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40.猪苓湯 (ちょれいとう)

ドキュメント内 Q.c i.p.ai (ページ 92-96)

 構成生薬

   

猪苓3、茯苓3、滑石3、沢瀉3、阿膠3。(単位g)

 TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説

    利湿清熱・滋陰止血。

水をさばき、熱(炎症)を冷まし、陰を補って止血作用を発揮する。

 効果増強の工夫

   

血尿の場合、必要があれば顔色のよい例では黄連解毒湯と合方し、貧血様 の例では四物湯と合方する。あまり冷えの強い例には不適であり他の工夫 を要する。

処方例)  ツムラ猪苓湯   7.5g     㾹   ツムラ黄連解毒湯 5.0g(1‑0‑1)分 食前

処方例)  ツムラ猪苓湯   7.5g      ツムラ四物湯   5.0g(1‑0‑1)分 食前

 本方で先人は何を治療したか?

   

龍野一雄著『新撰類聚方』増補改訂版より

1 )急性膀胱炎・尿道炎・膀胱結石・膀胱腫瘍・膀胱結核・淋病・フィラ リヤ病・急性腎炎・腎石・腎孟炎・腎臓結核等で排尿困難・尿意頻数・

排尿痛・血尿などがあり、或は発熱、口渇するもの。

2 )腸出血・肛門出血・子宮出血等で口渇、頻尿、或は肛門熱感、疼痛、

心煩等があるもの。

3 )喀血で口渇、心煩、不眠、咳、小便不利等を伴うもの。

4 )急性腸炎・大腸炎・直腸炎、直腸潰瘍等で、下利血便、或は小便不利、

口渇するもの。

5 )腎炎ネフローゼ等で、浮腫、口渇、小便不利し、或は血尿、或は心煩 するもの。

6 )不眠症で、或は口渇、小便不利、或は下利、咳、嘔などを伴うもの。

7 )てんかん・時々ひきつけるもので、或は下利、或は小便不利、或は不 眠心煩などするもの。

より深い理解のために 水熱互結とは、主として全身の炎症による水分の吸 収、排泄の障害で、五苓散で述べたような水分の偏在や吸収障害による下痢 がみられ、同時に循環水分量の減少に伴う口渇、尿量減少が起こる。元来陰 虚や血虚の体質のものが吸収障害を起こすと、陰虚血虚の程度が強くなり、

いらいら、ほてり、不眠などの興奮症状が明らかになる。

より深い理解のために 水熱互結とは、主として全身の炎症による水分の吸 収、排泄の障害で、五苓散で述べたような水分の偏在や吸収障害による下痢 がみられ、同時に循環水分量の減少に伴う口渇、尿量減少が起こる。元来陰 虚や血虚の体質のものが吸収障害を起こすと、陰虚血虚の程度が強くなり、

いらいら、ほてり、不眠などの興奮症状が明らかになる。

41.補中益気湯

(ほちゅうえっきとう)

 出典 李東垣著『内外傷弁惑論』

   

『弁惑論』の記述はやや要領を得ないので、後世の『万病回春』を引用する。

中気不足し、あるいは誤りて剋伐し(誤って強い薬を服し)、四肢倦怠、

口乾き発熱して、飲食味なく、あるいは飲食節を失し、労倦身熱し、脈洪 大にして力なく、あるいは頭痛悪寒自汗し、あるいは気高くして喘し、身 熱して煩し、脈微細軟弱、自汗、体倦食少なく。あるいは中気虚弱にして 血を摂むること能はず。あるいは飲食労倦して瘧痢等の症を患い、脾胃虚 するに因りて愈えること能わざる者を治す。(『万病回春』補益門)

 腹候

   

腹力、中等度かそれ以下(2‑4/5)。ときに 胸脇苦満や臍上悸を認める(腹候図)。

 気血水

   

気血水いずれも関わる。

 六病位

    少陽病。

 脈・舌

   

中気下陥・清陽不升では、脈は虚大。舌質 は淡紅。脾不統血(気不摂血)では脈は虚大。

舌質は淡紅〜淡白。気虚の発熱では、脈は 洪大で、沈取すると無力。舌質はやや紅、

苔は白。

 口訣

   

小柴胡湯の虚状を帯ぶるものに用ゆべし。(浅田宗伯)

津田玄仙(1737-1809)は八つの目標を示した。手足倦怠、言語軽微、眼 に勢いがない、口中白沫、食味がない、熱物を好む、臍にあたって動悸、

脈散大で力なし。(『療治茶談』)

 本剤が適応となる病名・病態

    a  保険適応病名・病態

効能または効果

消化機能が衰え、四肢倦怠感著しい虚弱体質者の次の諸症:夏やせ、病後 の体力増強、結核症、食欲不振、胃下垂、感冒、痔、脱肛、子宮下垂、陰 萎、半身不随、多汗症。

b  漢方的適応病態:脾胃気虚の次の症候

1 )中気下陥・清陽不升。すなわち、元気がない、疲れやすい、四肢がだ るい、動作がおっくうである、立ちくらみ、頭の鈍痛、眠くなる(特に

腹候=腹力、中等度かそ れ 以 下(2‑4/5)。 と き に 胸脇苦満や臍上悸を認め る。

食後)、頭がボーッとする、汗をかきやすい、息ぎれ、便秘あるいは泥 状〜水様便などの症候、あるいは胃アトニー、遊走腎、脱肛、子宮脱、

ヘルニアなど。

2 )脾不統血(気不摂血)。すなわち、脾胃気虚の症候とともに生じる少量 かつ間欠的に持続する出血で、下半身や皮下の出血が多い。婦人では 月経周期の短縮や過多月経が生じ、経血はうすいことが多い。

3 )気虚の発熱。すなわち、慢性に繰り返す微熱で精神的、肉体的疲労に伴っ て発生する。頭痛、悪寒、自汗などがみられることもある。

 構成生薬

   

人参4、蒼朮4、黄耆4、当帰3、陳皮2、大棗2、柴胡2、甘草1.5、生姜0.5、

升麻1。(単位g)

 TCM(Traditional Chinese Medicine)的解説

    補気健脾・升陽挙陥・甘温除熱。

 効果増強の工夫

   

人参の増量( 2 〜 3 gを加味)、少量の附子を加味するなどがある。

全身倦怠感などの改善に、腎虚があれば六味丸や八味地黄丸と合方するの はよい手段である。

処方例)  ツムラ補中益気湯 5.0g  ツムラ六味丸   5.0g分 食前

 本方で先人は何を治療したか?

   

矢数道明著『臨床応用漢方処方解説』より

結核症・夏痩せ・病後の疲労・虚弱体質改善・食欲不振・虚弱者の感冒・

痔疾・脱肛・子宮下垂・胃下垂症・陰痿・半身不随・多汗症・風邪引きや すき者・虚弱児体質改善等。

龍野一雄編著『改訂新版漢方処方集』より 疲労状態、夏やせ、感冒。

桑木崇秀著『新版漢方診療ハンドブック』より

胃アトニータイプの者のカゼが長引いて微熱や痰や盗汗のとれない場合。

同様な体質者の肋・腹膜炎、肺結核、慢性副鼻腔炎。虚弱者の痔核、脱肛。

胃腸の弱い虚弱者の病後や術後の体力回復。低血圧症。

より深い理解のために 補気作用とは抗うつ作用を含むものと考えられる。

より深い理解のために 補気作用とは抗うつ作用を含むものと考えられる。

ドキュメント内 Q.c i.p.ai (ページ 92-96)