第 3 章 経済概況
3. 貿易構造
31
図表 3-7 製造業の実質GDP構成比の推移(2004年度=100)
(出所)Central Statistical Organizationより作成
32
と経常収支は▲897億ドルの赤字となっている。貿易収支の赤字と併せて財政赤字の拡大も 深刻であり、「双子の赤字」が同国の喫緊の課題となっている。
図表 3-8 インド輸出入額の推移
(出所)Ministry of Commerce and Industryより作成
(1) 輸出入の品目別構成
貿易の品目別構造を見ると、輸出では、2002~2012 年にかけて、「石油及び石油製品」
のシェアが4.5%から18.6%に拡大し、「書籍・新聞・印刷物」や「医薬品」等のシェアも 伸びている(図表 3-9 参照)。「石油及び石油製品」のシェアが拡大した背景には、石油価 格の上昇のほか、リライアンスなど大手民間企業の新規参入に伴う石油精製能力の大幅な 拡大がある。一方、「衣類」は11.6%から4.8%に減少し、「魚介類及びその調整品」等もシ ェアを下げた。
輸入においては、2002~2012 年にかけて、「石油及び石油製品」、「石炭、コークス及び 練炭」「天然ガス及び製造ガス」等、工業化を背景に各種燃料の輸入が拡大した。
-2,000 -1,000 0 1,000 2,000 3,000 4,000 5,000
1991 1992 1993 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012
輸出 輸入 貿易収支
(年)
(億ドル)
33 図表 3-9 インドの主要輸出品の10年間の変化
(出所)UN Comtradeより作成
分類 金額(億ドル) 構成比
その他の非金属鉱物製品 81 16.1%
衣類 58 11.6%
織物用繊維の糸、織物及び繊維製品 58 11.6%
石油及び石油製品 23 4.5%
書籍・新聞・印刷物 22 4.5%
鉄鋼 17 3.4%
元素及び化合物 17 3.3%
穀物及びその調整品 17 3.3%
医薬品 16 3.2%
魚介類及びその調整品 14 2.7%
(その他) 179 35.7%
輸出
2002年
分類 金額(億ドル) 構成比
石油及び石油製品 539 18.6%
その他の非金属鉱物製品 250 8.6%
書籍・新聞・印刷物 235 8.1%
織物用繊維の糸、織物及び繊維製品 153 5.3%
衣類 138 4.8%
元素及び化合物 116 4.0%
乗用車 114 3.9%
鉄鋼 109 3.8%
医薬品 109 3.8%
穀物及びその調整品 91 3.2%
(その他) 1,042 36.0%
輸出
2012年
34 図表 3-10 インドの主要輸入品の10年間の変化
(出所)UN Comtradeより作成
(2) 輸出入の国別動向
2012年度の貿易の相手国別内訳を見ると、輸出ではアラブ首長国連邦(以下、UAE)が
最大で 11.9%を占め、次いで、米国(11.5%)、中国(6.0%)、シンガポール(5.6%)、香
港(4.3%)となっている(図表 3-11参照)。一方、輸入では中国が11.8%と最大のシェア を占め、第2 位以下はUAE(7.3%)、スイス(6.6%)、サウジアラビア(6.4%)、米国(5.0%)、 となっている。
インドは、歴史的経緯よりヨーロッパ諸国との繋がりが強く、輸出入ともに EU が最大 の貿易先であり、米国や日本が主要貿易相手国であった。しかし、近年、輸出入ともにUAE、
ASEAN、中国の比率が上昇している(図表 3-12参照)。1981年度~2012年度にかけて、
輸出においては、UAEが9.6ポイント、ASEANが7.8ポイント、それぞれシェアを上昇 させている。また、輸入においては、中国が 11.2ポイントシェアを高めた一方で、EU は 12.0ポイントシェアを下げた。
分類 金額(億ドル) 構成比
石油及び石油製品 165 28.8%
その他の非金属鉱物製品 61 10.7%
金 37 6.4%
電気機器・部品 21 3.6%
元素及び化合物 18 3.1%
テレコミュニケーション及び録音・再生装置・機器 16 2.9%
植物性油脂 16 2.8%
事務機・自動データ処理機 15 2.5%
一般産業用機械・機械部品 14 2.5%
特定産業用機械 13 2.3%
(その他) 198 34.4%
輸入
2002年
分類 金額(億ドル) 構成比
石油及び石油製品 1,554 31.8%
金 526 10.8%
その他の非金属鉱物製品 236 4.8%
石炭、コークス及び練炭 163 3.3%
元素及び化合物 141 2.9%
天然ガス及び製造ガス 140 2.9%
金属鉱及び金属くず 140 2.9%
電気機器・部品 137 2.8%
テレコミュニケーション及び録音・再生装置・機器 135 2.8%
一般産業用機械・機械部品 122 2.5%
(その他) 1,596 32.6%
輸入
2012年
35
インドは中国に鉄鉱石を輸出し、機械や電子機器などを輸入する構造となっており、関 係性が増している。また、インド国内の産業の発展に伴って、UAEやサウジアラビアなど 原油の輸入元国も存在感を増している。一方で、日本は輸出入ともにシェアを低下させて おり、日印の更なる関係強化が求められている。
また、主要貿易相手先(2012年度)においても、全体の貿易傾向と同様の輸入超過が見 られている。特に、中国やスイス、サウジアラビアにおいては、大幅な輸入超過の状態で あり、それぞれの貿易収支は、▲395億ドル、▲314億ドル、▲254億ドルとなっている(図 表 3-13参照)。
図表 3-11 インドの主要貿易相手国(2012年度)
(出所)IMF “Direction of Trade Statistics”より作成
中国 11.8%
UAE 7.3%
スイス 6.6%
サウジアラビア 6.4%
米国 5.0%
その他 62.8%
輸入
UAE 11.9%
米国 11.5%
中国 6.0%
シンガポール 5.6%
香港 4.3%
その他 60.8%
輸出
36 図表 3-12 輸出入の国・地域別構成の推移
(出所)IMF “Direction of Trade Statistics”より作成 0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
輸出
ASEAN スイス 米国 中国 EU 日本 サウジアラビア UAE
(年度)
0.0%
5.0%
10.0%
15.0%
20.0%
25.0%
30.0%
35.0%
40.0%
輸入
ASEAN スイス 米国 中国 EU 日本 サウジアラビア UAE
(年度)
37
図表 3-13 インドの主要国・地域との貿易(2012年度)
(出所)IMF “Direction of Trade Statistics”より作成
359.8
56.9 527.0
11.0 358.4
311.1 587.1
324.5 121.2
576.1
245.4 425.9
63.4 181.1
349.0 368.0
日本 中国
米国 ASEAN
サウジアラビア EU
スイス UAE インド
(単位:億ドル)
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