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3.1 幼児の使用した語形

 幼児の使用した語形はつぎのとおりである。

誌ここ〉ていねいさi       ふ つ う て い ね い

ミミ璽粛.

トテ。蛎

み と め年年年 う ち け し み と め う ち け し

キ中少

年年年 キ中少

年年年 キ中少

年年年 キ申少

[連体形 現在形

゚去形

よむ

謔 だ

○○○

宦宦

よまない 謔ワなかった

○○○

「 ○

よみます    i

謔ンました

よみません 謔ンませんでした

 なお,このなかの△印のところは,形式名詞「とき1にかかる例がひとつあっただけである。

 この表は,ていねい動詞の連体形があるようなつくりになっているが,ていねい動詞の連体形 は,ふつうは,形式名詞のばあいしかないので,この欄を削除したほうがよいかもしれない。

 幼児の使用した例をみると,うちけしの過去形には,ほとんどみられなかったが,その他のか たちは使用されている。従って,幼児は,動詞の連体.形を所有しているということができる。

 幼児の使用した例は,つぎのとおりである。

種 類 年  長  児 年  中  児 年  少  児

○ヒューヒュー ソラ トブ      一 ○ウントネ セワスル  オジ リユウガ イタカラネ(自一

刻翌U−4)

@     ヌウ オシ

@   ソウ イウノ。

i二一s男5−9)

@    キシャ トオッ

サンガ オハナニ ミズヲ Aゲタノ。(神一桑女4−10)

宸アわいのは? オニガ ク       一

レとユメ。(神一真弓4−11)

寃Lョウ 三2 ユメネー i小一岡女4−8)

寃Vボレタ ハナガ ダンダ

○ダレカ 一品アサンニ ナ bテネ ツクル シトガ イ iクチャ ダメダモン。(小一 贒№S−0)

寃Pムリ ダス キカンシャ    ー

mッテネ(神一三男4「0)

寃cキデタ ハナハ ヒッカ みとめの

宦@ 詞

サ在形

゚去形

フ動詞

、ちけし

サ在形

゚去形

     ミチ トオッ Nルノ。(赤一C男5−6)

@  タベタ ショッ

キボウノ ヨウデ(神一古男

S−5)

寃}マガ ツクッタ オベン

○ヨウフクネ Sトトカ 寃?カシネ

^ センロノ 怐寃Wブンノ

L モッテ イッタリネ(赤

黷P女5−8)

寃Eントネ シラナイ ヒト K キテネ(自ごy男6−0)

寃?ボウチュウシャ ヤンナ

C カタハー。男5−10)

寃aオフロニ bテ イウ 宴iカッタ

ン ヒライテ  クンノ。(自一

薗j5−5)

寃iカマニ イレナイ コ

トウダヨ。(赤一q男4−1)

寃Jゼガ アタッテネ コワ 激iイ オウチ ツクッテネ ヤッテネ(赤一

nイリナサイ」

gキネー ハイ    }

ガ アルンダヨ。(小一久女 S−7)

寃Iカネガ タマンナイ qトニネ(自一t男5−3)

(小一矢女4−0)

寃Wドウシャ コナイ ミチ i神一高男4−4)

寃Aノネ ナカカラ ポイテ Cレナカッタ オテテ カマ

トキ オコラレ ナカッタ。(自一b女3−10)

ル(赤一k女6−2)

一52一

3.2 連体形の用法

      注1)

3.21 連体形動詞の形態論的な性格

 名詞のしめすものごとを,動作・状態の面からくわしくする連体形の動詞は,テンス・アスペ クト的な性格をもっている。このような連体形動詞の「する」と「した」とは,つぎのような3 種類の対立のしかたをしめす。

 1)絶対的なテンスによる対立。これは,はなしている晴嵐を基準とするもので, 〈現在・未   来O過去〉という対立である。これはいいおわり形とおなじ。

  (現在)○玉木さんの方は極くサッパリと祈った。「天にましますわれらの父よ,すべてをし        ろしめす父よ……」といふ風に祈った。(桜の実の熟する時)

(未来)○いま来るお客さま,中国の人です。女の法学博士です。(窟本百合子「道標」)

 (過虫)○あの時分は,死んだお祖父さんもまだ若かった。(田山花袋「時は過ぎゆく」)

2)相対的なテンスによる対立。これは,文の述語のしめす動作や状態のなりたつ時点を規準  とするものでく同時・以後←→以前〉という対立である。

 (剛寺)○百三十ケ所から一時に燃え上る火は,山全体を包むかと見えた。

      (晶木健作「生活の探究」)

 (以後)○彼の口を出る次の書葉を腹の中で暗に待ち受けました。(夏目漱石「こころ」)

 (以前)○先に弾いた二人よりもっと立派にできたとしても, (野上弥生子「真知子」)

3)アスペクト的な対立。これは,述語との関係が同時であるばあい,または,述語との関係  がきれたばあいにおこるもので,〈進行の状態←→結果の状態〉という対立である。

 (進行)○白地に赤で旗を押したてて前進する群集の絵が表紙についていた。(道標)

 (結果)○枕元から吸呑を取りあげ,病人の熱で干澗らびた唇へ持って行った。(真知子)

 名詞のしめすものごとを,性質(あるいは状態)の面からくわしくする連体形の動詞は,テン ス・アスペクト的な性格をうしなって,形容詞のように,名詞のしめすものごとの属性をあらわ す。このような属性的な用法のなかでは, 「する」と「した」とは対立せず,それぞれ,ポテン

シャルな属性,および,状態または性質をあらわす。「対立しない」というのは,この用法になる 動詞が,「する」のばあいと「した」のばあいに,語いとして,大きくずれているからである。

 (ポテンシャル)○怒る人間は少くとも性格的である。(三木清「人生論ノート」)

(状態・性質)Oそばの紫檀の卓に飾った青銅のドームを型どった古めかしい時計が(真知子)

 このような質規定の連体形からさらにその形容詞性が固定したものがでてくる。r角ばった」

「あせばんだ」ドうすよごれた」などは,形容詞的な用法しかもたない。

注1) 用例は高橋太郎1974からひいた。

 また,後置詞のほうへ派生するものもある。

   ○ロシアに関する書物。(真知子)

   ○教科書法案の構想にそう指導行政に手をつけて(世界1956.8)

 これらの「関する」「そう」のほか「対する」「いう」などがある。後置詞化したものの多くは,

「した」のかたちにすることができるのも,一つの特徴である。

3.22 幼児の使用した連体形の用法

 幼児の使用した連体形の動詞を形態論的な性格の面から分類した。

3.221幼児の使回した連体現在形

 幼児の使用した連体現在形は,つぎのとおりである。

 これによって,幼児は,連体形の形態論的な性格を,全般にわたって,理解,使用しているこ とがわかる。形容詞化したもの,および,後置詞化したものについては,使用のしかたが貧弱で あるのがめだつが,これは,文法の問題ではなく,語いの習得に関係することだろう。

種 類 年  長  児 年  中  児 年  少  児

テンス的 な用法 未  来

相対的な ○ヨナカ オトイレ イク 未  来

         一

qトハ シタデネ オトイレ

イカナイ ヒトハ ウエ。(自 一d女5−11)

○ソレカラ カエル シタク シテ カエッタノ。(自一E男 5−7)

現  在

絶対的な ○ホイクエンニ アルネ ツ ○ココニ アル シーソト ○オニイチャンガ イル フ 現  在 ミキトネ アト プロ ブロ

    一

̀ガウノヨ。(赤一f女4−10)

        }

Wパンヤサンニネ ニカイガ

ックトネ ネンドガ スキ。 ○ココデネ イルネ オウチ アッテネ,(神一三男4−0)

(自一B男5−7) ノ ヒトハネ  ココデ バイ

○イマ ヨウチエンニ イル バイシテネー ヒトリデネ

ヒトノ ナカデ(自一。男6 イクノ。(自一〇男4−7)

一3)

相対的な ○ハジッコノ ホウニ アル ○ウートネ シマウマガ ト 現  在

      一

hウブツ ドウクツニ イッ マッタラネー イル コノ

タノ。(赤一m女6−3) ライオンガネー ツイテ キ

○トッチャッタノ。だれが? タカラ。(赤一k女5−3>

ハンノウニ イル コドモニ。

(自一y男6−0)

アスペク 卜的な 用  法

進  行 ○ソイデネー ウー オフロ ○ネズミガネ ウントネ ト ノ オユヲ イレルネー オ ビダツ ダンプト ブツカッ『 トガ シタラネ ニゲテ ィ チャツタノ。(神一北男4−11)

ッテネ(自一t男6−2) ○ウントネ アル ヒ オフ 一54一

属性的な 用  法

特瑚の用 法 形容詞的

後置詞的

○大きくなったらなんになり たい? バスノ不 キップ キ・ル ヒトニ。(赤一N女5−

7)

○オナカガ イッパイニ ナ ル クスリ ノマセラレチャ ッタ。(自一b男6−0)

○ニンゲンガ アルク ミチ ノネー  トコVカラ デテ イッチャッテネ,(赤一〇女 6−1)

○キシャノ アル ゴホン ヨンダ。(赤一〇男6−2)

○ツヅキハ チガウ ホン風 船イテ アンノ。(惣一〇女6

−1)

○イク トキハネ アノー チガウ ミチ ズット トオ

ッテ イクノ。(単一p女6一 一1)

○コウイウ カタチ シタ ノリモノニ ノッテネ(赤一