• 検索結果がありません。

58

O-19 肝 reactive lymphoid hyperplasia(RLH) の1切除例

山城正司1)、岩田紘治 1)、永井圭一 1)、杉盛夏樹 1)、櫻川尚子 1)、宮山士朗 1)、寺田卓郎 2)、三井 毅 2)、 須藤嘉子3)、中沼安二 3)

福井県済生会病院 放射線科 1)、同 外科 2)、同 病理診断科 3)

【症例】59 歳女性。右下腹部痛で紹介医を受診し CT で肝腫瘍を指摘された。悪性腫瘍が疑われ、手術を勧められ当院 外科受診。肝炎ウイルスマーカー (B、C 型 ) や腫瘍マーカー (AFP、PIVKA- Ⅱ、CEA、CA19-9) は陰性。肝 S8/5 に径 12mm 大の腫瘤を認めた。単純 CT で軽度低吸収。造影早期に境界やや不明瞭な結節状濃染あり、早期に wash out さ れた。MRI では T1 強調像で軽度低信号、T2 強調像で高信号、拡散強調像で明瞭な高信号、EOB 造影肝細胞相で明瞭 な低信号を呈した。また、CT では不明瞭であったが、S8 ドーム直下肝表に同様の性状を示す小結節がみられた。US では S8/5 病変は境界明瞭で極めて低エコーの結節だった。造影 US では早期濃染し Kupffer 細胞相では欠損像を呈した。

造影所見や US 像からはリンパ腫や RLH 等が考えられた。針生検も提示したが手術を希望された。S8 ドーム直下病変 の迅速診断でリンパ腫は否定できず、S8/5 腫瘤に対し前区域切除が施行された。割面は白色充実性で被膜はなかった。

形質細胞、リンパ球、類上皮細胞の増生、浸潤がみられ、腫瘤周囲の門脈域にもリンパ球浸潤がみられた。免疫染色で CD3、CD20、CD68 等が陽性で多クローン性であり、増生リンパ球の異型に乏しく RLH と診断した。

【検討事項】術前の画像診断や、生検をしていれば手術を避けられたか等について。

59

O-20 術前に肝原発嚢胞性病変が疑われた腸間膜由来神経鞘腫の 1 例

竹中 完1)、山雄健太郎1)、鎌田 研1)、三長孝輔1)、宮田 剛1)、今井 元1)、松本逸平2)、竹山宜典2)、 前西 修3)、工藤正俊1)

近畿大学医学部附属病院 消化器内科1)、同 肝胆膵外科2)、同 病理診断部3)

症例は 80 歳、男性。2015 年 12 月から嚢胞性腫瘍疑いで経過観察されていたが、増大傾向かつ腹痛を認めたために 2016 年 10 月当院紹介となった。肝胆道系酵素および腫瘍マーカーはいずれも正常値であった。

US では尾状葉に接する 70mm 大の薄い皮膜を持つ多房性嚢胞を認め、造影 CT では膵頭部領域から肝門部にかけて 70mm 大の境界明瞭な類円形腫瘤を認め、MRI では内部信号は T1WI にて低信号、T2WI にて不均一に淡い高信号であっ た。造影ハーモニック EUS では嚢胞内腔に造影効果はなく cyst in cyst 所見を伴う嚢胞性腫瘤として描出され、病変は 膵臓と連続性がなく肝原発の病変と考えられた。

有症状症例であり、肝 MCN を第一に疑い手術を施行されたが、術中所見では病変は肝臓や膵臓との癒着や連続性はなく、

右肝動脈周囲結合織との連続性があり、同部位から発生した腫瘍であると判断された。病理組織学検討では病変は多発 嚢胞性腫瘍であり、嚢胞壁に類円形核を持つ長紡錘型の細胞が束状に増生していた。間質には卵巣様間質の所見は認めず、

免疫組織化学染色では S-100(+)、c-kit(-)、Desmin(-)、SMA(-) であり腸間膜由来神経鞘腫(Antoni Type A)と診断した。

腸間膜由来神経鞘腫は非常な稀な疾患であり、画像診断で術前診断は可能であったか、追加すべき検査はあったか、病 理所見も含めて討論頂きたい。

60

O-21 膵腫瘍との鑑別が困難であった Castleman 病の1切除例

河合永季1)、浅野之夫1)、荒川 敏1)、伊藤良太郎1)、清水健太郎1)、堀口明彦1)、乾 和郎2)、山本智支2)、 稲田健一3)、桜井浩平3)

坂文種報徳会病院 消化器外科1)、同 消化器内科2)、同 病理診断科3)

症例は 33 歳女性。健康診断の腹部超音波検査にて腹腔内腫瘤を指摘され、精査目的で当院へ紹介となった。腹部 US にて膵頭部近傍に 30×20㎜の low echoic mass を認めた。造影 US にて腫瘍は hyper vascular であった。腹部 CT で は膵頭部~門脈本幹右側に境界比較的明瞭な 29×19㎜の類円形の low density mass が認められ、動脈相で強く濃染さ れていた。MRI では腫瘤は門脈本幹右側に 35x21x37mm の境界明瞭な円形腫瘤を認める。病変は門脈本幹~右枝と 広く接しているが境界は保たれている。T1 強調画像では低信号、T2 強調画像では淡い高信号を示し、拡散強調画像で は淡い高信号を示す。以上より、膵神経内分泌腫瘍が疑われ、手術施行した。開腹所見では膵の頭側、胆管の右側に 位置しており、肝・膵との連続性は認めなかった。腫瘍摘出術を施行した。病理組織学的診断に Castleman’s disease, hyaline vasculartype,intraperitonealtumor,resectionCD3-,CD20-,CD15-,CD30-,PD-1-,FDC-,IgG+,IgG4+,IgG4/IgG 10%未満 , κ +, λ +,EBER-,ISH- にて硝子血管型の Castleman 病であった。術後経過は良好で第6病日に退院となった。