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本研究における研究者・技術者の定義

ドキュメント内 学位授与機関 同志社大学 (ページ 106-109)

4.4. 研究者数と論文数の減少:研究分野ごとの研究者数の推定

4.4.2. 本研究における研究者・技術者の定義

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は施設の工事・維持・管理など、中分類〔07〕34に含まれない技術的な仕事に従事するもの をいう。たとえば、製造技術者(開発を除く)の一つである化学技術者(開発を除く)につ いて、つぎのように定義している:「科学的・専門的知識を応用して、化学肥料・無機工業 製品・有機工業製品・油脂・油脂製品・塗料・天然樹脂製品・木材化学製品・医薬品・発火 物・香料・化粧品・石油製品・ゴム・化学繊維・合成繊維などの製造に関する化学工程の生 産性の検討・生産準備・設備計画などの工程設計及び工程管理・品質管理、監督、指導・分 析・検査などの技術的な仕事に従事するものをいう」。

これらの定義と具体例から、製造技術者(開発を除く)はつぎのように解釈できる:(1) 製造技術者(開発を除く)の所属は、企業の製造所・工場などの生産施設である、(2) 製造 技術者(開発を除く)が行う仕事の分野は、工業の分野である、(3) 製造技術者(開発を除 く)が行う仕事の目的は、①製品の開発・設計、②電気に関する技術の開発、施設の設計な どを行なうことである、(4) 製造技術者(開発を除く)が行う仕事の目標は、科学的・専門 的知識を応用することである、(5) 製造技術者(開発を除く)が行う仕事は、製品の生産(製 造)における設計、管理等の技術的な仕事である。製造技術者(開発)の仕事より生産工程 従事者の仕事に近い。

製造技術者(開発)と製造技術者(開発を除く)に共通する点、すなわち製造技術者の特 徴は、 (1) 科学的・専門的知識を応用すること、(2)具体的な製品の開発あるいは生産に関 わることの2点である。

研究者と製造技術社との大きな違いは、製造技術者の必須要件には自ら新しい理論・学説 を発見すること、あるいは自ら技術上の革新を考案することが含まれていない..

ことである。

別の言い方をすれば、製造技術者が行う仕事の目標は、科学的・専門的知識を応用すること である。

4.4.2. 本研究における研究者・技術者の定義

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も考えなかった技術上の革新を提唱する人である。この「いままでだれもしなかったことを 最初に行なう」ことが創造的な人(“創造人”)の要件であるとすれば、日本標準職業分類が 規定する研究者は“創造人”である。

研究者と製造技術者のもっとも大きな違いは、研究者が「創造人」であることを必須要件 とするけれども、製造技術者は“創造人”である必要はない。製造技術者の仕事の目標は、

既存の科学的・専門的知識や方法を応用して問題を解決することである。

それでは研究者が“創造人”あることはなにをもって担保されるのであろうか。ひとつの 条件は学術論文の著者であることである。なぜならば、学術論文に投稿することは、見出さ れた事実や現象、提案された理論や技術的な方法がこれまで誰も言及しなかったかどうか をその分野の専門家に問うことができる効率的な仕組みだからである。学術論文でもっと も重要な要件は、その内容の創造性あるいは独創性である。したがって学術論文として出版 されることは、その研究が創造的あるいは独創的な内容であることを担保しており、その学 術論文の著者(ら)が研究者であり、“創造人”であることを意味する。

b. 研究者の人数をカウントする方法

ここで問題にしなければならないことは、「公的研究機関、大学附置研究所又は企業の研 究所・試験所・研究室などの試験・研究施設」に所属する人であっても、様々な理由で研究 の内容を学術論文として出版しない可能性があることである。したがって大学研究者総覧 や企業研究所総覧あるいは学会名簿、または科学技術調査研究35など各種の統計資料を参照 して、「公的研究機関、大学附置研究所又は企業の研究所・試験所・研究室などの試験・研 究施設」の所属者数がわかったとしても、それが日本標準職業分類の定義が規定する“創造 人”である研究者、すなわち「科学・技術に関する問題を自らが新しい理論・学説を発見し、

または自らが技術上の革新を考案することよって解決しようとするもの」の人数であると は言えない。

c. 本研究における研究者の定義

日本の学術論文数は2000年代になって停滞し、研究分野によって論文数が減少した分野

35 「科学技術研究調査」(URL 9)の「研究本務者」とは、(大学等の)内部で研究を主と する者を指し、具体的には、教員、大学院博士課程院生、研究員(医局員等)である。博 士課程学生は研究を主導し実行する研究人員に含まれるが、修士課程学生は含まれない。

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と増加を続けた分野がある事実を示した。論文数の変動は研究者(日本標準職業分類)の人 数の変動と関連するのではないかと容易に推測できるが、論文数と関係する研究者(日本標 準職業分類)の人数を正確にカウントする方法がない。総覧や統計などの一般的な方法で集 計した研究者数は論文との関係性(どの研究者が論文を出版したか)が不明であり、必ずし も“創造人”である研究者(日本標準職業分類)の人数ではない。

論文数の変動を分析して変動の原因が明らかになるわけではない。論文数が変動した原 因を探るには論文数と相関するほかの変数の推移を分析することが有効であると考えられ る。たとえば、論文著者の人数を著者の所属や研究分野、共同研究体制などの属性と合わせ て分析すれば、論文数の変動を論文著者の様々な属性の変動からより正確に分析できる可 能性がある。

そこで本研究では論文数を複数の属性をもつ著者数に変換するために研究者をつぎのよ うに独自に定義する:「研究者とは、自ら科学または技術の研究をする人であって、研究成 果を発表した論文の著者である」。このように研究者を学術論文の著者と対応させることに より、論文数を論文と密接な属性が明らかな研究者数に置き換えて定量的な議論をするこ とが可能になる。

日本標準職業分類の研究者と本研究で定義する研究者の違いを明らかにするために、図 4-6 に日本標準職業分類の職種(研究者、製造技術者(開発)、製造技術者(開発を除く)、

生産工程従事者)と本研究における研究者の相対的な関係を示す36。図では日本標準職業分 類の職種を「 」で囲み、本研究の研究者を【 】で囲んで示した。

「公的研究機関、大学附置研究所又は企業の研究所・試験所・研究室などの試験・研究施 設」に所属し、かつ論文著者でない従業者が、図4-6の赤枠内のドット領域①と青枠内のド ット領域②である。論文著者である【研究者】の研究分野は科学あるいは技術である。図 4-6 では科学研究を行う【研究者】を【科学研究者】、技術研究を行う【研究者】を【技術研 究者】とした37

36 製造技術者や生産工程従事者が論文の著者となる可能性はあるが、図が複雑になるので 図4-6ではこの可能性は考慮しない。また大学・企業以外に所属する従業者が論文の著者 となる可能性もあるが、同様の理由で図4-6では考慮しない。

37 科学研究と技術研究については7.4.4.で詳しく述べる。

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