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(1) インダス文明からムガール帝国まで

紀元前25世紀頃より、インダス川流域でインダス文明が発展したと知られている。紀元 前15世紀頃よりアーリア人がパンジャブ地方に進出して、先住民を征服。紀元前10世紀 頃には、ガンジス川流域へと勢力を拡大し、農耕社会や商工業の発展が見られるようにな った。紀元前 5 世紀には、釈迦によって初期仏教が創始されたと言われている。紀元前 4 世紀後半にはインド初の統一王朝が成立し、紀元前 3 世紀のアショーカ王の時代に最盛期 を迎えた。官僚制に基づく中央集権政治が繰り広げられ、強固な古代帝国が築かれたが、

紀元前2世紀後半には衰退した。2世紀にはローマ帝国との活発な交易が展開される中、南 インドにも仏教が広がっていった。そして、4 世紀後半に、グプタ朝が北インドを統一し、

ヒンドゥー教や文化・学問が発展していったとされる。

10 世紀後半より、イラン系王朝が北インドへの進出を進め、デリーを中心に、イスラム 王朝が樹立された。一方、南インドでは、ヒンドゥー王国がインド洋貿易を通じて繁栄を 遂げていた。16世紀にはムガール帝国が誕生し、約300年間の安定的な統治体制が築かれ た。ペルシア色の強いインド・イスラム文化が発展し、タージ・マハルもこの時代に建設 されている。

(2) 英国統治時代から独立へ

17世紀には英国東インド会社による開発が進められ、1858年から1945年まで英国の支 配下となった。1919年より、マハトマ・ガンディーが多くの人々を巻き込みながら、非暴

100 ルピー紙幣(裏面)

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力・不服従の独立闘争を展開し、1947年に独立を果たした。しかし、イスラム教徒とヒン ドゥー教徒の対立は根強く、イスラム教徒多数派地域はパキスタンとして分離独立した。

1950年には、インド憲法が施行されて社会主義共和国へと移行した。

(3) 社会主義国家の建設と挫折

初代首相ネルーは、冷戦時代においても、平和五原則の下で、いずれの陣営にも属さな い非同盟の立場を取った。しかし、冷戦を終えた現在においても、パキスタンや中国との 領土問題では緊張状態が続いている。また、社会主義の志向の下で、保護貿易や計画経済 が進められた結果、経済の停滞を招くこととなった。

(4) 経済の自由化と経済連携の動き

1991年、長引く経済の停滞を打開するため、ラーオ首相はインドの経済改革を行った。

海外の直接投資を積極的に受入れる等して、経済の自由化を進めた結果、飛躍的な経済成 長を遂げた。特に21世紀以降の経済成長は目覚ましく、現在もBRICsの主要国として注 目を集めている。英語や数学を強みに多くの情報技術者が輩出され、主にIT分野における BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業が急速に発展を遂げている。また、

豊富な労働力を背景に、自動車産業等を中心とした労働集約型産業も集積し始め、各国と の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を推進し、更なる経済発展を推し進めて いる。

15 図表 1-11 インドの歴史

時代 年代 歴史

イ ン ダ ス 文 明 か らムガール帝国 まで

BC25世紀 インダス川流域でインダス文明が繁栄 BC15世紀 アーリア人がバンジャーブ地方に侵攻

BC5世紀 釈迦により仏教創始

BC3世紀 ウマリア王朝アショーカ王によるインド統一 4世紀 グプタ朝によるインド再統一

10世紀 イラン系王朝の侵攻によるイスラム王朝の樹立 1526年 ムガール帝国の誕生

1600年 カルカッタに英国東インド会社設立 1857年 ムガール帝国の滅亡

英国統治時代か ら独立へ

1858年 英国による全土の直接統治

1947年 第一次印パ戦争:英国統治からの独立・パキスタンとの分離 1948年 マハトマ・ガンディー暗殺

社会主義国家の 建設と挫折

1950年 初代首相ネルー就任:新憲法制定、共和制への移行 1952年 日印国交樹立

1962年 中国との国境紛争

1971年 ソ連と平和友好協力条約締結

経済の自由化と 経済連携の動き

1991年 ナラシマ・ラオ政権発足:経済自由化政策への転換 1995年 WTO加盟

2000年 インド・スリランカ自由貿易協定締結

2003年 ASEAN包括的経済協力枠組み協定

インド・アフガニスタン特恵関税協定 2004年 マンモハン・シン首相就任

インド・タイ枠組み協定発効

2006年 南アジア自由貿易地域協定(SAFTA)発効 インド・韓国包括的経済連携協定

2007年 インド・シンガポール包括的経済協力協定発効 インド・チリ経済協力枠組協定発効

2009年 インド・メルコスール特恵関税枠組み協定発効 2010年 インド・韓国包括的経済連携協定発効

2011年

インド・マレーシア包括的経済協力協定発効 インド・ASEAN包括的協力経済連携協定発効 インド・日本包括的経済連携協定発効

2012年 日・印社会保障協定署名 2013年 日印共同声明署名

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