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구보가 화를 내니까, 안회남은 이렇게 나왔다.

「나도 그때 있었지만, 구보는 반대하지 않았소. 회원의 가입문제는 상허가 자기 마음대로 했는데 누가 무어래요. 어쨌든 구보는 아무 죄도 없으니, 무정지책(無情之責)은 맙시다.」

이상이 중간에서 이렇게 중재하고, 안회남의 잔에 술을 따르면서,

「자 술이나 유쾌하게 마시지, 무얼 쓸데없이 따지는 거요.」

그랬더니 안회남이 불끈 화를 내고, 술잔을 던져버렸다.

「너희들이 한패가 돼서 나를 공격하는 거지. 옳다. 어디 한번 해 보자!」

안회남은 벌떡 일어서더니 구보의 멱살을 쥐고 의자 밖으로 끌어냈다.

「이거, 이거, 왜 이래요. 회남! 이 멱살 놓아요.」

이상이도 벌떡 일어나서 회남을 뜯어말리고, 구보의 멱살을 놓게 하느라고 법석을 하였다.

멱살을 잡힌 구보는 얼굴이 하얘져서 끌려가면서,

「아니, 이사람이 미쳤다, 이게 무슨 짓야.」

하고 창피한 듯이 웅성대는 다른 주객을 바라보았다.

「너는 건방져. 되지 않은 소설을 쓴답시구 남을 우습게 멸시하구. 네가 무어냐 말야. 너 오늘 내 맛 좀 봐야 한다.」

안회남은 정말로 싸울 작정인지 구보를 끌고 길거리로 나가려고 하였다. 옆에서 이상이 열심히 말리고, 이상의 눈짓으로 늙은 주모도 나와서 안회남의 팔을 붙들고,

「점잖은 냥반들이 이게 무슨 짓이여요. 어서 멱살 놓고 말로 하세요.」

하고 멱살 쥔 손을 잡아당겼다.

「이태준이 놈이 왕초가 되고 너희들이 졸병이 되어가지고 문단을 좌지우지한다지. 우선 오늘은 구보 너, 내 주먹 맛 좀 보아야 한다. 그리구 다음은 이태준이 놈도 가만두지 않을 테다.」

이런 소리를 하면서 안회남은 구보의 멱살을 늦추지 않았다.〔…〕

〔…〕〔安懐南の台詞〕「九人会入会問題の時に君〔仇甫〕が一番強く反対したって聞いたけど、ならそ の時君は賛成したってことですか?」

先日金裕貞を入会させる時に安懐南の話が出たのだが、その際に尚サ ン〔李泰俊の号〕が彼の件はもう 済んだことだから二度と口にしないようにしようと言い、そのため入会の可否以前に口封じがなされた 経緯があった。安懐南の話は彼自身が入会を強く希望しており、会員の加入問題が議論される度に話題 に上っていたのだが、尚虚がよく思っておらず毎回入会は実現されないままであった。

「あいつやくざみたいに人殴ってばかりじゃないか!」

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尚虚がこう不満に思っていたため、それにあえて反対して入れさせてやろうと強く出る者はおらず、

いつも失敗に終わっていたのだった。前回の金裕貞の入会の際にも尚虚が〔安懐南の話は〕口にしない ようにしようと言って駄目だったのである。その時仇甫は一言も発言していなかったのだが、誰かが〔安 懐南に〕間違った話を伝えたのだった。

「ちょっと、それは何の話ですか。私はその時ずっと黙ってたのに反対しただなんて、誰がそんな話を したんですか。

腹を立てた仇甫の声も大きくなった。

「尚虚って人は君が何か言えば反対せず従う人らしいのに、どうして君はその時そうせず入会させよう と言わなかったんです? それは私に反対したってことじゃないですか。間接的に反対したってことな んじゃないですか?」

腹を立てる仇甫に対し安懐南もこう乗り出した。

「僕もその時いたけど、仇甫は反対してなかったですよ。会員の加入の問題は尚虚が自分の思い通りに してきたのに、誰が何と言おうと全然関係ないじゃないですか。ともかく仇甫は無罪なんだから、理由 もないのに責めるのはやめましょう。

李箱が間に入ってこのように仲裁し、安懐南の杯に酒を注ぎながら、

「さあ、酒でも楽しく飲みましょう。無意味なことばかり何を問い詰めてるんですか。 これを聞いて安懐南は急に怒り出し杯を投げ飛ばした。

「お前らぐるになって俺を攻撃してんだろ。よしこうなったら!」

安懐南はやおら立ち上がり、仇甫の胸ぐらを掴むと椅子の外に引きずり出した。

「おいおい何してんですか、懐南! その手放しなさいよ。

李箱もがばっと立ち上がって懐南を取りなし、仇甫を掴んだ手を引き離そうとして大騒ぎになった。

胸ぐらを掴まれた仇甫は顔を蒼白にして引きずられていきながら、

「ちょっと、こいつ頭おかしいんじゃないのか? やめてくれよ!」

と恥ずかしそうな様子でざわめき立つ他の客たちを見やった。

「お前は生意気なんだよ。たいした小説も書けないっていって人を馬鹿にして。じゃあお前は何だって んだ? こいつ、今日は痛い目にあわしてやる!」

安懐南は本当に喧嘩をするつもりなのか、仇甫を引きずって道に出ていこうとした。横では李箱が懸 命に止めさせようとし、彼の目配せで年老いた店の女将も出てきて安懐南の腕を掴みながら、

「礼儀をわきまえた方々が何てことなさるんですか。早く手を放して言葉でなさって下さいよ。」

と胸ぐらを掴んだ手を引っぱった。

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「李泰俊の野郎が親分になって手下のお前らが文壇を思いのままにしてるっていうじゃねえか! まず 今日は仇甫、お前に一発食らわせんとな! そしてお次は李泰俊の野郎もただじゃおかねえからな!」

こう言いながら安懐南は仇甫の胸ぐらの手を緩めなかった。〔…〕300

ある程度の誇張や事実と異なる部分がある可能性は否めないが、このような彼の言動に はボクシングに対する興味や関心があったことや、荒々しく積極的で大胆な「やくざ気質」

という性格の側面がよく反映されていると見ることができる。安懐南の心中に秘められた 積極的で強気な性格は、恋愛感情を抱いている異性に対してのみならず、酒という要素が 介入した時にも表に現れていたようである。

以上の各資料から読み取れる安懐南の性格や人物像をまとめると以下のようになる。

・感傷的で「センチメンタル」な性格である。彼の感傷癖は目に見えず実体のないもの、

あるいは抽象的・観念的なものに対する妄想・空想に自己陶酔することによって起こるこ とが多い。妄想や空想に耽ることが多いため日頃は無口である。また幼少の頃から臆病な 性格であったと見られ、消極的・内向的で小心者であり悲観的である。

・しかし同時に作家的な繊細な感覚とともに強い情熱を内に秘めた人物であったと言える。

その情熱は恋愛感情を抱く異性に対して、あるいは酒という要素が加わった時にとりわけ 強く発揮され、積極的、強気で大胆かつ荒々しい言動を見せる時がある。

・文人として活動しながらも園芸・ボクシング・水泳といった多様な趣味や興味関心を持 ち、活発で活動的な日常生活を送っていた。日頃から運動して体を鍛えており、結婚後は 一家を率いる夫・父親として責任感のある姿を見せ、家族愛のたいへん強い人物であった。

・しかし不規則、不健康で怠惰な生活から病気にかかり、本格小説を志したり私生活を改 善したりしようという意欲を表明しつつもそれを実現できない自律性のなさ、精神力の弱

300 조용만(1987)‘이상시대, 젊은 예술가들의 초장3 이상정지용박태원정인택구본웅김유정의 삶과 죽음의 이야기’“문학사상”문학사상사(趙容萬(1987)‘李箱時代、若き芸術家たちの肖像3 李箱・鄭芝溶・朴泰遠・鄭人沢・具ク ・ヌ ン・金裕貞の生と死の物語’“文学思想”文学思想社)19876月号

pp.308~309。これによると安懐南は当時九人会への入会を強く希望していたことになるが、彼が1933

の九人会結成以来ずっと入会を望み続けていたのか、あるいは一時的な強い願望に過ぎなかったのか、本 資料のみでは断定が不可能である。また李泰俊が安懐南の加入を認めなかった理由について、引用内では 安懐南が「やくざみたいに人殴ってばかり」であるからと語られているが、これは表面的な返答に過ぎず、

彼の入会を容認することができない文学的・文壇的な深い理由が別にあったことも否定できないだろう。

上述の通り安懐南は1930年代を通じてどの文学的な団体にも属さなかった作家の一人であるが、彼と九人 会との関係の問題については今後さらなる資料の収集と、九人会に属していた各作家らの作品との比較作 業などが必要とされる。

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