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ホート 4 ) 対照治療、用量、

19 GS-US-311-1790 試験

(参考資料:第5.3.3.4.10項)

本試験は、エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド配合錠又はGS-9883が代表的なホル モン避妊薬であるノルゲスチメート/エチニルエストラジオールの薬物動態に及ぼす影響を評価 する、第1相、ランダム化、オープンラベル、薬物相互作用試験であった。

試験の概要を表2.7.6.19 - 1に示す。

表2.7.6.19 - 1 GS-US-311-1790試験:試験の概要

試験番号 GS-US-311-1790

試験の標題 エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド配合錠又はGS-9883が代表的 なホルモン避妊薬であるノルゲスチメート/エチニルエストラジオールの薬 物動態に及ぼす影響を評価する、第1相、ランダム化、オープンラベル、薬物 相互作用試験

開発の相 第1相

目的 本試験の主要目的は以下のとおりであった。

• エムトリシタビン(FTC、F)/テノホビル アラフェナミド(TAF) 200/25 mgの配合錠として投与したときのFTC及びTAF又は

GS-9883 75 mgが、代表的なホルモン避妊薬であるノルゲスチメート

(NGM)/エチニルエストラジオール(EE)(Ortho Tri-Cyclen® Lo)の薬 物動態(PK)に及ぼす影響を確認する。

本試験の副次的目的は以下のとおりであった。

• 代表的なホルモン避妊薬であるNGM/EE(Ortho Tri-Cyclen Lo)と併用投 与したときの、F/TAF配合錠又はGS-9883の投与の安全性及び忍容性を 評価する。

試験デザイン 本試験は、F/TAF配合錠として投与したときのFTC及びTAF又はGS-9883が、

代表的なホルモン避妊薬(Ortho Tri-Cyclen Lo、OC)のPKに及ぼす影響を判 定する、第1相、ランダム化、オープンラベル、単施設、固定順序、反復投与、

複数コホート試験であった。スクリーニング及びStudy Day Lead-in(導入期:

L)−1の手順後、適格被験者を2つのコホートのいずれか一方にランダム割付 し、Study Day L1に以下の投与を開始した。

コホート1

Part A Part B

Lead-in Cycle 1 Cycle 2

Study Day L1-L28 1-28 29-42 43-56

Cycle Day 1-28 1-28 1-14 15-28

OC a X X X X

F/TAF 200/25 mga X

a Administered once daily in the morning with food Source: m5.3.3.4.10 CSR Study Synopsis

コホート2

Part A Part B

Lead-in Cycle 1 Cycle 2

Study Day L1-L28 1-28 29-42 43-56

Cycle Day 1-28 1-28 1-14 15-28

OC a X X X X

GS-9883 75 mga X

a Administered once daily in the morning with food Source: m5.3.3.4.10 CSR Study Synopsis

導入期(パートA)は、投与スケジュールを同期させるために用いた。

被験者を、パートAではStudy Day L−1からStudy Day L1の評価終了まで、パー トBのサイクル1ではStudy Day L28の朝の投与後からStudy Day 15の評価終 了まで、パートBのサイクル2ではStudy Day 28の朝の投与後からStudy Day 43 の評価終了まで治験実施医療機関に入院させた。

Study Day L14、21及び49に、被験者を治験実施医療機関へ再来院させ、観察 下で投与を行った。被験者は、Study Day 56に院内でのフォローアップ及び観 察下での投与のために治験実施医療機関へ再来院した。OCの最終投与10~14 日後に電話によるフォローアップを実施した。

診断及び主な選 択基準

適格被験者は健康な、妊娠中又は授乳中でない、非喫煙者で、閉経前の18歳以 上45歳以下の女性で、体格指数(BMI)が19 kg/m2以上30 kg/m2以下、

Cockcroft-Gault式による推算糸球体ろ過率(eGFRCG)が90 mL/min以上である 者とした。

また、適格被験者はOCを3サイクルにわたって投与されることに同意し、か つ、Ortho Tri Cyclen Loの現行の米国添付文書(USPI)に記載されている禁忌 のいずれも該当しない者とした。

被験者数(計画時 及び解析時)

計画時:32例(各コホート16例を組み入れ、評価可能例12例を確保する)。 解析時:

• ランダム化解析対象集団:各コホート16例

• 安全性解析対象集団:各コホート16例

• PK解析対象集団[NGM、ノルエルゲストロミン(NGMN)、ノルゲスト レル(NG)、EE]:

 コホート1、15例

 コホート2、16例

• PK解析対象集団[FTC、TAF、テノホビル(TFV)]:コホート1、14例

• PK解析対象集団(GS-9883):コホート2、15例

• 薬物動態解析対象集団[黄体形成ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン

(FSH)、プロゲステロン):

 コホート1、15例

 コホート2、16例 被験薬、用量、用

法及びロット番 号

F/TAF+OC:F/TAF(200/25 mg)1日1回とOC(NGM

0.180 mg/0.215 mg/0.250 mg/EE 0.025 mg)1日1回を朝食後に併用投与した。

GS-9883+OC:GS-9883 75 mg 1日1回とOC(NGM

0.180 mg/0.215 mg/0.250 mg/EE 0.025 mg)1日1回を朝食後に併用投与した。

ロット番号は、 (F/TAF)、 (GS-9883)及び OC)

であった。

対照治療、用量、

用法及びロット 番号

OC(NGM 0.180 mg/0.215 mg/0.250 mg/EE 0.025 mg)1日1回を朝食後に投与 した(ロット番号: )。

投与期間 OC:28日を1サイクルとして3サイクル(84日間)

F/TAF又はGS-9883:14日間

評価基準 有効性:本報告では、有効性解析は実施していない。

薬物動態:Study Day 14及び42の投与前及び投与後の以下の時点でPK用連続 血液検体を採取した: 投与前(投与前5分以内)、投与後0.25(Study Day 42 のコホート1のみ)、0.5、0.75(Study Day 42のコホート1のみ)、1、1.5、2、 2.5、3、4、5、6、8、10、12、24時間。適宜、NGM(可能な場合)、NGMN、 NG、EE、FTC、TAF、TFV及びGS-9883について、以下の血漿中PKパラメー タを算出した:Cmax、Tmax、Clast、Tlast、Ctau、λz、AUCtau、AUClast、CL/F、T1/2。 薬力学:LH及びFSH測定用の血液検体をStudy Day 14及び42の投与前に採 取した。プロゲステロン測定用の血液検体をStudy Day 21及び49の投与前に 採取した。

安全性:安全性は、有害事象のモニタリング、併用薬、臨床検査値、ECG及 び定期的な身体所見(バイタルサインを含む)により評価した。

解析方法 有効性:本報告では、有効性解析は実施していない。

薬物動態:各分析対象物の血漿中濃度及びPKパラメータを一覧にし、記述統 計量を用いて要約した。FTC、TAF、TFV及びGS-9883のPKパラメータを過 去のデータと比較した。さらに、本試験デザインに適切な混合効果モデルを用 いたパラメトリック(正規理論)分散分析(ANOVA)を、NGM(可能な場合)、 NGMN、NG及びEEのPKパラメータ(AUCtau、Cmax、Ctau)の自然対数変換 値に適用した。被験治療(OCとF/TAF又はGS-9883の併用投与)の対照治療

(OCの単独投与)に対するPKパラメータの幾何最小二乗平均値の比につい て90% CIを算出した。得られた90% CIが70%~143%の範囲内にある場合に PKに変化なしと結論付けた。

薬力学:探索的目的のため、対照治療(OC)及び被験治療(OC + F/TAF又は

GS-9883)におけるプロゲステロン、LH及びFSHの絶対値及びベースライン

からの変化量を記述統計量により要約し、提示した。

安全性:安全性データを、記述統計量を用いて要約した。有害事象は、ICH国 際医薬用語集(MedDRA)バージョン18.0を用いて読み替えた。

実施医療機関 米国の単一の第1相試験施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)

20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)

結果の要約

被験者の内訳及び被験者背景:

計32例の女性被験者(各コホート16例)を本試験に組み入れ、治験薬を少なくとも1回投与し た。28例が試験を完了した。4例が治験薬投与及び本試験を早期に中止したが、このうち1例は 治験実施計画書からの逸脱によりパートBの投与を受けず、2例は同意撤回、1例は追跡不能によ る中止であった。平均年齢は38歳(範囲、24~45歳)であった。被験者の大半が白人(84.4%) であり、その他は黒人(15.6%)であった。スクリーニング時のBMIの平均値は26.1 kg/m2であり、

eGFRCG(クレアチニンクリアランス)の平均値は128.10 mL/minであった。

有効性の結果:該当なし

薬物動態/薬力学の結果:

OCをF/TAF又はGS-9883と併用投与したときの、NGMN(NGMの主要代謝物)、NG(NGMの マイナーな代謝物)及びEEの全身曝露量は、OC単独投与時と同程度であった。NGMN、NG及 びEEのすべての主要PKパラメータについて、最小二乗幾何平均比及びその90% CIは事前に定 めた相互作用なしの許容範囲(70%~143%)内であった。OCのPKはF/TAF又はGS-9883によっ て変化しなかった。

TAF、TFV、FTC及びGS-9883の曝露量(食後投与時)は過去のデータと一致していた。

黄体形成ホルモン、FSH及びプロゲステロンの濃度の中央値は、すべての投与サイクルにわたっ ておおむね同程度であった。

黄体形成ホルモン濃度の中央値は、排卵期に予想される値より低かった(範囲:8.7~76.3 mIU/mL)。

FSH濃度の中央値は、排卵期の基準範囲(3.1~17.7 mIU/mL)内であるか又は基準範囲未満であっ た。これらの結果は、経口ホルモン避妊薬によって起こり得る血清中LH及びFSHの低下と一致 している。

無排卵であることと一致して、経口避妊薬投与サイクルのDay 21に測定したプロゲステロン濃度 の中央値は、いずれの投与サイクルにおいても、黄体期に予想される値(範囲:3.0~31.4 ng/mL) より顕著に低かった。

安全性の結果:

本試験においてOC、F/TAF+OC及びGS 9883+OCはすべて忍容性が良好であった。本試験でGrade 3 又は4の有害事象あるいは重篤な有害事象の報告はなく、治験薬の中止に至った有害事象もなかっ た。

試験治療下で発現した有害事象は、コホート1のOC単独投与例の86.7%、コホート2のOC単独 投与例の87.5%、F/TAF+OC併用投与例の20.0%及びGS-9883+OC併用投与例の56.3%に認められ た。治験担当医師により治験薬と関連ありと判断された有害事象が少なくとも1件認められた被 験者の割合は、OC(コホート1)、OC(コホート2)、F/TAF+OC及びGS 9883+OCの投与でそれ ぞれ73.3%、81.3%、6.7%及び25.0%であった。

最も高頻度に報告された有害事象は不正子宮出血であり、OC単独投与で最も発現頻度が高かった

(コホート1のOC単独投与例では73.3%、コホート2のOC単独投与例では81.3%、F/TAF+OC 併用投与例では0例及びGS 9883+OC併用投与例では12.5%に発現した)。便秘、腹痛及び頭痛も、

いずれの投与群においても2例以上の被験者から報告された。治験薬と関連ありと判断された有 害事象で、いずれの投与群においても2例以上の被験者に発現した有害事象は不正子宮出血のみ であった。

有害事象の大半は軽度(Grade 1)であった。2例に中等度(Grade 2)の有害事象が発現し、内訳 はF/TAF+OC併用投与例1例の右脚ブロック及び尿路感染並びにGS-9883+OC併用投与例1例の 胃炎であった。

試験治療下で発現したGrade 4の臨床検査値異常は試験期間中に1例に発現(一過性低リンパ球数)

し、7例に試験治療下で発現したGrade 3の臨床検査値異常がみられた。コホート2の1例は、Grade 3 のクレアチンキナーゼ高値がフォローアップ来院で認められた。6例にGrade 3の尿潜血が認めら れたが、臨床的に重要であると判断された事象はなく、その大半が月経によるものであった(1 例については尿路感染も一因であった)。

1例に試験期間中に鉄欠乏性貧血の有害事象が発現した。本被験者には、Grade 2のヘモグロビン 異常低値も認められた。

試験期間中にeGFRの中央値の低下が認められ、F/TAF+OC併用投与では-17.961 mL/min及び GS-9883+OC併用投与では-21.015 mL/minの低下を示した。

F/TAF+OC併用投与の1例に、Study Day 33に臨床的に重要な右脚ブロック及びST-T変化が発現 し、これらは有害事象として報告された。