TAF 25 mg: Mean (%CV) (TFV PK Analysis Set)
10 GS-US-120-0117 試験
(参考資料:第5.3.3.4.1項)
本試験は、リルピビリンとテノホビル アラフェナミドの薬物動態学的薬物相互作用の可能性を 評価する第1相単回投与試験であった。
試験の概要を表2.7.6.10 - 1に示す。
表2.7.6.10 - 1 GS-US-120-0117試験:試験の概要
試験番号 GS-US-120-0117
試験の標題 リルピビリンとテノホビル アラフェナミドの薬物動態学的薬物相互作用の可 能性を評価する第1相単回投与試験
開発の相 第1相
目的 本試験は、リルピビリン(RPV)とテノホビル アラフェナミド(TAF)との 薬物動態学的(PK)薬物相互作用の可能性を評価するために実施した。
本試験の主要目的は以下のとおりであった。
• リルピビリン(RPV)及びテノホビル アラフェナミド(TAF)の単独及 び併用での単回投与後のRPVとTAFのPKを健康被験者において評価す る。
本試験の副次目的は以下のとおりであった。
• RPV及びTAFの単独及び併用での単回投与の安全性を健康被験者におい て評価する。
試験デザイン 本試験は、健康成人被験者を対象としたオープンラベル、単施設、単回投与、
クロスオーバー試験であった。被験者を、10日間のウォッシュアウト期間を 挟んで2種類の投与をランダムな順序で行う次の2コホートのいずれかに組み 入れた。
コホート1:
投与A:TAF 25 mgを標準的な中脂肪食の朝食後5分以内に投与
投与B:TAF 25 mgとRPV 25 mgを標準的な中脂肪食の朝食後5分以内に併用 投与
コホート2:
投与B:TAF 25 mgとRPV 25 mgを標準的な中脂肪食の朝食後5分以内に併用 投与
投与C:RPV 25 mgを標準的な中脂肪食の朝食後5分以内に投与
Day −1からDay 17のPK及び安全性評価完了まで被験者を入院させた。
診断及び主な選 択基準
適格例は、18~45歳の健康な男性及び妊婦又は授乳婦以外の女性(男女比は ほぼ均等とする)で、体格指数(BMI)が19~30 kg/m2、心電図が正常又は臨 床的に問題となる所見がなく、クレアチニンクリアランスが70 mL/min以上
(Cockcroft-Gault式による推算値)で、重大な病歴がなく、全身状態が良好な
者とした。これらは予定された治験薬投与前28日以内に実施したスクリーニ ング評価で治験担当医師が判断した。
被験者数(計画時 及び解析時)
計画時:
コホート1:18例(評価可能例:16例)
コホート2:18例(評価可能例:16例)
解析時(安全性及びPK解析対象集団): コホート1:18例
コホート2:18例 被験薬、用量、用
法及びロット番 号
投与B:TAF 25 mg + RPV 25 mgを標準的な中脂肪食の朝食後5分以内に1回 経口投与(TAFロット番号: )
対照治療、用量、
用法及びロット 番号
投与A:TAF 25 mgを標準的な中脂肪食の朝食後5分以内に1回経口投与(TAF ロット番号: )
投与C:RPV 25 mgを標準的な中脂肪食の朝食後5分以内に1回経口投与(RPV ロット番号: )
投与期間 2日間
評価基準 有効性:本報告では有効性解析は実施していない。
薬物動態:各投与に対して次の時点で集中的なPK検体採取を行った。
投与A(TAF 25 mg):投与前、投与後5分、0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、 5、6、8、12、24、36、48、72、96、120時間
投与B(TAF 25 mg + RPV 25 mg):投与前、投与後5分、0.25、0.5、0.75、1、 1.5、2、3、4、5、6、8、12、24、36、48、72、96、120時間
投与C(RPV 25 mg):投与前、投与後1、2、3、4、5、6、8、12、24、36、48、 72、96、120時間
TAF、RPV及びテノホビル(TFV)の血漿中濃度を算出し、次のPKパラメー タを評価した。
Cmax、Tmax、Clast、Tlast、AUClast、AUCinf、%AUCexp、λz、t1/2、CL/F及びVz/F 安全性:安全性は、ベースライン及び本試験中の複数の時点で実施された12 誘導心電図及び臨床検査、定期的な身体的検査(バイタルサインを含む)並び に有害事象及び併用薬使用の記録により評価した。
解析方法 有効性:本報告では、有効性解析は実施していない。
薬物動態:PKパラメータは、各コホートの各分析物について記述統計を用い て投与群別に要約した。さらに、クロスオーバーデザインに適切な混合効果モ デルを用いた分散分析を、解析対象の各分析物のPKパラメータ(AUCinf、 AUClast及びCmax)の自然対数変換値に適用した。解析対象の投与対間の各PK パラメータの幾何平均比について90%信頼区間(CI)を求めた。
安全性:有害事象及びGrade 1以上の臨床検査値異常の発現率について記述統 計を用いて要約した。
実施医療機関 米国の単施設
試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)
20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)
結果の要約:
被験者の内訳及び被験者背景:
ランダム割付けされた36例全例が試験を完了した(コホート1の18例及びコホート2の18例)。 全被験者を安全性解析対象集団及び全PK解析対象集団に含めた。
被験者の平均年齢はコホート1で31歳(範囲:19~43歳)、コホート2で33歳(範囲:19~44 歳)、男女比は均等(各コホート50%)であった。被験者は白人(コホート1は38.9%、コホート 2は72.2%)又は黒人(コホート1は61.1%、コホート2は27.8%)であった。全体として、コホー ト1及びコホート2の被験者のそれぞれ38.9%及び55.6%がヒスパニック系/ラテン系民族であっ た。
薬物動態の結果:
TAFの主要なPKパラメータ(AUCinf、AUClast及びCmax)はTAF + RPV併用投与後とTAF単独投 与後で同程度であり、単独投与時に対するTAFの幾何平均比(GMR)(90% CI)はAUCinf が96%
(84%~110%)、AUClast が96%(83%~110%)及びCmax が101%(83%~124%)であった。TFV の主要なPKパラメータもTAF + RPV併用投与後とTAF単独投与後で同程度であり、単独投与時 に対するTFVのGMR(90% CI)は、AUCinf が109%(102%~115%)、AUClast が107%(102%~ 113%)及びCmax が118%(107%~130%)であった。RPVの主要なPKパラメータは、TAF + RPV 併用投与後とRPV単剤投与後で変わらず、単独投与時に対するRPVのGMR(90% CI)はAUCinf
89%(76%~104%)、AUClast 93%(81%~108%)及びCmax 95%(80%~112%)であった。TAFと RPVを併用投与しても、TAF又はPRVを単独投与したときに比べ、TAF、TFV及びRPVそれぞ れの曝露量及びCmaxのGMRの90% CIがいずれも予め規定した同等性の範囲内(70%~143%)で あり、TAFとRPVに臨床的に重要な薬物相互作用は認められなかった。
安全性の結果:
本試験中に重篤な有害事象、死亡、妊娠は認められず、有害事象により試験を中止した被験者は いなかった。
少なくとも1件の試験治療下で発現した有害事象が、TAF 25 mg、TAF 25 mg + RPV 25 mg及びRPV 25 mg投与中に被験者のそれぞれ0.0%、11.1%及び27.8%で報告された。各投与後に少なくとも2 例で報告された有害事象は、頭痛[TAF + RPV投与で36例中3例(8.3%)、RPV投与で2例(11.1%)]、
悪心及び嘔吐[TAF + RPV投与で各2例(5.6%)]並びに便秘[RPV投与で2例(11.1%)]であっ た。
報告された有害事象の重症度はすべてGrade 1(軽度)であった。Grade 2、3又は4の事象は報告 されなかった。
3例に発現した有害事象が治験担当医師により治験薬と関連があるかもしれないと判断され、内訳 はTAF + RPV投与の2例(5.6%)で報告された悪心及び嘔吐、RPV投与の1例(5.6%)で報告さ れた腹痛であった。
血液学的検査又は生化学検査パラメータの臨床的に重要な変化はいずれの投与(TAF、TAF + RPV 及びRPV)後にも認められなかった。1例でGrade 3の血尿(TAF + RPV投与後)が認められた。
治験実施医療機関でこの被験者が月経中であったことが確認された。したがって、治験担当医師 はこの臨床検査の再検査は行わなかった[社内データ]。
本試験中にバイタルサイン及び心電図の臨床的に重要な変化は認められなかった。
結論
TAFとRPVの併用投与はTAF、TFV又はRPVの曝露量に臨床的に重要な変化をもたらさないた め、用量調節は不要である。
健康被験者におけるTAF 25 mg、TAF 25 mg + RPV 25 mg及びRPV 25 mgの単回投与の忍容性は概 して良好であった。有害事象はすべて軽度と判断され、有害事象の大半は治験薬と関連なしと判 断された。