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Cohort 4 FTC+TAF+DTG

12 GS-US-0-1538 試験

(参考資料:第5.3.3.4.3項)

本試験は、健康被験者を対象にテノホビル アラフェナミドとミダゾラム(経口投与及び静脈内 投与)の薬物動態及び薬物相互作用の可能性を評価する固定順序、オープンラベル試験であった。

試験の概要を表2.7.6.12 - 1に示す。

表2.7.6.12 - 1 GS-US-120-1538試験:試験の概要

試験番号 GS-US-120-1538

試験の標題 健康被験者を対象にテノホビル アラフェナミドとミダゾラム(経口投与及び 静脈内投与)の薬物動態及び薬物相互作用の可能性を評価する固定順序、オー プンラベル試験

開発の相 第1相

目的 本試験の主要目的は以下のとおりであった。

• テノホビル アラフェナミド(TAF)がミダゾラム(MDZ)経口投与

(MDZoral)及び静脈内(IV)投与(MDZIV)の薬物動態(PK)に及ぼす 影響を評価する。

本試験の副次目的は以下のとおりであった。

• TAF、MDZoral及びMDZIVの併用投与又は単独投与の安全性及び忍容性を 評価する。

試験デザイン 本第1相、オープンラベル、固定順序、反復投与、単施設試験では、健康被験 者を対象にTAF及びMDZ(経口及びIV)のPK並びに薬物相互作用の可能性 を評価した。スクリーニング及びDay −1の手順後、適格となった被験者に対 し固定された投与順で治験薬投与を開始した。治験薬の投与はすべて朝食後と し、以下のとおり投与した。

• 投与A(Day 1):MDZoral 2.5 mg経口用シロップ

• 投与B(Day 3):MDZIV 1 mg注射液(1分かけて緩徐に静注)

• 投与C(Day 4~15及び17):TAF 25 mg錠

• 投与D(Day 16):TAF 25 mg錠 + MDZoral 2.5 mg経口用シロップを併用

• 投与E(Day 18):TAF 25 mg錠 + MDZIV 1 mg注射液(1分かけて緩徐に 静注)を5分以内の間隔で投与

Day −1からDay 19の午前中の試験手順が完了するまで被験者を入院させた。

Day 25 ± 2日(治験薬最終投与後7日 ± 2日)に被験者に電話によるフォロー アップを行った。

診断及び主な選 択基準

適格被験者は、18~45歳の健康な男性及び妊婦又は授乳婦以外の女性で、ス クリーニング時に体格指数(BMI)が19~30 kg/m2、臨床的に問題となる心電 図異常がなく、クレアチニンクリアランス(eGFRCG)[Cockcroft-Gault式によ る推算糸球体ろ過率(eGFR)]が70 mL/min以上で、重大な病歴がなく、全身 状態が良好な者とした。

被験者数(計画時 及び解析時)

計画時:18例 解析時:18例

• 安全性解析対象集団:18例

• PK解析対象集団:解析対象の各分析物[MDZoral、1'-OH-MDZoral、MDZIV、 1'-OH-MDZIV、TAF、テノホビル(TFV)]につき18例

被験薬、用量、用 法及びロット番 号

• TAF 25 mg(1 × 25-mg錠) + MDZoral 2.5 mg(経口用シロップ)を朝食後 に併用経口投与

• TAF 25 mg(1 × 25-mg錠)経口投与 + MDZIV 1 mg注射液(1分かけて緩 徐に静注)を朝食後に5分以内の投与間隔で投与

ロット番号:TAF 、MDZoral 、MDZIV

対照治療、用量、

用法及びロット 番号

• TAF 25 mg(1 × 25-mg錠)を朝食後に投与 ロット番号:TAF

投与期間 17日間(Day 1及びDay 3~18)

評価基準 有効性:有効性解析は実施していない。

薬物動態:TAF、MDZ及びその代謝物1'-OH-MDZ並びにTFV(トラフのみ)

の血漿中濃度解析のため、PK評価用の連続血液検体を次の時点で採取した。

• MDZ、1'-OH-MDZ(経口投与)(Day 1及び16):投与前、投与後0.25、 0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6、8、12及び24時間

• MDZ、1'-OH-MDZ(IV投与)(Day 3及び18):投与前、投与後5分、0.25、 0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6、8、12及び24時間

• TAF(Day 15、16及び18):投与前、投与後0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、 3、4、6及び8時間

• TFV(Day 5、12、13及び14):投与前

すべての分析物について、該当する場合に次の血漿中PKパラメータを算出し た。

Cmax、Tmax、Clast、Tlast、λz、AUClast、AUCinf、%AUCexp、AUCtau、t1/2、Vz/F、 CL/F

安全性:安全性の評価は、治験実施計画書に規定した時点で実施し、有害事象 及び併用薬のモニタリング、臨床検査、身体的検査、パルスオキシメータのモ ニタリング並びにバイタルサイン測定が含まれた。

解析方法 有効性:有効性解析は実施しなかった。

薬物動態:PKパラメータが得られた全被験者について、解析対象の各分析物 のPKパラメータを算出した。TAFがMDZoral、MDZIV及び1'-OH-MDZ(経口 及びIV)のPKに及ぼす影響を評価するため、各分析物のAUClast、AUCinf及 びCmaxの自然対数変換値を比較した。各分析物について、試験デザインに適 切な混合効果モデルを用いたパラメトリック(正規理論)分散分析(ANOVA) を、PKパラメータの自然対数変換値に適用した。各PKパラメータについて、

被験薬と対照薬の幾何最小二乗平均(GLSM)比の90%信頼区間(CI)を算出 し、AUC及びCmaxの90% CIが70%~143%の範囲内であれば相互作用はない と結論付けた。

安全性:安全性解析対象集団には、本試験に組み入れられ、治験薬を1回以上 投与された全被験者を含めた。安全性データは投与別(A~E)で解析し、治 験薬初回投与日から電話フォローアップ日又は治験薬最終投与後30日までに 収集したすべてのデータを含めた。有害事象はICH国際医薬用語集(MedDRA) Version 17.1を用いて読み替えた。

実施医療機関 米国の単施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)

20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)

20 年 月 日(最後の被験者の主要評価項目の最終観察日)

結果の要約

被験者の内訳及び被験者背景:

被験者28例がスクリーニングを受け、うち18例が本試験に組み入れられた。組み入れられた18 例全例(100%)が治験実施計画書で規定した順序で治験薬投与を終了し、全例が試験を完了した。

被験者の年齢の中央値は39歳(範囲:24~45歳)で、被験者の50%は男性であった。被験者の 大半は白人(88.9%)で、残りは黒人又はアフリカ系アメリカ人(11.1%)であった。被験者の全 例(100%)がヒスパニック系/ラテン系であった。ベースラインでのBMIの中央値[第一四分位

(Q1)、第三四分位(Q3)]は27.4(25.5、28.6) kg/m2であり、eGFRCGの中央値(Q1、Q3)は 119.5(109.1、132.8) mL/minであった。

有効性の結果:

有効性解析は実施していない。

薬物動態の結果:

TAF + MDZoral併用投与後とMDZoral単独投与後との比較において、MDZ及び1'-OH-MDZの AUClast、AUCinf及びCmaxのGLSMの90% CIは、相互作用なしの範囲(70%~143%)内であった。

TAF + MDZIV併用投与後とMDZIV単独投与後との比較において、MDZ及び1’-OH-MDZのAUClast、 AUCinf及びCmaxのGLSMの90% CIも、相互作用なしの範囲内であった。これらのデータから、

TAFの反復投与は全身循環到達前も、全身循環到達後のCYP3A活性にも影響を及ぼさないことが 示唆された。

Analyte and PK Parameter

GLSM by Treatment GLSM Ratio

Test/Reference (%) 90% CI Test Treatment

(N = 18) Reference Treatment (N = 18) MDZoral TAF+MDZoral MDZoral

AUClast

(h*ng/mL) 44.17 39.34 112.28 103.05,

122.33 AUCinf

(h*ng/mL) 46.95 41.56 112.97 103.61,

123.17

Cmax (ng/mL) 8.68 8.52 101.87 91.96, 112.84

1’-OH-MDZoral

AUClast

(h*ng/mL) 12.37 13.00 95.13 86.05, 105.16

AUCinf

(h*ng/mL) 13.65 13.96 97.75 88.02, 108.56

Cmax (ng/mL) 2.88 3.18 90.65 76.64, 107.22

MDZIV TAF+MDZIV MDZIV

AUClast

(h*ng/mL) 40.73 37.54 108.47 103.57,

113.61 AUCinf

(h*ng/mL) 42.85 39.51 108.45 103.72,

113.40

Cmax (ng/mL) 23.29 23.48 99.19 88.51, 111.15

1’-OH-MDZIV

AUClast

(h*ng/mL) 5.55 5.12 108.49 100.75,

116.83 AUCinf

(h*ng/mL) 6.55 5.91 110.71 102.31,

119.79

Cmax (ng/mL) 1.80 1.87 96.45 85.67, 108.59

Source: m5.3.3.4.3 CSR Study Synopsis 安全性の結果:

投与別で最も高頻度に報告された有害事象は、MDZIV投与下では浮動性めまい(16.7%)、血管穿 刺部位出血(11.1%)及び血管穿刺部位疼痛(11.1%)であり、TAF投与下では接触性皮膚炎(11.1%)、

TAF + MDZIV投与下では注入部位疼痛(11.1%)であった。有害事象の大半は重症度がGrade 1で あり、「一般・全身障害および投与部位の状態」のSOCに属するものであった。治験薬又は治験 手順に関連ありと判断された有害事象を発現した被験者は少数であった。関連ありとされた有害 事象はすべてGrade 1であり、MDZIV又はTAF + MDZIV投与下で発現した。Grade 3又は4の有害 事象、重篤な有害事象、中止に至った有害事象は報告されなかった。本試験中に妊娠や死亡は認 められなかった。本試験中に2例の被験者でGrade 1以上の臨床検査値異常がみられた。1例で

Grade 1の重炭酸塩減少とGrade 3の尿中血陽性(月経中と確認された)が認められ、1例の女性

被験者でGrade 1の尿中血陽性が認められた。これらのGrade 1以上の臨床検査値異常はいずれも

有害事象として報告されなかった。バイタルサインにベースラインからの臨床的に重要な変化は なかった。

結論

• MDZ(経口又はIV)とTAFの併用投与後とMDZ単独投与後を比較した結果、MDZ曝露量 に臨床的に重要な差は認められず、TAFの反復投与は、全身循環到達前又は全身循環到達後

でも、in vivoでCYP3Aを阻害又は誘導しないことが示された。

• TAFの単独投与及びMDZ(経口又はIV)との併用投与の忍容性は良好であり、有害事象及 び臨床検査値異常はほとんど認められず、Grade 3又は4の有害事象、重篤な有害事象並びに 有害事象による試験中止はなかった。