第 9 章 投資形態
3. 間接税
間接税は製造や販売等に伴う物品やサービスに課税される消費税である。利益に対して 課税される直接税とは性質が異なる。インドでは税制が複雑と言われるが、その大部分が この間接税に関する事項といえる。複雑な間接税を体系的に捉えることは難しいが、大枠 は図表 12-7のとおり整理できる。以下、代表的な間接税である、関税、物品税、中央販売 税、州付加価値税(州VAT)、サービス税、関税の概要を説明する。
33 課税所得 1 億ルピー超の場合のサーチャージ引き上げは 2013 年予算案に基づく 1 年限りの措置。
34 2013年予算案による引上げにより、源泉税(ロイヤルティ、技術上の役務)で25%となる。
79 図表 12-7 間接税の概要
(1) 関税
インド国外からインド国内への物品の輸入やインドからの輸出について課税される。イ ンドの関税は、基本関税、追加(相殺)関税、特別追加関税から構成される。
図表 12-8 関税
項目 税率 備考
基本関税 0-10% 農産物や乗用車等、基本関税率が10%を超える例外もある 追加(相殺)関税 12%35 国内で物品税がかかる品目を輸入する場合、整合性を図る
ため、物品税と同率の追加(相殺)関税が課される
特別追加関税 4% 国内の物流・販売に係る諸税との相殺を目的として2006年3 月1日に導入
(2) 物品税
インド国内で製造または生産された物品に対して課税される。基本税率は 12%であり、
実効税率は教育目的税を含めて12.36%となる。当税は製造業者が出庫した時点で課税され る。物品税法では、「物品税を課題に支払った場合」、「輸出製品に対して物品税」を支払っ た場合において、物品税の還付及び控除を認めている。
(3) 州付加価値税(州VAT)
州内の販売に対して、仕入税額控除を差し引いた付加価値部分につき課税される。当税 は製造、販売業者の両者に適用され、製造及び販売における複数段階での付加価値が課税 対象となる。州VATの税率は州ごと、物品の性質ごとに異なり、非課税~20%と幅がある ため、注意が必要となる。
35 一部の製品を除いて12%。
サプライヤー
インド国内
メーカー 小売(販売) 消費者
小売
(サービス提供)
消費者
州内
(1)関税 (2)物品税 (3)州VAT
(4)中央販売税
(5)サービス税
80 図表 12-9 州付加価値税(州VAT)
種類 税率 備考
基本税率 12.5% デリー準州等、近年、各州の歳入維持を目的に税 率を引き上げる動きあり
州VATは物品の販売のみに課税され、サービス 提供には課税されない
州を超える物品販売には州VATは課税されず、
一定の前提の下、2%の中央販売税(CST)が課さ れる
輸出は免税となり、輸出製品の購入や部品・原材 料購入時に支払った州VATは全額還付される
SEZ内企業や100%輸出志向型企業(EOU)は部 品・原材料購入に係る州VATは免除される
製品の再販については、付加価値分(価格上乗せ 分)が州VATの課税対象となる
機械等の資本財、農業・工業の中 間投入物、特定の生活必需品、IT 関連製品等
4%
金・銀・宝飾品等 1%
石油製品やアルコール飲料等 20%
(4) 中央販売税
インド国内の州を越えて物品を販売した時に課税される。中央販売税法に従って必要書 類を作成することを条件に 2%の税が課される。必要書類が整備されていないと 10%と販 売元の州VATのうち、高い方の税率が適用されるため注意が必要である。進出日系企業の 間では当税の回避策として、製造州とは別に納品先州に自社倉庫を設け、そこから納品先 に供給するといった対策もされている。
(5) サービス税
ネガティブ・リスト記載分野や例外項目などを除いた、所定のサービスの提供に対して 課税される。対象となるサービスの総数は100種類を超える。サービス税の基本税率は12%
であり、教育目的税を加算した実効税率は12.36%となる。また、課税サービスの提供者は、
一定の条件を満たした場合36、サービス税の免除や、納税済みサービス税の還付を受けるこ とが可能である。
36 ある企業の提供したサービスの「評価額」の合計が年間100万ルピーを下回る場合、サービス税が免税 となる。また、インド国外から提供されるサービスについてはサービス受領者に納税義務があるが、イン ドから国外に提供されるサービスは原則、免税となる。
81
第13章 用地取得
日系企業が独資37で進出する場合には、「インド政府や開発公社が開発した工業団地への 入居」と「民間保有の土地の取得」の二通りが考えられる38。