Q4.得意な歌がありますか。ありましたらご記入お願いします。
Q5.声についての悩みはありますか。
Q6.自分の歌声についてどう思いますか。
Q7.歌うために何か努力していること,心掛けていることがありますか。
Q8.歌うことに関してこれからの目標はありますか。
Q9.Q8で「はい」とお答えの方,それは具体的にどのような目標ですか。
Q10.今日の発表を点数にすると,100
点満点中何点ですか。4)結果
Q1歌はいつから好きになったか。
「歌がいつから好きになったか」(図3-2-2)では,
61
歳以降が10
名と最も多く,幼少期 から20
歳までが次いで多いという結果になった。Q2カラオケを始めて何年か。
「カラオケを始めて何年か」(図3-2-3)では,16~20年が最も多く,次いで
6~10
年,1~5年,21~25年という順になった。
表3-2-7.Q3カラオケを始めたきっかけ(山下作成,2015)
回答
友人の勧め5名,歌が好きだから4名,別にないけどただ自分の声をマイクを通すのもいいかなと思った,
なんとなく4名,母の影響,飲み屋,定年後することがないので,人に勧められて,忘年会,昔の曲が良か ったから,友人がたくさんいたから2名,友人との付き合い,主人が好きで歌っていたので,Y先生に出会 ってからあちらこちらのカラオケに連れていってもらって,Y先生に出会って,主人が行っていたので,主 人が亡くなってさみしいから,友人が好きだったから,友達の歌を聞いてから,瀬戸大橋祭り,好きな歌手 と同じステージに上がりたいから,親戚の親睦会で,芸事が好きだから,妻がカラオケが大好きで,母がカ ラオケ喫茶を始めたから,仕事仲間と,仕事
「カラオケを始めたきっかけ」(表3-2-7)は,階層的クラスター分析では「友達の勧め」
と「歌が好き」の2点が上位に挙がった。共起ネットワークでは「カラオケ」「友人」「好き」
が中心となり,大きく2つの塊に分散した。カラオケを通した人間関係と,他者(友人)との 相互作用関係,参加者が影響や歌自体を好きであり主体的に歌唱活動へと参加する人と歌唱と の関係がみえた。
0 10 20
~20歳 21~30歳 31~40歳 41~50歳 51~60歳 61歳~
0 2 4 6 8
1~5年 6~10年 11~15年 16~20年 21~25年 26~30年 31~35年 36~40年
図3-2-2.歌を好きになった年齢(山下,2015)
図3-2-3.カラオケ経験年数(山下,2015)
131
表3-2-8.Q4得意な歌(山下,2015)
歌手 曲 ジャンル・その他
五木ひろし,鳥羽一郎,北島三郎,
美空ひばり,天童よしみ,香西か おり,水森かおり,ハン・ジナ,キ ム・ランヒ,パク・ジュニオン
≪艶歌≫≪飛騨の龍≫≪こころの 母は北斗星≫≪北国街道日本海≫
≪高尾山≫≪砂の橋≫≪お梶≫≪
しのび宿≫≪窓≫
演歌全般3名,オールマイティ,
演歌やポップス,歌謡曲,台詞も の
「得意な歌」(表3
-
2-
8)は,歌手,曲名,ジャンル等の書き方で記された。演歌や歌謡曲 の歌手が多く,歌手の年代はカラオケクラブの回答と同様であった。表3-2-9.Q5声についての悩み(山下,2015)
回答
なし9名,高音が出ない4名,自分の声が気に入らない,低音・高音が出ない,年齢と共に出にくくなった,
思うように出ない,もう歳だから声がどうも,最近喉の変容あり,細い声そして息が続かない,時々喉を傷 める,ビブラートが出る,かすれる時がある,まだ出る,あきらめている,音域が狭い,声がおなかから出 ない,横隔膜の使い方がうまくできない,お腹の使い方がうまくできない,ガラガラ声になる,低音が出づ らい,高いのでマイクに通らない
「声についての悩み」(表3-2-9)は,階層的クラスター分析では高音が出しづらいとする 記述が最も多く,共起ネットワークでは低音が出しづらいとする記述とそれにともなう多様な 声や高音に関する悩みに関する記述が挙がった。
表3-2-10.Q6自分の歌声についてどう思うか(山下,2015)
回答 プラス面の回答:いい
中庸の回答:分からない7名,普通3名,この程度かなぐらい2名
マイナス面の回答: 嫌い4名,あまりきれいでない,あまり良くない,良くない2名,気に入らない,悪 い,あまり好きでない ,下手
今後の成長を臨む回答:もうちょっとよい声が出ればいい,もっと声を出したい,まだまだ
「自分の声について」(表3-2-10)は,中庸とマイナス面の回答が多くみられた。カラオケ の経験年数からみても自身の歌声には満足していないようだが歌を継続していた。また「もっ と声を出したい」「もうちょっとよい声を」と,今後の歌の成長を願う回答もみられた。
表3-2-11.Q7歌うために努力していること(山下,2015)
回答
なし11名,よくテープを聴くこと4名,毎日うがいを心がけている2名,腹の底から声を出すこと2名,
しても無駄,声を出すこと,健康管理に気をつけている,口の開け方・発声,よくカラオケ喫茶に行く,先 生に習ってみたい,テープが先生,譜面をよく見る,喉を気遣うこと,人の歌をよく聞く,テレビを見て声 出し練習,毎日1~2時間声を出す
「歌うために努力していること」(表3-2-11)は,階層的クラスター分析では「声を出す」
ことと「テープを聴くこと」が上位に挙がった。共起ネットワークでは声が中心的役割をもち 3つの形に分散した。「毎日心がける」精神的な側面,声を中心にお腹から出す等の実践的な 側面,テープや先生のアドバイスを聴く等の学習的側面に分かれた。
Q8今後歌うことに関しての目標
「今後歌うことに関して目標があるかどうか」については,目標がある者は
17
名,ないもの が14
名,無回答が1名となった。ここから,半数は目標をもって行っているが,半数は楽しみ や生きがいで歌っていることが明らかになった。132
表3-2-12.Q9今後歌うことに関しての目標の内容(山下,2015)
回答
ボケ防止や人との出会い,健康管理によいので続けたい,もう少し上手になりたい,健康の為,健康・ボケ 防止,発表会に出場すること,できるだけ自分の歌を聞く,コーラスまで覚えて歌いたい,元気になるよう に,一生好きな歌手の歌を歌いたい,自分の体をエンジョイして頑張って生きたい,健康のため,声は大き くハキハキと,音の高い曲を歌いたいので,日々時間を決めて音の高い曲を練習している
「今後歌うことに関しての目標」(表3-2-12)の階層的クラスター分析では「健康」「歌 う」が上位に挙がり,他にはボケ防止,音の高い曲にチャレンジする等が挙がった。共起ネッ トワークでは「歌う」が中心的役割となり,音の高い曲,自分の歌等,音楽的な技術や表現を 高めたいという語群と健康やボケ防止といった健康面に関する語群に分かれた。参加者が音楽 面と健康面の両面の目標をもっていることが示された。
Q10
今日の発表自己採点(自己評価)は100
点満点中何点かカラオケ発表会で参加者が記述した「今日の発表自己採点」(図3-2-4)は
32
名の回答者 中17
名が回答し残りは無回答となった。最も多い回答は71~80
点で5名,次いで41~50
点 が3名となった。自己採点は厳しいが伸びしろがあるという者も多く,自身の歌に今後の可能 性を見出していた。5)考察
カラオケ発表会に出演した研究協力者達には,幼少期に何らかの形で歌を歌っていた者と高 齢になって歌を始めた者が含まれていた。友人の勧めで歌を始めた者が多くいることは,高齢 者となっても友人との交流をきっかけとして歌唱という生きがいをみつけられることを示して いる。得意な歌には,参加者にとって昔からなじみのある曲に加えて近年に流行した曲も多い ことから新たな曲にチャレンジしている高齢者の歌唱活動への意欲が捉えられる。声について の悩みには「高音を出しづらい」が最も多くあり,高齢者となって発声の筋力が衰えて出しづ らくなることがあることに由来する。「ビブラート」「横隔膜の使い方」といった歌の技術面 の悩みが多く,これらの悩みにどのように向き合えば自身の歌がより上達するのかを試行錯誤 する参加者の主体性が示された。自身の歌声に対しては低めの評価が多かった。質問紙を無記 名回答としたことでインタビュー調査よりも参加者の本音を聞き出せたと考察する。参加者の 自己評価の低さや向上心の高さから,歌唱講師に習ったりテープを何度も聴いて自己研鑽した りと参加者が歌唱技術や表現の向上を目指していることが明らかとなった。今後の具体的な目 標では,「エンジョイする」「ボケ防止」といった健康面に関する回答が大半を占めており,
楽しみながら健康に気遣って歌っていく考え方をもつ者がいた。今回,研究に協力を得られな かった者のなかにはプロやセミプロの者が多かった。数名に関しては質問紙を依頼した際に怒 りにも似た感情を筆者に向けてきた。そのような人たちは,自身の努力や手の内を他者に知ら れないようにという考え方や自尊感情をもって歌唱活動に取り組んでいるものと考察する。
0 2 4 6
0-10点 11-20点 21-30点 31-40点 41-50点 51-60点 61-70点 71-80点 81-90点 91-100点 図3-2-4.今日の発表自己採点(山下,2015)