第 9 章 連結決算 139
12.8 当期利益について
第 13 章 計算機処理の実際
計算機処理といっても、期首貸借対照表と仕訳帳からキャッシュフロー計算書、損益計算書、貸 借対照表を作成するだけである。前期貸借対照表も仕訳帳も同じ仕訳の行が並んでいるだけである ので、それ程大変な仕事ではなく、Excelのような表計算ソフトでも、Perl のような行単位の処理 プログラムでも、またもちろん Cのような汎用プログラムでも簡単に処理できる。
ここでは、大会社でも使えるような汎用性の高いプログラムについては他書に譲ることとし、小 遣い帳程度から小規模会社の簡単な処理を前提とした計算機処理について記載する。とはいって も、こうした簡単なものでも十分に使用に耐えるし、また、原理を理解するにはむしろ簡単なもの の方がよいと思われる。
会社で利用する場合への注意であるが、ここで示すものは仕訳帳以後、財務諸表を作成するまで の複式簿記の中核処理だけであり、売掛、買掛、棚卸、減価償却、退職金管理といった処理の明細 を管理する補助簿は含んでいない。これらは別のプログラムとし、その結果を本プログラムの仕訳 帳に転記することを前提としている。
いずれのプログラムも、本書の最初のページにリンクが張ってあるので、そこからダウンロード して欲しい。
13.1 Excel による処理
筆者が製作し、自宅の会計管理に使用している財務処理プログラムをもとに話を進める。本節
では Excel を利用し、プログラム本体は Excel の Visual Basic を用いて書かれている。なお、
WindowsのExcel でもMacOSXのExcel でも動作することを確認している。小企業用、家計簿
用との二つあるが、同じもので、仕訳帳に示した例示が異なるのみである。
プログラムは、本書の最初のページにリンクが張ってあるので、そこからダウンロードして欲 しい。
Excelのブックの中のシートの配置は次のようである。
• Sheet1: 説明のページ
• Sheet2: 仕訳帳、勘定科目表、取引相手表、および計算開始のボタンとリセットボタン
• 以下のシートは、計算開始ボタンで自動的に作成される。
またリセットボタンですべて消すことができる。
– Sheet3: フロー試算表および残高試算表(損益計算書および貸借対照表を兼ねる)
– Sheet4以後: 総勘定元帳
第一のシートは「説明」であり、本プログラムの使い方を示しているが、会計処理には何ら関係 のない。参考にために、その各行の内容を表13.1に記載しておく。行頭にスペースのある行は、実 際には次の欄に記した。また、「*」記号はExcel では掛算と間違われやすいので「#」とした。
図13.1: シート1「説明」の内容
[財務ソフトの説明]
本シート、仕訳帳シートは消さないこと 1)仕訳帳
仕訳は3行目より記入 空行以後は集計されない
科目名と明細は科目表A, E列からポップアップされる 科目名、明細はテキストなのでcut & pasteもできる 科目名が科目表のJ列と異なる場合は集計時エラーとなる 科目名が空白の場合は「現金」に変換される
これを利用すると現金支出、現金収入の入力が楽 明細は自由に書いてよいが総勘定元帳で利用可 2)勘定科目表(仕訳帳内)
勘定科目表(起点A3)は自由に編集してよい 縦横のサイズも自由。ただし最大三列 空行以後は無視される
複数行仕訳用の最初の科目(J3)は半角「-」とする
!名目勘定と実在勘定の最後は!#当期利益と#当期利益
3)明細表(仕訳帳内)
明細表(起点N3、N列のみ)は自由に編集してよい 総勘定元帳で明細ごとに集計すると便利
4)集計ボタン(仕訳帳内)
仕訳帳以後はすべて集計ボタンで自動的に作成される 終了すると最終行が表示される
最終行がおかしい時には最終処理科目を参考にミスを探す 集計は仕訳のレコード順に行う
日付の並べ替えてから集計するとよい 並べ替えを元に戻せるようNo.を付す方がよい 月末処理として当期利益計算、残高計算を行う 月末処理はレコード順で月が新しくなったとき行う 5)削除ボタン(仕訳帳内)
科目表、仕訳表以外は削除ボタンで消せる 科目表、仕訳表以外は集計ボタンにより復旧できる 6)残高試算表
本来は次のように表示されるものである(勘定式)
!損益計算書 !費用 !収益
!#当期利益 貸借対照表 資産 負債
#純資産 (#当期利益) 月集計に便利なように次のように表示する(残高式)
!損益計算書 !収益(赤)
!費用
!#当期利益 貸借対照表 資産
負債(赤) 純資産(赤) (#当期利益)(赤)
!収益、負債、純資産は右から左へ移動したので負値が標準 最後の月のStockの名目勘定部分は!損益計算書である 最後の月のStockの実在勘定部分は貸借対照表である 次期仕訳帳へは貸借対照表の値のみを繰越す 7)総勘定元帳(科目ごと)
残るSheetはすべて科目ごとの総勘定元帳
明細、No. で並べ替えをすると、通帳などと照合が楽になる
第2シートは「仕訳帳」という名前で、仕訳例が載っている。この3行目から自分のデータに変 更する。
”J1”セルからは勘定科目表を入れておく、これは仕訳帳の左借方科目名および右貸方科目名欄 で用いる科目名で、ユーザーの都合に合せ自由に設定できる。
”N1”セルからは、勘定科目名の補助である明細表である。ここには、取引相手や科目の文字通 りの明細などを入れる。
”I1”セルの付近に二つのボタン「再計算」と「削除」を置き、Visual Basic で書かれたマクロ
の「集計()」および「削除()」にリンクしておく。マクロは公開されているExcellソフトのプロ
グラムの中を読んで欲しい。