漢方家で本方やその関連処方をしばしば用いたのは森道伯(1867〜

1931)である。その直弟子であった矢数道明氏(1905〜2003)は次のように述べ ている。

 「本方は一貫堂蔵方の柴胡清肝湯、竜胆瀉肝湯、荊芥連翹湯等の基本をなす もので、恩師森道伯翁はこれによつて一貫堂医学の三大体質(臓毒症、瘀血症、

解毒症)の一つとしていた解毒症体質の改善を企図した。

 これらの処方は、清肝、瀉肝等の方名に示すように、いずれも肝臓機能の 障害を伴うものに用いるとされているので、本方と肝機能、あるいはアレル ギー性体質との関連性が考えられる。

 温清飲は、四物湯と黄連解毒湯との合方されたもので、温補養血に清熱瀉 火を兼ねた独自の方剤で、その応用範囲は広い。

 その応用目標は、皮膚の色が黄褐色で、渋紙のように枯燥しているものが 多い(六五%)。たいてい体質的疾患または慢性的に経過したもので、肝臓機 能障害を伴い、あるいはアレルギー性体質といわれている皮膚過敏のものに 用いられる。

 また本方を基本とした柴胡清肝湯、竜胆瀉肝湯、荊芥連翹湯等は一貫堂経 験による解毒症体質の体質改善薬として広範な治療領域を有しているもので ある。」(『臨床応用漢方処方解説』矢数道明著』)

より深い理解のために 血虚・血熱とは、栄養不良状態(血虚)とともに、慢 性の炎症、脳の充血や興奮性増大、自律神経系の興奮、血管透過性増大など がみられるものである。一般には、慢性の炎症や出血に伴って全身的な栄養 状態の悪化が加わって生じることが多いが、元来血虚の体質のものに炎症や 興奮性増大が加わって生じることもある。(『中医処方解説』)

より深い理解のために 血虚・血熱とは、栄養不良状態(血虚)とともに、慢 性の炎症、脳の充血や興奮性増大、自律神経系の興奮、血管透過性増大など がみられるものである。一般には、慢性の炎症や出血に伴って全身的な栄養 状態の悪化が加わって生じることが多いが、元来血虚の体質のものに炎症や 興奮性増大が加わって生じることもある。(『中医処方解説』)

58.清上防風湯

(せいじょうぼうふうとう)

 出典 龔廷賢著『万病回春』

   

面に瘡を生ずる者は上焦の火なり。上焦の火を清し、頭面に瘡䉜風熱の 毒を生ずるを治す。(面病門)

 腹候

   

腹力中等度前後(2‑4/5)(腹候図)。

 気血水

    気が主体の気血水。

 六病位

    少陽病。

 脈・舌

   

舌質は紅、あるいは尖紅、舌苔は黄。脈は 数、あるいは浮数。

 口訣

   

この方は風熱上焦のみに盛んに、頭面に瘡癰毒腫などの症あれども、た だ上焦ばかりのことにて中下二焦の分さまで壅滞することなければ、下へ 向けてすかす理はなき故、上焦を清解発散する手段にて防風通聖散のごと き黄硝滑石の類は用いぬなり。(浅田宗伯)

 本剤が適応となる病名・病態

    a  保険適応病名・病態

効能または効果 にきび。

b  漢方的適応病態

1 )上焦の風熱の皮疹。すなわち、身体上部(特に顔面)の発赤、熱感、か ゆみ、疼痛、化膿傾向をもつ皮疹で、目の充血、顔面紅潮、口渇などを伴 うことが多い。舌質は紅、舌苔は黄。脈は数。

2 )表熱の頭痛。すなわち、軽度の発熱、咽痛、頭痛などの症候。舌質は 尖紅。脈は浮数。

 構成生薬

   

黄䊫2.5、桔梗2.5、山梔子2.5、川芎2.5、浜防風2.5、白芷2.5、連翹2.5、黄 連1、甘草1、枳実1、荊芥1、薄荷1。(単位g)

 TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説

    祛風・清熱解毒・止痛。

より深い理解のために 以上の効能からすれば、本方は頭痛、軽症感冒、感 冒類似病態に適応できるはずである。

より深い理解のために 以上の効能からすれば、本方は頭痛、軽症感冒、感 冒類似病態に適応できるはずである。

腹 候 = 腹 力 中 等 度 前 後

(2‑4/5)。

 効果増強の工夫

   

効果を増強するために加石膏、あるいは加大黄として用う。(浅田宗伯)

処方例)  1)ツムラ清上防風湯 7.5g 分 食前   2)局方大黄末    1.0g 分 眠前

 本方で先人は何を治療したか?

   

矢数道明著『臨床応用漢方処方解説』より 面疱、頭部湿疹、眼充血、顔面充血、酒䉠鼻など。

龍野一雄編著『改訂新版漢方処方集』より

顔面に充血性のにきび、フルンケルを生じ或は眼充血、酒䉠鼻。

桑木崇秀著『新版漢方診療ハンドブック』より

血色の良い青年男女の面疱、酒䉠鼻、婦人の顔が真っ赤になってほてる場 合。

ヒ ン ト

 矢数道明氏は本方の応用や目標を次のように挙げている。

 「上焦部とくに顔面に鬱滞した熱を発表清解させるもので、次のような疾患 に用いる。面庖(にきび)強壮の青年男子に多く、女子の場合も壮実で顔色赤く、

発疹も充血して赤いもの・頭部湿疹・眼充血・顔面充血・酒䉠鼻などによい。

 上焦の実熱というのが目標で、上部(顔面や頭部)に血熱が鬱滞し、瘡を発し、

顔面赤く、上衝を訴える場合に用いる。上部に集まった熱の邪は、上部で発 表し清解する方がよい。体質もそれほど虚弱でない場合で、面疱などは赤紫 色になっているものが多い。

 面疱に用いるとき、薏苡仁を5.0gぐらい加えるとよい。通じが少ないとき は必ず大黄を0.5〜2.0g加える。便秘の傾向あるものにそのまま用いると、一 時発散の効によって発疹が増悪したようになることがある。」

 ここで上部に集った熱邪は、上部で発表し清解するのがよいと指摘してい るのは、上部の熱を解くには攻下する場合もあるからで、口訣に挙げた宗伯 の言はそのあたりの機微を述べたものである。治頭瘡一方などは攻下して頭 瘡の邪熱を除く手段である。実際の臨床はこの つの手段の間に存在するの

ドキュメント内 Q.c i.p.ai (ページ 120-124)