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図表 4-2 主要国の直接投資受入比較(2010~2012年)5

(出所)UNCTAD ”World Investment Report 2013”より作成

ひとくちメモ(5):インド企業を取り巻くM&A の状況

インド国内の経済減速を背景に、インド企業を取り巻くM&Aも低調に推移している。2012年第3四 半期における M&A の件数及び金額は下記表のとおりである。前年度の同時期と比較すると、国内・

海外いずれにおいても減少傾向にあるが、ホテル・リゾート分野ではインド地場企業が外資企業に対し て積極的に買収交渉を仕掛けている。2012年7月には、インドの複合企業サハラ・インディア・パリワ ールが、ニューヨークのプラザホテルを 5.7 億ドルで完全子会社化し、同国における当年度の最大買 収案件となった。また、グジャラート州では 2013 年度にインフラ関連やエンジニアリング、製薬、水分 野を中心に総額5,000万ドルのM&A案件が発生すると予測されており、今後、業種や分野によって はM&Aが増加する動きがみられる。

図表 4-3 M&Aの状況

2011年第3四半期 2012年第3四半期

件数(件) 金額(100万ドル) 件数(件) 金額(100万ドル)

全体 202 6,909 161 3,399

インド企業間の買収 110 1,939 93 1,170

外資企業によるインド企業の買収 50 1,220 34 662 インド企業による外資企業の買収 42 3,750 34 1,567

(出所)Ernst & Young, “Transactions quarterly A perspective on the Indian transactions market

(2012) ”より作成

5 国際収支ベース、ネット、フローのデータ。

(単位:100万ドル)

米国 197,905 米国 226,937 米国 167,620

中国 114,734 中国 123,985 中国 121,080

ベルギー 85,676 ベルギー 103,280 香港 74,584

香港 82,708 香港 96,125 ブラジル 65,272

ドイツ 57,428 ブラジル 66,660 バージン諸島 64,896

シンガポール 53,623 オーストラリア 65,297 英国 62,351

英国 50,604 バージン諸島 62,725 オーストラリア 56,959

バージン諸島 49,058 シンガポール 55,923 シンガポール 56,651

ブラジル 48,506 ロシア 55,084 ロシア 51,416

ロシア 43,168 英国 51,137 カナダ 45,375

アイルランド 42,804 ドイツ 48,937 チリ 30,323

スペイン 39,873 カナダ 41,386 アイルランド 29,318

オーストラリア 35,242 フランス 38,547 ルクセンブルク 27,878

ルクセンブルク 34,753 インド 36,190 スペイン 27,750

フランス 33,627 イタリア 34,324 インド 25,543

スイス 32,550 スペイン 26,816 フランス 25,093

サウジアラビア 29,233 チリ 22,931 インドネシア 19,853

カナダ 29,086 ルクセンブルク 22,166 コロンビア 15,823

メキシコ 21,372 メキシコ 21,504 カザフスタン 14,022

インド 21,125 ケイマン諸島 19,836 スウェーデン 13,711

インドネシア 13,771 インドネシア 19,241

タイ 9,147 タイ 7,779 タイ 8,607

日本 ▲ 1,251 日本 ▲ 1,755 日本 1,731

(参考)世界計 1,408,537 (参考)世界計 1,651,511 (参考)世界計 1,350,926

2010年 2011年 2012年

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2. 国別受入動向

直接投資の受入状況を国別にみると、インドへの最大の投資国はモーリシャスであり、

全体の約 4 割を占めている。また、2000~2012 年度における累計直接投資額は、モーリ シャスに次いで、シンガポール、英国、日本、米国の順に直接投資額が多い。

モーリシャスは非居住者インド人(NRI)と呼ばれるインド系移民が国民の約 7 割を占 めており、インド政府は伝統的にNRIを税制面で優遇する傾向にある。2国間には租税条 約が締結されており、モーリシャスの現地居住者である企業は税制面で優遇を受けること ができる。欧米企業を中心とする企業が節税など租税条約上のメリットを享受するため、

モーリシャス経由でインドに迂回投資をしており、それがモーリシャスの投資額の高さと なって表れている。モーリシャスの多くの会計事務所はモーリシャス籍の株主と役員をノ ミニー (Nominee) という制度で、迂回投資目的の会社に名義貸ししているようである。

例えば、インドとモーリシャス間の二重課税防止条約では株式売買のキャピタル・ゲイン 課税が居住国でなされることになっているが、モーリシャスにはキャピタル・ゲイン課税 制度がないなどが具体的なメリットとして挙げられる。

また、シンガポールからの直接投資も拡大傾向にある。その背景としてはインド・シン ガポール包括的経済協力協定の発効に伴う投資自由化措置にあり、その影響により金融や 不動産を中心に投資額が伸びている。英国や米国等の欧米企業はIT企業の開発やBPO拠 点としての投資が多く、日本からは自動車等の製造業への投資が多い。

図表 4-4 インドの直接投資受入状況(各国の割合)

(出所)Department of Industrial Policy & Promotion “FDI Statistics”より作成 2012年度総額

224億ドル

00~12年度累計 1,934億ドル モーリシャス

42%

シンガポール 英国5% 10%

日本10%

米国2%

オランダ8%

キプロス2%

ドイツ4%

フランスU.A.E 1%3%

その他12%

モーリシャス 38%

シンガポール 英国9% 10%

日本8%

米国6%

オランダ5%

キプロス4%

ドイツフランス3%2%

U.A.E 1%

その他15%

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3. 業種別受入動向

業種別直接投資(FDI)は、図表 4-5のとおり。2000年度~2012年度の累計投資額は、

サービスが372億ドル(シェアは19.3%)と最大で、次いで、建設(221億ドル、同11.4%)、 通信(129 億ドル、同6.6%)となった。

図表 4-5 直接投資の業種別流入動向

(出所)Department of Industrial Policy & Promotion ”FDI Statistics”より作成

ひとくちメモ(6):積極的なインフラ投資を進める第12次5ヶ年計画

2012年度から始まった第12次5ヶ年計画では、1兆ドル規模のインフラへの大規模な投資が計画 されている。これは、第11次計画で示された5,000億ドルを大幅に上回る投資計画である。政府は安 定的な経済成長とインフレ抑制を実現するため、海外からの資金調達も積極的に受入れていく方針を 示した。既に、外国人投資家によるインド債券投資の上限額引き上げやインフラ債ファンドに対する海 外投資の規制緩和策を打ち出してきている。こうした政策意向を背景に、インフラ関連産業の成長が 期待される。

図表 4-6 第12次5ヶ年計画(2012~2016年度)の概要 概要

・GDP成長率を9~9.5%に設定(10次:7.7%、11次:8.2%)

・「エネルギー」、「水」、「環境」の3分野が最重要分野

・「健康」、「教育」、「職業訓練」の3分野への予算執行を拡充

農業・農村分野 成長率4%目標、農産品流通規制(APMC)改革、雇用保険の再構築 水資源 都市化・工業化による、飲料水と灌漑用水の逼迫問題の解消

工業・製造業 成長率11~12%目標、R&D促進、FDI促進、コスト低減、NMIZ導入 教育・職訓 全ての国民に教育を(質から量へ)、職業訓練校の改革

健康 GDP2~2.5%を健康予算、公衆衛生の向上、健康保険の普及に充当

エネルギー 新規で10MW(11次は5万)、石炭の有効利用、原子力と太陽光促進 輸送インフラ DFC西部・東部回廊の完成、港湾とのリンケージ拡充

都市化 上下水・ゴミ処理・低価格住宅・公共交通の整備、20年で約60兆ルピー 非計画支出予測 給与8%、年金12%、軍事10%、地方交付金14%、補助金5%

(出所)JETROより作成

(単位:100万ドル)

2010年度 2011年度 2012年度

構成比 サービス 3,296 5,216 4,833 37,235 19.3%

建設 1,663 3,141 1,332 22,080 11.4%

通信 1,665 1,997 304 12,856 6.6%

電気電子 780 796 486 11,691 6.0%

医薬 209 3,232 1,123 10,318 5.3%

化学 2,354 4,041 292 8,881 4.6%

自動車 1,299 923 1,537 8,295 4.3%

電力 1,272 1,652 536 7,834 4.1%

冶金 1,098 1,786 1,466 7,507 3.9%

ホテル・旅行 308 993 3,259 6,631 3.4%

その他 7,439 11,344 7,255 60,075 31.1%

合計 21,383 35,121 22,423 193,403 100.0%

2000-2012年度累計 100万ドル

産業類型

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4. 投資先地域別流入動向

地域別直接投資(FDI)は、図表 4-7 のとおり。2000~2012年度の累計投資額は、マ ハラシュトラ州(ダートラー・ナガルハヴェーリー及びダマンディーヴを含む)が 633.4 億ドル(シェアは 32.7%)と最大で、次いで、デリー近郊(デリー、ウッタル・プラディ ッシュ及びハリヤナ両州の一部、362.9億ドル、同18.8%)が続く。このほか、タミル・ナ ドゥ州(ポンディチェリーを含む、110.8億ドル、同 5.7%)、カルナタカ州(107.8億ドル、

同5.6%)、グジャラート州(86.5億ドル、同 4.5%)、アンドラ・プラデシュ州(79.7億ド

ル、同 4.1%)といった地域を中心に投資が流入している。

図表 4-7 主要地域の投資受入動向

(出所)Department of Industrial Policy & Promotion “FDI Statistics”より作成

(単位:100万ドル) 投資受入州 地域 2000-2012年度

累計 構成比 マハラシュトラ、ダートラー及びナガル・ハヴェー

リー、ダマン・ディーウ ムンバイ 63,337 32.7%

デリー、西部ウッタルプラデッシュ及びハリヤナ ニューデリー 36,294 18.8%

タミル・ナドゥ、ポンディチェリー チェンナイ 11,081 5.7%

カルナタカ バンガロール 10,784 5.6%

グジャラート アーメダバード 8,650 4.5%

アンドラプラデッシュ ハイデラバード 7,968 4.1%

西ベンガル、シッキム、アンダマン・ニコル諸島 コルカタ 2,306 1.2%

パンジャブ、ハリヤナ、ヒマチャル・プラデッシュ チャンディーガル 1,201 0.6%

マディヤ・プラデッシュ、チャッティスガル ボパール 997 0.5%

ケララ、ラクシャディープ コチ 911 0.5%

ゴア パナジ 771 0.4%

その他 49,103 25.4%

合計 193,403 100%

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5. 日本からインドへの直接投資

インドの進出日系企業では利益再投資が活発に行われているが、インドの投資国別直接 投資統計(実行額ベース)は再投資を含まないことに留意が必要である。日本からの対イ ンド投資は、1998 年のインド核実験以降低迷していたが、2006年度以降は順調に増加し、

2011年度は過去最高額を記録している。しかし、国内の経済減速を背景に、2012年度は前

年度比25%減となった。

図表 4-8 日本からの対インド直接投資の推移(実行額ベース)

(出所)Department of Industrial Policy & Promotion “FDI Statistics”より作成 4.1

11.8

15.6

29.7

22.4

0.0 5.0 10.0 15.0 20.0 25.0 30.0 35.0

2008 2009 2010 2011 2012

(億ドル)

(年度)

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