第 5 章 日インド経済関係
2. 日本・インド包括的経済連携協定
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48 図表 5-5 インド側の市場アクセス改善の概要
(出所)経済産業省(日本)「EPAの概要と原産地規則」(2012年10月)より作成
(2) 物品一般ルール
内国民待遇の供与、関税の撤廃又は引下げ等を義務付け、二国間セーフガード措置の適 用のための規則を規定。
(3) 原産地規則
迂回貿易の防止の観点から、一般規則として、関税番号変更基準と付加価値基準の双方 を満たす必要を定めた厳格なルールを採用9。また本協定に基づく関税上の特恵待遇を付与 するために必要な原産地証明に係る証明方法は第三者証明を採用。
また、当該FTAに基づく日本の原産地証明書の発給件数(2013年上期)は、19,234件 に及び、全発給件数の13.8%を占めている。なお、最も発給件数の多いFTAは、タイ(32,311 件、38.1%)であり、インドネシア(19,234件、22.7%)、インドと続く。
(4) 税関手続き
税関手続の透明性を確保するとともに、税関手続の簡素化及び調和を通じた貿易の円滑 化及び効果的な取締りの確保のため、協力・情報交換を推進。
9 原産地規則を証明するためには、(1)完全生産品、(2)非原材料を用いて生産される産品、(3)原産材料のみ から生産される産品のいずれかに該当する原産品を示す必要がある。(2)に該当する場合は、①関税番号変 更基準(CTC: Change in Tariff Classification)、②付加価値基準(VA: Value Added)、③加工工程基準(SP:
Specific Process)の基準が設けられる。(詳細は経済産業省「原産地規則解説」を参照)当該FTAにおい
ては①及び②の双方を満たすことが求められる。
分野 品目 基準税率 交渉結果
自動車部 品
ディストリビューター 7.5% 10年撤廃 点火コイル 7.5% 10年撤廃
バンパー 10% 10年撤廃
消音装置(マフラー) 10% 10年撤廃 ディーゼルエンジン 12.5% 6年間で5%ま
で関税削減 ギアボックス 12.5% 8年間で6.25%
まで関税削減
鉄鋼製品 熱延鋼板 5% 5年撤廃
冷延鋼板 5% 5年撤廃
合金鋼 5% 5年撤廃
亜鉛めっき鋼板 5% 5年撤廃
電気電子 リチウムイオン電池 10% 10年撤廃
DVDプレイヤー 10% 10年撤廃
MP3プレイヤー 5% 5年撤廃
電子レンジ 10% 10年撤廃
鉛蓄電池 10% 10年撤廃
液晶パネル 10% 即時撤廃
分野 品目 基準税率 交渉結果
一般機械 ブルドーザー 7.5% 10年撤廃 産業用ロボット 7.5% 10年撤廃 エアコン部品 10% 10年撤廃 蒸気タービン
ガスタービン
7.5% 10年撤廃
繊機 7.5% 10年撤廃
印刷機械 7.5% 10年撤廃
工業用ミシン 7.5% 10年撤廃
繊維製品 綿織物 10% 即時撤廃
衣類 10% 即時撤廃
化学品 印刷用インク 7.5% 10年撤廃
ナイロン 10% 10年撤廃
農産品 盆栽 30% 5年撤廃
長芋 30% 10年撤廃
桃 30% 10年撤廃
イチゴ 30% 10年撤廃
柿 30% 10年撤廃
49 (5) サービスの貿易
基本電気通信の外資規制改善、シングルブランド及びシングルブランドのフランチャイ ズの参入自由化、邦銀による支店設置申請に対して好意的配慮を払う旨を約束。また、市 場アクセス義務及び内国民待遇義務に適合しない規制のリスト化に向けて努力することに ついて合意。
(6) 自然人の移動
入国及び一時的な滞在に必要な手続等の透明性及び円滑化・迅速化を確保。社会保障協 定については、3 年以内の交渉等の完了を目的として、事前協議及び締結交渉を実施予定。
インド人看護師・介護福祉士の将来における受入れについては、遅くとも協定発効後 2 年 以内に結論に達することを目的とし、継続して協議。
(7) 強制規格、任意規格及び適合性評価手続(TBT)並びに衛生植物検疫措置(SPS)
情報交換、相互承認の取決めに至る段階的アプローチ等の協議メカニズムを設置。後発 医薬品の承認審査に関しては、他方の締約国からの申請に対し、国内法令の要件を満たし ている場合、内国民待遇を与え、合理的な期間内に手続を完了することを規定。
(8) 政府調達
自国の法令に従い、透明性の確保と情報交換を図るとともに、他方の締約国の物品、サ ービス及び供給者に対し、自国の法令に従って非締約国の物品、サービス及び供給者に与 える待遇よりも不利でない待遇を与えることを規定。
(9) 投資
投資家及び投資財産に対する投資財産設立前及び後の内国民待遇、投資設立後の最恵国 待遇、特定措置の履行要求(パフォーマンス要求)の禁止等を定め、投資活動の更なる自 由化を推進。また、投資家対国の紛争解決手続、収用等に係る公正な補償、資金の移転等 を定め、投資家及び投資財産を保護。
(10) 知的財産
コンピュータ・プログラムを含む発明の特許可能性、広く認識されている商標の更なる 保護、商標出願の早期審査等を規定し、知的財産の効果的かつ無差別的な保護を確保。
(11) 競争
反競争的な行為に関し、両国の競争当局が適切な措置をとること及び規制分野で協力を 行うことを規定。また、競争法の適用に関する国籍による無差別の原則、手続の公正な実 施、及び実施に係る透明性の促進等を規定。
50 (12) ビジネス環境の整備
ビジネス環境の整備に関する小委員会が、両国の協議グループからの情報を基に、両国 政府関係当局に報告・勧告を行える仕組みを規定。当委員会には、地方政府代表者及び民 間部門を含むその他の関係団体の有識者等を招請可能。
(13) 協力
両国の貿易・投資の自由化・円滑化及び関係強化のために、以下の12の視点から相互の 利益に資する協力を行う。環境、貿易及び投資の促進、公共基盤、情報通信技術、科学技 術、エネルギー、観光、繊維、中小企業、保険、娯楽及び情報、冶金。
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