第 2 章 現場作業の災害防止対策
2.10 墜落災害の防止
⑨ 安全帽はきちんとかぶり、あごひもは確実にしめる。
⑩ 身体の具合の悪いとき、前夜の休養が十分でないときなど、危険な高所作業に従事させな い。
⑪ 高さ 2m 以上の場所で作業を行う場合は、強風、大雨、大雪等の悪天候には作業を中止する。
⑫ 3m 以上の高所から物を投下するときは、適当な投下設備を設け、監視人を置くなどの注意 をする。
⑬ 高さ 2m 以上の場所で作業を行うときは、必要な照明を行う。
⑭ 高さ、または深さ 1.5m 以上の所で作業する場合は、安全に昇降できるはしご等の設備を行 う。
(3) 足場上の作業
① 足場の組立て、変更または解体は監督者のまた高さ 5mm 以上の場合は作業主任者の指揮の もとで、熟練した者が行う。
② 足場の材料、構造等は目的に応じた丈夫なものを使用する。一側足場等の作業足場は、な るべく使用しない。
③ 組立ての変更後、または強風、大雨、大雪、などの悪天候のあとは、作業開始前に綿密に 足場を点検し、危険のあるところはすみやかに補修する。
④ 足場の構造及び材料に応じて、作業床の最大積載荷重を定め、それを足場に標示し作業者 に周知させる。
⑤ 足場上に、砂や油などをこぼさないようにする。もし砂や油をこぼしたときは、すみやか に清掃しておく。
⑥ ローリングタワー(移動やぐら)を使用する場合は、昇降用のはしごを設備し、基底が挟い 場合は控索を張り、作業中は足場が動かないようにしておく。(図 2.10.4)
⑦ ローリングタワーを移動するときは、あらかじめ地盤の状態、障害物の有無を確認してお く。また作業者を乗せたまゝ移動してはならない。
図 2.10.4 口ーリングタワー上の作業
(4) 脚立足場上の作業
① 脚立は丈夫な構造であり、脚と水平面との 角度は 75゜以下とし、必ず脚立には開き止め 金具をつけておく。(図 2.10.5)
② 脚立の踏み面は適切な面積があり、かつ無 理な姿勢で作業をしなくてもよいように設置 する。(図 2.10.5)
③ 脚立を用いて設置する脚立足場は、スパン (脚立と脚立の間隔)をあまり広くとらないよ うにし、足場板は丈夫なものを使用し、たわ みがあまり大きくならないようにする。
(表 2.10.1、表 2.10.2)
表 2.10.1 足場板の安全荷重表(kg) 厚さ×幅
(cm) スパン (cm)
3.6
×21 3.6
×24 3.6
×30 4.2
×24 4.2
×30 4.2
×36 4.8
×30 4.8
×36 5.4
×30 90
120 150 180 210 240 270 300
224 167 133 110 93 81
−
−
257 191 152 126 108 93
−
−
321 240 191 158 134 116
−
−
359 268 213 177 150 130 114 101
449 336 267 221 188 163 142 126
− 403 320 265 225 195 172 153
−
−
− 294 250 217 191 170
−
−
−
− 300 261 230 204
−
−
−
− 324 281 248 221 (注)1. 荷重はスパン中央の集中荷重である。
2. すぎ材のときは3/4倍とする。
3. ぬれた板の場合は、それぞれ 30%を減じた値とする。
表 2.10.2 合板足場板の安全荷重表(kg) スパン(cm)
厚さ×幅×長さ (cm)
120 150 180 210 240 270 300 2.5 × 24 × 400 137 110 91 78
2.8 × 24 × 400 172 137 114 98 86 2.8 × 30 × 400 172 143 123 107 95
3.0 × 24 × 400 131 113 99 88 79
3.0 × 30 × 400 123 110 99
(注)1. 荷重はスパン中央の集中荷重である。
2. 合板足場板の許容応力度は 165kg/㎝2として計算する。
④ 脚立足場の作業床の幅は 40cm 以上とする。
図 2.10.5 脚立上の作業
(5) はしご・さん橋上の作業
① はしごは幅 30cm 以上の丈夫なものを使用し、まにあわ せのものは用いずまた損傷、腐食のないものを使用する。
② はしごには滑り止めを設ける。滑り止めがない場合に は倒れないように縛るか、滑らないように他の作業者に 脚部をしっかり押えてもらう。(図 2.10.6)
③ 移動ばしごは、水平面に対して 75゜にかけることを原 則とする。固定はしごの場合は上部 60cm ぐらい上方にで るように設置する。 (図 2.10.7)
④ はしごの昇り降りには、手に工具を持った り、はしごの上で無理な姿勢での作業は行わ ない。
⑤ 通路に面した所にはしごを立てる場合には、
通行者にわかるように警戒標識を設ける。
⑥ さん橋は安定した状態でかけ渡されている ことを確認し、さん橋には手すりをもうける。
(図 2.10.8)
⑦ さん橋上に物を置くときは、通路を十分に とり整理をしておく。
(6) 開口部の作業
① 開口部やピット(たて坑)の周囲には、必ず堅固な棚を 設ける。 (図 2.10.9)
② 開口部やピットは、とくに照明をよくし、赤布などを さげ、または黄と黒のまだら塗装をする等の危険を表示 する。
③ 路上作業などで溝のふた、マンホールのふたなどをあ ける場合には、上記①、②の措置をするか、監視人を置 く。
(7) 急斜面の作業
① 崖の縁やその付近で作業をする場合は、墜落防止用の 棚を設けるか、命綱を使用する。
② 急斜面や崖等での作業は、足もとの土石が崩壊しない ことを確認し、なるべく足場を平にしたうえで作業を行 う。
③ 急斜面上で作業を行う場合は、作業用の足場を作りそ の上で作業をするか、法肩から親綱をおろし、これにロ リップを用い命綱をとりつけて作業を行う。
図 2.10.7 移動はしごと固定はしご 図 2.10.6 はしごの滑り止め
図 2.10.8 さん橋上の作業
図 2.10.9 開口部の作業
(8) 足場の材料
① 足場に使用する材料は、著しい損傷、変形、腐食、ひび割れ、虫食い、節等の強度上の欠 点のない均質なものを使用する。
② 足場板は、木理の傾斜が 1/15 以下で長繊維質で、ち密材であり、含水率 15〜20%以下に戸 外で十分乾燥したものを使用する。
③ 鋼管及びその付属金具は JIS A 8951 (鋼管足場)に定めるものか、次の強度のものを使用 する。
・引張強度 38〜40kg/ ㎠未満−伸び 25%以上
・引張強度 40〜51kg/ ㎠未満−伸び 20%以上
・ 〃 51kg/㎠以上−伸び 10%以上
・肉厚は外径の 1/24 以上(表 2.10.3)
表 2.10.3 足場用鋼管の寸法と許容応力度
種 類 記 号 外形(mm) 厚さ(mm) 標準重量(kg/m)
2 種 STK 41 48.6 2.9 3.27
3 種 STK 51 48.6 2.4 2.73
許容応力度 管の種類
引張り f t (t/cm2)
圧 縮 (t/cmf c 2)
曲 げ (t/cmf b 2)
せん断 (t/cmf s 2)
接 触 圧 (t)
2種(STK41) 1.60 1.60 1.40 0.80 2.20 3種(STK51) 2.40 2.40 1.90 1.20 1.75 (注)1. 接触圧とは、管相互の交さ接触圧をいう。
2. 一般には 3 種が広く用いられている。
(9) 鋼管足場の組立
① 足場の脚部には、滑りや沈下を防止するためベース金具を用い、且つ敷板、敷角等を使用 し根がらみの取付けを行う。(図 2.10.10)
形 式
構 造
性 能 高さの調節
範囲(cm)
垂直荷重に対 する耐力(㎏)
固 定 形
さら板は厚さ 6mm 以上、面積 144 ㎝2以上(短辺 12 ㎝ 以上)とし、管の端面と平面で接触し、かつ管の移動 を防止するため中心部に高さ 6cm 以上の突起物を有 する構造とする。なお、さら板には径 4 ㎜以上の穴 4 個以上を設ける。
−
さ ら 板 は 荷 重 5,000kg で残留 ひ ず み を 起 さ な い も の と す る。
調 節 形
さら板の大きさ、形状、穴あけは固定形と同様とし、
ウォーム、その他の方法により管に取付けた状態で、
管を上下することができる構造とする。
10 以上 5,000 以上
図 2.10.10 ベース金具とその構造・性能
② 鋼管の接続部または交差部には、これに適合した附属金具を使用し、確実に接続または緊 結する。(図 2.10.11、図 2.10.12、図 2.10.13)
③ 継手金具は圧延鋼材、鍛鋼品または鋳鋼品を用い、鋼管の支点間の中央で継ぐ。これに作 業時の最大荷重を集中荷重としてかけた場合、そのたわみ量が継手のない同種の鋼管と同一 条件で、たわみ量が 1.5 倍以下となるしっかりとした継手金具を使用する。
図 2.10.11 鋼管足場用金具
形 式
構 造
性 能 引張試験の最
大荷重(kg)
曲げ試験の最 大荷重(kg)
摩 擦 形
管の端面に密接して支持する受圧部と管の内部に そう入される部分とを有するもの。そう入部の断面 積は管の断面積の 80%以上であって、有効長さ 75mm 以上の長さがそれぞれ管にそう入されている構造 とする。
500 以上 270 以上
せん断形
上記のほか管の端部をウォームまたはピンその他 の結合方法で結合するもの。着脱に際して管を回転 するものは、少なくとも 60 度以上回転しなければ 取りはずしができないような構造とする。
1,500 以上 270 以上
図 2.10.12 継手金具とその構造・性能
形 式
構 造
性 能 すべり試験
の最大荷重 (kg)
回転角 10 度 に達したとき の荷重(kg)
最大荷重 (kg) 直 交 形 緊結金具の締付けは、ねじ締めとし、管を
にぎる部分は管の外周上その 75%以上の部 分で管と密着する構造とする。
600 以上 1,000 以上 1,500 以上 自 在 形
お よ び 特 殊 形
600 以上 750 以上 1,000 以上 図 2.10.13 緊結金具とその構造・性能
④ 継手緊結金具を用いて鋼管に直角に緊結する。この場合作業時の最大荷重の 2 倍の荷重を かけ、そのすべり量が 10mm 以下となるものを使用する。
⑤ 単管足場の場合は建地間隔は、けた方向を 1.8m 以下、はり間方向を 1.5m 以下とし、地上 第一の布は 2m 以下の位置に設ける。また建地間の積載荷重は 400kg 以下とする。
⑥ わく組足場では、はりわく及び持送りわくは、水平筋かいその他で横振れを防ぐ措置を行 う。高さ 20m を超える場合や、器械等の重量物を積載する場合には、使用する主枠間隔は 1.8m 以下とする。(図 2.10.14)
図 2.10.14 わく組足場