構成生薬
猪苓3、茯苓3、滑石3、沢瀉3、阿膠3。(単位g)
TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説
利湿清熱・滋陰止血。水をさばき、熱(炎症)を冷まし、陰を補って止血作用を発揮する。
効果増強の工夫
血尿の場合、必要があれば顔色のよい例では黄連解毒湯と合方し、貧血様 の例では四物湯と合方する。あまり冷えの強い例には不適であり他の工夫 を要する。
処方例) ツムラ猪苓湯 7.5g 㾹 ツムラ黄連解毒湯 5.0g(1‑0‑1)㾸分 食前
処方例) ツムラ猪苓湯 7.5g 㾹 ツムラ四物湯 5.0g(1‑0‑1)㾸分 食前
本方で先人は何を治療したか?
龍野一雄著『新撰類聚方』増補改訂版より
1 )急性膀胱炎・尿道炎・膀胱結石・膀胱腫瘍・膀胱結核・淋病・フィラ リヤ病・急性腎炎・腎石・腎孟炎・腎臓結核等で排尿困難・尿意頻数・
排尿痛・血尿などがあり、或は発熱、口渇するもの。
2 )腸出血・肛門出血・子宮出血等で口渇、頻尿、或は肛門熱感、疼痛、
心煩等があるもの。
3 )喀血で口渇、心煩、不眠、咳、小便不利等を伴うもの。
4 )急性腸炎・大腸炎・直腸炎、直腸潰瘍等で、下利血便、或は小便不利、
口渇するもの。
5 )腎炎ネフローゼ等で、浮腫、口渇、小便不利し、或は血尿、或は心煩 するもの。
6 )不眠症で、或は口渇、小便不利、或は下利、咳、嘔などを伴うもの。
7 )てんかん・時々ひきつけるもので、或は下利、或は小便不利、或は不 眠心煩などするもの。
より深い理解のために 水熱互結とは、主として全身の炎症による水分の吸 収、排泄の障害で、五苓散で述べたような水分の偏在や吸収障害による下痢 がみられ、同時に循環水分量の減少に伴う口渇、尿量減少が起こる。元来陰 虚や血虚の体質のものが吸収障害を起こすと、陰虚血虚の程度が強くなり、
いらいら、ほてり、不眠などの興奮症状が明らかになる。
より深い理解のために 水熱互結とは、主として全身の炎症による水分の吸 収、排泄の障害で、五苓散で述べたような水分の偏在や吸収障害による下痢 がみられ、同時に循環水分量の減少に伴う口渇、尿量減少が起こる。元来陰 虚や血虚の体質のものが吸収障害を起こすと、陰虚血虚の程度が強くなり、
いらいら、ほてり、不眠などの興奮症状が明らかになる。
41.補中益気湯
(ほちゅうえっきとう)出典 李東垣著『内外傷弁惑論』
『弁惑論』の記述はやや要領を得ないので、後世の『万病回春』を引用する。
中気不足し、あるいは誤りて剋伐し(誤って強い薬を服し)、四肢倦怠、
口乾き発熱して、飲食味なく、あるいは飲食節を失し、労倦身熱し、脈洪 大にして力なく、あるいは頭痛悪寒自汗し、あるいは気高くして喘し、身 熱して煩し、脈微細軟弱、自汗、体倦食少なく。あるいは中気虚弱にして 血を摂むること能はず。あるいは飲食労倦して瘧痢等の症を患い、脾胃虚 するに因りて愈えること能わざる者を治す。(『万病回春』補益門)
腹候
腹力、中等度かそれ以下(2‑4/5)。ときに 胸脇苦満や臍上悸を認める(腹候図)。
気血水
気血水いずれも関わる。
六病位
少陽病。脈・舌
中気下陥・清陽不升では、脈は虚大。舌質 は淡紅。脾不統血(気不摂血)では脈は虚大。
舌質は淡紅〜淡白。気虚の発熱では、脈は 洪大で、沈取すると無力。舌質はやや紅、
苔は白。
口訣
小柴胡湯の虚状を帯ぶるものに用ゆべし。(浅田宗伯)
津田玄仙(1737-1809)は八つの目標を示した。手足倦怠、言語軽微、眼 に勢いがない、口中白沫、食味がない、熱物を好む、臍にあたって動悸、
脈散大で力なし。(『療治茶談』)
本剤が適応となる病名・病態
a 保険適応病名・病態効能または効果
消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:夏やせ、病後 の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰 萎、半身不随、多汗症。
b 漢方的適応病態:脾胃気虚の次の症候
1 )中気下陥・清陽不升。すなわち、元気がない、疲れやすい、四肢がだ るい、動作がおっくうである、立ちくらみ、頭の鈍痛、眠くなる(特に
腹候=腹力、中等度かそ れ 以 下(2‑4/5)。 と き に 胸脇苦満や臍上悸を認め る。
食後)、頭がボーッとする、汗をかきやすい、息ぎれ、便秘あるいは泥 状〜水様便などの症候、あるいは胃アトニー、遊走腎、脱肛、子宮脱、
ヘルニアなど。
2 )脾不統血(気不摂血)。すなわち、脾胃気虚の症候とともに生じる少量 かつ間欠的に持続する出血で、下半身や皮下の出血が多い。婦人では 月経周期の短縮や過多月経が生じ、経血はうすいことが多い。
3 )気虚の発熱。すなわち、慢性に繰り返す微熱で精神的、肉体的疲労に伴っ て発生する。頭痛、悪寒、自汗などがみられることもある。
構成生薬
人参4、蒼朮4、黄耆4、当帰3、陳皮2、大棗2、柴胡2、甘草1.5、生姜0.5、
升麻1。(単位g)
TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説
補気健脾・升陽挙陥・甘温除熱。効果増強の工夫
人参の増量( 2 〜 3 gを加味)、少量の附子を加味するなどがある。
全身倦怠感などの改善に、腎虚があれば六味丸や八味地黄丸と合方するの はよい手段である。
処方例) ツムラ補中益気湯 5.0g㾹 ツムラ六味丸 5.0g㾸分 食前
本方で先人は何を治療したか?
矢数道明著『臨床応用漢方処方解説』より
結核症・夏痩せ・病後の疲労・虚弱体質改善・食欲不振・虚弱者の感冒・
痔疾・脱肛・子宮下垂・胃下垂症・陰痿・半身不随・多汗症・風邪引きや すき者・虚弱児体質改善等。
龍野一雄編著『改訂新版漢方処方集』より 疲労状態、夏やせ、感冒。
桑木崇秀著『新版漢方診療ハンドブック』より
胃アトニータイプの者のカゼが長引いて微熱や痰や盗汗のとれない場合。
同様な体質者の肋・腹膜炎、肺結核、慢性副鼻腔炎。虚弱者の痔核、脱肛。
胃腸の弱い虚弱者の病後や術後の体力回復。低血圧症。
より深い理解のために 補気作用とは抗うつ作用を含むものと考えられる。
より深い理解のために 補気作用とは抗うつ作用を含むものと考えられる。