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ホート 4 ) 対照治療、用量、

18 GS-US-311-1388 試験

(参考資料:第5.3.3.4.9項)

本試験は、健康被験者を対象として、エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド配合錠と コビシスタットでブーストしたアタザナビルとの薬物相互作用を評価する、固定順序、オープン ラベル、3期クロスオーバー、薬物動態試験であった。

試験の概要を表2.7.6.18 - 1に示す。

表2.7.6.18 - 1 GS-US-311-1388試験:試験の概要

試験番号 GS-US-311-1388

試験の標題 健康被験者を対象として、エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド配 合錠とコビシスタットでブーストしたアタザナビルとの薬物相互作用を評価 する、固定順序、オープンラベル、3期クロスオーバー、薬物動態試験 開発の相 第1相

目的 本試験の主要目的は以下のとおりであった。

• コビシスタットでブーストしたアタザナビル(ATV + COBI)がテノホビ ル アラフェナミド(TAF)及びその主要代謝物テノホビル(TFV)の薬 物動態(PK)に及ぼす影響を評価する。

• ATV + COBIがエムトリシタビン(FTC;F)のPKに及ぼす影響を評価す る。

• TAFがATV及びCOBIのPKに及ぼす影響を評価する。

本試験の副次目的は以下のとおりであった。

• F/TAF及びATV + COBIの併用投与及び単独投与時の安全性及び忍容性

を評価する。

試験デザイン 本試験は、健康被験者を対象として、F/TAFとATV + COBIとの薬物相互作用 を評価する第1相、オープンラベル、固定順序、単施設、3期クロスオーバー 試験であった。治験薬は、一晩絶食した後の朝食後に経口投与した。スクリー ニング及びDay −1の後、適格な被験者に次の治験薬を投与した。

• 投与A(Day 1~7):F/TAF(200/10 mg)を1日1回朝食後に投与

• 投与B(Day 8~14):ATV 300 mg + COBI 150 mg + F/TAF(200/10 mg)を 1日1回朝食後に投与

• 投与C(Day 15~21):ATV 300 mg + COBI 150 mgを1日1回朝食後に投 与

スクリーニング及びDay −1の手順後、適格な被験者をDay −1からDay 22の 評価終了まで治験実施医療機関に入院させた。Day 28 ± 2日(治験薬最終投与

後7 ± 2日)に被験者に電話連絡を行い、退院後に発現した有害事象及び併用

薬に関する情報を収集した。

診断及び主な選 択基準

適格な被験者は、健康な男女(妊婦又は授乳婦を除く)で、体格指数(BMI) が19 kg/m2以上30 kg/m2以下であり、年齢が18歳以上45歳以下、12誘導心 電図(ECG)及び腎機能が正常で、重大な病歴がなく、全身の健康状態が良好 な者とした。

被験者数(計画時 及び解析時)

計画時:評価可能例18例を得るため20例を組み入れることとした。

解析時:

• 登録されたすべての被験者集団:20例

• TAF、TFV、FTC、ATV及びCOBIのPK解析対象集団:20例

• 安全性解析対象集団:20例 被験薬、用量、用

法及びロット番 号

ATV + COBI + F/TAF:

ATV(300 mg錠1日1回)+ COBI(150 mg錠1日1回)+ F/TAF 200/10 mg 配合錠1日1回(配合錠;FTC 200 mg/TAF 10 mg)を朝食後に併用経口投与(投 与B)。

ロット番号: (F/TAF)、 (ATV)、 (COBI) 対照治療、用量、

用法及びロット 番号

F/TAF:

F/TAF 200/10 mg配合錠1日1回(FTC 200 mg/TAF 10 mg)を朝食後に経口投 与(投与A)。

ロット番号: (F/TAF) ATV + COBI:

ATV(300 mg錠1日1回)+ COBI(150 mg錠1日1回)を朝食後に併用経口 投与(投与C)。

ロット番号: (ATV)、 (COBI)

投与期間 治験薬は、Day 1~7にF/TAF(200/10 mg)を1日1回、Day 8~14にATV(300 mg) + COBI(150 mg)+ F/TAF(200/10 mg)を1日1回、Day 15~21にATV(300 mg)+ COBI(150 mg)を1日1回投与した。各被験者の試験期間は、電話に よるフォローアップも含めて約28日間であった(スクリーニングを除く)。

評価基準 薬物動態:朝の治験薬投与後の次の時点に血液検体を採取した。

• Day 1~6:0時間(投与前)

• Day 7:0(投与前)、投与後0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6、8、12 及び24時間

• Day 9~13:0時間(投与前)

• Day 14:0(投与前)、投与後0.25、0.5、0.75、1、1.5、2、3、4、6、8、 12及び24時間

• Day 16~20:0時間(投与前)

• Day 21:0(投与前)、投与後1、1.5、2、3、4、6、8、12及び24時間

Day 8及び15の投与前に、24時間の集中的な血漿中PK解析用検体を採取し

た。

TAF、TFV、FTC、ATV及びCOBI(該当する場合)の血漿中濃度を測定し、

PKを評価した。すべての分析物について、次の血漿中PKパラメータを算出 した:Cmax、Tmax、Ctau、Vss/F、CL/F、AUCtau、t1/2

早期中止来院時(該当する場合)にもPK解析用血液検体を採取し、解析する こととした。

安全性:安全性は、試験期間中の複数の測定時点における臨床検査、身体的検 査(バイタルサインを含む)及び心電図と有害事象の記録により評価した。

解析方法 薬物動態:各分析物の血漿中濃度及びPKパラメータを投与別に一覧表にし、

必要に応じて記述統計量(例数、算術平均、幾何平均、パーセント変動係数、

標準偏差、中央値、最小値、最大値)を用いて要約した。

被験治療及び比較した対照治療の最小二乗幾何平均(GLSM)比に対する両側 90%信頼区間(CI)を算出した。

安全性:有害事象データを被験者別に一覧表にした。試験治療下で発現した有 害事象、重篤な有害事象、治験薬投与中止に至った有害事象について、ICH国 際医薬用語集(MedDRA)現行版を用いて、投与別、器官別大分類別及び基本 語別に要約した。各被験者の臨床検査結果を一覧表にした。特定の臨床検査値 について、検査結果と投与前値からの変化を規定来院時の投与別に要約した。

試験治療下で発現した臨床検査異常の発現率を投与別に要約した。

バイタルサインデータを投与別に要約した。

実施医療機関 米国の単施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)

20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)

結果の要約

被験者の内訳及び被験者背景:

計20例をスクリーニングし、試験に組み入れ、治験薬を少なくとも1回投与した。20例全例(100%) をTAF、TFV、FTV、ATV及びCOBIの各PK解析対象集団に含めた。20例全例(100%)が治験 薬投与を完了した。19例(95.0%)が試験を完了し、1例(5.0%)が追跡不能となった。

安全性解析対象集団の被験者の大半(60.0%、12例)は男性であった。年齢の中央値は35歳(範 囲:23~44歳)であった。被験者の大半は白人(65.0%)であり、ヒスパニック系又はラテン系

(60.0%)であった。ベースライン時、BMIの中央値[第一四分位(Q1)、第三四分位(Q3)]は 25.4(24.5、28.1)kg/m2、クレアチニンクリアランスの中央値(Q1、Q3)は112.5(99.2、123.6) mL/minであった。

有効性の結果:

本報告では、有効性の評価は実施していない。

薬物動態/薬力学の結果:

F/TAF単独投与後及びATV + COBIとF/TAF併用投与後のTAF、TFV及びFTCに関する主要なPK パラメータの比較及び解析結果を以下に要約する。

PK Parameter

GLSMs by Treatment

%GLSM Ratio (90% CI) Test:

ATV+COBI+F/TAF (N = 20)

Reference:

F/TAF (N = 20) TAF

AUClast (h•ng/mL) 182.21 104.08 175.06

(154.81, 197.96)

Cmax (ng/mL) 133.52 74.28 179.76

(148.45, 217.67) TFV

AUCtau (h•ng/mL) 340.26 97.92a 347.49

(329.34, 366.65)

Ctau (ng/mL) 12.37 3.31 373.16

(353.91, 393.45)

Cmax (ng/mL) 18.43 5.83 315.98

(299.75, 333.10) FTC

AUClast (h•ng/mL) 11,576.49 10,023.15 115.50 (110.68, 120.53)

Ctau (ng/mL) 90.87 66.52 136.62

(131.55, 141.89)

Cmax (ng/mL) 1844.78 1696.16 108.76

(100.15, 118.11) GLSM = geometric least-squares mean

an = 19

Source: m5.3.3.4.9 CSR Study Synopsis

F/TAF単独投与と比較して、F/TAF + ATV + COBIではTAFの曝露量(AUClast)が75%、TAFの Cmaxが80%増加した。F/TAF単独投与と比較して、F/TAFとATV + COBIの併用投与ではTFVの 曝露量(AUCtau)が248%、TFVのCtauが273%増加した。これらの差は予測されたものであり、P 糖蛋白阻害薬がTAF曝露量に影響を及ぼし、その結果として代謝物TFVも影響を受けることに一 致していた。F/TAFとATV + COBIの併用投与はFTCのPKには顕著な影響を及ぼさなかった。

ATV + COBI単独投与後及びATV + COBIとF/TAF併用投与後のATV及びCOBIに関する主要な PKパラメータの比較と解析結果を以下に要約する。

PK Parameter

GLSMs by Treatment

%GLSM Ratio (90% CI) Test:

ATV+COBI+F/TAF (N = 20)

Reference:

ATV+COBI (N = 20) ATV

AUCtau (h•ng/mL) 77,270.03 72,906.44 105.99 (100.91, 111.31)

Ctau (ng/mL) 2006.71 1701.77 117.92

(106.43, 130.65)

Cmax (ng/mL) 6344.22 6456.65 98.26

(94.27, 102.41) COBI

AUCtau (h•ng/mL) 13,881.31 13,272.25 104.59 (100.25, 109.12)

Ctau (ng/mL) 88.81 65.83 134.91

(120.73, 150.75)

Cmax (ng/mL) 1516.32 1575.56 96.24

(92.47, 100.16) Source: m5.3.3.4.9 CSR Study Synopsis

ATV + COBIとF/TAFの併用投与は、ATV及びCOBIのPKに顕著な影響は及ぼさなかった。

安全性の結果:

有害事象は、F/TAF(投与A)群の1例(5.0%)、ATV + COBI + F/TAF(投与B)群の6例(30%) 及びATV + COBI(投与C)群の4例(20.0%)から報告された。治験担当医師によって治験薬と 関連ありと判断された有害事象は、F/TAF(投与A)群の1例(5.0%)、ATV + COBI + F/TAF(投 与B)群の5例(25%)及びATV + COBI(投与C)群の3例(15.0%)から報告された。

F/TAF(投与A)群で報告された有害事象は便秘であった(5.0%、1例)。ATV + COBI + F/TAF(投 与B)群の有害事象は、黄疸眼、腹部膨満、麦粒腫、体内異物、斑状皮疹、皮膚炎(各5.0%、1 例)、便秘及び頭痛(各10.0%、2例)であった。ATV + COBI(投与C)群では、眼乾燥、舌炎、

非心臓性胸痛、振戦、斑状皮疹、多汗症及びそう痒性皮疹(各5.0%、1例)が報告された。麦粒 腫、体内異物及び非心臓性胸痛を除き、これら3群の有害事象はすべて、治験担当医師によって 治験薬と関連ありと判断された。

大部分の有害事象はGrade 1(軽度)であった。最大重症度がGrade 2(中等度)の有害事象は、

F/TAF(投与A)群の0例、ATV + COBI + F/TAF(投与B)群の20例中3例(15.0%)、ATV + COBI

(投与C)群の20例中1例(5.0%)から報告された。

ATV + COBI + F/TAF(投与B)群におけるGrade 2の有害事象は、麦粒腫、頭痛、皮膚炎及び斑状 皮疹であった。ATV + COBI(投与C)群におけるGrade 2の有害事象は、斑状皮疹及びそう痒性 皮疹であった。

有害事象により治験薬の投与を中止した被験者はいなかった。本試験中に死亡は報告されなかっ た。本試験中に妊娠は報告されなかった。本試験中に、中止に至った有害事象、Grade 3又は4の 有害事象及び重篤な有害事象は認められなかった。

全体として、Gradeを問わない臨床検査値異常は、F/TAF(投与A)群の9例(45.0%)、ATV + COBI + F/TAF(投与B)群の20例(100%)、ATV + COBI(投与C)群の20例(100%)から報告され た。

高ビリルビン血症は、ATV + COBI + F/TAF(投与B)群の20例(100%)、ATV + COBI(投与C)

群の19例(95.0%)で報告された。UGT1A1の競合阻害は、ATVの投与を受けた被験者の多くに

みられた可逆的な無症候性の高ビリルビン血症と関連していた。COBIでブーストしたATVの投 与を受けた被験者[ATV + COBI + F/TAF(投与B)群とATV + COBI(投与C)群]では、Grade 4

(> 5 × ULN)に達することもあるATVに関連した高ビリルビン血症の発現が予測された。

予測された高ビリルビン血症の発現以外では、4件のGrade 3の毒性が治験薬投与期間中に報告さ れた。同一の被験者1例で、F/TAF(投与A)中にGrade 3のLDLコレステロール上昇、ATV + COBI

(投与C)中にLDLコレステロール及びコレステロールの上昇が認められた。別の1例(4 歳女 性、被験者番号09191-1020)ではATV + COBI + F/TAF(投与B)中にGrade 3の血尿が認められ たが、この被験者はDay −1、F/TAF(投与A)中及びATV + COBI(投与C)中では血尿は陰性で あった。

本試験中の血清クレアチニン、血清リン酸塩などの腎機能パラメータに、ベースラインからの臨 床的に重要な変化は認められなかった。eGFRCG値の解析では、Day 7/8の投与前からの平均変化 量(SD)は、F/TAF(投与A)で−3.6(9.75)、ATV + COBI + F/TAF(投与B)で−9.9(11.14)、ATV + COBI(投与C)で−6.5(11.40)であった。ATV + COBI + F/TAF(投与B)及びATV + COBI(投 与C)におけるeGFRの変化はCOBI投与の既知の作用に一致しており、臨床的に重要とは判断さ れなかった。

試験期間中、バイタルサイン及び体重に、臨床的に重要な変化は認められなかった。

その他:

本試験では、その他のアウトカム指標は評価しなかった。

結論

GS-US-311-1388試験の結論は以下のとおりである。

• F/TAFとATV + COBIの併用投与は、FTC、ATV及びCOBIのPKに顕著な影響を及ぼさなか った。

• F/TAFとATV + COBIの併用投与によりTAF及びTFVの曝露量が増加したが、これは予測さ れたものであり、P糖蛋白阻害薬がTAF及び結果として代謝物TFVに及ぼす影響に一致して いた。

• F/TAFとATV + COBIを単独及び併用投与した場合の忍容性は概して良好であった。