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5 GS-US-120-0109 試験

(参考資料:第5.3.3.1.1項)

本試験は、GS-7340の薬物動態、代謝及び排泄を評価する第1相試験であった。

試験の概要を表2.7.6.5 - 1に示す。

表2.7.6.5 - 1 GS-US-120-0109試験:試験の概要

試験番号 GS-US-120-0109

試験の標題 GS-7340の薬物動態、代謝及び排泄を評価する第1相試験 開発の相 第1相

目的 本試験の主要目的は以下のとおりであった。

• テノホビル アラフェナミド(TAF、旧名称GS-7340)のマスバランスを 炭素14([14C])放射性標識TAFの単回経口投与により検討する。

本試験の副次目的は以下のとおりであった。

• [14C]-TAFの単回経口投与後のTAF及びその代謝物テノホビル(TFV)の 薬物動態並びに安全性を評価する。

• [14C]-TAFの単回経口投与後のヒトにおけるTAFの代謝プロファイルを検

討する。

試験デザイン 本試験は、米国の単施設で実施されたオープンラベル、第1相、マスバランス 試験で、健康被験者を対象に、[14C]-TAFの単回経口投与後のTAFの薬物動態、

代謝及び排泄を評価した。

診断及び主な選 択基準

被験者は、非喫煙男性で、年齢が18~45歳、体格指数(BMI)が19~30 kg/m2 で、重大な病歴がなく、腎機能が正常かつ全身状態が良好な者とした。これら は、治験薬投与前28日以内に実施したスクリーニング評価で治験担当医師が 判断した。

被験者数(計画時 及び解析時)

計画時:8例(評価可能例:6例)

解析時:8例 被験薬、用量、用

法及びロット番 号

TAF 25-mgカプセル[24.15 mgのTAF非標識体+ 100 μCi(0.85 mg)の[14C]-TAF] 治験薬は、前夜からの絶食後、標準的な食事(朝食)後5分以内に240 mLの 水とともに経口投与した。

ロット番号: 及び (TAF 25-mg

カプセル)

対照治療、用量、

用法及びロット 番号

該当なし

投与期間 [14C]-TAF 25 mg(100 μCi)の単回経口投与後、4~21日間の検体採取期間を設 けた。検体採取期間は、放射能の回収状況に基づき決定した。

評価基準 薬物動態:全血、血漿、尿及び糞便検体中の[14C]-放射能に関して液体シンチ レーション計測(LSC)を実施して、[14C]-放射能の回収量を「リアルタイム」

でモニタリングし、各検体の採取中止時期を決定した。各検体の放射能は実際 の放射能、濃度及び投与した放射能に対する回収率で示した。さらに、尿及び 糞便検体中に回収された累積放射能(線量値、濃度及び割合)を決定した。

必要に応じて適切な解析手法を用いて、血漿、末梢血単核球(PBMC)(該当 する場合TFV同化産物)、尿及び/又は糞便中の[14C]-TAFの代謝物をできる だけ多く、定性的(及び可能な場合は定量的)に同定した。未変化体及び同定 された各代謝物の[14C]-放射能を測定した。投与した放射能に対して尿及び糞 中に未変化体並びに代謝物として回収された割合を算出した。さらに、適切な 解析手法[例:液体クロマトグラフィー/タンデムマススペクトロメトリー

(LC/MS/MS)]を用いて、血漿、尿及び/又は糞中の非標識体のTAF並びに

その主要な代謝物の濃度を定量した。

各被験者の総[14C]-放射能、TAF及び主要な代謝物の血漿中及び全血中濃度‐

時間プロファイルデータを、薬物動態データ解析プログラム(WinNonlinもし くはそれと同等のもの)を利用して、ノンコンパートメントモデルで解析した。

TAFの次の薬物動態パラメータを算出することとした(適切な場合)。

Cmax、Tmax、Clast、Tlast、λz、AUClast、AUCinf、%AUCexp、T1/2、CL/F及びV/F 可能な場合、一部のパラメータはTAFの主要な血漿中代謝物についても算出 した。

各被験者のTAF及びその主要な代謝物の[14C]-放射能の尿中及び糞中濃度/量

‐時間プロファイルも必要に応じて解析した。可能な場合、尿中薬物動態パラ メータ(Ae、CLr及び%Doseexcreted)も算出した。

安全性:臨床検査、バイタルサイン測定を含む定期的な身体的検査、12誘導 心電図及び有害事象の記録により安全性を評価した。

解析方法 薬物動態:血漿中の総[14C]-放射能、標識体及び/又は非標識体のTAF及びそ の主要な代謝物の濃度‐時間プロファイル及び薬物動態パラメータを被験者 ごとに示し、記述統計を用いて要約した。全血中の総[14C]-放射能の濃度‐時 間プロファイル及び薬物動態パラメータを被験者ごとに示し、記述統計を用い て要約した。各被験者の[14C]-放射能の血漿/血液比を検体採取時間別に示し、

記述統計を用いて要約した。

各被験者の尿中及び糞中に回収された累積総[14C]-放射能(線量及び割合)を 検体採取時点ごとに算出し、記述統計とともに示す。尿中及び糞中で回収され た累積放射能(線量及び割合)の平均値をグラフ化した。未変化体及び主要な 代謝物として尿中及び/又は糞中に回収された非標識体のTAFの累積量及び 割合を適宜、算出した。

各データを検体採取時間ごとに算出した記述統計量を用いて一覧化し、平均値 データをグラフ化した。

安全性:安全性解析対象集団は、1回以上の[14C]-TAF投与を受けた全被験者 とした。治験中に収集した全データ(治験薬初回投与から治験薬最終投与の 30日後まで)を安全性解析対象とした。安全性データ(有害事象、臨床検査 データ、バイタルサイン、心電図データ及び併用薬)を被験者ごとに一覧化し、

安全性解析対象とした被験者集団について要約した。

実施医療機関 米国の単施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)

20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)

結果の要約

被験者の内訳及び被験者背景:

被験者は全例が男性で、大半[7例(87.5%)]が白人であった。年齢の中央値は29歳(範囲:19

~45歳)であった。BMIの中央値は25.9 kg/m2(範囲:22.6~29.3 kg/m2)、Cockcroft-Gault式によ る推算糸球体ろ過率(eGFRCG)の中央値は117.5 mL/min(範囲:87.7~198.2 mL/min)であった。

薬物動態の結果:

このマスバランス試験の結果、TAFは広範に代謝された後、尿及び糞中に排泄されることが確認 された。[14C]-放射能の糞中及び尿中の総回収率の平均 ± 標準偏差(SD)は84.4% ± 2.45%(7例)

であり、糞中回収率は47.2% ± 4.62%(7例)、尿中回収率は36.2% ± 5.62%(8例)であった。糞 中及び尿中ではTFVとして主に検出され、糞及び尿中で回収された放射能のそれぞれ99%及び 86%を占めた。糞中及び尿中で検出されたその他の代謝物はすべて微量であり、投与放射能の2%

を超えるものはなかった。尿中のTAFは投与放射能のわずか1.41%±0.561%であり、TAFの腎ク リアランスは極めて低いことが示唆された。糞中でTAFは検出されなかった。

血漿中[14C]-放射能推移において、2つの濃度ピークが認められた。最初のピークである投与後約2 時間ではTAFが主に検出され、定量された総[14C]-放射能の72.6%を占めた。2回目のピークであ る投与後約24~48時間では尿酸が主に検出され、定量された総[14C]-放射能の97.6%を占めた。TAF 投与後96時間までの主な血漿中成分は尿酸であり、96時間後までの総[14C]-放射能AUCの73.9%

を占めた。TAF及びTFVのAUCは総[14C]-放射能AUCのそれぞれ1.8%及び1.5%を占めた。

TFV及び尿酸以外では、キサンチン、ヒポキサンチン、アデニン等の代謝物が微量検出された。

これらは内因性プリン代謝物と同一であり、いかなる安全性リスクも生じないと考えられた。

安全性の結果:

本試験におけるTAF 25 mg単回投与の忍容性は良好であった。被験者2例(25.0%)で1件以上の 試験治療下で発現した有害事象が認められた。1件の有害事象のみが2例以上の被験者で報告され た(2例で血管穿刺部位出血)。すべての試験治療下で発現した有害事象は重症度がGrade 1と評 価された。試験中に死亡又はその他の重篤な有害事象は報告されず、有害事象により試験を中止 した被験者もいなかった。

1例(12.5%)で治験担当医師により治験薬と関連ありと判断された有害事象(Grade 1の関節痛)

が認められた。この事象は試験完了前に消失した。

いずれの被験者でも試験治療下で発現した臨床検査値の異常は認められなかった。試験中、腎臓 関連臨床検査パラメータ(血清クレアチニン又は血清リン酸)において、臨床的に重要なベース ラインからの変化はなかった。さらに、これらの被験者においてTAF投与からの主要な代謝物(尿 酸)生成により、血漿中の尿酸レベルに変化はなかった。

試験中、バイタルサイン及び心電図結果に臨床的に重要な変化はみられなかった。

結論

• 薬物動態:TAFは広範に代謝され、尿及び糞中に排泄された。[14C]-放射能の糞及び尿中での 合計回収率(平均値±標準偏差)は84.4% ± 2.45%(7例)であり、糞中回収率は47.2% ± 4.62%

(7例)、尿中回収率は36.2% ± 5.62%(8例)であった。糞及び尿中ではTFVとして主に検 出された。未変化体としてのTAFの腎排泄は極めてマイナーな排泄経路であった。血漿中の 主代謝物は尿酸であり、96時間後までの総[14C]-放射能の73.9%を占めた。血漿中放射能濃度 の最初のピークである投与後約2時間ではTAFが主に検出され、2回目のピークである投与 後約24~48時間では尿酸が主に検出された。上記以外に、キサンチン、ヒポキサンチン及び アデニン等の代謝物が微量検出されたが、これらは内因性プリン代謝物と同一であった。

• 安全性:トレーサー量の[14C]-放射性標識TAFを含むTAF 25-mgカプセルを単回経口投与し たときの忍容性は良好であった。