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ホート 4 ) 対照治療、用量、

17 GS-US-311-1386 試験

(参考資料:第5.3.3.4.8項)

本試験は、健康被験者を対象としてエムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド配合錠を投 与したときのテノホビル アラフェナミドの薬物動態に対する食事の影響を評価する第1相、ラン ダム化、オープンラベル試験であった。

本試験の概要を表2.7.6.17 - 1に示す。

表2.7.6.17 - 1 GS-US-311-1386試験:試験の概要

試験番号 GS-US-311-1386

試験の標題 健康被験者を対象としてエムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド配合 錠を投与したときのテノホビル アラフェナミドの薬物動態に対する食事の影 響を評価する第1相、ランダム化、オープンラベル試験

開発の相 第1相

目的 本試験の主要目的は以下のとおりであった、

• エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド(F/TAF)配合錠を投与 したときのテノホビル アラフェナミド(TAF)の薬物動態(PK)に対す る食事の影響を評価する。

• F/TAF配合錠を投与したときのエムトリシタビン(FTC)のPKに対する

食事の影響を評価する。

本試験の副次目的は以下のとおりであった。

• 食後及び空腹時投与したときのF/TAF配合錠の安全性及び忍容性を評価 する。

試験デザイン 本試験は、食事の影響を評価するランダム化、オープンラベル、単回投与、2 群、2期クロスオーバー試験であった。スクリーニング及びDay −1の評価後 に適格であった被験者を2つの投与順序(AB又はBA)のいずれかにランダ ム割付けし(1:1)、以下の治験薬を投与した(Day 1に初回の投与、Day 8に 2回目の投与)。

• 投与A(空腹時投与):F/TAF(200/25 mg)配合錠を朝空腹時に単回経口 投与

• 投与B(食後投与):F/TAF(200/25 mg)配合錠を朝食後に単回経口投与

Day −1からDay 14の朝まで被験者を治験実施医療機関に入院させた。

Day 22 ± 2日に被験者に電話によるフォローアップを実施した。

診断及び主な選 択基準

18~45歳の健康な男性及び妊婦又は授乳婦以外の女性で、体格指数(BMI) が19~32 kg/m2、Cockcroft-Gault式による推算糸球体ろ過率(eGFRCG)が 70 mL/min以上の者

被験者数(計画時 及び解析時)

計画時:40例(評価可能36例)

ランダム割付け:40例(投与順序A/B 20例、投与順序B/A 20例)

解析時:40例(安全性解析対象集団並びにTAF及びFTCのPK解析対象集団)

治験薬、用量、用 法及びロット番 号

F/TAF (200/25 mg)配合錠を一晩絶食後の朝食後に経口投与(投与B) ロット番号:

対照治療、用量、

用法及びロット 番号

F/TAF 200/25 mg 配合錠(FTC 200 mg/TAF 25 mg)を一晩絶食後の朝の空腹時 に経口投与(投与A)

ロット番号:

投与期間 治験薬はDay 1及びDay 8の2回、単回投与した。各被験者の試験期間は、フォ

ローアップを含めて(スクリーニングを除いて)約23日間であった。

評価基準 有効性:本試験では、有効性解析を実施していない。

PK:Day 1及びDay 8の投与に対し、以下の時点でPK解析用の経時的血液検 体を採取した:0(投与前)、投与後0.25、0.5、1、1.5、2、3、4、6、8、10、 12、16、24、36、48、72、96、120及び144時間。FTC及びTAFについて以 下の血漿中PKパラメータを算出した:Cmax、Tmax、λz、Clast、Tlast、t1/2、AUClast、 AUCinf、%AUCexp、Vz/F及びCL/F

PK解析用の血液検体は、解析する可能性に備え、早期中止来院時(該当する 場合)にも採取した。

安全性:安全性は、有害事象、併用薬、臨床検査、バイタルサイン、体重、12 誘導心電図及び身体検査により評価した。

解析方法 有効性:本試験では、有効性解析を実施していない。

PK:血漿中濃度及びPKパラメータは一覧化し、記述統計量を用いて投与別に 要約した。PKパラメータは、ノンコンパートメント法により算出した。TAF 及びFTCについて、自然対数変換したPKパラメータAUCinf、AUClast及びCmax

に対し、投与、順序、期間を固定効果とし、順序内の被験者を変量効果とした 混合効果モデルによるパラメトリック分散分析(ANOVA)を適用した。TAF 及びFTCのAUCinf、AUClast及びCmaxの最小二乗幾何平均(GLSM)比(被験 治療vs対照治療)に対する両側90%信頼区間(CI)を算出した。被験治療(F/TAF 食後投与)を対照治療(F/TAF空腹時投与)と比較した。主要評価項目は、TAF 及びFTCのPKパラメータAUCinf、AUClast、Cmax及びTmaxとした。

安全性:安全性データは、記述統計量を用いて要約した。有害事象は、ICH国 際医薬用語集(MedDRA)Version 17.0を用いて読み替えた。

実施医療機関 米国の単施設

試験実施期間 20 年 月 日(最初の被験者のスクリーニング日)

20 年 月 日(最後の被験者の最終観察日)

結果の要約

被験者の内訳及び被験者背景:

被験者計40例がランダム割付けされ、全例が治験薬の投与を1回以上受けた。このうち38例

(95.0%)が両治験薬を投与され、2例は空腹時F/TAF(投与A)のみの投与後に中止した。治験

薬(及び試験)の中止の理由は、1例は有害事象であり、他の1例は妊娠であった。治験薬投与を 完了した38例のうちの1例は、同意を撤回して本試験を早期中止した。したがって、本試験を完 了した被験者は37例(92.5%)であった。

安全性解析対象集団の被験者は大半が男性(60.0%、24例)であった。年齢の中央値は28歳(範 囲:20~45歳)であった。また、大半の被験者が白人(72.5%)で、非ヒスパニック系/ラテン

系(97.5%)であった。ベースライン時のBMIの中央値[第一四分位(Q1)、第三四分位(Q3)]

は、26.5(24.1、27.8)kg/m2で、eGFRCGの中央値(Q1、Q3)は、121.8(108.5、132.5)mL/min であった。

有効性の結果:

本試験では有効性解析を実施しなかった。

薬物動態の結果:

TAF及びFTCの血漿中PKパラメータのAUCinf、AUClast及びCmaxに加え、空腹時及び高カロリー、

高脂肪食摂食下でのF/TAF投与後のこれらのパラメータの統計比較を以下に示す。食後投与の TAFのAUCinf及びAUClastは、空腹時に投与したときと比較してそれぞれ75%及び77%増加した。

食後投与のTAFのCmaxは、空腹時投与と比較して15%減少し、それに伴いTmax中央値が延長した

(空腹時投与の0.50時間から食後投与では1.00時間に増加)。食後投与のFTCのAUCinf及びAUClast

は、空腹時投与と比較して9%減少し、FTCのCmaxは27%減少し、さらにTmax中央値の延長も認 められた(空腹時投与の1.00時間から食後投与では2.00時間に増加)。

GLSMs by Treatment

GLSM Ratio (Test/Reference)

(%) 90% CI (%) Test Treatment

B (F/TAF Fed) (N = 38)

Reference Treatment A (F/TAF Fasted)

(N = 40) TAF PK Parameter

AUCinf

(h•ng/mL) 234.86a 133.91 175.38 (163.93, 187.63)

AUClast

(h•ng/mL) 234.02 132.53 176.57 (166.19, 187.60)

Cmax (ng/mL) 180.00 212.94 84.53 (74.92, 95.37) FTC PK Parameter

AUCinf

(h•ng/mL) 9114.01 10,002.77 91.11 (88.84, 93.44)

AUClast

(h•ng/mL) 8901.52 9758.42 91.22 (88.90, 93.60)

Cmax (ng/mL) 1513.12 2058.61 73.50 (69.26, 78.00) a N = 33; AUCinf could not be calculated in 5 subjects for analyte TAF with Treatment B.

Source: m5.3.3.4.8 CSR Study Synopsis 安全性の結果:

有害事象が認められた被験者の割合は、F/TAF空腹時投与で30.0%(12/40例)、F/TAF食後投与で

26.3%(10/38例)であった。治験担当医師により治験薬と関連ありと判断された有害事象は、そ

れぞれ20.0%(8例)及び18.4%(7例)に発現した。

高頻度に発現した有害事象は、悪心及び頭痛[いずれもF/TAF空腹時投与で7.5%(3例)及びF/TAF 食後投与で5.3%(2例)に発現]、悪寒[F/TAF食後投与で5.3%(2例)に発現]であった。

1例の被験者が好中球減少症の有害事象により治験薬の投与を中止した。Day 1のF/TAF空腹時投 与後、好中球数はDay 3にGrade 1に減少し、Day 4及びDay 5ではさらにGrade 3まで減少した。

その後、Day 6~8ではGrade 2の状態が持続し、Day 9に正常範囲内へと回復した。治験担当医師 は、本有害事象を治験薬と関連ありと判断した。

本試験中に死亡例は認められなかった。被験者1例にF/TAF空腹時投与後に妊娠が確認され、治 験薬投与が中止された。この被験者は、投与約2週間後に自然流産した。本事象は重篤な有害事 象であり、治験担当医師により治験薬と関連ありと判断された。

大多数の有害事象はGrade 1(軽度)であった。最大の重症度がGrade 2(中等度)であった有害

事象は、F/TAF空腹時投与で7.5%(3例に4件)、F/TAF食後投与で2.6%(1例に1件)に報告さ れ、いずれの事象も治験担当医師により治験薬と関連ありと判断された。2例にGrade 3(重度)

の有害事象(好中球減少症及び自然流産)が報告され、いずれもF/TAF空腹時投与で発現し治験 担当医師により治験薬と関連ありと判断された。

本試験中に臨床検査値、バイタルサイン、体重に臨床的に重要な変化は認められなかった。

結論

本試験の全体的な結論は以下のとおりである。

• F/TAF配合錠(200/25 mg)の食後投与では、TAFの総曝露量(AUCinf)は、空腹時投与と比 較して75%増加した。GS-US-120-0104試験でTAFは広範な曝露量範囲で強力な抗ウイルス活 性を示すことが確立されていることに加え、エルビテグラビル/コビシスタット/エムトリ シタビン/テノホビル アラフェナミド(E/C/F/TAF)の臨床開発プログラムでの安全性及び 有効性[予測される個々の定常状態でのAUCの平均値(95% CI、%CV)は206.4 h•ng/mL(55.6

~526.1 h•ng/mL、71.8%)]から、食後及び空腹時にF/TAFを投与したときに観察されたTAF のPKの差は臨床的に重要ではないことが示唆されている。

• F/TAF(200/25 mg)配合錠の食後投与でのFTCの総曝露量(AUCinf)は、空腹時投与と比較 して9%減少した。この結果は、過去の試験(FTC-111試験)の所見と一致しており、FTCは 食事の影響を考慮せず投与できるという現在の推奨事項を裏付けている。

• 本試験でF/TAF配合錠を食後及び空腹時に単回投与した場合の忍容性はおおむね良好であっ

た。

• 全体として、食後投与で認められるTAF又はFTCの曝露量の差は、有効性又は安全性におけ る臨床的に重要な差をもたらさないと予想され、したがって、F/TAFは食事に関係なく投与 可能であると考える。