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ホート 4 ) 対照治療、用量、

20 GS-US-3-1382 試験

(参考資料:第5.3.3.4.11項)

本試験は、健康被験者を対象としてテノホビル アラフェナミド(TAF)の薬物動態に対する食 事の影響を評価する第1相、ランダム化、オープンラベル試験であった。

試験の概要を表2.7.6.20 - 1に示す。

表2.7.6.20 - 1 GS-US-320-1382試験:試験の概要

試験番号 GS-US-320-1382

試験の標題 健康被験者を対象としてテノホビル アラフェナミド(TAF)の薬物動態に対 する食事の影響を評価する第1相、ランダム化、オープンラベル試験 開発の相 第1相

目的 本試験の主要目的は以下のとおりであった。

• テノホビル アラフェナミド(TAF)の薬物動態(PK)に対する食事の影 響を評価する。

本試験の副次目的は以下のとおりであった。

• 食後及び空腹時に投与したときのTAFの安全性及び忍容性を評価する。

試験デザイン 本試験は、TAFのPKに対する食事の影響を評価する第1相、ランダム化、オ ープンラベル、単一施設、単回投与、2群、2期クロスオーバー試験であった。

スクリーニング及びDay −1での評価後に適格となった被験者を2つの投与順 序(AB又はBA)のいずれかにランダム割付けし、以下の治験薬を投与した

(Day 1に初回投与、Day 8に2回目投与)。

• 投与A:TAF 25 mg(25 mg錠を1錠)を空腹時に単回経口投与

• 投与B:TAF 25 mg(25 mg錠を1錠)を標準的な高脂肪食摂取後に単回 経口投与

Day −1からDay 9の評価完了時まで被験者を治験実施医療機関に入院させた。

治験薬の最終投与の12~16日後に被験者へ電話によるフォローアップを実施 した。

診断及び主な選 択基準

被験者の適格基準は、18~45歳の健康な男性及び妊婦又は授乳婦以外の女性 で、体格指数(BMI)が19~30 kg/m2、12誘導心電図が正常(又は臨床的に重 要ではないと判断される異常)、推算クレアチニンクリアランス(CLcr、 Cockcroft-Gault式による推算値)が80 mL/min以上の腎機能正常及び全身健康 状態が良好であることとした。

被験者数(計画時 及び解析時)

計画時:40例を2つの投与順序のいずれかに均等にランダム化。

解析時:40例をランダム化し、治験薬を少なくとも1回投与された被験者を、

安全性解析対象集団及びTAFのPK解析対象集団に含めた。

被験薬、用量、用 法及びロット番 号

• 投与B:TAF 25 mg(25 mg錠を1錠)を標準的な高脂肪食摂取後に単回 経口投与

TAF錠ロット番号:

対照治療、用量、

用法及びロット 番号

• 投与A:TAF 25 mg(25 mg錠を1錠)を空腹時に単回経口投与 TAF錠ロット番号:

投与期間 割り付けた投与順序に従い、Day 1及びDay 8に治験薬を単回投与した。試験 期間は最長で24日間を予定した。

評価基準 有効性:本試験では、有効性の評価は実施していない。

薬物動態:集中的なPK検体採取のため、Day 1及びDay 8の以下の時点で血 液検体を採取した:投与前(5分以内)、投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、 6、8及び10時間。早期中止来院時にもPK解析用の血液検体を1回採取した

(該当する場合)。

安全性:安全性は、有害事象のモニタリング、併用薬の記録、試験期間中の種々 の時点での臨床検査、12誘導心電図、バイタルサイン測定値及び身体検査に より評価した。

解析方法 有効性:本報告では、有効性の評価は実施していない。

薬物動態:本試験の主要目的を評価するため、PK解析集団に含まれる全被験 者に関するTAFのPKパラメータを算出した。TAFについて、以下の血漿中 PKパラメータを(該当する場合)算出した:Cmax、Tmax、Clast、Tlast、λz、t1/2

AUClast、AUCinf、%AUCexp、Vz/F、CL/F。本試験では、TAFの主要代謝物であ

るテノホビル(TFV)のPKパラメータは評価しなかった。

個々の被験者の各分析物の濃度データ及びPKパラメータデータを一覧化し、

記述統計量を用いて投与期別に要約した。要約統計量[被験者数、平均値、標 準偏差(SD)、変動係数率(%CV)、中央値、最小値、最大値、第一四分位(Q1)、

第三四分位(Q3)]を個々の被験者の濃度データ及びPKパラメータについて、

投与期別に提示した。さらに、個々の被験者のPKパラメータデータに対する 幾何平均値、95%CI並びに自然対数変換値の平均値及びSDを示した。各PK パラメータについて、パラメトリック(正規理論)混合効果分散分析(ANOVA) モデルを、解析対象のPKパラメータの自然対数変換値に適用した。本統計モ デルには、固定効果として試験治療、投与順序及び期間を、変量効果として投 与順序内の被験者を含めた。

対数スケールにおける解析対象のPKパラメータの差の点推定値及びその

90%CIを算出した。試験群[食後にTAFを投与(投与B)]の対照群[空腹時

にTAFを投与(投与A)]に対する比及びその90%CIを、自然対数スケール における点推定値並びにその下限値及び上限値を累乗して算出した。この手法 は2つの片側検定に基づいていた。

安全性:安全性データ(有害事象、臨床検査データ、バイタルサインを含む)

を、安全性解析対象集団(ランダム化され、治験薬を少なくとも1回投与され た全被験者を含む)について、被験者ごとに一覧化して要約した。治験薬初回 投与日から治験薬最終投与30日後までに収集したすべての安全性データを投 与期別に要約した。

実施医療機関 米国の単施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)

20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)

結果の要約

被験者の内訳及び被験者背景:

被験者40例のうち39例(97.5%)が治験薬の投与を受け、本試験を完了した。1例(投与順序BA) が同意を撤回し、Day 8の治験薬投与を受けなかった。

大半の被験者が男性(65.0%、26例)で、また大半が白人(52.5%、21例)及びヒスパニック系又 はラテン系(60.0%、24例)であった。平均年齢(SD)は34(6.6)歳(範囲:21~45歳)で、

BMI平均値(SD)は26.4(2.71)kg/m2(範囲:20.9~31.9 kg/m2)であった。

有効性の結果:

本報告では、有効性の評価は実施していない。

薬物動態の結果:

TAFの血漿中PKパラメータのAUCinf、AUClast及びCmaxに加え、これらのパラメータについてTAF の空腹時及び食事[高カロリー・高脂肪食、約800キロカロリー(半分が脂肪)]摂取後投与の統 計学的な比較を以下に示す。

TAF PK Parameter

Meana (%CV)

% GLSM Ratio (90%

CI) Test

Treatment B, TAF 25 mg Fed (N = 40)

Reference Treatment A, TAF 25

mg Fasted (N = 39)

AUCinf (ng•h/mL) 288.9 (39.2) 171.5 (33.6) 167.53 (153.88, 182.38) AUClast

(ng•h/mL) 282.7 (40.0) 170.1 (34.0) 165.28 (150.94, 180.97)

Cmax (ng/mL) 252.6 (46.4) 266.3 (46.9) 94.30 (78.49, 113.30) Tlast (h)b 1.00 (0.50,1.50) 0.50 (0.25,0.50)

GLSM = geometric least-squares mean a Unadjusted means

b Median (Q1, Q3)

Source: m5.3.3.4.11 CSR Study Synopsis

食後投与時のTAFのAUCinf及びAUClastは、空腹時投与と比較してそれぞれ68%及び65%増加し た。Tmax中央値の延長も認められた(空腹時で0.50時間、食後で1.00時間)。

これは、エムトリシタビン/TAF配合錠(F/TAF)で食事の影響を評価した試験(GS-US-311-1386) で食後投与ではTAFのAUCが75~77%増加した所見と一致していた。本試験でTAF(25 mg)の 食後又は空腹時投与で観察された曝露量範囲は、Proof of Concept試験(GS-US-320-0101)で認め られた曝露量範囲とも一致していた。GS-US-320-0101試験ではB型慢性肝炎被験者に幅広い用量

(8~120 mg)のTAFを投与した結果、HBV DNAは同程度に低下し、用量に関連した有害事象は 認められず、TAFの広い治療域が示された。また、本試験における投与A(空腹時)のTAF 25 mg 投与後のPKパラメータは、GS-US-320-0101試験におけるTAF 25 mg 投与群のDay 1(空腹時)

投与後の結果と同程度であった。したがって、食後又は空腹時投与でのTAFの曝露量の変化は、

臨床的に重要とは判断されなかった。

安全性の結果:

死亡、重篤な有害事象及び治験薬投与中止に至った有害事象はなかった。有害事象の重症度はい ずれの事象もGrade 1であった。治験担当医師により治験薬と関連ありと判断された有害事象が2 例に発現し、それぞれ浮動性めまいと頭痛であった[1例はDay 8の空腹時のTAF投与後(投与 A)に、もう1例はDay 1の食後のTAF投与後(投与B)に発現]。臨床検査値異常には臨床的に 重要な傾向は認められなかった。

結論

GS-US-320-1382試験の結論は以下のとおりである。

• TAF 25 mgの食後投与でのTAFの総曝露量(AUCinf)は、空腹時投与と比較して68%増加し た。このTAF曝露量の差は、臨床的に重要ではないと考えられた。本試験での食後又は空腹 時投与のTAF(25 mg)の曝露量範囲は、Proof of Concept試験(GS-US-320-0101)で認めら

れた曝露量範囲と一致していた。GS-US-320-0101試験ではB型慢性肝炎被験者に幅広い用量

(8~120 mg)のTAFを投与した結果、HBV DNAは同程度に低下し、用量に関連した有害事 象は認められず、TAFの広い治療域が示された。

• 本試験でTAF 25 mg錠を食後及び空腹時に単回投与したときの忍容性はおおむね良好であっ

た。