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表 紙 写 真 インド 門 (デリー) 洗 濯 屋 (ムンバイ) TATA CONSULTANCY SERVICES (チェンナイ) チェンナイ 港

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Academic year: 2021

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インド門(デリー) 洗濯屋(ムンバイ)

TATA CONSULTANCY SERVICES (チェンナイ)

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は じ め に

本資料は、インド向け投資を検討されている企業の方々を対象にインドの投資環境につ いて、その概要を参考資料として取り纏めたものです。初版は 2008 年 11 月に発行しまし たが、本資料はその改訂になります。 近年、インドは、消費大国さらには中東・アフリカへの輸出拠点としての展望が高まる なか、直接投資の流入が拡大、製造業を中心にわが国企業の投資活動も活発になってきて います。またインドの優秀な人材に着目した外国企業による研究・開発拠点を築くための 投資も盛んです。 一方、電力、輸送といったインフラ整備の遅れや、労働市場の硬直性、税制や会計制度 の複雑さ及び運用の不透明さといった問題は依然として残っています。また、近年は土地 価格の上昇が顕著となっているほか、土地については、外国企業のみならずインド地場企 業においても、収用をめぐるトラブルが発生しています。 このような状況下で、工業団地や港湾、貨物専用鉄道・道路の整備によってデリー~ム ンバイ間の地域を一大産業地域とする「デリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC)構想」の 進展や、日印経済連携協定締結など、わが国企業にとって投資環境の整備も着実に進みつ つあります。 本資料は、はじめに総論としてインド全体のポイントを理解していただいた上で、地域 編としてデリー首都圏、マハラシュトラ州、グジャラート州、カルナタカ州及びタミル・ ナドゥ州について、各地域の特色を具体的に説明する形式で構成されております。 本資料がインド向け投資を検討されている企業の方々のご参考となれば幸いです。 本資料の作成に際しては現地調査を行い、進出日系企業・金融機関、日本貿易振興機構 (ジェトロ)、関係機関など多くの方々より貴重な情報をご提供頂き、また、日本国内でも 有識者の方々にお話を伺ったほか、各種セミナー及び文献の情報も参考にさせていただき ました。 ご協力いただきました各方面の皆様に深く感謝を申し上げます。 なお、本資料は(株)日本総合研究所の協力により作成致しました。 また、本資料は、インドに対する(株)国際協力銀行としての評価や公式見解を表明す るものではありません。 2 0 1 3 年 1 2 月 ( 株 ) 国 際 協 力 銀 行 産 業 フ ァ イ ナ ン ス 部 門 中 堅 ・ 中 小 企 業 担 当

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目次

目次 ... i ひとくちメモ目次 ... iv 図表目次 ... v 略語表 ... xi <総論編> 第1 章 概観(国土、民族、気候、社会、歴 史等) ... 1 1. 正式国名 ... 1 2. 人口 ... 1 3. 国土 ... 2 4. 首都 ... 4 5. 気候 ... 4 6. 民族 ... 8 7. 言語 ... 8 8. 宗教 ... 9 9. 教育 ... 10 10. 通貨 ... 13 11. 歴史 ... 13 第2 章 政治・外交・軍事 ... 16 1. 政体 ... 16 2. 元首 ... 16 3. 首相 ... 16 4. 内閣 ... 16 5. 行政組織 ... 17 6. 地方行政制度 ... 19 7. 国会 ... 21 8. 政党 ... 21 9. 司法 ... 22 10. 外交 ... 23 11. 国防 ... 25 第3 章 経済概況 ... 26 1. 経済概観 ... 26 2. 産業構造 ... 28 3. 貿易構造 ... 31 第4 章 直接投資受入動向 ... 38 1. 外国直接投資(FDI)受入動向 ... 38 2. 国別受入動向 ... 40 3. 業種別受入動向 ... 41 4. 投資先地域別流入動向 ... 42 5. 日本からインドへの直接投資 ... 43 第5 章 日インド経済関係 ... 44 1. 日インドの経済関係と貿易の概要 .. 44 2. 日本・インド包括的経済連携協定 .. 47 第6 章 日系企業の進出状況 ... 51 1. 概要 ... 51 2. 地域別の動向 ... 54 第7 章 主要関連法規 ... 57 1. 会社設立に関する法律 ... 57 2. 会社運営に関する法律 ... 57 3. 税制に関する法律 ... 58 4. 金融面の法律 ... 59 5. 知財・情報に関する法律 ... 60 第8 章 外資規制業種 ... 61 1. 外国投資が禁止されている業種(ネガ ティブ・リスト) ... 61 2. 出資規制がある業種 ... 62 第9 章 投資形態 ... 64 1. 代表的な進出形態 ... 64 2. 進出形態の概要 ... 64 第10 章 許認可・進出手続き ... 67 1. 進出手続き ... 67 2. 撤退手続き ... 70 第11 章 主要投資インセンティブ ... 71 1. 経済特別区(SEZ)... 71 2. 輸出型企業に対する優遇措置 ... 72 3. 州レベルでの工業団地への優遇 ... 73 第12 章 税制 ... 74 1. インドの税体系 ... 74 2. 直接税 ... 76 3. 間接税 ... 78

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ii 第13 章 用地取得 ... 81 1. インド政府や開発公社が開発した工業 団地への入居 ... 81 2. 民間保有の土地の取得 ... 83 3. 州別の土地開発機関 ... 83 第14 章 知的財産 ... 84 1. 知的財産権保護の状況 ... 84 2. 技術援助契約締結にあたっての留意点 ... 85 第15 章 環境規制 ... 87 1. 環境保護 ... 87 2. 大気汚染防止 ... 87 3. 水質汚濁防止 ... 88 4. 廃棄物処理 ... 89 5. 汚泥処理 ... 89 第16 章 貿易管理・為替管理 ... 90 1. 輸出入規制 ... 90 2. 関税制度 ... 91 3. 通関手続 ... 93 4. 為替相場 ... 94 5. 為替管理制度 ... 96 第17 章 金融制度 ... 97 1. 金融機関 ... 97 2. 金融市場 ... 100 3. 資本市場 ... 101 第18 章 資金調達 ... 103 1. 増資 ... 103 2. クロスボーダーローン ... 104 3. インド国内での借入 ... 106 第19 章 労働事情 ... 107 1. 労働法の体系 ... 107 2. 労働市場と雇用情勢 ... 107 3. 賃金 ... 109 4. 雇用関係 ... 110 5. 労働条件 ... 114 6. 年金・社会保険 ... 114 7. 労使関係 ... 116 8. 裁判所における労働紛争の解決 ... 118 9. 外国人就労規制と労働許可の取得 . 118 第20 章 物流・インフラ ... 119 1. 主要な国際空港と港湾の位置 ... 119 2. 港湾 ... 120 3. 空港 ... 123 4. 道路 ... 125 5. 鉄道 ... 128 6. 通信 ... 128 7. 水... 130 8.デリー・ムンバイ間産業大動脈(DMIC) 構想 ... 130 第21 章 エネルギー事情 ... 132 1. 電力事情 ... 132 第22 章 インド投資の優位性と留意点 143 1. インドの位置付け及び投資環境の評価 ... 143 2. 世界銀行によるビジネス環境評価 145 3. インド投資の魅力と留意点 ... 146 第23 章 インドにおける主要産業及び企業 動向 ... 149 1. インドの主要産業 ... 149 2. 自動車関連産業 ... 149 3. IT・BPO 産業... 164 4. 電気電子機器 ... 170 第24 章 FTA 及び EPA の影響 ... 176 1. FTA 及び EPA の進捗状況 ... 176 2. 産業へのインパクト ... 180 第25 章 その他最近のトピックス ... 181 1. ジュガード・イノベーション ... 181 2. DMIC プロジェクト日本側 45 億ドル 事業候補リスト ... 182 3. 10 年ぶりに新銀行発足 ... 183

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iii <各論(地域編)> 第26 章 地域別の概要 ... 186 1. インドの地域分類と地域別の人口 . 186 2. 地域別の一人当たり GDP ... 188 3. 地域別の経済動向... 189 4. 賃金水準 ... 192 5. 外資の関心が高い工業団地の分布 . 192 第27 章 地域・工業団地概要:デリー首都 圏 ... 195 1. 地域概要 ... 195 2. 主要工業団地 ... 201 第28 章 地域・工業団地概要:マハラシュ トラ州 ... 205 1. 地域概要 ... 205 2. 主要工業団地 ... 212 第29 章 地域・工業団地概要:グジャラー ト州 ... 213 1. 地域概要 ... 213 2. 主要工業団地 ... 221 第30 章 地域・工業団地概要:カルナタカ 州 ... 224 1. 地域概要 ... 224 2. 主要工業団地 ... 230 第31 章 地域・工業団地概要:タミル・ナ ドゥ州 ... 232 1. 地域概要 ... 232 2. 主要工業団地 ... 239 <巻末資料> 巻末資料Ⅰ インドの主要産業企業一覧 ... 246 1. 製造業 ... 246 2. エネルギー・運輸... 247 3. サービス・その他... 248 巻末資料Ⅱ 個別ガイドラインの概要 ... 249 1. 外国直接投資が禁止されている産業分 野(再掲) ... 249 2. 産業分野毎の個別の外国直接投資規制 ... 249 巻末資料Ⅲ 特別経済区(SEZ)一覧... 253 巻末資料Ⅳ 日本国内の相談窓口 ... 261 巻末資料Ⅴ インド国内の相談窓口 ... 261 1. 外国投資主要行政機関 ... 261 2. 主要業界団体 ... 262 3. 州産業開発公社等 ... 263 4. 日本政府関連機関等 ... 263 5. 日系金融機関 ... 265 巻末資料Ⅵ 主なインド地場企業一覧(時価総額順)266 巻末資料Ⅶ 主なインド進出日系企業 ... 267 巻末資料Ⅷ アジアの主な国・地域の概要と主要経済指 標(2012 年) ... 292 巻末資料Ⅸ アジアの主な国・地域の投資環境比較(2012 年) ... 293

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iv

ひとくちメモ目次

ひとくちメモ(1):インドの耕地面積... 3 ひとくちメモ(2):新宿中村屋とカリーとボース ... 6 ひとくちメモ(3):インドのカースト制度と貧困問題 ... 12 ひとくちメモ(4):インドの強姦・誘拐問題 ... 23 ひとくちメモ(5):インド企業を取り巻く M&A の状況 ... 39 ひとくちメモ(6):積極的なインフラ投資を進める第 12 次 5 ヶ年計画 ... 41 ひとくちメモ(7):SEZ 開発事業 ... 72 ひとくちメモ(8):輸出振興のための原材料関税減免スキーム ... 73 ひとくちメモ(9):2012 年度予算案による移転価格税制適用の拡大 ... 76 ひとくちメモ(10):2013 年米国スペシャル 301 条報告書 ... 85 ひとくちメモ(11):輸入貨物通関の流れ ... 94 ひとくちメモ(12):インド銀行部門の特徴 ... 98 ひとくちメモ(13):インド人材の特徴 ... 108 ひとくちメモ(14):トヨタ自動車における訓練学校 ... 112 ひとくちメモ(15):解雇規制への対応 ... 113 ひとくちメモ(16):労務管理の工夫 ... 117 ひとくちメモ(17):ICD ... 122 ひとくちメモ(18):West Coast のメリット ... 123 ひとくちメモ(19):トラック輸送サービス事情 ... 126 ひとくちメモ(20):豊田通商の物流 ... 127 ひとくちメモ(21):インドの電力セクター改革 ... 137 ひとくちメモ(22):グジャラート州のチャランカ・ソーラー・パークの概況 ... 142 ひとくちメモ(23):O.K.Y ... 148 ひとくちメモ(24):輸出拠点化するインド ... 156 ひとくちメモ(25):横河インディアの日本語対応部隊 ... 166 ひとくちメモ(26):インドのシリコンバレー(?)バンガロール ... 168 ひとくちメモ(27):時価総額では TCS ... 169 ひとくちメモ(28):LG の戦略... 175 ひとくちメモ(29):ローカルのトラック運送業者事情 ... 198 ひとくちメモ(30):ムンバイ通関業務の実態... 208 ひとくちメモ(31):グジャラート州の石油大学(PDPU) ... 215 ひとくちメモ(32):ガンジーの見ざる言わざる聞かざる ... 223 ひとくちメモ(33):日本語能力試験(JLPT)の受験者数 ... 225 ひとくちメモ(34):タミル・ナドゥ州の停電... 237

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図表目次

図表 1-1 主要国の人口推移(2013~ 2050 年) ... 1 図表 1-2 インドの人口構成(2013 年・2025 年) ... 2 図表 1-3 (参考)中国の人口構成(2013 年・2025 年) ... 2 図表 1-4 インドの地勢図 ... 3 図表 1-5 アジア主要各国における耕 地面積 ... 3 図表 1-6 インドの日射量マップ ... 5 図表 1-7 各州において多数派を占め る言語分布状況 ... 9 図表 1-8 各州において多数派を占め るインドの宗教分布状況 ... 10 図表 1-9 インドの教育制度(基本形) ... 11 図表 1-10 貧困ライン以下で生活する 人口比率 ... 12 図表 1-11 インドの歴史 ... 15 図表 2-1 行政組織 ... 17 図表 2-2 中央省庁 ... 17 図表 2-3 第二次シン内閣主要閣僚一 覧(2013 年 10 月時点) ... 18 図表 2-4 インドの行政区域 ... 20 図表 2-5 インド憲法が定める行政階 層 ... 21 図表 2-6 第 15 回連邦下院選挙(2009 年)と前回選挙(2004 年)におけ る各党の議席数 ... 22 図表 3-1 実質経済成長率と寄与度の 推移 ... 26 図表 3-2 インドの経済成長と 1 人あ たりGDP の推移 ... 28 図表 3-3 インドの主要経済指標 ... 28 図表 3-4 産業別名目 GDP 構成比率の 推移 ... 29 図表 3-5 名目 GDP に対する産業別寄 与 ... 30 図表 3-6 雇用者数に対する産業別寄 与 ... 30 図表 3-7 製造業の実質 GDP 構成比の 推移(2004 年度=100) ... 31 図表 3-8 インド輸出入額の推移 .... 32 図表 3-9 インドの主要輸出品の 10 年 間の変化 ... 33 図表 3-10 インドの主要輸入品の 10 年間の変化 ... 34 図表 3-11 インドの主要貿易相手国 (2012 年度) ... 35 図表 3-12 輸出入の国・地域別構成の 推移 ... 36 図表 3-13 インドの主要国・地域との 貿易(2012 年度) ... 37 図表 4-1 対インド直接投資の推移(実 行額ベース) ... 38 図表 4-2 主要国の直接投資受入比較 (2010~2012 年) ... 39 図表 4-3 M&A の状況 ... 39 図表 4-4 インドの直接投資受入状況 (各国の割合) ... 40 図表 4-5 直接投資の業種別流入動向 ... 41 図表 4-6 第 12 次 5 ヶ年計画(2012~ 2016 年度)の概要 ... 41 図表 4-7 主要地域の投資受入動向 . 42 図表 4-8 日本からの対インド直接投 資の推移(実行額ベース) ... 43 図表 5-1 インドの対日輸出入の推移 ... 44 図表 5-2 インドの対 ASEAN 輸出入

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vi の推移 ... 45 図表 5-3 対日輸出総額の推移とその 内訳(2002 年、2012 年) ... 46 図表 5-4 対日輸入総額の推移とその 内訳(2002 年、2012 年) ... 46 図表 5-5 インド側の市場アクセス改 善の概要 ... 48 図表 6-1 進出日系企業数及び拠点数 の推移 ... 51 図表 6-2 自動車生産台数の推移 ... 52 図表 6-3 乗用車生産台数におけるシ ェア(2012 年度) ... 53 図表 6-4 対インド直接投資(資産)残 高の推移(年末) ... 54 図表 6-5 地域別の日系企業拠点数の 状況 ... 56 図表 8-1 ネガティブ・リスト対象業種 ... 61 図表 8-2 出資規制がある業種 ... 62 図表 9-1 現地法人の設立形態 ... 64 図表 9-2 現地法人の設立形態 ... 65 図表 10-1 非公開有限責任会社設立の 流れ ... 67 図表 10-2 現地法人設立後に実施すべ き主な事項 ... 68 図表 10-3 駐在員事務所・支店の設立 の流れ ... 68 図表 10-4 プロジェクト・オフィス設 立の流れ ... 69 図表 10-5 設立形態別における閉鎖の 容易性 ... 70 図表 11-1 SEZ 入居企業における租税 優遇措置 ... 71 図表 12-1 主な直接税と間接税 ... 74 図表 12-2 直接税と間接税の主な改正 内容 ... 75 図表 12-3 個人所得税の税率 ... 77 図表 12-4 法人税の税率 ... 77 図表 12-5 最低代替税(MAT)の税率 ... 78 図表 12-6 配当分配税(DDT)及び源 泉税の税率 ... 78 図表 12-7 間接税の概要 ... 79 図表 12-8 関税 ... 79 図表 12-9 州付加価値税(州 VAT) ... 80 図表 13-1 土地収用で滞るプロジェク ト ... 82 図表 13-2 各州の主な土地開発機関 83 図表 14-1 「2013 年米国スペシャル 301 条報告書」における指定国一 覧 ... 85 図表 15-1 環境保護に関する主要な法 規則 ... 87 図表 15-2 大気汚染防止に関する主要 な法規則 ... 88 図表 15-3 水質汚濁防止に関する主要 法規則 ... 88 図表 15-4 廃棄物処理に関する主要法 規則 ... 89 図表 16-1 輸入品目規制 ... 90 図表 16-2 輸出品目規制 ... 91 図表 16-3 関税体系の概要 ... 92 図表 16-4 関税算出例 ... 92 図表 16-5 主な関税減免スキーム .. 93 図表 16-6 海上輸入通関の流れ ... 94 図表 16-7 為替 ルピー対ドル(2003 年8 月 1 日~2013 年 10 月末日) ... 95 図表 16-8 外貨準備高の月次輸入 .. 95 図表 17-1 インドの金融機関(2012 年 3 月末) ... 97

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vii 図表 17-2 民間銀行部門の各行別資産 規模(2013 年 3 月時点) ... 99 図表 17-3 外国銀行支店の各行別資産 規模(2013 年 3 月時点) ... 99 図表 17-4 政策金利(INREPO)の長 期推移(2003 年 8 月 1 日~2013 年10 月末日) ... 100 図表 17-5 インド債券市場の残高推移 ... 102 図表 18-1 資金調達の方法 ... 103 図表 18-2 インド準備銀行(RBI)によ るECB の規制緩和の内容(2013 年9 月 20 日) ... 104 図表 18-3 ECB に関する規制 ... 105 図表 18-4 インドルピー建て借入の概 要 ... 106 図表 18-5 貸出金利(大手 6 行の平均 値)・預金金利(1~3 年物定期預 金)の推移 ... 106 図表 19-1 高等教育の機関数 (2011 年3 月末) ... 108 図表 19-2 インド人材の特徴 ... 108 図表 19-3 インド主要都市の賃金水準 (月額、2013 年 1 月時点) ... 109 図表 19-4 ワークマンの解雇手続き ... 111 図表 19-5 労働条件の概要 ... 114 図表 19-6 社会保障関連法規の概要 ... 115 図表 19-7 インド主要都市の社会保障 負担率 ... 115 図表 19-8 インド州別の労働争議件数 及びその概要(2010 年) ... 117 図表 20-1 主要な国際空港とメジャー ポートの位置... 119 図表 20-2 総取扱貨物量の地域区分別 シェア ... 120 図表 20-3 メジャーポートにおける総 取扱貨物量の推移 ... 121 図表 20-4 メジャーポートにおける港 湾別貨物取扱量(2012 年度) 121 図表 20-5 West Coast のメリット 123 図表 20-6 インドの空港における総取 扱貨物量の推移 ... 124 図表 20-7 インドの空港における旅客 輸送量の推移 ... 124 図表 20-8 主要道路の総延長距離推移 ... 125 図表 20-9 インドのインフラ整備計画 ... 126 図表 20-10 DMIC 構想の対象地域 ... ... 131 図表 21-1 インドの発電設備容量 (2013 年 9 月末時点) ... 132 図表 21-2 電力の需給状況と不足率 ... 133 図表 21-3 ピーク時電力の需給状況と 不足率 ... 133 図表 21-4 各州の電力需給(2012 年度) ... 134 図表 21-5 各州の電力不足率の予測値 (2013 年度) ... 135 図表 21-6 電力供給コストとその回収 状況 ... 136 図表 21-7 送配電公社のパフォーマン ス・レーティング ... 138 図表 21-8 燃料別エネルギー需要の予 測 (2010 年~2035 年) ... 139 図表 21-9 燃料別エネルギー需要の内 訳(2010 年と 2035 年比較) 139 図表 21-10 太陽エネルギーの購入義 務(2011-2022 年度)... 141

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viii 図表 22-1 中期的(今後 3 年程度)有 望事業展開先国・地域(複数回答 可) ... 143 図表 22-2 長期的(今後 10 年程度)有 望事業展開先国・地域 ... 144 図表 22-3 有望理由と課題 ... 144 図表 22-4 世界銀行ビジネス環境指標 におけるインドのランキング . 145 図表 22-5 投資コストの国際比較 . 148 図表 23-1 Automotive Mission Plan

の概要 ... 150 図表 23-2 主要国の四輪車生産台数 (単位:万台) ... 151 図表 23-3 主要国の二輪車生産台数 (単位:万台) ... 151 図表 23-4 主要国の 1,000 人あたり自 動車保有台数... 152 図表 23-5 インドの所得階層別世帯数 推移 ... 152 図表 23-6 インドの四輪車(商用車、 乗用車)及び二輪車、三輪車生産 台数の推移 ... 153 図表 23-7 自動車燃料価格の推移 (2009 年 1 月~2013 年 7 月) ... 154 図表 23-8 インドの四輪車(商用車、 乗用車)及び二輪車、三輪車販売 台数の推移 ... 155 図表 23-9 インドの輸出台数の推移 ... 155 図表 23-10 相手国別乗用車輸出入額 (2007 年~2011 年) ... 156 図表 23-11 各完成車メーカーの輸出 状況 ... 156 図表 23-12 インド主要自動車メーカ ー一覧 ... 157 図表 23-13 乗用車メーカー別生産・販 売・輸出シェア(2012 年度) 158 図表 23-14 商用車メーカー別生産・販 売・輸出シェア(2012 年度) 159 図表 23-15 三輪車メーカー別生産・販 売・輸出シェア(2012 年度) 159 図表 23-16 二輪車メーカー別生産・販 売・輸出シェア(2012 年度) 160 図表 23-17 主要企業の生産拡大計画 ... 160 図表 23-18 インド自動車部品の売上 高推移 ... 161 図表 23-19 自動車部品輸出入の推移 ... 162 図表 23-20 インド自動車部品企業の 概要(2011 年度売上高上位 5 社) ... 162 図表 23-21 自動車部品生産額の分野 別割合及び予測 ... 163 図表 23-22 IT・BPO 産業の輸出額・ 国内売上高の推移 ... 165 図表 23-23 インドを拠点にする IT サ ービス・プロバイダー上位5 社の 概要(2012 年) ... 167 図表 23-24 タタ・グループの時価総額 (2013 年 11 月 4 日時点) .... 169 図表 23-25 エレクトロニクス産業の 生産高推移とその内訳 ... 171 図表 23-26 家電製品の世帯普及率 (2012 年時点) ... 172 図表 23-27 インド国内の通信事業者 の携帯電話加入件数・シェア(2013 年3 月時点) ... 173 図表 23-28 インドの携帯端末出荷台 数・メーカー別シェア(2013 年 1 ~4 月期) ... 173

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ix 図表 23-29 インドテレビ市場の企業 別出荷台数のシェア(2012 年) ... 174 図表 24-1 インドの二国間 FTA 及び EPA の進捗状況 ... 176 図表 24-2 インドの二国間 FTA 及び EPA の進捗状況(概略図) .... 178 図表 24-3 インドの多国間 FTA 及び EPA の進捗状況 ... 179 図表 25-1 「ジュガード」の精神で開 発された充電式三輪車 ... 181 図表 25-2 DMIC 日本側の 45 億ドル 事業候補リスト ... 182 図表 26-1 インドの地域分類 ... 186 図表 26-2 各州の面積、人口比較 . 187 図表 26-3 地域別一人あたり GDP (2011 年度) ... 188 図表 26-4 地域別にみた名目 GDP の 産業別構成比(全国=100%) 189 図表 26-5 地域別にみた名目 GDP の 産業別構成比(各地域を100%と した場合) ... 190 図表 26-6 インド国内の主な工業団地 分布図 ... 193 図表 26-7 地域別の気温と降水量 . 194 図表 27-1 インド北部におけるデリー 首都圏及び隣接州の位置 ... 195 図表 27-2 デリー首都圏に進出した場 合のメリットと留意点 ... 196 図表 27-3 主要工業団地の概要(2012 年10 月時点) ... 202 図表 28-1 インド西部におけるマハラ シュトラ州の位置 ... 206 図表 28-2 大規模企業への優遇措置概 要 ... 207 図表 28-3 中小・零細企業への優遇措 置概要 ... 207 図表 28-4 マハラシュトラ州に進出し た場合のメリットと留意点 .... 208 図表 28-5 マハラシュトラ州における 医療インフラの整備状況 ... 210 図表 28-6 主要工業団地の概要(2012 年10 月時点) ... 212 図表 29-1 インド西部におけるグジャ ラート州の位置 ... 214 図表 29-2 アーメダバード市内バスの 様子(専用レーンとなっている) ... 214 図表 29-3 パンディット・ディーンダ ヤル石油大学 (PDPU) ... 215 図表 29-4 グジャラート州進出日系企 業の拠点数推移 ... 216 図表 29-5 グジャラート州に進出した 場合のメリットと留意点 ... 217 図表 29-6 インド国内の貨物取扱量ラ ンキング(2012 年度) ... 218 図表 29-7 マンダル日系専用工業団地 の位置 ... 221 図表 29-8 マンダル日系専用工業団地 の概要 ... 222 図表 29-9 主要工業団地の概要(2012 年10 月時点) ... 222 図表 30-1 インド南部におけるカルナ タカ州の位置 ... 225 図表 30-2 インド主要都市における日 本語能力試験(JLPT)の受験者数 推移 ... 225 図表 30-3 カルナタカ州進出日系企業 の拠点数推移 ... 226 図表 30-4 カルナタカ州に進出した場 合のメリットと留意点 ... 226 図表 30-5 バンガロール市内の渋滞

(13)

x ... 227 図表 30-6 カルナタカ州における技術 系機関数 ... 228 図表 30-7 カルナタカ州における医療 インフラの整備状況 ... 229 図表 30-8 開設予定の総合病院の概要 ... 229 図表 30-9 主要工業団地の概要(2012 年10 月時点) ... 230 図表 31-1 インド南部におけるタミ ル・ナドゥ州の位置 ... 233 図表 31-2 タミル・ナドゥ州の投資優 遇措置例 ... 233 図表 31-3 タミル・ナドゥ州進出日系 企業の拠点数推移 ... 234 図表 31-4 タミル・ナドゥ州に進出し た場合のメリットと留意点 ... 235 図表 31-5 第 2 回建議書の道路・港湾 に関する建議事項の概要 ... 235 図表 31-6 チェンナイ近郊の港湾 . 236 図表 31-7 チェンナイ港の様子 ... 236 図表 31-8 タミル・ナドゥ州における 医療インフラの整備状況 ... 238 図表 31-9 Integrated Industrial Township (仮称)の概要 ... 240 図表 31-10 当工業団地の位置 ... 240 図表 31-11 双日・マザーソン工業団地 の概要 ... 241 図表 31-12 主要工業団地の概要 (2012 年 10 月時点) ... 242

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xi

略語表

AAS Advance Authorization Scheme(事前認可スキーム) AAI Airport Authority of India(インド航空局)

ACMA Automotive Component Manufacturers Association of India(インド自動車部品工業会) AD Additional Duty(追加関税)

ADC Additional Duty of Customs(特別追加関税) ALP Arm’s Length Price(独立企業間価格)

AMP Automotive Mission Plan(オートモーティブ・ミッション・プラン) BCD Basic Custom Duty(基本関税)

BEE Bureau of Energy Efficiency(エネルギー効率局) BIP Bureau of Investment Promotion(投資促進局) B/L Bill of Lading(船荷証券)

BOA Board of Approval(商工省商業局承認委員会)

BPO Business Process Outsourcing(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)

CEAMA Consumer Electronics and Appliances Manufacturers Association(インド家電製造協会) CECA Comprehensive Economic Cooperation Agreement(包括的経済協力協定)

CEPA Comprehensive Economic Partnership Agreement(包括的経済連携協定) CII Confederation of Indian Industry(インド産業連盟)

CPCB Central Pollution Control Board(中央汚染管理委員会) CSO Central Statistical Organization(中央統計局)

CVD Countervailing Duty(相殺関税)

DCs Development Commissioner(SEZ 開発長官)

DFIA Duty Free Import Authorization(免税輸入認可スキーム) DGFT Director General Foreign Trade(商工省商務局・外国貿易部)

DIPP Department of Industrial Policy and Promotion(商工省産業政策振興局) DMIC Delhi-Mumbai Industrial Corridor(デリー・ムンバイ間産業大動脈) DoT Department of Telecommunication(IT 省電気通信局通信庁) DTC Direct Tax Code(新直接税法)

EC Environmental Clearance(環境認可) ECB External Commercial Borrowing(外貨借入) EDI Electric Data Interchange(電子データ交換)

EEFC Exchange Earners Foreign Currency(無利子の居住者外貨預金) ELCINA Electronic Industries Association of India(インド電子産業協会) EOU Export Oriented Unit(100%輸出志向企業)

EPA Economic Partnership Agreement(経済連携協定) EPC Export Promotion Certificate(輸出促進協議会)

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xii

FICCI Federation of Indian Chambers of Commerce And Industry(インド商工会議所) FIIA Foreign Investment Implementation Authority(外国投資実施委員会)

FIPB Foreign Investment Promotion Board(外国投資促進委員会) FRRO Foreigner’s Regional Registration Office(インド外国人登録局) FTA Free Trade Agreement(自由貿易協定)

GIDC Gujarat Industrial Development Corporation(グジャラート州産業開発公社) GQ Golden Quadrilateral(黄金の四角形)

GST Goods and Services Tax(新統合間接税法)

ICD Inland Container Depot(インランド・コンテナ・デポ) IDMA Indian Drug Manufacturers’ Association(インド製薬業者協会) IEC Importer-Exporter Code(輸入業者・輸出業者コード)

IITs Indian Institutes of Technology(インド工科大学)

IIMs Indian Institutes of Management(インド経営大学院大学) IISc The Indian Institute of Science(インド科学大学院大学)

IPP Independent Power Plant(発電部門への外国直接投資を中心とする民間セクター) IRDA Insurance Regulatory & Development Authority(保険規制開発庁)

KIADB Karnataka Industrial Area Development Board(カルナタカ州工業団地開発局) LCC Low cost carrier(格安航空会社)

MIDC Maharashtra Industrial Development Corporation(マハラシュトラ産業開発公社) MOSPI Ministry of Statistics and Programme Implementation(インド統計・計画実施省) NABARD National Bank for Agriculture and Rural Development(全国農業農村開発銀行) NASSCOM National Association of Software and Service Companies(インドソフトウェアサービス業

者協会)

NCR National Capital Region(デリー首都圏地域) NCT National Capital Territory(デリー首都圏) NH National Highways(ナショナル・ハイウェイ) NHB National Housing Bank(国住宅銀行)

NIC National Informatics Centre(インド情報工学センター) NPT Nuclear Non-Proliferation Treaty(核拡散防止条約) NRI Non-Resident Indians(非居住者インド人)

NSEW North-South & East-West Corridors(東西南北回廊) OBC Other Backward Classes(その他の後進諸階級)

PDC Project Development Corporation(Project Development Corporation)

PDPU Pandit Deendayal Petroleum University(パンディット・ディーンダヤル石油大学) PPP Public Private Partnership(官民パートナーシップ)

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RBI Reserve Bank of India(インド準備銀行)

RCMC Registration cum Membership Certificate(登録証兼会員証) RFC Rajasthan Financial Corporation(ラジャスタン金融公社)

RIDCOR Road Infrastructure Development Company of Rajasthan(ラジャスタン道路開発公社) RIICO Rajasthan State Industrial Development and Investment Corporation(ラジャスタン州産

業開発・投資公社)

RPO Renewable Purchase Obligation(再生可能エネルギー購入義務) SBI State Bank of India(インドステイト銀行)

SC Scheduled Castes(指定カースト) SDA State Designated Agencies(州指定機関) SEB State Electricity Boards(州電力局)

SEBI Security Exchange Board of India(インド証券取引委員会) SEZ Special Economic Zones(特別経済区)

SIAM Society of Indian Automobile Manufacturers(インド自動車工業会) SIDBI Small Industries Development Bank of India(小規模産業開発銀行) SMIP Sojitz Motherson Industrial Park(双日・マザーソン工業団地) SPCB State Pollution Control Boards(州汚染管理委員会)

SIPCOT State Industries Promotion Corporation of Tamilnadu Ltd(タミル・ナドゥ州産業振興公 社)

SSI Small Scale Industries(小規模産業) ST Scheduled Tribes(指定部族)

STE State Trading Enterprises(国有企業など指定された業者)

STP Software Technology Park(ソフトウエア・テクノロジー・パーク) TRAI Telecom Regulatory Authority of India(電気通信規制庁)

TRIPS Agreement on Trade-Related Aspects of Intellectual Property Rights(知的所有権の貿易的 側面に関する協定)

USTR Office of the United States Trade Representative(米国通商代表部) UMPP Ultra Mega Power Projects(超大型電源開発計画)

単 位 系

GW Giga watt(1GW=1,000MW=1,000,000KW=1,000,000,000W) TEU Twenty Feet Equivalent Unit(1TEU=20 フィートコンテナ 1 個分)

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(19)
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1

第1章 概観(国土、民族、気候、社会、歴史等)

1. 正式国名

インド共和国(Republic of India、以下、「インド」と する)。インドの国旗は、サフラン・白・緑の横三色に中 央に「アショーカ・チャクラ(Ashoka Chakra)」という 法輪を配している。サフランはヒンドゥー教、緑はイスラ ム教、白は2 宗教の和解とその他の宗教を表す。英国支配 からの独立を目指した1921 年以降、数回デザインが変更 されており、右の国旗は1947 年インド連邦として独立し た際に策定されたものである。

2. 人口

人口は世界第2 位の約 12 億 2,080 万人(2013 年)で、2012~13 年の人口増加率は 1.3%。 2025 年までには中国を抜いて世界一の人口規模となる見込みである(図表 1-1 参照)。 図表 1-1 主要国の人口推移(2013~2050 年)

(出所)US Census Bureau より作成

0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2013 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 中国 インド 米国 インドネシア 日本 フィリピン ベトナム タイ (百万人) (年) 0 200 400 600 800 1,000 1,200 1,400 1,600 1,800 2013 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 中国 インド 米国 インドネシア 日本 フィリピン ベトナム タイ (百万人) (年)

インドの国旗

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2 平均寿命は67 歳であり、年齢別の人口構成をみると、若年者人口の比率が高く、25 歳未 満の人口が全人口の47.0%を占める。図表 1-2 のとおり、若年層中心の同国の人口構成は 富士山型であり、将来的にも労働力が豊富とみることができる。一方、中国の人口構成は 釣鐘型であり高齢化が進んでいる(図表 1-3 参照)。OECD の予測では、2030 年には中国 の65 歳以上人口比率は、日本を越えて世界一になると示されており、高齢化社会に急速に 突入していくとみられている。 図表 1-2 インドの人口構成(2013 年・2025 年) 図表 1-3 (参考)中国の人口構成(2013 年・2025 年) (出所)図表 1-2、図表 1-3 ともに US Census Bureau より作成

3. 国土

インドの国土面積はパキスタン、中国との係争地を含めて328.7 万㎢(日本の約 8.7 倍) であり、世界第 7 位の広さである。インドの本土は、ヒマラヤ山脈のある北部山岳地帯、 広大なヒンドスタン平原、及び南部のデカン半島部分の 3 つの広大な領域から成り立って おり、海岸線は 7,516 キロメートル(4,670 マイル)に及ぶ。 また、インドは、アジア地域のなかで地政学的に重要な位置にある。東側は世界第 2 位 80 60 40 20 0 20 40 60 80 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ 男性 女性 (百万人) 80 60 40 20 0 20 40 60 80 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ 男性 女性 (百万人) 80 60 40 20 0 20 40 60 80 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ 男性 女性 (百万人) 80 60 40 20 0 20 40 60 80 0-4 10-14 20-24 30-34 40-44 50-54 60-64 70-74 80-84 90-94 100+ 男性 女性 (百万人) 2013 年 2025 年 2025 年 2013 年

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3 の経済大国である中国と国境を接しており、高い経済成長を遂げている ASEAN 諸国とも 近い距離に位置する。一方、西側には、政治・社会的に不安定なパキスタン、アフガニス タンなどの中東諸国があり、イスラム過激派に対する防波堤としての役割を果たしている。 図表 1-4 インドの地勢図 ひとくちメモ(1):インドの耕地面積 インドは他のアジア各国と比較すると、突出して耕地割合が高いことがわかる。国際連合食糧農業 機関(FAO)2011 年の統計によると、インドの耕地面積は国土面積の 47.9%を占め、一人当たり耕地 面積は 12.87a である。一方、インドと同規模の人口を擁す中国では、国土に占める耕地割合は 11.6%と低い。このように、人口と耕地面積は必ずしもバランスしていないものの、インドは膨大な国内 の食糧ニーズに対応しやすい環境を整備しているといえる。 図表 1-5 アジア主要各国における耕地面積 主要国名 インド 中国 インド ネシア 日本 フィリ ピン ベトナム タイ マレー シア 人口(百万人) 1,223 1,354 244 128 96 90 64 29 国土面積(万ha) 32,873 96,000 19,046 3,780 3,000 3,310 5,131 3,308 耕地面積(万ha) 15,735 11,160 2,350 425 540 650 1,576 180 耕地割合(%) 47.9 11.6 12.3 11.2 18.0 19.6 30.7 5.4 一人当たり 耕地面積(a) 12.87 8.24 9.63 3.32 5.63 7.22 24.63 6.21 (出所)FAO 統計(2011 年)より作成 インド スリランカ 中華人民共和国 パキスタン イラン サウジアラビア タイ ミャンマー アフガニスタン ネパール バングラディッシュ イエメン オマーン ブータン ベトナム アフリカ ASEAN諸国

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4

4. 首都

ニューデリー(New Delhi)。デリー首都圏の行政区である。首都圏の人口は約 1,680 万 人(2013 年、National Capital Territory of Delhi 推計)。日本との時差は 3.5 時間。

5. 気候

基本的には熱帯モンスーン気候であり、一年を通じて4 つの気候が見られる。1~2 月の 冬が明けると、3~5 月は夏となり、6 月から雨期を迎える。6~9 月は南西モンスーン・シ ーズン(半島東部については、北東モンスーン・シーズン)であり、この時期に年間降雨 量の 8 割程度の降雨がある。10~12 月はポスト・モンスーン・シーズンであり、12~1 月 の気温は、北部及び西部では平均 10~15°C(50~59 °F)、南部及び東部では 20~25°C(68 ~77 °F)である。また、3~6 月までの夏、及びプレ・モンスーン・シーズンの期間は、平 原のほとんどの場所で平均気温が約 32~40°C(90~104 °F)となる。但し、インドは国土 が広大であるため、地域によって多様な気候が見られる。 また、インドでは、全国的に日射量が豊富な地域が多く、グジャラート州周辺の地域で は、年間約2,000kWh/㎡の日射を受けている(図表 1-6 参照)。2010 年より、グジャラー ト州に大規模な太陽光発電パーク「チャランカ・ソーラー・パーク」が建設されるなど、 太陽光発電の積極的な取組みが進められている(詳細は第21 章参照)。

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5 図表 1-6 インドの日射量マップ

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6 ひとくちメモ(2):新宿中村屋とカリーとボース 新宿中村屋といえば、インドカリー。新宿御三家と呼ばれ、伝統のある新宿中村屋のインドカリーを 食べたことのある方は何人もいるだろう。実はこのインドカリーがインドから日本に亡命し、新宿中村屋 で匿われたインドの革命家ラス・ビハリ・ボースによって作られたということはあまり知られていない。 大正元年(1912 年)、英国の統治下にあったインドでは独立の気運が高まっており、ボースも独立 運動に身を投じていた。その活動は熱心で、大正元年(1912 年)にはデリーでインド総督に爆弾を投 げつけたことにより英国政府から厳しい追及を受け、日本に亡命を果たす。日本でボースは孫文から 頭山満を紹介してもらい、潜伏生活に入ったが、そのことが英国政府に伝わり日英同盟を結んでいた 日本政府は国外退去命令を出した。退去日の前日に頭山から依頼を受けた新宿中村屋の創業者の 相馬夫妻は、ボースを中村屋のアトリエに匿うことを決意。その後、逃亡生活を支えたのが相馬夫妻 の長女俊子であり、二人は後に結婚し二人の子供を授かるが、俊子は逃亡生活の心労がたたり、大 正14 年(1925 年)、26 歳で早逝してしまう。 俊子の死後も中村屋との交流を深めたボースは、昭和2 年(1927 年)、本場インドのカリーを日本に 紹介したいとの思いから、中村屋の喫茶部の開設とともに「純印度式カリー」を売り出すことを提案し た。当時日本に広まっていたカレーは英国から伝わった、小麦粉を使用したものであり、インドで食べ ているカリーとは異なるものであった。当時、鶏肉は自前の軍鶏飼育場、バターとヨーグルトは自営牧 場からと、材料を厳選し、スパイスをふんだんに使った本格カリーは人気を博した。町の洋食屋のカレ ーが10~12 銭だったのに対し、中村屋のカリーは 80 銭だったが、飛ぶように売れたそうである。 【写真説明】左はラス・ビハリ・ボース。右は発売当初の「純印度式カリー」 (出所)(株)中村屋より提供

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7 (株)中村屋CSR 推進室の広澤課長はボースを匿った背景には創業者 相馬夫妻の思想が関係し ているという。 二人は学生時代にキリスト教に帰依し、困っている人は助けるというキリスト教的なヒューマニズム を持っていた。実際、大正12 年(1923 年)の関東大震災の時、新宿界隈は食べ物がなく、一部の食品 店では価格を引き上げて収益を得るような動きに走った中、被害の少なかった新宿中村屋では「地震 パン」「地震饅頭」「奉仕食パン」の 3 品を夜通しで製造し、被災民に特価で提供していた。ボースを匿 ったことについても、政治的な思想からではなく、遠いインドから日本へ亡命してきたボースを見殺しに することはできなかった相馬夫妻の思いから匿う決意に至ったのだろう、と広澤課長は想像する。 【写真説明】関東大震災記念の特価販売で賑わう店頭 (出所)(株)中村屋より提供 その後、ボースによって作られたインド式カリーは時代の変化とともに厳選した素材を使用し、日本 を代表するカレーとなっている。現在、新宿中村屋とインドの関係は材料調達程度の関係ということで あるが、いまだにラス・ビハリ・ボースについての問い合わせは恒常的にあるという。これからインドに 投資を考える方はインドをより理解するという意味で、一度、新宿中村屋の「恋と革命の味」を味わうこ とをお勧めしたい。

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8

6. 民族

同国の人口の大半を占めるのが、インド・アーリア人(72%)である。続いて、ドラヴ ィダ人(25%)、モンゴロイド人(3%)と続く。様々な民族による侵入・定住の歴史の中 で、少数民族を含めた多様な民族が存在し、インド人の多くが混血となっている。 インド・アーリア人は、中央アジア方面からインド北部に侵入してきた経緯があり、肌 の色が白く背が高い特徴を持っている。現在、国土の中央部から東西に広く分布している。 一方、ドラヴィダ人は古代からインドに定住していた先住民であり、肌の色が黒く背が低 い。インド・アーリア人の侵入を経て、現在では主に南部に居住している。モンゴロイド 人は中国やチベットとの国境付近に見られる。

7. 言語

同国の連邦公用語はヒンディー語である。中部・北部を中心に、同国で最も多く話され ている言語である。話者は約 5 億人に上り、中国語や英語と同様に、最も世界で話されて いる言語の一つである。また、準公用語として英語が広く普及し、米国に次いで話者数が 多い。憲法では 21 言語が州公用語として規定されているが、言語総数は方言を加えると 約2,000 程度にも及ぶと言われている。

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9 図表 1-7 各州において多数派を占める言語分布状況 (出所)Maps of India より作成

8. 宗教

人口の82.0%をヒンドゥー教が占めている。この他は、イスラム教が 11.6%、キリスト 教が2.6%、シーク教が 1.8%、仏教が 0.8%、ジャイナ教が 0.4%となる(2011 年国勢調査)。 各宗教の広がりと特徴は以下のとおりである。 イスラム教は、ジャム・カシミールやラクシャディープなどの州・連邦直轄地で多数派 を占め、増加傾向にあり、同国はインドネシア・パキスタンに次ぐ世界第 3 位のイスラム 人口を抱えている。イスラム教はヒンドゥー教との対立が深く、ムンバイなどの都市部を 中心にイスラム原理主義によるテロ事件も発生している。キリスト教は、以前ポルトガル 領だったゴアを中心に、北東 3 州(ナガランド、ミゾラム、メガラヤ)やマニプール、ケ ララなどに多く見られる。シーク教は、総本山があるパンジャブに集中して見られる。現 首相であるマンモハン・シン首相も、パンジャブ出身のシーク教徒である。シーク教はカ ースト制を否定して輪廻転生を受入れる特徴があり、一神教である。 仏教は同国起源の宗教であるが、13 世紀初頭にイスラム教徒の侵攻によって没落した。 現在はカシミールやネパールなどにとどまる。ジャイナ教も仏教同様、同国を起源とする

・・・ヒンディー語

・・・ベンガル語

・・・マニプル語

・・・グジャラート語

・・・マラーティー語

・・・コーンカニー語

・・・カンナダ語

・・・テルグ語

・・・マラヤーラム語

・・・タミル語

・・・ネパール語

・・・カシミール語、パンジャーブ語

デリー コルカタ ハイデラバード チェンナイ バンガロール プネ アーメダバード ムンバイ

・・・アッサム語

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10 最も古いインド宗教の一つである。全てのあらゆるものに霊魂の存在を認め、身体的・言 語的・心理的暴力を否定する特徴がある。また、同国最大の財閥であるタタ・グループは、 パールーシーの一族によって運営されてきた。パールーシーは、インドに居住するゾロア スター教徒の名称であり、ムンバイやプネなどに集中している。裕福で教育・文化レベル が高く、ネットワーク意識が強いことも特徴的である。 図表 1-8 各州において多数派を占めるインドの宗教分布状況 (出所)Maps of India より作成

9. 教育

同国の基本的な教育制度は、義務教育である初等教育が1~8 年生、中等教育が 9~10 年 生である。10 年生の終了年度末に全インド中等学校試験が実施され、普通教育(上級高等 学校)と職業教育(工業学校)の進路に分かれる。また、上級高等学校の終了年度末には、 全インド上級高等学校試験が実施されて進学先の大学が決まる(図表 1-9 参照)。但し、イ ンドでは州政府が教育権限を有するため、州により学年数やカリキュラムなどが異なる。 高等教育は政府の管理下で、インド工科大学など国際競争力の高い大学がある。また、職 業教育についても政府の多額の投資によって、公共の職業訓練校が展開されている。

・・・ヒンドゥー教

・・・キリスト教

・・・仏教

・・・仏教、イスラム教、

キリスト教

・・・ヒンドゥー教、

イスラム教、キリスト教

デリー コルカタ ハイデラバード チェンナイ バンガロール プネ アーメダバード ムンバイ

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11 図表 1-9 インドの教育制度(基本形) 初 等 教 育 上 級 初 等 教 育 中 等 教 育 上 級 中 等 教 育 高 等 教 育 小学校 : 1~5年生 5年間(6~10歳) 中学校 : 6~8年生 3年間(11~13歳) 高等学校 : 9、10年生 2年間(14~15歳) 上級高等学校 : 11、12年生 (普通教育) 2年間(16~17歳) 工業学校 (職業教育) 6年間 大学 3年間 修士課程 2年間 博士課程 3年間~

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12 ひとくちメモ(3):インドのカースト制度と貧困問題 カースト制度は、紀元前13 世紀頃よりアーリア人のインド支配を受けて定められた、ヒンドゥー教に おける身分制度である。バラモン(司祭)を最高位に、クシャトリア(王族、士族)、バイシャ(商工業 者)、シュードラ(農民、隷属階級)に大別されるが、カーストの分類は職業別に2,000~3,000 にも及 ぶといわれている。また、カーストの序列の下には、アウト・カーストとして推定2.5 億~3 億人の不可 触民(アンタッチャブル、ダリット)が存在する。但し、正確な分布を把握できていないのが現状である。 上位カーストによる差別はインド社会で根強く残っている。営業訪問者が商談の場で下位カーストの 人間がいるとわかった途端に大きな態度をとったりするというのは日常的にあるようだ。特に、不可触 民に対する差別は深刻であり、インド憲法ではこうした最下層の人々を「指定カースト」(SC:

Scheduled Castes)と定め、「指定部族」(ST:Scheduled Tribes)と合わせて、保護政策を採ってい る。保護政策としては、国会、州議会、地方議会の議席、高等教育機関の入学、政府・公企業の雇用 において一定枠の確保などがある。2008 年の選挙区改正においては、全国 543 選挙区のうち 84 を 指定カーストに、54 を指定部族に割り振ることが定められた。また、シュードラなどの下位層である「そ の他の後進諸階級」(OBC:Other Backward Classes)への留保措置を巡って対立が続いている。イ ンドで極めて深刻な貧困問題もカースト制度と深く関係している。政府が定める貧困ライン以下で生活 する人口比率は、農村部で1993 年度の 50%から 2009 年度の 34%に、都市部では同期間に 31% から21%に減少した(図表 1-10 参照)。この間、SC(指定カースト)、ST(指定部族)の同比率も農村 部、都市部で減少に向かっているが、SC、ST の貧困比率は全体の平均より高いものとなっており、貧 困問題の更なる解決が求められている。 図表 1-10 貧困ライン以下で生活する人口比率 1993 年度(%) 2009 年度(%) 変化率(ポイント) 農村 都市部 農村 都市部 農村 都市部 全体 50.19 31.45 33.8 20.9 -16.39 -10.55 SCs 62.28 51.16 42.26 34.11 -20.02 -17.05 STs 66.02 39.46 47.37 30.38 -18.65 -9.08

(出所)Planning Commission Government of India, “Twelfth Five Year Plan 2012-2017” 【写真説明】職業カースト「ムンバイでの洗濯屋」

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10. 通貨

インドの通貨はルピー(Rupee)。 2013 年 8 月 28 日、1 ドル当たり 68.15 ルピーと過去最安値を記録 した(2013 年 10 月末時点)。1993 年に、為替レートを市場レートに統 一する「管理変動相場制」を導入し て以降、対ドルに基づく強力な介入 により、為替相場の変動が小さいも のの、インドルピーは下落を続けて いる(詳細は第16 章参照)。 なお、インド紙幣は、英語やヒンディー語以外にも、多くの言語が記載されており、同国 の使用言語が多様であることが分かる。

11. 歴史

(1) インダス文明からムガール帝国まで 紀元前25 世紀頃より、インダス川流域でインダス文明が発展したと知られている。紀元 前15 世紀頃よりアーリア人がパンジャブ地方に進出して、先住民を征服。紀元前 10 世紀 頃には、ガンジス川流域へと勢力を拡大し、農耕社会や商工業の発展が見られるようにな った。紀元前 5 世紀には、釈迦によって初期仏教が創始されたと言われている。紀元前 4 世紀後半にはインド初の統一王朝が成立し、紀元前 3 世紀のアショーカ王の時代に最盛期 を迎えた。官僚制に基づく中央集権政治が繰り広げられ、強固な古代帝国が築かれたが、 紀元前2 世紀後半には衰退した。2 世紀にはローマ帝国との活発な交易が展開される中、南 インドにも仏教が広がっていった。そして、4 世紀後半に、グプタ朝が北インドを統一し、 ヒンドゥー教や文化・学問が発展していったとされる。 10 世紀後半より、イラン系王朝が北インドへの進出を進め、デリーを中心に、イスラム 王朝が樹立された。一方、南インドでは、ヒンドゥー王国がインド洋貿易を通じて繁栄を 遂げていた。16 世紀にはムガール帝国が誕生し、約 300 年間の安定的な統治体制が築かれ た。ペルシア色の強いインド・イスラム文化が発展し、タージ・マハルもこの時代に建設 されている。 (2) 英国統治時代から独立へ 17 世紀には英国東インド会社による開発が進められ、1858 年から 1945 年まで英国の支 配下となった。1919 年より、マハトマ・ガンディーが多くの人々を巻き込みながら、非暴 100 ルピー紙幣(裏面)

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14 力・不服従の独立闘争を展開し、1947 年に独立を果たした。しかし、イスラム教徒とヒン ドゥー教徒の対立は根強く、イスラム教徒多数派地域はパキスタンとして分離独立した。 1950 年には、インド憲法が施行されて社会主義共和国へと移行した。 (3) 社会主義国家の建設と挫折 初代首相ネルーは、冷戦時代においても、平和五原則の下で、いずれの陣営にも属さな い非同盟の立場を取った。しかし、冷戦を終えた現在においても、パキスタンや中国との 領土問題では緊張状態が続いている。また、社会主義の志向の下で、保護貿易や計画経済 が進められた結果、経済の停滞を招くこととなった。 (4) 経済の自由化と経済連携の動き 1991 年、長引く経済の停滞を打開するため、ラーオ首相はインドの経済改革を行った。 海外の直接投資を積極的に受入れる等して、経済の自由化を進めた結果、飛躍的な経済成 長を遂げた。特に21 世紀以降の経済成長は目覚ましく、現在も BRICs の主要国として注 目を集めている。英語や数学を強みに多くの情報技術者が輩出され、主にIT 分野における BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)産業が急速に発展を遂げている。また、 豊富な労働力を背景に、自動車産業等を中心とした労働集約型産業も集積し始め、各国と の自由貿易協定(FTA)や経済連携協定(EPA)を推進し、更なる経済発展を推し進めて いる。

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15 図表 1-11 インドの歴史 時代 年代 歴史 イ ン ダ ス 文 明 か らムガール帝国 まで BC25 世紀 インダス川流域でインダス文明が繁栄 BC15 世紀 アーリア人がバンジャーブ地方に侵攻 BC5 世紀 釈迦により仏教創始 BC3 世紀 ウマリア王朝アショーカ王によるインド統一 4 世紀 グプタ朝によるインド再統一 10 世紀 イラン系王朝の侵攻によるイスラム王朝の樹立 1526 年 ムガール帝国の誕生 1600 年 カルカッタに英国東インド会社設立 1857 年 ムガール帝国の滅亡 英国統治時代か ら独立へ 1858 年 英国による全土の直接統治 1947 年 第一次印パ戦争:英国統治からの独立・パキスタンとの分離 1948 年 マハトマ・ガンディー暗殺 社会主義国家の 建設と挫折 1950 年 初代首相ネルー就任:新憲法制定、共和制への移行 1952 年 日印国交樹立 1962 年 中国との国境紛争 1971 年 ソ連と平和友好協力条約締結 経済の自由化と 経済連携の動き 1991 年 ナラシマ・ラオ政権発足:経済自由化政策への転換 1995 年 WTO 加盟 2000 年 インド・スリランカ自由貿易協定締結 2003 年 ASEAN 包括的経済協力枠組み協定 インド・アフガニスタン特恵関税協定 2004 年 マンモハン・シン首相就任 インド・タイ枠組み協定発効 2006 年 南アジア自由貿易地域協定(SAFTA)発効 インド・韓国包括的経済連携協定 2007 年 インド・シンガポール包括的経済協力協定発効 インド・チリ経済協力枠組協定発効 2009 年 インド・メルコスール特恵関税枠組み協定発効 2010 年 インド・韓国包括的経済連携協定発効 2011 年 インド・マレーシア包括的経済協力協定発効 インド・ASEAN 包括的協力経済連携協定発効 インド・日本包括的経済連携協定発効 2012 年 日・印社会保障協定署名 2013 年 日印共同声明署名

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第2章 政治・外交・軍事

1. 政体

1950 年 1 月にインド憲法が施行され、連邦共和制を採用。憲法では、正義・自由・平等・ 友愛の 4 つの理念が掲げられ、カースト制度が禁止された。三権分立制度を採用し、立法 権は国会、行政権は内閣、司法権は裁判所が属している。現在、28 の州と 7 の連邦直轄地 域があり、中央と州の管轄事項は憲法に定められている。中央は、国防、外交、通信、通 貨、関税、州は法と秩序、公衆衛生、教育、農林漁業などを専管事項としている。中央と 州との共管事項としては、経済計画、社会保障、貿易、産業などがあり、中央と州で対立 が生じる場合には中央の法律が優先される。

2. 元首

大統領が元首であり、任期は5 年。2013 年 10 月時点の大統領はプラナーブ・ムカジー である。現大統領の詳細は以下のとおり。  プラナーブ・ムカジー大統領 1935 年 12 月 11 日生まれ。西ベンガル州ビルブム出身であり、ベンガル人としては初 の大統領である。財務、外務、国防大臣等の主要閣僚を歴任し、現マンモハン・シン 首相の強い要請を受けて大統領に指名された。2012 年 7 月 25 日より現職。

3. 首相

首相は行政府の首長。2013 年 10 月時点の首相はマンモハン・シンである。現首相の詳 細は以下のとおり。  マンモハン・シン首相 1932 年 9 月 26 日生まれ。パンジャブ州ジェーラム出身。インド準備銀行総裁や首相 経済諮問委員会委員長を歴任。1991 年に財務大臣として、様々な経済改革を敢行し、 インド経済の建て直しを図った。首相着任後も引き続き、経済の自由化を推し進め、 社会的弱者の救済政策に力を入れている。2004 年 5 月 22 日より第一次内閣、2008 年 7 月 22 日より第二次内閣を組閣している。

4. 内閣

議員内閣制。首相を長とする閣僚会議(Council of Ministers)において、大統領が首相 を任命し、他の大臣は首相の助言に基づいて、大統領が任命する。閣僚会議は実質的な行 政権を持ち、国会議員に対し連帯して責任を負う。

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5. 行政組織

同国の行政組織は全48 の省庁から成る。2012 年 10 月に、シン首相は内閣改造を行い、 若年層を中心とした17 人の新たな閣僚が就任し、内閣の若返りが図られた。2013 年 10 月 時点の内閣主要閣僚は、図表 2-3 のとおり。 図表 2-1 行政組織 (出所)JETRO「アジア動向年報 2013」より作成 図表 2-2 中央省庁  農業省 Ministry of Agriculture

 化学肥料省 Ministry of Chemicals and Fertilizers  民間航空省 Ministry of Civil Aviation

 石炭省 Ministry of Coal

 商工省 Ministry of Commerce and Industry

 通信・情報技術省 Ministry of Communications and Information Technology  消費者問題・食料・ Ministry of Consumer Affairs, Food and Public Distribution

公的分配省

 企業省 Ministry of Corporate Affairs  文化省 Ministry of Culture

 国防省 Ministry of Defence

 北東部開発省 Ministry of Development of North Eastern Region  飲料水衛生省 Ministry of Drinking Water Supply and Sanitation  地球科学省 Ministry of Earth Sciences

 環境森林保護省 Ministry of Environment and Forests  外務省 Ministry of External Affairs

州 首 相 州閣僚会議 大 統 領 副 大 統 領 連 邦 議 会 上 院・下 院 中 央 省 庁 首 相 府 国家計画 委 員 会 国家開発 委 員 会 国家安全 保 障 評 議 会 中央選挙 管 理 委 員 会 連邦公務 委 員 会 会 計 検 査 院 軍 首 相 閣 僚 会 議 州 知 事 州 議 会

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 財務省 Ministry of Finance

 食品加工産業省 Ministry of Food Processing Industries  保健家族福祉省 Ministry of Health and Family Welfare

 重工業国営企業省 Ministry of Heavy Industries and Public Enterprises  内務省 Ministry of Home Affairs

 住宅・都市貧困緩和省 Ministry of Housing and Urban Poverty Alleviation  人材開発省 Ministry of Human Resource Development

 情報・放送省 Ministry of Information and Broadcasting  労働雇用省 Ministry of Labour and Employment  法務省 Ministry of Law and Justice

 中小企業省 Ministry of Micro, Small and Medium Enterprises  鉱山省 Ministry of Mines

 少数派問題省 Ministry of Minority Affairs

 新・再生可能 Ministry of New and Renewable Energy エネルギー省

 在外インド人省 Ministry of Overseas Indian Affairs  パンチャーヤティ・ Ministry of Panchayati Raj

ラージ省

 議会省 Ministry of Parliamentary Affairs

 公務省 Ministry of Personnel, Public Grievances and Pensions  石油・天然ガス省 Ministry of Petroleum and Natural Gas

 総合調整官庁 Ministry of Planning  電力省 Ministry of Power  鉄道省 Ministry of Railways

 道路交通省 Ministry of Road Transport and Highways  農村開発省 Ministry of Rural Development

 科学技術省 Ministry of Science and Technology  海運省 Ministry of Shipping

 社会正義 Ministry of Social Justice and Empowerment エンパワーメント省

 統計・計画実施省 Ministry of Statistics and Programme Implementation  鉄鋼省 Ministry of Steel

 繊維省 Ministry of Textiles  観光省 Ministry of Tourism  部民族省 Ministry of Tribal Affairs  都市開発省 Ministry of Urban Development  水資源省 Ministry of Water Resources

 女性子ども開発省 Ministry of Women and Child Development  青年スポーツ省 Ministry of Youth Affairs and Sports (出所)Government of India Web Directory より作成

図表 2-3 第二次シン内閣主要閣僚一覧(2013 年 10 月時点)

主要閣僚 氏名

首相、公務、総合調整、原子力、宇宙 Dr. Manmohan Singh

外務 Shri Salman Khurshid

内務 Shri Sushilkumar Shinde

財務 Shri P. Chidambaram

国防 Shri A.K. Antony

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法務、通信・情報技術 Shri Kapil Sibal

農業、食品加工産業 Shri Sharad Pawar

人材開発 Shri M.M. Pallam Raju

労働雇用 Shri Sis Ram Ola

繊維 Dr. Kavuru Samba Siva Rao

道路交通 Shri Oscar Fernandes

都市開発、議会担当 Shri Kamal Nath

新・再生可能エネルギー Dr. Farooq Abdullah (出所)CABINET SECRETARIAT より作成

6. 地方行政制度

同国の地方行政は、28 の州と 7 つの連邦直轄地から構成されている(図表 2-4 参照)。 州には自治権が定められているが、連邦直轄地は中央政府に直接統治されている。同国の 行政制度の多くは英国統治時代の影響を強く受けており、権限の分割が行われている。 連邦制の同国では、図表 2-5 のとおり、中央・州・地方自治体の三層構造ではあるが、 それぞれの州が独立した政府として存在し、各州政府の管轄下に地方自治体がある。そし て、地方自治体は、都市部と農村部でそれぞれ異なる制度が採用されている。都市部自治 体は、大都市における自治都市、小都市における都市評議会、農村から都市への発展段階 にある地域におけるナガル・パンチャーヤトから構成されており、農村部自治体は、県・ 郡・村の三層構造となっている。

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20 図表 2-4 インドの行政区域 No. 州名 No. 州名 1 アンドラ・プラデシュ 15 マハラシュトラ 2 アナチャル・プラデーシュ 16 マニプール 3 アッサム 17 メガラヤ 4 ビハール 18 ミゾラム 5 チャッティースガル 19 ナガランド 6 ゴア 20 オリッサ 7 グジャラート 21 パンジャブ 8 ハリヤナ 22 ラジャスタン 9 ヒマチャル・プラデシュ 23 シッキム 10 ジャム・カシミール 24 タミル・ナドゥ 11 ジャールカンド 25 トリプラ 12 カルナタカ 26 ウッタル・プラデシュ 13 ケララ 27 ウッタラーカンド 14 マディヤ・プラデシュ 28 西ベンガル No. 連邦直轄領名 No. 連邦直轄領名 A アンダマン・ニコバル諸島 E ラクシャディープ B チャンディーガル F デリー首都圏 C ダードラー及びナガル・ハヴェーリー G ポンディシェリ D ダマン・ディーウ - - 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 B C D F G 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 27 26 28 A E G G

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21 図表 2-5 インド憲法が定める行政階層 (出所)財団法人自治体国際化協会(2007)より作成

7. 国会

インドの議会制度は二院制であり、連邦議会は上院・州会議(ラジャ・サバー)と下院・ 人民会議(ロク・サバー)から構成される。日本における衆議院と同様に、下院の上院に 対する優越がある。下院では、国民による直接選挙が行われ、そこで多数を占める党から 首相が選出される仕組みとなっている。

8. 政党

同国では、現与党であるインド国民会議派(INC)と最大野党であるインド人民党(BJP:

Bharatiya Janata Party)の二大政党が存在する。

2009 年 5 月に実施された第 15 回連邦下院選挙の結果は、図表 2-6 のとおり。現与党で ある国民会議派が議席数を伸ばしたものの、同派は全議席の 4 割未満であり、与党連合で ある統一進歩同盟(UPA:United Progressive Alliance)も全議席の過半数に及んでいな い。政権が発足してから4 年が経過したが、与党連合内での意見調整は進まず、2012 年 9 月には少数地方政党である全印草の根会議派(TMC)が離脱し、2013 年 3 月にはドラヴィ ダ進歩連盟(DMK)が離脱することとなった。更に、福祉や農村部を優先するソニア・ガ ンジー国民会議派総裁と経済成長を重視するシン首相の間においても温度差が見られる中 で、与党の政策実行能力の低さが問題視されている。 次回総選挙は、遅くとも2014 年 5 月に実施される見通しであり、国民会議派は議席数を 大幅に減らし、政権交代もありうると見られている(詳細は第4 章参照)。 中央政府(Union Government) 地方自治体(Local Government) 都市部自治体(Municipality) • 自治都市(Municipal Corporation) • 都市評議会(Municipal Council) • ナガル・パンチャーヤト(Nagar Panchayat) 農村部自治体(Panchayat) 村パンチャーヤト (Village Panchayat) 県パンチャーヤト (District Panchayat) 郡パンチャーヤト (Intermediate Panchayat) 州政府(State Government)

図表  2-3  第二次シン内閣主要閣僚一覧(2013 年 10 月時点)
図表  3-2  インドの経済成長と 1 人あたり GDP の推移
図表  3-6  雇用者数に対する産業別寄与
図表  3-7  製造業の実質 GDP 構成比の推移(2004 年度=100)
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参照

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