第 2 章 現場作業の災害防止対策
2.16 海上作業災害の防止
② 作業足場の高さは潮位、波高に対して十分安全な余裕高を確保しなければならないが、必 要以上に高くしない。
③ 作業足場に通船が接舷する時に、通船が作業足場の下に入り込まないよう防止さくを設置 する。
④ 作業足場には海上保安部等より指示された標識灯等を装備するほか、救命胴衣、救命浮環 等の救命具を装備する。
⑤ 甲板、足場等で滑り易い箇所、火気使用禁止を要する箇所等には、前もって標識をはり作 業員に注意を喚起する。
⑥ 危険箇所には滑り止め、手すり等の防護施設を設けるほか、具体的な防災または取扱要領 を見え易い場所に掲示する。
⑦ 作業中に危険が予想される場合には、直ちに作業を中止し、機械の保全措置など早めに対 応する。
⑧ アンカ一部は、ブイ又は点滅灯でその位置を明示する。
(3) 海上足場作業の留意点
① 水上では必ず救命胴衣を着用する。
② 緊急時に備え、救急品を常備するとともに病院、警察署、海上保安部署との連絡手順を定 めておく。
③ 気象、海象の急変に備え船の搭載力やエンジン馬力に余裕のあるものを使用する。
④ 船舶での作業は、必ず船長の指示に従う。
⑤ 陸上基地とは定時交信または状況に応じて随時交信ができるよう準備しておく。
⑥ 夜間の作業では照明を十分に行う。ただし照明が航行船舶に支障を及ぼすおそれのある場 合には、海上保安部署等と協議して設置位置、照射方向、灯色等に配慮を行う。
⑦ 霧の多い海面では、拡声器、警鐘等を用いて他の航行船舶に対する安全措置を講ずる。
⑧ 毎日の作業開始時にその日の作業手順を作 業員に周知徹底させ、全員で危険の予知と事故 防止について話し合う。
⑨ 作業員の心身の条件、技量および中高年令者 等を考慮して、適材を適所に配置し、作業の安 全化・効率化を図ること。特に、睡眠不足、健 康の勝れぬ者は海上作業に従事させない。(図 2.16.2)
⑩ 作業中は相互の身辺に気を使え。特に転落に注意する。
⑪ 乗船や下船は、波の一番高い位置でタイミングよく行う。
⑫ 作業足場上の機械・器材等は、常に整理・整頓に心掛け、作業が安全にできるようにして おく。
⑬ 作業足場上には関係者以外の者は乗せてはならない。
⑭ 環境保全、特に油の流出に注意し、中和剤も用意しておく。
⑮ 吸い殻、空き缶、ごみなどを投げ捨てないこと。
図 2.16.2
(4) 灯火・形象物
ここでは、主として海上衝突予防法に規定されている灯火及び形象物について述べる。特殊な 海域では海上交通安全法、港則法が適用される場合はそれに従うこと。
○ 全 長・・・最前端から最後端までの水平距離
○ 水 線 長・・・満載喫水線における船首前面から船尾 後面までの水平距離
○ 垂線間長・・・満載喫水線における船首前面から船尾 舵柱(舵を支える柱)の後縁までの水平距離
① すべての船舶は、法律により定められた灯火を日没から日の出までの間表示しなせればな らない。また、昼間においては法律により定められた形象物を表示する。
② 日の出から日没までの間でも、暗雲がたれこめて非常に周囲が見にくくなっている場合等 で、法定灯火を表示するほうがよいと判断されたら法定灯火を表示する。
③ ボーリング作業、測量作業、その他水中作業に従事している船は法律上は「操縦性能制限 船」に分類される。ただし同作業のための通船は通常の「動力船」に属する。
④ 操縦性能制限船は、船の長さにより表示する灯火及び形象物は定められている。(図 2.16.3、
図 2.16.4、図 2.16.5、図 2.16.6)
⑤ 航行中の操縦性能制眼船であって、えい航作業に従事している場合に表示する灯火及び形 象物は定められたものを掲示する。(図 2.16.7、図 2.16.8、図 2.16.9、図 2.16.10)
⑥ 航行中またはびょう泊中の操縦性能制限船であって、水中作業に従事している場合に表示 する灯火及び形象物は定められたものを掲示する。(図 2.16.11、図 2.16.12、図 2.16.13)
⑦ 上記の⑥の場合で潜水夫による作業に従事している場合に表示する灯火及び形象物は定め られたものを使用する。(図 2.16.14)
⑧ 図 2.16.4、図 2.16.5、図 2.16.7、図 2.16.8、図 2.16.11、図 2.16.12 の中に示されてい るマスト灯、船尾灯、げん灯、全周灯は定められたものを使用する。(図 2.16.15)
⑨ 図 2.16.6、図 2.16.9,図 2.16.10、図 2.16.13、図 2.16.14 の中に示されている形象物は、
定められた寸法のものを使用する。(図 2.16.16)
図 2.16.3 船柏の長さ