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54.抑肝散 (よくかんさん)

ドキュメント内 Q.c i.p.ai (ページ 114-118)

 効果増強の工夫

   

1 )ふるえ、ふらつきなど風動の症候が強ければ、

処方例)  ツムラ抑肝散      7.5g      ツムラ桂枝加竜骨牡蛎湯 5.0g(10‑1)分 食前

2 )いらいら、のぼせ、ほてりなど肝火の症候が強ければ牡丹皮、山梔子 などを加える目的で、

処方例)  ツムラ抑肝散   5.0g

  ツムラ加味逍遙散 5.0g分 朝夕食前

3 )悪心、嘔吐、腹部膨満感などの症状と、舌苔が白膩で、痰湿の症候を 伴う時は、陳皮、半夏を配した抑肝散加陳皮半夏とする。

処方例)  ツムラ抑肝散加陳皮半夏 7.5g 分 食前

 本方で先人は何を治療したか?

   

矢数道明著『臨床応用漢方処方解説』より

癎症・神経症・神経衰弱・ヒステリー等に用いられ、また夜啼・不眠症・

癇癪持ち・夜の歯ぎしり・癲癇・不明の発熱・更年期障害・血の道症で神 経過敏・四肢萎弱症・陰痿症・悪阻・佝僂病・チック病・脳腫瘍症状・脳 出血後遺症・神経性斜頸等に応用される。

龍野一雄編著『改訂新版漢方処方集』より

痙攣、驚悸、或は発熱、或は寒熱、或は嘔吐痰涎、腹脹、食欲不振、不眠 のもの、或は左直腹筋緊張、心下部つかえ、四肢拘攣、或は麻痺、不眠、

腹動、怒気あるもの。

桑木崇秀著『新版漢方診療ハンドブック』より

パーキンソン病、脳出血後のふるえ、乳幼児のひきつけ、夜驚症、眼瞼痙 攣、神経性斜頸、歯ぎしりなど。

ヒ ン ト

 怒りを外に表す患者への適応は容易だが、現代の日本人は怒りを内に秘め ており、そのあまり自分が怒っていることすら自覚しない例がある。「怒り」

の有無を丁寧に問うことが本方を活用する鍵であり、症例は意外に多い。メ

55.麻杏甘石湯

(まきょうかんせきとう)

 出典 『傷寒論』

   

1 )発汗して後、汗出でて喘し、大熱無き証。(『傷寒論』太陽病中篇)

2 )下して後、汗出でて喘し、大熱無き証。(同下篇)

 腹候

   

腹力中等度(2‑4/5)(腹候図)。

 気血水

    気と水が主体。

 六病位

    少陽病。

 脈舌

   

舌苔は黄。脈、滑数。

 口訣

   

痔疾の痛み、睾丸炎に有効である。(古矢知白)

 本剤が適応となる病名・病態

    a  保険適応病名・病態

効能または効果

小児ぜんそく、気管支ぜんそく。

b  漢方的適応病態

肺熱の喘咳。すなわち、咳嗽、呼吸困難、呼吸促迫、口渇、熱感、発熱、

無感、あるいは有汗などの症候で、舌苔は黄、脈は滑。(『中医処方解説』)

 構成生薬

   

石膏10、杏仁4、麻黄4、甘草2。(単位g)

 TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説

    清肺平喘・止咳(清肺平喘・辛涼宣泄)。

 効果増強の工夫

   

1 )咽頭痛や咳嗽の強い場合には、消炎、鎮咳の桑白皮を加えて五虎湯と する。

処方例)  ツムラ五虎湯 7.5g 分 食前

より深い理解のために 気管支炎にも用いられるが、保険請求時の病名が適 正か注意する。類似する五虎湯の適応症は、「せき」、「気管支喘息」。

より深い理解のために 気管支炎にも用いられるが、保険請求時の病名が適 正か注意する。類似する五虎湯の適応症は、「せき」、「気管支喘息」。

より深い理解のために 本方の特徴は味が淡味で服用しやすいことである。

ことに小児には服用しやすいことで知られ、確実な効果が期待される。本方 は肺熱(肺、気道の炎症)の咳嗽、呼吸困難に対する基本処方とされている。

より深い理解のために 本方の特徴は味が淡味で服用しやすいことである。

ことに小児には服用しやすいことで知られ、確実な効果が期待される。本方 は肺熱(肺、気道の炎症)の咳嗽、呼吸困難に対する基本処方とされている。

腹候=腹力中等度

(2‑4/5)。

2 )痰が多い時は二陳湯を合方する(五虎二陳湯)。

処方例)  ツムラ麻杏甘石湯 5.0g

  ツムラ二陳湯   5.0g分 朝夕食前

3 )本方はその構成から桂枝湯を合して大青竜湯に近似した方剤として運 用される。

処方例)  ツムラ麻杏甘石湯 7.5g  ツムラ桂枝湯   7.5g分 食前

 本方で先人は何を治療したか?

   

龍野一雄著『新撰類聚方』増補改訂版より

1 ) 心臓喘息・気管支喘息の発作で、或は汗が出、或は顔面浮腫、咽乾口渇、

或は胸痛、或は心悸亢進するもの。

2 ) 肺壊疽で発熱喘咳・脈浮数、臭痰膿血、渇して水を飲まんと欲するも のに桔梗を加える(類聚方広義)。

3 )痔核・睾丸炎の腫痛に使つた例がある。

ヒ ン ト

 大塚敬節氏は『漢方診療医典』で本方について次のように述べている。

 「本方は麻黄湯の桂枝の代りに石膏を加えたものであるから、麻黄湯のよう な表証がなく、そのため悪寒を訴えることなく、裏に熱があるから、口渇、

自汗を伴なうことがある。

 本方の石膏は清熱剤で、麻黄、杏仁と協力して熱を解し、鎮痛の効があり、

喘咳、自汗を治する。麻黄、杏仁は血行を盛んにして水分の停滞を疎通し、

喘咳を治する。甘草は諸薬を調和して、その薬効を助ける。

 本方は気管支喘息、喘息性気管支炎、百日咳に用い、痔核の疼痛に用いて

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