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意味のずれ

ドキュメント内 方言文法全国地図解説 5 : 付資料一覧 (ページ 111-116)

235図 236図

C. 意味のずれ

答されており,ro:のrが脱落した可能性も残る。しかし,

ここでは末尾の。を終助詞とみなし,「雨だよ」にあた る回答と解釈したので不採用にした。同様に,9249.94 の[amed3ao:コも。:の部分を終助詞ととった。一方,

237図で回答された,

  6469.77[イクンダエ]

   〃  [イクンダイ]

は採用した。一..一見,断定形式のように見えるが,同じ淡 路島で回答された,

  6479.95[イクンダー]

  6488.48[イクンダー]

が推量形式として知られており,それとの関連があると 考えたからである。ただし,6479.95と6488.48の2地点 が推量関係の項目で…一貫して〜ダーを答えているのに対

し,6469.77では〜ダエ(〜ダイ)の回答が238図,239 図に限られる点が気になる。なお,ダエ,ダイのエやイ の部分は終助詞の可能性もあるが,はっきりしないので 特に終助詞としての処理は行わなかった。

  〃  [lgI血nadaromomo]

  ク    [Ygtαnadagaro]

 3785.94[egumodabe・]〈はっきりわからないとき〉

  ク  [egUlgotta]〈かなり確かなとき>

 4652.79 [ikuエnd3anε:ka]

  〃  [ikUmdaro:]〈本人に聞いて大体知っている   場合>

 4706.43[iηulndabe・]〈最も強い推量〉

  ク    [iUUIndenε肥・ga]

 5793.74 [iguldene:kaコ   〃    [iguIdene:noka]

  〃  [igUldambe]〈少しはっきりしている場合>

 6620.15 [ikuzura]

  ク    [ikundzura] (ゆ)

  ク [ikunra](ゆ)〈一raは確実性が高いから,

  kittoのような副詞がくる方がよい。>

239図 行っただろう

 3710.70[Yttab亀fa]〈確信がある言い方〉

  ク [Yttabena:]〈疑いを含む言い方〉

  ク  [Yttaattenε=ka]〈疑いを含む言い方〉

  〃  [1tta切ON]〈疑いを含む言い方>

 3735.77[弓ttagotta]〈あいまいさのある言い方〉

[ettabe:]〈確信・確実さのある言い方〉

3765.93 [ettabe:]

[撃ttagotta]〈根拠が強い。〉

3777.19 [ittandenε:ka]

    V

[ittandagotta]くittandenε畑より確からしさ  があるとき>

3785.94[ettabe・]〈わからないとき〉

 ク  [弓ttagotta]〈確からしさがあるとき>

3787.45 [ettabe:]

 ク  [臼ttagotta](ゆ)<根拠が強い。>

4706.43〔ittandabe・]〈最も強い推量〉

 ク    [ittandenεおga]

4742.95[ettandenε:ga]〔ゆ, ettandab句aよりはつき  りしているとき〕

 ク    [ettandabqia・] (ゆ)

5631.78[ettadarazu〈あまり使わない。〉〔確実性が  強い。〕

 ク    [ctta3a:ne:ka曾]

5661,77 [ittazura]

 ク  [ittsura]〈ittsuraの方がittazuraよりも確実

  性が高い。>

 5680.23[ittazura]<もう向こうに到着している感   じ〉

  ク  [ittsura](ゆ)〈まだ向こうに到着していな   い感じ〉

  ク  [ittadarazu]〈もう向こうに到着している感   じ>

 5690.28[ittsur勾。]〈確実性が強い。〉

  ク    [ittazura]

 6374.58 [ittaro:d量ja]

  〃  [ittforo=d句a]〔確信的な推量〕

  ク    [ittsuro:] 〔ゆ〕

 6655.44[itts田ra]〈確信があるとき〉

  ク  [ittadzulra]〈いくぶん疑問があるとき〉

  ク    [ittadarUlbe:コ (ゆ)

 7366.13[イタジャローコ〈不安感がある場合〉

  ク  [イタドー]〈不安感が少ない場合>

240図 雨だろう  3726.68[amedabe:na]

  ク  [amedagottae:]〈確かさが大きい。>

 3735.77[amedabe:]〈弱い確実性があるとき〉

  〃  [am弓dagottaコ〈あやふやなとき>

 3746.76[amedabema:]〈予想〉

  〃  [amedagotta]<決定的>

 3777.19[amedabe:(na:)]

  ク [amedagotta](ゆ)〈より確からしさがある。>

 3785.94[amedabe・]〈はっきりしないとき〉

  ク  [amedagotta]〈はっきりしたとき>

 4706.43[amedenε田・ga]

  〃  [amedabe・]〈より確からしいとき>

 6620.15[amezura]

  ク  [amedazura]

  ク  [amedarazu](ゆ)〈確実性が少ない。>

 6629.13[amed3anε:Oga]

  ク  [amedappe・]〈より確信のあるとき>

 027597[?ami(teBki)d3aro:]

  〃  [?amisare:]〈こちらの方が未確定の言い方   である。〉

   これらの回答を見ると,注記には推量内容の確かさの点    での使い分けに関するものが多いことがわかる。237図    を例にとると,中には,378594[egulgotta]〈かなり確    かなとき〉,5670.47[igura]〈決定的〉,658438

[ikmjafO:]〈ほぼまちがいない場合〉のように,相当確 実度が高いと話者が内省するものも含まれている。特に,

6620.15[ikura]〈確実性が高い。 tabuNよりもkittoが来 る方がよい。〉は,確実度の違いに応じて,呼応する副 詞が「たぶん」よりも「きっと」の方が適当であること を指摘している。ここまでくると,調査文の指定,つま り,「迷いながら」の状況で「たぶん」にあたる副詞を 伴って,という条件からは外れるとみなさざるをえない。

しかし,同じ形式で特に意味的な注記の付かない場合も あり,注記の有無によって個々に採否を判定することも ためらわれる。そこで,以上の問題点を抱えながらも,

推量の確実度に関する併用回答は・一律に採用とした。

 なお,副詞との呼応に関して,準備調査では,

  《042》 「たぶん行くだろう」

  《043》 「きっと行くだろう」

のように2つの項目でその差を見ようとした。結果は,

「たぶん」の方に「〜ではないか」「〜のとちがうか」の 類が多く,「きっと」の方に動詞終止形ないしそれに終 助詞が加わったものが目立つという違いは認められる が,ダロー,ベーなど主要な形式については,「たぶん」

と「きっと」とで大きな差が見られなかった。したがっ て,推量形式の採否にあたり,副詞の種類にはとりあえ ず神経質にならなくてもよさそうだが,なお検討は必要 である。

 ところで,239図の,

  3710.70[lttabe∫a]〈確信がある言い方〉

   ク [Tttabena:]〈疑いを含む言い方〉

という回答を見ると,推量の確からしさが終助詞∫aと na:との違いで表されていることがわかる。これらは,

終助詞付き回答の一般的な処理方法に従って,〜be+終 助詞の見出しに統合されてしまうことになるので,ここ で注意しておきたい。

 次に,推量表現と様態表現とは意味的に似ているとこ ろがあるため,様態表現がここでの回答に紛れ込んでい ないか確認する必要がある。様態表現とみなされるため,

不採用にしたのは次の回答である。

 237図 行くだろう

  4652.79[ikulge:ra](ゆ)<その人の行動がわかつ    ている場合>

  7340.42[ikiso:namoN]

  831295[ikosonamonne:]〈#>

 238図 行くのだろう

  3734.14 [弓g亡Ujontana:]

 240図 雨だろう

  1747,55[amera∫ima:]

  3791.09[amedaenta]

  6374.58[amera∫iJo:nade:]

  6375.25[amera∫i:de]

  7341.77[amegena]

  1213.88[?am eigisai]〈「雨らしい」〉

このうち,237図の4652.79の回答は第3集の推量形項 目では採用にしたもので,判断が異なるが,話者の注記 が様態表現であることを指摘しているものと解釈して,

ここでは不採用にした。240図の1213.88の回答は様態 ないし伝聞表現が混入したものと考えられる。

 一方,様態表現の一種であるものの,ゴタルの類は採 用した。この類は,

 237図 行くだろう

  8331.60 [重ko:gotaiga]

 240図 雨だろう

  6374.58[amenogotoaru]

  6393.86[amenogotoanmo:]

  7219.50[ameηgotaru]

  7320,95[amenogotanna:]

  734265[ameNgotaru]

  7382.77[ameηgota℃]

  7383.98 [arnenogotaruna:]

  8312.95[ame3arogotai]

  8331.60[ame3arogotaiga]

  8345.84[アメヂャゴタル]

  8362.31[ame3aroηod3ai]

のように回答されており,240図に集中している。「あ したはたぶん雨だろう」という調査文からは,空模様を 見ながら判断するという場面が想定され,それがゴタル を回答されやすくしたと思われる。ただし,それならば,

「道を歩いている人を見て」という場面設定が加わる 238図「行くのだろう」の回答にもゴタルは現れてよさ そうである。いくつかの可能性が考えられるが,ゴタル は名詞文においては,これらの地域で実際に推量表現と

して機能している可能性が捨て切れない。したがって,

ゴタルの類は採用することにした。

 ゴタルと形態が似ているものに,次の回答がある。

 237図 行くだろう

  8361,42 [ikkoda:]

  9313.46 [ikukoteJo]

 238図 行くのだろう

  8361,42 [ikkoda]

 239図 行っただろう   8361.42 [idakkoda]

  9313.46[itakotejo]〈「行ったはずだが」>

 240図 雨だろう   8361.42[amedakkoda]

これらも採用したが,語源的には「こと(だ)」などに 由来するものかもしれない。

 九州地方のゴタルの類との関連では,東北地方北部に 見られるゴッタの類も気になる形式である。C.の冒頭に 列挙した例からもわかるように,ゴッタの類が他の形式 と併用で回答された場合,3735.77を除きゴッタの類の 方が確実度が高いと判定されているのは,様態表現とい うことと関連があるのかもしれない。また,3735.77の 地点では第3集の推量形項目のゴッタ類の回答に〈様子 から見ての推定〉という内省が加えられている点も気に なる。しかし,以上に挙げた以外のゴッタの回答地点で は特にそのような意味的な注記はなく,しかも単用で答 えられている場合が多い。また,241図,242図の様態 表現では逆にゴッタの類がほとんど回答されていない。

こうしたことから,東北北部のゴッタの類は推量表現の 一種と認めて一括して採用とした。

 推量内容の確かさという点に関してさらに言えば,こ の調査では「〜かもしれない」「〜かもわからない」と いう形式も回答された。しかし,これは非常に不確かな 推量しか表さないか,あるいは陸棚な表現を意図した形 式と思われる。「たぶん」と共起しにくいことからも,

調査文の文脈に合致した形式とは考えにくい。もちろん,

それらの回答をすべて共通語の感覚で判断してよいかと いう点に問題が残るが,ここでは一律に不採用とした。

以下の回答がそれであるが,特に地域差の見られないこ ともこれらを不採用とした処理の妥当性を示すものであ

ろう。

 237図 行くだろう   1739.28[ik【ukamo∫iranzo]

  276481[eg血gamos山rene]

  3723.31[eg田gamos山enε]

  3753.89[¢g田gamos了renε]

  3764.66[ig田gamo∫frenε・]

  3773.12[lg田gamos田renε:]

 377464[弓gt喚amoslrenε:]

 3784.65[lgu1gamo∬renε・]

 3792.49[egulgamo∫irenε:]

 4637.20[ugukamo∫irenε]

 4672.19 [ik田kamo∫iraN]

  ク  [ik田ndamo∫iraN]

 4712.15[eηkamo∬nnε]

  〃 [eηka∬nnε]

 4740.93 [Ynkasl血n珪jena]

 5558.19[ikuIkamo∫irend3a]

 5656.64 [ikuka∫inne:]

 5668.17 [igulka∫卿e:]

 5679.04[iηulkamo∫inne]

 5679.69 [eηuga∫fnne]

 5712.41[lgukamosiN切ε:]

 5741.64[eりkamo∫inne:]

 574271[eηkamo∫inne:na]

 5771.36[eηkamo∬nnε:]

 5782.24[eηkamo∫inne:na:]

  ク    [eYulkarno∫inne:na:]

 6396.62[ikukamo∫ireN]

  ク  [ikukamowakaraN]

 652598[ik田kamo∫ifeN]

 6615.89[ikukamo∫innεe:na:]

 6622.97[ikukamo∫iraNjo]

 6642.57 [ikudakaseNna:]

 6645.47[ikukamo∫iren田:]

 737399[ikkaN∫ireN](同席者の回答)

 7382.77[ikkamo∫ireN]

  〃  [ikkamo∫irenna:]

 7392.76 [ikasukaN∫ireNコ  7416.34[ik両aramowakaranno:]

 8301.68[ikkamo∫iren]

 8311.63[ikkamo∫irendo]

 8345.56[ikukamo∫ireN]

 027597[?i幻uηkamowakaraN]

238図 行くのだろう

 2764.81[egαmodagamos山rene]

 4672.19[ik田ndamo∫iran]〈はっきり分からない場   合>

 568122[ikuka∫irendzo](この質問の回答としては   適当でない。)

 5712.41[YgunogamosiN両ε:]

 6348,34[ikunokamosiran]

 6512,15[ik田kamo∫iren]

 0247.31[?ikjukkamo∫i直raηja:]

239図 行っただろう  1739.28[ittagamo∫iranna・]

   ク   [ittagamo∫iraNzo]

 2764.81 [ettagamosα:lrene]

 4672.19[ittandamo∫iraN]

 4761.07 [Yttagasα1nne]

 5656.64 [ittaka∫inne:]

 5662.78 [ittaka∫inne:]

 5679.69 [ettaga∫fnne]

 5741.64[ittakamo∬nne:]

 5771.36 [ettaga∫fnnε:]

 578224[ittaYamo∬nne]

 0247.31[?id3itt∫akam(オa:]〈「行ってきたかもしれ   ぬ」>

 240図 雨だろう

  173928 [amegamo∫iranna]

   ク  [amegamO∫iranzO]

  3791.09[amedagamo∫irene]

  3794.22[amedagassene]

  4672.19[amedamo∫iraN]

  4686。51 [alneraka∫innεgano:]

  4742.95[amedakalnoslnnε]

  554855[amekamo∫ireN]

  5771.36 [alnedaga∫fnnε:]

  7275.24[amekamowakaraN]

  8229,96[am句aikamo∫ireN]

なお,

 237図 行くだろう   8350.57[ikkamo]

  8352.61[ikkamonel]

  8362,31[ikkamo]

 239図 行っただろう   8352.61[itakamo]

  8362.31[idakamo]

 240図 雨だろう   8372.47[ame3akamo]

も語物的には「〜かもしれない」であると思われるが,

すでに「しれない」にあたる部分を落とした形になって

いる点から見て,意味的にも「〜かもしれない」の類と は異なり,調査文の文脈に適合するものとして定着して いる可能性が考えられる。第3集で扱った推量形項目で

も,上記の回答地点に隣接する8351.75で一貫して回答 されており,地図に載せてある。したがって,ここでも これらは採用することにした。なお,239図では上記の ように0247.31の回答にも類似の形式が見られるが,上 記の一連の地域とは離れること,および話者が「行って きたかもしれぬ」に対応すると言っていることから採用 しなかった。

 次に,「行くだろうか(な)」「行くか(な)」など明ら かに疑問の意味が強いとみなされる回答は,調査文から 逸脱したものと判断し不採用とした。その際,疑問表現 であることの判断は,終助詞のカ(ナ)の類が回答の末 尾にあることをおもな手がかりとした(ただし,「〜の で(は)ないか」の類は推量表現の一種と見て採用とし たことは前述のとおり)。具体的には次の回答が不採用 となった。

 237図 行くだろう

  3747,46 [曾guIbe:些ana]

  4686.51[iguwandarokano=]

  5781,23 [igulgana]

   ク    [ig田begana]

  652194 [ikし亘aro:kai]

  6630,18 [ikudzurakana:]

   ク    [ikudaradzukana:]

   ク    [ikudara:kana:]

  6635.21 [jukukana:] (?)

  7383.98 [ikudaro:ka:]

   ク    [ikudaro:kana:]

  8248.18 [三kultaOo:ka]

  8333.50 [iddokai]

 238図 行くのだろう

  3744.22 [弓gtanodabεga・]

  3784.65 [lguldaNbe・ga]

  3791.09 [Ygubega]

  4686.15 [igudarokano:]

  4712.15 [egulnodabeka]

  4742.95[eη煎ndag句a=]〈eη山ndabeja=より強い疑問    が加わる。〉

   ク  [eη山no9斑a=]〈同上>

  5645.43[ikudambe:kanal]

ドキュメント内 方言文法全国地図解説 5 : 付資料一覧 (ページ 111-116)