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メディアを通した活動・著作活動など

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第 3 章 表現活動の実際

3.3 その他の活動

3.3.3 メディアを通した活動・著作活動など

(1) ホームページなど

表現者は様々なメディアを用いて情報を発信している。こわれ者の祭典,K-BOX共にホームペ ージを開設し,情報を発信している。メンバーの多くはブログを開設し,ツイッターやフェイスブック,

mixi などの SNS,メールマガジンの発行等を通して,情報発信し,インターネット上で,自らの活 動等を表現している。

(2) 動画配信

ライブ活動などのイベントがインターネット上に動画配信される場合も多い。こわれ者の祭典を 動画配信する時もあれば,月乃さんが個人的に行っている各種イベントも動画配信がなされること がある。動画配信することによってイベント会場のみでは得られない多数の視聴者が得られている

(月乃 2011)76

動画配信は生放送の形でなされるが,アーカイブされ,オンデマンドの動画として残る場合も多 い。K-BOX は特に動画配信は行っていないが,環境が整えば,動画配信がなされる場合もある

(2012年3月10日イベントなど)。動画配信は,多数の人々が集まるイベントの場でなされる場合 もあれば,動画配信の番組としてスタジオ等で観客を入れずに撮影,配信される場合もある(図 36)。

図 36 スタジオからの動画中継(2011年1223日)

こうした動画配信等を行う際は,会場に用いる機材やそれを扱う人材がある場合は,会場の管 理の元行われるが,会場に環境が整っていない場合には,音響や配信のための機材やそれを扱 う協力者に依頼し,そうした人々や機材を整えた上で行われる。

76 しかしながら,動画配信については,会場における集客集が少なくなるという懸念もあり,こわれ者 の祭典の会議においては,事前に動画配信を周知しない方がよいのではないか,という意見も出さ れていた。そうした背景を受けて動画配信は事前に周知されることもあるが,イベント当日に SNS な どインターネット上で周知されることが多い状況にある。このような動画配信の形態からは,広くメッセ ージを配信することと共に,同じ場所で同じ時を過ごす,というライブ活動の形態に表現活動が価値 をおいていることがうかがえる。

また,より気軽に,スマートフォンひとつあれば配信できるような形の動画配信も行われることが ある。たとえば,アイコさんは時折,こわれ者の祭典のイベントの始まる前などに短時間の動画配 信を自らのスマートフォンを用いて行っていた。この動画配信にはこわれ者の祭典のメンバーやス タッフも出演することもあった(2014年9月14日,9月21日)。この際は,こわれ者の祭典の東京 公演の会場についてから,準備が始まるまで,新潟公演の会場準備が一区切りついてから出演 までの少しある時間帯に配信がなされメッセージが届けられていた。

(3) メディア出演など

表現者はテレビやラジオなどの番組に出演することもある。テレビの出演は,月乃さんが,福祉 系の番組に依存症の当事者として複数回出演し(2012年3月1日など77),脳性マヒブラザーズ は障害者バラエティーTV番組「笑っていいかも―バリバラ2時間スペシャル」(2009年12月4日)

などに出演した78。こうした場において表現者は,自らの経験について話したり,意見を述べたり,

パフォーマンスを行ったりする。こわれ者の祭典や,K-BOX の活動についても新潟で放映される ニュース番組などで複数回にわたり取り上げられ,紹介されている(2013年5月30日,2012年3 月19日,2010年6月21日など)。また,新聞や市の広報などにもイベントの案内が掲載されるこ ともある。メンバーや関係者へのインタビューが連載されたり(2012 年8 月等),月乃さんへのイン タビューが含まれる書籍が出版されることもあり(末井 2013など),テレビや新聞,書籍などのメデ ィアに活動はたびたび取り上げられる。

(4) ラジオ番組配信

取材を受けてメディアに取り上げられるのみならず,月乃さんはラジオ番組を企画,配信してい た。月乃さんはサバイバーとインタビューし,その模様をラジオで配信していた。インタビューを配 信したラジオ番組は,2009年から「ハート宅配便」という番組で始まり,2012年よりハートエナジー という番組に変わっていった。ハート宅配便では女性サバイバーに主に焦点をあて,こわれ者の 祭典の司会を行っている松井さんと共に番組が進行されていた。また,ハートエナジーとなってか

77 「ハートをつなごう」(NHK)等福祉系の番組に時折出演する機会がある。この回ではYOPPYさんも 月乃さんの朗読のギター伴奏として出演していた。

78 脳性マヒブラザーズは2011年には複数回にわたり,新潟から大阪まで旅をしながら1000人笑わす,

という企画の元,テレビ出演をしていた。出演していた「バリバラ」は「バリアフリーバラエティー」の略 であり,障害を笑うことの是非を問うことも含め,障害と笑いに焦点をあてた番組である。2011 年 12 月 9 日には,障害者によるお笑いを競う企画である「バリバラ笑っていいかも Show-1 グランプリ」に 出演している。2011年7月19日には再現ドラマの出演者としてバリバラに出演している。

らは,共にライブを行ったこともある本宮宏美さんと行うようになり,2014 年に最終回を迎えた。番 組では,生きづらさを抱える人々と月乃さんとのインタビューが主な内容であり,全国各地のコミュ

ニティ FM,ネットラジオで配信されていた。月乃さんが配信しているラジオ番組のインタビューの

相手は,生きづらさを抱えるサバイバーであり,時にはこわれ者の祭典のメンバーであったり,著 名人を含む,イベントでゲスト出演してきた人などのこともあった79。たとえば,こわれ者の祭典のメ ンバーのアイコさん(第31回2010年2月1日),K-BOXの純名さん(第96回2011年5月2日)

も出演したことがある。月乃さんは様々な機会を用いて出演者に出演依頼をしており,べてるまつ りに出演した際には,べてるの家のメンバーにインタビューを行い,収録がなされていた(2011 年 8月27日)。収録では月乃さんがICレコーダーを手にインタビュー相手に会いに行き,インタビュ ー内容が録音され,番組ではインタビューを録音したものが流される。インタビューの放映前後に は月乃さんと共演者のトークがなされる。そこで,リスナーからのメッセージが読み上げられたり,イ ンタビューの感想などが語られたりする 80。こうしたラジオ番組の配信にあたっては,他のイベント でも度々協力を得ている技術スタッフの協力も得ながら行われてきた。また,こうしたラジオ番組を 行っており,出演してもらえませんか?と出演依頼をし,インタビューさせてもらうことにより,こわれ 者の祭典等他のイベントのゲスト出演等につながる人脈をつくり,ゲストとの継続した関係をつくっ てきた。

(5) 著作活動

表現者による著作活動もなされている。月乃さんが今まで出版してきた書籍には,自伝的小説

(月乃 2001),詩集(月乃 2006),対談集(月乃 2007)などがある。共に活動している人との共

著もあれば(月乃・雨宮 2008; 高橋ほか 2003; 西原・月乃 2010 など),月乃さんのインタビュ ーが収録されている著作が出版されたり(末井 2013),文章を寄せている書籍もある(江口 2011 など)。月乃さんは過去に漫画家として活動していたこともあり,自著や,新聞のコラムにイラストを 描くなど81,イラストレーターとしての活動も行っている。Kaccoさんも,共著者として自身の経験を 記し(高橋ほか 2003),文庫本の表紙イラストなどを手掛けている。K-BOXのいっしーさんは,自 らが被害者となった地下鉄サリン事件や,抱えてきた生きづらさ,表現者としての活動などについ て書かれた自伝的著書「『自転車』でいこう」を出版している。このカバーイラストはKaccoさんが手

79 「月乃光司・本宮宏美のハートエナジー」の前には「月乃光司のハート宅配便」という番組をこわれ 者の祭典の司会をしている松井さんと行っており,2012年9月に終了した。内容は双方ともインタビ ューを主としたものとなっている。

80 時には録音されたものではなく,実際にスタジオにゲストが来て話すこともある。

81 雨宮処凛さんによる「生きづらさを生きる」(新潟日報)という連載のイラストを月乃さんは手掛けてい る。

がけており,K-BOXのライブ会場等で販売されている。

こわれ者の祭典としては,2006 年に「こわれ者の祭典 DVD」,2011 年には「香山リカのみーん なビョウキだね」という DVD が発売され,それぞれの DVD にはこわれ者の祭典の公演などが収 録されている82。このように,書籍やDVDなどの形でメンバーは自身の経験や活動を表している。

出版された書籍や DVD はイベントの場で販売され,購入してくれた人にサインを書くなどのサー ビスがなされる。

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