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243図 244図

ドキュメント内 方言文法全国地図解説 5 : 付資料一覧 (ページ 151-155)

245図 246図

雨だそうだ一その1一 雨だそうだ一その2一 雨だそうだ一その3一

雨だそうだ一総合図一

〔語形の採用と統合〕

 「雨だ」にあたる断定の内容を伝聞表現として伝える 際にどのような語形が現れるかを見ようとした項目であ る。調査にあたっては,次のような質問文を設定した。

 「天気予報ではあしたは雨だそうだ」と言うとき,

「雨だそうだ」のところをどのように言いますか。(「雨 が降るそうだ」にあたる形は採らない。)

 採否の方針は「伝聞表現の概要と記号化」A.を参照の こと。ここでは,まず,語形の採用に関して,不採用と した回答を中心に説明する(一部,「伝聞表現の概要と 記号化」と重複する)。

 GAJ全体の採用条件にあわないことで不採用とした のは,以下の回答である。

  4701.13[amedaso:da]〈若い人たちが使うようにな    つた。>

  5721.76[amedado]〔ゆ〕〈聞くこともある。>

  6348.34[amedaso=na]〈自分は言わないが,時々聞    く。>

  6642.32[amedaηena](ゆ)〈昔,女の人が使ったが,

   今は使わない。>

  638328[amenaso:na]〈?〉(一人でつぶやくように    言った。)

  7305.22[amette:na]<漁業者のことば>

  7408.46[ame3atte](ゆ)〈農家では言う。〉

      [alne3切u:de]<女のことば>

7305.22の話者は公務員である。7408.46の話者は男性で かつ農家ではない。

 なお,次の回答は話者自身も使用者に含まれると見て

採用している。

  6620.15[amedaηena](ゆ)〈年寄りのことば,稀〉

 採用条件にあわない同席者の回答であるため以下の回 答は採用しなかった。

  5670.47 [Φuruttezo]

  6519.90[アメヤゾチュウゾヨ]

 一方,以下の回答は参考話者扱いで採用した。

  6375.28[ameto=]〈子供の時に聞いた老人ことば。

   自分は使わない。>

  662g,13[amedattteiter両。](丸熊二氏の回答)

   〃  [amedattej o](丸熊二氏の回答)

  7331.32[amet∫iijo?gota?](同席者の回答)

  7373.31[ametettai](同席者の回答)

6375.28については,上の世代が使ったと見た。その他 の地点の同席者については参考話者扱いで採用すること が決まっている。

 終助詞の付かない同形が併用回答にあるために不採用 としたのは,以下の回答である。

  1739,28[amedaso:d勾。]

  3777.19[amedaso=da:na:]

   ク  [ameda:dz伽na:]

  3796.26[amedadz山:dze]

  5590.74[amedagenade:]

  5597.68[アメヤソウナナー]

  6475.60[アメゲナゾ](強め)

  6642.32 [amedatt∫o:zeN]

  6642,57[amedatt∫oJo]

  7503.32[amera∫i=nora]〈ゲナは使わない。〉

 伝聞表現全体の方針に従い,推量表現が用いられてい る以下の回答は,不採用とした。

  0724.21[amedene:ganaコ   1743.81[amedene:ndabega]

   〃  [amedenendabega]

  2743.86[amedabemona]

  2751ユ0[amedene:gana]

  5539.15[am〔オaroma]

  5675.36[amedambe=]

  5720.84[amedambe]

  6497.57[amed3arona:]

  6613.68[amezu吻。]

  663997[amedappeJo]

  7403.40[amedaro:]

  2086.03[amid両a巾:nsaru]

以上のうち7403.40は四国であるにも関わらず「ダ」が 現れている点には注意しておきたい。

 次の回答も推量表現に準じて不採用とした。

  6477.12[アメヤラワカランデ]

 なお,以下のような推量(もしくは推定)の内容を受 ける伝聞表現も採用しなかった。

  6497.57[amed3arot(加:totta]

  7356.77[アメジャローチューキー](伝聞の時はチ    ューキー(「と言うのだ」の意)が付く。)

   ク  [アメラシイチューキー]〈新〉(〃)

  1271.05[?am麺anljaNpariro:tit∫i?i:taθiga]

 ただし,以下は,推量の内容を受ける可能性はあるが,

ゴトアル類への接続の形と見て採用した。

  7320,95[ame3aro:gotarubai]

  7340.42[ame3aro:gota:](推量要素が多く,伝聞要    素は少ない。)

ただし,7340.42の注記には注意が必要である。関連語 形に「高いそうだ」における

  《175》 7249.35 [takkarogotaru]

がある。

 次の回答は疑問文になっているとみて採用しなかっ

た。

  2076.96[amig勾arunga∫a:m]

2076.96は,疑問の係助詞(gajaruのga)が文中に現れ ているものと見られる。

 次の語形は複合的な形式(ヨーダ+フーダ)が現れた ものと見て採用している。

  7334.34[ame刈onaΦu:3a]

 以下もそれに準じて,ゴトユーを伝聞表現を表す形式 として扱ったが,引用の内容が様態であることも考えら れ,取り扱いに気を付けたい。

  7269.52[ameNgot(加waz:ai]

   →〈ameNgOtOjU−WaZZai>

  7381.02[ameNgo両u:bai]→〈ameNgo両uu−bai>

なお,7269.52の語形は伝聞表現全体の統合方針に準じ てwa以下を終助詞の扱いにした(「伝聞表現の概要と記 号化」B.参照)。同時にこの語形はユワスのような待遇 の形が用いられていると可能性もあるので,注意が必要 である。

 一方,以下のような場合は,

  4638.01[amedaΦudadzε](ゆ)→〈amedahuda−zε〉

  5615,67[ameged句。]→〈amegedajo>

  6477,12[アメゲナデ]→〈amegena−de>

  6479.95[アメラシーゼ]→〈amerasii.ze>

フーダ,ゲダ,ゲナ,ラシー+終助詞として扱った。い ずれも終助詞として扱った形(また類似の形)が引用形 式に基づく伝聞形式として扱われることがあることに注 意したい。例えば,4638.01では併用語形を次のように 扱っている。

  4638.01[amedadzε:]→〈amedazεε〉

 断定・詠嘆にあたる以下の回答も採用しなかった。

  1725.35[amedana:]

  1799.94[ameda:]

  3730.43[ameda戸a]

  4628.23[amedano:]

  5761,80[ameda]

  6533.61[am句ana:]

  7407.66[ame3ano:]

  I169.62[?amUassa:]

3730.43については[amedatteeta a・]が併用回答に見ら れることからリャを終助詞と判断した。ただし,隣接の 山形県でリウが「言う」を表すことが知られている点に は注意したい(『山形県方言辞典』,651ページ)。

 次は断定ともとれるし,引用形式のヨが付いたとも見 られるが,後者の場合は引用の内容が過去の内容を受け ていて質問文脈に適合しない。そこで採用しなかった。

  5690.28[amedatt勾。]

 以下の待遇(丁寧)形式も不採用とした。

  7331.32[amet∫ii噸orasu]

  7339,76[ame3aso:desu]〈上〉

 この項目では,冒頭に挙げたように質問文(調査票)

において,「「雨が降るそうだ」にあたる形は採らない。」

という指示を行っている。そこで,「降る」「降り」を用 いた以下の回答は採用しなかった。もっとも形式上は体 言的性格を有する連用形の「降り」や体言の「雨降り」

を用いた形は参考になるだろう。

  1801.80 [arneΦulrulte]

  2784.51[ameΦωr〔hdzεコ(?, amedadzεが適当)

  2793.04[ameΦ山r血eNtadzε](?)

  2794.15[ameΦ山rTdadzε]

  3702.37[ameΦ山ddadz血d3a:]

  3705.92[ameΦ前r山dzε]

  3734.14[amε=Φ曲r山ttera]

145

 3752.13 [arneΦuridadoja]

   ク  [ameΦuridabeon]

 3785.94[ameΦ田ruldz田]

 4658.69[ameh山rlmldaεdana:]

 4704.45[am⑳田rldadoj a]

 4721.45[ameΦulr冨dat∫ul:k弓]

 4733.35[ΦUlrUI](「雨」の部分がどうしても出なか    つた。アシタワフルである。)

  5539.80 [an耳aΦulrultoine]

  5547,42[ameΦ田℃toine]

  5740.88 [Φuruttsutta]

   ク    [Φukka∫inne=]

  6267.09 [φut:∫agena]

  6409.00[アメフリダソーダ]

  642194 [a1皿eりaΦurisoJana:]

  6433.00 [Φurisa=na]

  6509.07[アメフリジャナイカ]

  6536.18[alneηaΦuruUena]〈少>

  6593.00[ameΦurund3anaika]〈アメジャソーナは言    わない。>

  7339.04[ameΦuruto:]

  7345.53 [anユegaΦurut∫u:do]

  7405.10[ameηaΦuriso:na](ame3aso:na等の有無を    尋ねたが,無いとのこと)

  7416.34[amegaΦurujo:niju:no:]

   ク  [amegaΦurqt∫uwa]

  1221.48[?ami:Φuingit∫a]

  1231.72[?ami:puindido=]

  2072.20 [amiΦurundidundudu]

  2074.69[amiduΦuigoharusa:]

  2076.25 [amlinduΦo=to:]

  2085.16[amiduΦuingisaru]

  2150.17 [alninudufuゴfttju]

 関連して,「雨になる」を用いた回答も採用しなかっ

た。

  7405.10 [a111eninariso:na]

  1270.26 [?am董naindi?ksa:]

 その他,「天気が良くない」も不採用とした。

  3702.37[teNkYeg山nedz曲d3a:]〈古,老年層のみ使    用〉

 なお,以下の回答は注記に留意が必要であるが,質問 文脈から大きく外れないとみて,いずれも採用した。

  5679.04[amedatojo:]〈昔の言い方。テレビなどで    聞いたとき。〉

   〃  [amedat∫lkena:]〈友人から聞いたとき〉(伝    油性が強い。)

  6422,93[amerasY]

   ク  [amedagena]〈人から直接聞いたとき〉

 次に語形の統合について説明する。

 まず,表記の統合について説明する。

 以下の語形に見られるソウは〈soo>に統合した。

  5567.46[アメヤソウヤ]

  5577.88[アメジャソウナ]

  5587.74[アメジャソウジャ]

  5597.68[アメヤソウナ]

  6519,09[アメヤソウヤ]

 次の語形のイウは〈juu>に統合した。

  6508.60[アメヤッテイウゾ]→<am句attejuu−zo>

 以下の語形に見られるtjjuは,表記レベルでt∫uに統 合し,音声レベルで〈cju>に統合した。

  5695.47[ameda毛t∫ju].

  6603,68[amedatt幻ujo]

 次の語形では無声化した母音を補充した。

  5679.69[amedat∫k¢laコ→〈amedacike−ja>

 次に音声の統合について説明する。

 以下の語形に見られるθoは,音声内容にθoを出し,

見出しでは〈so>に統合した。

  7450.19[amed3aθo:na]

  7460.39[amed3aθo:na]

  7460.98[amed3aθo:na]

  7462,00[amed3aθo:na]

  7471.38[amed3aθo=na]

 南九州で共通語の力行に対応すると考えられる位置に

。音が報告されているので,注意したい。

  8361.42[amedatsudaηara]

 ただし,次のηは注記に留意が必要である。

  7383.98[ameηotaruna:](ameqgotaruが早口で言わ    れて,gがηに集約されて聞える。)

 終助詞の融合形については以下のように仮想した。

  733!.32[ametettai]→〈ameteci>

  7341.21[ametebbanta]→〈ameteci>

  7373,31[ametettai]→〈ameteci>

  7340.42[ametebbai]→〈ameteci>

  7363.12[アメテッタイ]→〈ameteci>

  7374.12[アメテッタイ]→〈ameteci>

  8352.61[ame3arogoaddo](?)→〈ame勾arogoat>

 ただし,以下の回答は,融合していることが考えられ るが,仮想せず回答語形のままで記号化した(「伝聞表 現の概要と記号化」B.参照)。

  2771.97[amedaQterε]

  2791.57[amedatesabeterε]

   ク    [arnedatesl血terε]

   〃  [amedaterε]

  3723.31[amedatterε:]

  3716.48[amedatter毘]

  3725.49[amedaso:dε:]

  5566.95[アメヤソーニャ]

 また,以下のような回答も仮想せず,回答語形のまま で記号化している(「伝聞表現の概要と記号化」B.参

照)。

  4706.43[amedattsa=]

  5631.78[amedattsa:]

 説明を要すると思われる語形を挙げる。

 次の語形は,ゲダ類(ゲナ)からの変化を考慮して採 用した。

  5597.42[アメヤエナ]→<am(オaena>

この地点ではくamejagena>と併用で回答されている。

また,《175》《176》にも類似語形が同地点で回答され ている。同時に《175》《176》では近隣の5579.79にも 見られる。ゲナからの変化を考慮して,〜エナまでを記 号化対象とした。

 次もゲナの仲間と見て採用した。

  7269,52[ame切a:na]→<amegjaana>

《175》にも類似語形が回答され,同様の扱いを行っ

た。

 次では

  375α64[amedadosε]→〈amedado−sε>

  4647.69[ameratose]→〈amerato−se>

sεやseを終助詞として扱ったが,「言う」にあたること も考えられるので注意したい。

 次の回答は不明であるが採用している。

  4761.07[amedasuIke]〈多〉

同地点の《175》では,類似の[tag訓s甲ke]が回答され,

〈s甲keは「と言ったっけ」の意味か?〉という話者の注 記が見られるものである。「と言う」にあたるズ+過去 回想のケからの変化かもしれない。なお,原因理由の接

続助詞スケが用いられる地域とはやや離れるのでそれと は無関係であろう。

 次も不明であるが採用した。鹿児島の方言集にあたっ てみたが,見あたない形であった。

  8352.08[amed3a匂091d3addo]

   →〈ame勾a噸ohi勾a−ddo>

同地点の《175》でも類似の[tak句ogld3日目do]が回答さ れた。あるいは,ヨヒは「由」であろうか。

 次は

  2068.07[amiti:gimunu]→〈amitiigimunu>

補間直仁『琉球方言文法の研究』(693ページ)に見ら れるbuslgimunu(〜しそうだ。様子)とあるものに関 連すると見て採用した。ただし,当該項目のねらいとは 多少ずれがあるかもしれないので,注意が必要である。

 以下は,「塩梅」であろうか。採用している。

  022896[?a荊nu?ambed3aga]

  0276.51[?aml?ambε]

0276.51では,類似語形が《175》《176》にも見られる。

 次の語形では,

  0228.96 [?a》ウTt∫agesaka]→ 〈awNYqagesaka>

末尾のカは不明だが,類似語形が同地点で《175》にも 見られることから採用した。また,様態表現の241図と 242図にも類似形が認められる。

 次は琉球としてはやや特殊であるが,

  2141.52[amisauna]→〈amisauna>

《174》《176》にも〜saunaが一貫して現れ,採用して

いる。

 以上のように採否と統合を行い,詳細図(243〜245 図)の見出しを決めた。その上で総合図(246図)にお ける各見出しは,詳細図の見出しを巻末の総合図統合一 覧の表4のように統合した。

〔語形の記号化〕

 語形の前半(前部),すなわち「雨だ」に相当する部 分に基づく方向と補助記号の与え方を詳細図(243〜

245図)・総合図(246図)それぞれについて,一覧の形 で提示する。それ以外については,「伝聞表現の概要と 記号化」D.を参照のこと。

 以下,適宜分類しながら示すが,この分類は必ずしも 語源的な分類ではなく見かけの類似によるものである。

 複数の方向が与えられているものは,記号の区別のた めに適当に使い分けているものである。

 方向で区別がつかなかった場合は,次の例のように記

ドキュメント内 方言文法全国地図解説 5 : 付資料一覧 (ページ 151-155)