6.1回忌の使用した語形
幼児の使胴した副詞形はつぎのとおりである。
ふ つ う て い ね い み と め う ち け し み と め うちけ し
年年年
キ中少
年年年キ中少
副詞形
第一同時形 謫 熱時形 謗O同時形
?的形
゚ざし形
よみながら 謔ンよみ 謔ンっつ 謔ンに 謔烽、と
OOO nOOOO △
(よまないながら〉謔゙まいと
「しながら」「しいしいjfしつつ」などの面高形グループは,「副動詞」ともよばれる。浦三1)しか し,「よみに」「よもうと」などは,これを副詞形あつかいにしたのをみないが,ほかにいれようが ないので,ここにいれた。その「目的形」「めざし形」などという用語も,ここでかりにつかった ものである。
めざし形のばあい,うちけしがある点が他とことなるが,クローズをつくらず,述語に対して 醐詞的にはたらく点については,副詞形(副動詞)の定義にあうだろう。「よもうと」「よむまいと」
というのは,つぎのようなばあいにっかわれるもののことである。注2)
○恭吾は,煙草を取り出して,火を点じようと立ち止ってみた。(帰郷)
Ofiili服や,私服が,群集を突き飛ばしながら,犯人を押へようと跳び廻った。(徳永直「太 陽のない街」)
け ど
0葉子はそれを気取られまいと,強ひて左の手を軽くあげて髪の毛をかき上げながら洋盃 を事務長のと打ち合せたが(有島武郎「或る女」)
これらは,「と」に「とおもって」の意味をになわせることはむりであるし,もし,そのよっに かんがえて「しよう」の部分を意志、形とすると,人称性がくずれてしまう。なぜなら,これは,
「彼女はわたしにくれようとてぶくろをあんでいる」のばあい,意志形に固有の一人称という性 質をうしなっているからである。
幼児は,第一同時形および目的形をよくつかっている。第二同時形は1例しかなかった。
第三同時形は文章語なので,今圓の幼児の資料にでなかったのは当然である。めざし形も文章
語であるが,年長と年少にそれぞれ1例ずつあった。しかし,その2例はいずれも不完全であっ
た。この2例は,いずれも,おはなしをするときにでてきたものである。おそらく,聞かされた注1> 鈴木重幸1972
注2> このことは高僑太郎1970で論じた。
おはなしのなかでつかわれていたのであろう。しかし,こども自身は,この・形式をまだ所有して おらず,そのために,おはなしの再現のさいに不完全なすがたであらわれたのだろうとかんがえ
られる。
種 類 年 長 児 年 中 児 年 少 児
第一同時
̀磁
○アソビナガラ ミチャウノ。 ○ソーット ノゾイテ ナキ ○ウサギガ カメノ ニゲル(赤一a男5−11)
一
iガラ ミテタンデスッテ ウシロニ イナガラネ (不○ソレ ミナガラ オヒルネ (赤一P女5−2) 明)ネ キッテルノ。〔注)意 シテタノ。(赤一e男5−10) ○ヨソミシナガラ ノボッテ 味がよく通じない。](神一折
ツタノ。(赤一b男5−6) 女4〜3>
○「コレデ コレデ オ オ レサマハ オレサマハ モリ ジュウデ イチバン リッパ ナ トラジャワイ」 テ ユ イナガラ ウントネ モリ茎
9
潟刀@ナカニ ニゲテ イッ タンダッチ。(神一松女4一
8)
のしかた ○ウサギハ ピョンピョン ○ウサギガネ ピョンピョン ハネナガラ ピョンピヨゾ ハネ ハネナガラネ ニゲタ サキニ イッテマス。 ノ。(神一規男4−6)
(赤一s男6−6)
○オカアチャンモ オドリ
ヤッテンノ。 オドリ ヤリ 一
ガーナガラ オシバイ ヤッ テンノ。(自一9男5−8)
第二同時
̀
○クマハネ ウートネ アタ マ カキカキ ミエナク シい旭
タノ。(赤一d男6−4)
麹的形
○ドコニ イッタカ サガシ ○ソレ カイニ イクノ。 ○ボク ヘビ 三三 イッタ ニ イッタラネ(自一e女6 (赤一q女5−2) ノ。(赤一k男4−4)
…一1) ○「オヨメニ クダサイ,オ ヨメニ クダサイ」ト タノ
㎝
ミニ キマシタ。(神一桑女一
4−10)
○エートネ ミセテ クレニ ○ソシテ ナンカガ タスケ
キタノ。(自一t男6−2) ニ キタノ。(赤一e男4一
㎝1)
(聞題例) ○アノネ ドッカニ オデカ ○アト ハチヲ ワタり二
ケシニ イッタノ。(二一H イキマチタ。(神一三男4一
女5−8) 5)
一88一
めざし形
(問題例)
○ウントネ マズネ カケッ コシヨウトネ ハシッテル
トコ。(赤一Q男6−4)
○ヤマニ ウツロウト………
〈神一高男4−4)
6.2 副詞形の用法
同時形は,同時にする動作をあらわす用法のほかに,つぎにのべる動作や状態にふさわしくな いうごきや状態をあらわす用法がある。注1)
0うそとは しりながら,つい 信じて しまった。
0すぐ かえりますと いいながら,いっこうに かえろうと しない。
このばあいには,うちけしもある。
○およげないながらも けんめいに 手足を うごかした。
今回の幼児の使用例のなかには,このような用法はなかった。
また,同時にする動作をあらわす用法には,わきの動作のばあいと,動作のしかたのばあいと がある。これは,どちらも,あらわれた。
注1)例文は鈴木重幸1972から借用した。