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29.麦門冬湯 (ばくもんどうとう)

ドキュメント内 Q.c i.p.ai (ページ 70-74)

  構成生薬

   

麦門冬10、半夏5、粳米5、大棗3、人参2、甘草2。(単位g)

  TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説

    滋陰益気・補益肺胃・降気。

 効果増強の工夫

   

1 )血虚を伴う場合に、四物湯合方。

処方例)  ツムラ 麦門冬湯 9.0g      ツムラ 四物湯  5.0g(1‑0‑1)分 食前

2 )口腔内乾燥などで腎虚を伴う場合に、八味地黄丸合方。

処方例)  ツムラ 麦門冬湯  9.0g     㾹   ツムラ 八味地黄丸 5.0g(1‑0‑1)分 食前

 本方で先人は何を治療したか?

   

龍野一雄著『新撰類聚方』増補改訂版より

1 )咽頭炎・喉頭炎・肺炎・肺結核・百日咳などで、乾性の咳が顔が赤く なるほど立続けに劇しく出て、咽に乾燥感、刺戟感等があり、或は略 血することもある。

2 )高血圧症・動脈硬化症・脳出血等でのぼせ感が強く、或は言語渋り或 は咽喉不利感を訴えるもの。

3 )咽をつぶし声がかれ、咽に乾燥異常感があるもの、或は老人で食物が 咽につまり通りにくいもの。

4 )腎臓結石のようで下腹から腰にかけて不快感があり、劇しく咳するも のを治した例がある。

5 )慢性の下利で癎によるものを治した例がある。

6 )産後の喘息で、大便秘結するものに使つた例がある。

より深い理解のために 気の上逆による咽喉不利、のぼせ、顔面紅潮、咽喉 の乾燥感、刺激感、連発する咳、痰は少なく切れにくい、声が嗄れる。半夏 が燥性である以外はすべて滋潤性である。

より深い理解のために 気の上逆による咽喉不利、のぼせ、顔面紅潮、咽喉 の乾燥感、刺激感、連発する咳、痰は少なく切れにくい、声が嗄れる。半夏 が燥性である以外はすべて滋潤性である。

30.真武湯(温陽利水湯)

(しんぶとう、おんようりすいとう)

 出典 『傷寒論』

   

1 )太陽病、発汗し、汗出でて解せず、なお発熱し、心下悸し、頭眩し、

身䜚動し、振振として地に倒れんと欲す。(『傷寒論』太陽病中篇)

2 )少陰病、腹痛し、小便利せず四肢沈重、疼痛し、自下利し、或は䈙し、

或は嘔す。(少陰病篇)

 腹候

   

腹力中等度より軟(1‑3/5)。胃内停水を認 めることがある(腹候図)。

 気血水

    水が主体の気血水。

 六病位

    少陰病。

 脈・舌

   

原則として、舌質は淡白、胖大、舌苔は白 滑。脈、沈遅、無力。

 口訣

   

本方のめまいは、雲の上を歩むような頼りなさ。また、まっすぐな廊下 を歩くといずれかに寄ってしまうようなものである。(藤平健)

本方の適用される症例はどこでも、沢山ある。「ただ寐(いね)んと欲する」

を見いだせばよい。(道聴子)

 本剤が適応となる病名・病態

    a  保険適応病名・病態

効能または効果

新陳代謝の沈衰しているものの次の諸症:胃腸疾患、胃腸虚弱症、慢性腸 炎、消化不良、胃アトニー症、胃下垂症、ネフローゼ、腹膜炎、脳溢血、

脊髄疾患による運動ならびに知覚麻痺、神経衰弱、高血圧症、心臓弁膜症、

心不全で心悸亢進、半身不随、リウマチ、老人性そう痒症。

b  漢方的適応病態

陽虚水泛(ようきょすいはん)。すなわち、浮腫(特に下半身)、尿量減少、

泥状〜水様便、四肢が重だるい、冷え、寒け、口渇はない、疲れやすい、

元気がない、ときに腹痛、甚だしければ腹水や胸水を生じるなどの症候。

 構成生薬

   

茯苓4、芍薬3、生姜1.5、蒼朮3、附子0.5。(単位g)

より深い理解のために 舌苔の白滑とは、水っぽく粘液でテラテラ光る苔。

より深い理解のために 舌苔の白滑とは、水っぽく粘液でテラテラ光る苔。

腹候=腹力中等度より軟

(1‑3/5)。胃内停水を認 めることがある。

 TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説

    温陽利水。

 効果増強の工夫

    0.5〜1.5gの附子末を追加する。

 本方で先人は何を治療したか?

   

龍野一雄著『新撰類聚方』増補改訂版より

1 )感冒・流感・肺炎・肋膜炎・肺結核、葛根湯や小柴胡湯を服用して反つ て熱が上昇するもの等で、発熱だけするか、或は発熱し他覚的所見が多 いのに自覚症が少いか、或は咳、軟便、小便不利等を伴う、虚証のもの。

2 )神経衰弱・メニエール氏症候群・脳出血・高血圧症・アテトーゼ・振 顧麻痺・眼球振盪症・内耳疾患・小脳疾患・錐体外路疾患等の虚証で、

眩暈・振顫・運動失調・脚弱症等があり、多くは冷え性、胃部振水音、

小便不利する。

3 )心臓弁膜症・心臓不全等の虚証で、心悸亢進、小便不利、或は浮腫軟 便のもの。

4 )腸炎・大腸炎・腸結核等の虚証で、下利、小便不利、或は腹痛、或は 胃部振水音があるもの。

5 )消化不良で、貧血、下利、小便不利、甚しければ発熱痙攣を伴うこともある。

6 )腎炎・ネフローゼ・萎縮腎の虚証で、浮腫、小便不利のもの。

7 )慢性腎炎で、高血圧、網膜出血、目眩、頭痛、頻尿を治した例がある。

8 )マラリヤで、発作前水瀉するものに使つた例がある。

9 )結核性腹膜炎の惨出液・腹水で、虚証、小便不利し、或は腹痛、或は 軟便、或は便秘のもの。

10)幽門狭窄・胃液分泌過多症・胃アトニーの類で、或は下利し、或は浮 腫するもの。

11)吐血で胸中煩悶、脈沈微、腹満、浮腫するを治した例がある。

12)脚気で四肢重だるく、或は動悸、浮腫、小便不利等のもの。

13)肥満症で虚証、貧血、動悸、小便不利等のもの。

14)癎の脱症・半身不随で口眼喎斜、搐搦するものに使つた例がある。

15)筋肉リュウマチ・関節リュウマチ等で疼重する虚証のもの。

16)湿疹・じん麻疹・老人性瘙痒症等で、患部貧血性、或は浮腫状、或は うすい分泌多量、或はかゆく虚証のもの。

より深い理解のために 本方は陽虚の浮腫に対する代表的処方である。(『中 医処方解説』)

より深い理解のために 本方は陽虚の浮腫に対する代表的処方である。(『中 医処方解説』)

ドキュメント内 Q.c i.p.ai (ページ 70-74)