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8 GS-US-120-0114 試験

(参考資料:第5.3.3.3.3項)

本試験は、肝機能正常被験者及び肝機能障害被験者におけるテノホビル アラフェナミドの薬物 動態を評価する第1相、オープンラベル、並行群間、単回投与試験であった。

試験の概要を表2.7.6.8 - 1に示す。

表2.7.6.8 - 1 GS-US-120-0114試験:試験の概要

試験番号 GS-US-120-0114

試験の標題 肝機能正常被験者及び肝機能障害被験者におけるテノホビル アラフェナミド の薬物動態を評価する第1相、オープンラベル、並行群間、単回投与試験 開発の相 第1相

目的 本試験の主要目的は以下のとおりであった。

• 肝機能正常被験者及び肝機能障害被験者におけるテノホビル アラフェ ナミド(TAF)の薬物動態(PK)を評価する。

本試験の副次目的は以下のとおりであった。

• 肝機能正常被験者及び肝機能障害被験者におけるTAFの安全性を評価す る。

試験デザイン 本試験は肝機能正常被験者及び肝機能障害被験者におけるTAFの安全性、忍 容性及びPKを評価する2コホート、オープンラベル、多施設共同、単回投与、

並行群間試験であった。被験者を、以下の2つのコホート(いずれも肝機能障 害群と背景が一致する肝機能正常対照群を含む)のいずれかに組み入れた。

コホート1:

投与群1:軽度肝機能障害被験者[Child-Pugh-Turcotte(CPT)分類A:スコア 5~6点](10例)

投与群2:肝機能正常被験者(10例)

コホート2:

投与群1:中等度肝機能障害被験者(CPT分類B:スコア7~9点)(10例)

投与群2:肝機能正常被験者(10例)

Day 1にすべての被験者にTAF 25 mgを単回経口投与した。Day −1からDay 7 のPK及び安全性評価が完了するまで被験者を入院させた。

診断及び主な選 択基準

適格例は18~70歳の男性及び妊婦又は授乳婦以外の女性で、体格指数(BMI) が18~36 kg/m2、クレアチニンクリアランス(CLcr)が60 mL/min以上の者と した。軽度又は中等度の肝機能障害の被験者については、B型肝炎による肝硬 変以外の肝機能障害を有し、CPT分類システムで軽度(CPT分類A)又は中 等度(CPT分類B)に分類された者から選択した。軽度又は中等度肝機能障害 群の各被験者は、肝機能が正常な健康被験者からなる対照群の被験者と年齢

(±10歳)、性別及びBMI(18~36 kg/m2の±20%)を一致させた。

被験者数(計画時 及び解析時)

計画時:40例(軽度及び中等度肝機能障害群に10例ずつ、各被験者を軽度又 は中等度肝機能障害の被験者とそれぞれ背景を一致させた肝機能正常群に20 例)

解析時(安全性及びPK解析対象集団):コホート1:20例、コホート2:20 例

被験薬、用量、用 法及びロット番 号

TAF 25 mg錠 × 1(ロット番号 )を標準的な中脂肪食(600キロカ

ロリー、うち27%が脂肪由来)の朝食直後に240 mLの水で単回投与した。

対照治療、用量、

用法及びロット 番号

なし

投与期間 1日

評価基準 有効性:本試験では、有効性を評価していない。

薬物動態:Day 1に集中的なPK検体採取を行った。採取時点は投与前、投与 後5分、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、5、8、12、24、36、48、60、72、 96、120及び144時間であった。

TAF及びその代謝物[テノホビル(TFV)]の血漿中濃度を算出し、以下のPK パラメータを評価した:Cmax、Tmax、Clast、Tlast、λz、t1/2、AUClast、AUCinf、AUC%exp、 Vz/F及びCL/F。

血漿中蛋白結合率をTAFは投与後1及び4時間後、TFVは投与後2及び24時 間後について算出した。

PK解析用の尿検体を投与前及び投与後0~4時間、4~8時間、8~12時間、12

~24時間、24~36時間、36~48時間、48~60時間、60~72時間及び72~96 時間の間隔で採取したが、解析は行わなかった。

安全性:安全性は、本試験中の複数の時点で実施した臨床検査、心電図(ECG) 及び定期的な全部の身体的検査又は症状に基づく身体的検査(バイタルサイン を含む)の結果並びに有害事象の記録により評価した。

解析方法 有効性:本試験では、有効性解析を実施していない。

薬物動態:PKパラメータは、肝機能群(軽度又は中等度肝機能障害群対対応 する肝機能正常群)別に記述統計を用いて要約した。さらに、並行デザインに 適切な分散分析をPKパラメータ(AUCinf、AUClast及びCmax)の自然対数変換 値に適用した。軽度又は中等度肝機能障害群と対応する肝機能正常群との比較 について、TAF及びTFVのPKパラメータの幾何平均比について90%信頼区 間(CI)を求めた。

TAF/TFVのPK曝露量パラメータ(AUCinf、AUClast及びCmax)と総CPTスコ ア又はCPTスコアの構成要素のうち臨床検査値[アルブミン、総ビリルビン、

プロトロンビン時間(PT)及び国際標準比(INR)等]の相関性をSpearman の相関解析を用いて探索的に検討し、グラフに示した。

安全性:有害事象及びGrade 1以上の臨床検査値異常の発現率について記述統 計を用いて肝機能群別に要約した。安全性解析では、対応する肝機能障害群に かかわらず肝機能正常群を併合して解析した。

実施医療機関 米国の6施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)

20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)

結果の要約

被験者の内訳及び被験者背景:

本試験では以下のとおり、被験者40例を組み入れ、治験薬を投与した。

コホート1

• 投与群1:軽度肝機能障害被験者(CPT分類A:スコア5~6点):10例

• 投与群2:肝機能正常被験者:10例 コホート2

• 投与群1:中等度肝機能障害被験者(CPT分類B:スコア7~9点):10例

• 投与群2:肝機能正常被験者:10例 全被験者40例が試験を完了した。

各肝機能障害群とその対応する対照群の被験者の人口統計学的特性及びベースライン特性は概し て均衡していた。

軽度肝機能障害群及び対応する対照群では、男女の割合は均等(各群50.0%)であった。軽度肝 機能障害群の年齢の中央値は58歳(範囲:51~63歳)、対応する対照群の年齢の中央値は55歳(範 囲:49~67歳)であった。軽度肝機能障害群及び対応する対照群では被験者の大半が白人であっ た(それぞれ70.0%及び50.0%)。

中等度肝機能障害群及び対応する対照群では、被験者の大半が男性(各群70.0%)であった。中 等度肝機能障害群の年齢の中央値は55歳(範囲:46~64歳)、対応する対照群の年齢の中央値は 53歳(範囲:46~65歳)であった。中等度肝機能障害群及び対応する対照群の被験者では被験者 の大半が白人であった(それぞれ90.0%及び80.0%)。

有効性の結果:

本試験では、有効性を評価していない。

薬物動態の結果:

軽度及び中等度肝機能障害群の被験者及び対応する肝機能正常対照群の被験者におけるTAF単回 投与後のTAF及びTFVの血漿中曝露量パラメータの最小二乗幾何平均(GLSM)及びGLSM比(%、 90% CI)を下表に示す。

PK Parameter

GLSMs

GLSM Ratio (%) (90% CI) Reference Treatment:

Normal Matched Control Group

(N=10)

Test Treatment:

Mild Hepatic Impairment Group

(N=10) TAF

AUCinf (ng•h/mL) 223.08 206.30 92.48 (66.25, 129.09) AUClast (ng•h/mL) 218.93 201.04 91.83 (65.15, 129.43)

Cmax (ng/mL) 162.51 144.65 89.01 (57.69, 137.33)

TFV

AUCinf (ng•h/mL) 289.73 258.32 89.16 (67.20, 118.30) AUClast (ng•h/mL) 256.74 229.30 89.31 (67.30, 118.53)

Cmax (ng/mL) 8.06 7.82 97.03 (75.93, 124.00)

GLSMs were obtained using a mixed-effects model.

Source: m5.3.3.3.3 CSR Study Synopsis

PK Parameter

GLSMs

GLSM Ratio (%) (90% CI) Reference Treatment:

Normal Matched Control Group

(N=10)

Test Treatment:

Moderate Hepatic Impairment Group

(N=10) TAF

AUCinf (ng•h/mL) 173.14 195.10 112.69 (87.29, 145.47) AUClast (ng•h/mL) 167.71 192.96 115.06 (88.50, 149.57)

Cmax (ng/mL) 104.07 123.53 118.70 (78.94, 178.47)

TFV

AUCinf (ng•h/mL) 238.16 231.53 97.22 (77.03, 122.70) AUClast (ng•h/mL) 212.39 202.95 95.55 (75.20, 121.42)

Cmax (ng/mL) 8.10 7.09 87.56 (70.49, 108.76)

GLSMs were obtained using a mixed-effects model.

Source: m5.3.3.3.3 CSR Study Synopsis

TAFの血漿中曝露量パラメータは、軽度肝機能障害群の被験者と対応する肝機能正常対照群の被 験者で同程度(AUCinf、AUClast及びCmaxはそれぞれ7.52%、8.17%及び10.99%低値)であった。

TAFのAUCinf、AUClast及びCmax について、軽度肝機能障害群の対応する正常対照群に対するGLSM

比の90% CIの上限値は、臨床的意義のある増加率として治験実施計画書で規定した100%を下回っ

ており、認められた低下は臨床的に重要ではないと判断した。

TAFの血漿中曝露量パラメータは、中等度肝機能障害群の被験者と対応する肝機能正常対照群の 被験者で同程度(AUCinf、AUClast及びCmaxはそれぞれ12.69%、15.06%及び18.70%高値)であっ た。TAFのAUCinf、AUClast及びCmaxについて、中等度肝機能障害群の対応する正常対照群に対す

るGLSM比の90% CIの上限値は、臨床的意義のある増加率として治験実施計画書で規定した

100%を下回っており、認められた増加は臨床的に重要ではないと判断した。

TFVの血漿中曝露量パラメータは、軽度肝機能障害群の被験者と対応する肝機能正常対照群の被 験者で同程度(AUCinf、AUClast及びCmaxはそれぞれ10.84%、10.69%及び2.97%低値)であった。

TFVのAUCinf、AUClast及びCmax について、軽度肝機能障害群の対応する正常対照群に対する

GLSM比の90% CIの上限値は、臨床的意義のある増加率として治験実施計画書で規定した100%

を下回っており、認められた低下は臨床的に重要ではないと判断した。

TFVの血漿中曝露量パラメータは、中等度肝機能障害群の被験者と対応する肝機能正常対照群の 被験者で同程度(AUCinf、AUClast及びCmaxはそれぞれ2.78%、4.45%及び12.44%低値)であった。

TFVのAUCinf、AUClast及びCmaxについて、中等度肝機能障害群の対応する正常対照群に対する

GLSM比の90% CIの上限値は、臨床的意義のある増加率として治験実施計画書で規定した100%

を下回っており、認められた低下は臨床的に重要ではないと判断した。

TAFの血漿中蛋白結合率を、すべての被験者を対象に、投与から1及び4時間後に検体を採取し て測定した。TAFの非結合型分率の平均 ± 標準偏差(SD)は、軽度肝機能障害群及び対応する 対照群の被験者において、投与後1及び4時間の時点で16%~19%の範囲であった。TAFの非結 合型分率の平均 ± SDは、中等度肝機能障害群及び対応する対照群の被験者において、投与後1 及び4時間の時点で14%~23%の範囲であった。これらのデータは、過去のデータとも一致して

おり、GS-US-120-0108試験におけるTAFの非結合型分率は、腎機能正常被験者と重度腎機能障害

被験者のいずれにおいても、1時間及び4時間の両測定時点を通じて14%~20%の範囲であった。

本試験で認められた蛋白結合率の差は、臨床的に重要ではないと判断した。

TFVの血漿中蛋白結合率を、すべての被験者を対象に、投与から2及び24時間後に検体を採取し て測定した。TFVの非結合型分の平均 ± SDの範囲は、軽度又は中等度の肝機能障害群及び対応 する対照群の被験者において、99%を超えていた。これらのデータは過去のデータとも一致して

おり、GS-US-120-0108試験におけるTFVの非結合型分率は、腎機能正常被験者と重度腎機能障害

被験者のいずれにおいても2時間及び24時間の測定時点を通じて97%~99%の範囲であった。