第 2 章 現場作業の災害防止対策
2.8 ボーリングマシン運転災害の防止
図 2.8.3 ボーリングマシンのチェックポイント
④ ボーリングマシンのスピンドルやチャ ック等だけでなく、ロッドの回転部分を 含めてカバー、柵あるいは安全マット等 の安全装置が装備され、機能することを 確かめる。(図 2.8.4)
図 2.8.4 ボーリングマシンの力バーの囲い
⑤ ウオータスイベルホースの固定あるいはウオースタスイベル回転止めの装備とその機能を 確かめる。(図 2.8.5、図 2.8.6)
図 2.8.5 ウォータースイベルホースの固定 図 2.8.6 回り止めバーによるホース
⑥ 作業指揮者を定め作業のすすめ方を周知させる。
⑦ 合図を定めて周知させる。(図 2.8.7、図 2.8.8、図 2.8.9)
図 2.8.7 ボーリングマシンにおける合図の例
NO
NO
NO
図 2.8.8 掘削作業における合図
掘 削 作 業
オペレータ アシスタン卜
スピンドル給進停止
クラッチ切 スピンドル回転停止
ミッション ニュートラル
①②③OKか?
掘削完了か?
掘削完了
スピンドル上昇
⑤OKか?
送水ポンプ運転開始
ミッション入
クラッチ入 スピンドル回転
スピンドル給進開始
1ストローク 掘削完了?
チャック締め
安全カバー閉
⑥⑦ OK?
安全カバー開
チャック締め
④OKか?
NO
合 図
合
図
YES
YES
掘
削
NO
YES YES
合
図
NO YES
YES
合 図
①
②
③
④
⑤
⑥
⑦
図 2.8.9 ロッド巻き上げ作業における合図
NO NO NO NO
NO
NO NO NO
ロ ッ ド 巻 上 げ 作 業
オペレータ アシスタン卜
ロッド巻き上げ準備
準備完了か?
ロッド巻き上げ
ロッド巻上げ停止
ホイストブレーキ締め
ホイストブレーキゆるめ 準備完了か?クランプ開
ブレーキ締めたか?
ブレーキ ゆるめたか?
ロッド巻き上げ
ホイストブレーキ締め
ホイストブレーキゆるめ
ゆるめたか?
ホイスチングスイベル 取り付け
ロッドクランプ開 取り付け完了か?
開いたか?
ロッドクランプ 閉
閉めたか?
ロッド切り
切れたか?
ロッド移動
ホイスチングスイベル 取り外し
YES 合 図
合 図
YES
合 図 YES
YES 合 図 YES
合 図
YES 合 図
合 図 YES
YES 合 図
⑧ ボーリングマシンのクラッチレバー保持機構を含めて機械、機具の強度とその機能を点検 し、試運転を行って確認する。
⑨ 巻き上げドラムの中心の真上に滑車装置 があり、その軸間距離がドラム巾の 15 倍以 上になるように設置する。(機械構造上乱巻 にならないものや、トンネル内で作業員を 安全な位置に退去させて使用する場合は適 用されない。) (図 2.8.10)
図 2.8.10 ドラムとみぞ車との位置関係
⑩ 巻き上げワイヤロープの安全率は 3 を下 回らないように用意する。 また、以下に示 すような不適格なワイヤロープは使用しな い。(図 2.8.11)
・継ぎ目のあるもの
・ワイヤロープ 1 よりの間において素線の 数の 10%以上の素線が切断しているもの
・直径の減少が公称径の 7%をこえるもの
・キンクしたもの
・著しい形くずれ又は腐食があるもの
図 2.8.11 不適格なワイヤロープ
⑪ ボーリングマシンの据付は浮き上がり、ずれ等がないように据え付ける。
⑫ 滑車装置、ワイヤロープ、ホイスティングスイベルや巻き上げドラム等の相互の取付けは 確実にすること。
(3) 回転掘削、チャック作業
回転掘削作業は最も危険な作業であるこ とを認識して作業を行う。
① ボーリングマシン特別教育を終了し たものを作業員とする。
② チャック作業においてはチャック作 業者とボーリングマシン操作者との間 で合図を確認してから機械を操作する。
図 2.8.12 チャック操作
チャック作業者はボーリングマシン 操作者の合図によりスピンドルカバー を開け、チャック作業を完了してスピン ドルカバーを閉じ、又は柵外の安全な場 所に避難してから、次の作業のための合 図を送る。(図 2.8.12)
③ ボーリングマシン操作者は回転部被 覆カバーを閉じるか、柵内に作業員のい ないことを確かめて回転、給進操作を行 う。
回転を停止する場合にはクラックレ バーをストッパ等で確実に回転停止状 態を保持する。合図の不徹底やクラッチ レバーの保持不完全による事故例があ るので、注意を要する。(図 2.8.13、図 2.8.14)
④ ウォータスイベルホースは固定やぐ らか、機械の一部に固定し、または回り 止めバーを使用して、決して作業員に持 たせない。ウォータスイベルホースを手 で持っていて回転するロッドに巻き込 まれると大きな災害事故となるのでこ の行為は禁止されている。(図 2.8.15)
⑤ 人力によりロッドビットなどを取付 け又は取り外すときは、クラッチレバー をストッパで固定する等、確実に回転動 力を遮断する。
⑥ 回転中にねじが外れて落下すること もあるので、ボーリングロッドやウォー タスイベル等のねじ接続は確実に行う。
(図 2.8.16)
⑦ ボーリングロッドが送電線に近づか な い よ う に 注 意 す る ( 図 2.8.17 、 表 2.9.4)
図 2.8.13 チャック操作時の事故例
図 2.8.14 クラッチが不意に入ったときの事故例
図 2.8.15 ウォータスイベル巻き付き事故例
図 2.8.16 ウォータスイベルの落下車故例
図 2.8.17 送・配電線の感電防止
(4) 揚降管・追管作業
ボーリングマシンの巻き上げ装置は比較的小型で、
ワイヤロープもクレーン等も使用されるものより細 かいものが使用される。したがって揚降管作業は慎 重に行われなければならない。
① やぐらに水平分力がかかるような吊り上げは 行わない。やぐらの倒壊による事故例がある。
(図 2.8.18)
② 巻き上げドラムが乱巻になっているときは荷 重をかけない。吊り上げたパイプ類が急に落下 する原因となっている。 (図 2.8.19、図 2.8.20)
③ ワイヤロープが屈曲している場合には屈曲部 の内側に作業員を立ち入らせない。
④ 玉掛部は滑車装置の真下になるように吊り上 げ作業を行う。ただし、水平あるいは斜ボーリ ングを行う場合にはその限りでない。またロッ ド l 本程度の軽いものをすぐ横から斜に吊り込 むことはかまわないとされる。
⑤ 吊り上げた後は直くにロッドホルダ等の保持 器具に吊り上げ荷重を移す。ロッドホルダやロ ッドチャックによる保持は確実に行うこと。
⑥ ボーリングマシン操作者は吊り上げ作業時に は運転位置を離れない。
⑦ ねじを解く場合のパイプレンチ操作を 2 名で 行う場合には同じ時に力が入るように合図をし ながら行う。補助パイプ等が外れてその反動で 身体が投げ出されて負傷する事故もある。
(図 2.8.21) (5) その他の安全対策
① 貫入試験作業においてはコンプーリを使用す るがコンプーリは巻き上げあるいは巻き下げは できるもの、吊り上げたままで保持することは その機構上大変むずかしい。またコンプーリは 回転部分がむき出しであり、繊維ロープを巻き 付けるときに作業員の指を挟み込む危険がある。
やむを得ない場合以外にはコンプーリを使用す る作業を避けるべきである。
図 2.8.22 手持ちパイプの落下 図 2.8.18 横引きの危険性
図 2.8.19 乱巻
図 2.8.20 ロッドの急な落下
図 2.8.21 いきのあわないパイプレンチ作業
② ボーリングポンプは動力に余裕があれば無限大に圧力が上昇する機構(定内積吐出式)のも のを使用しているので、安全弁の整備、ウォータスイベルホースの破損防止等に十分な注意 が必要である。
③ 手で保持する場合には支えきれな重量のものを持たないこと。(図 2.8.22)