T832226343839425ーク555556666666666666666666 43 ﹃0門0 52 70
A. 採用の範囲
採用の範囲については,「雨だそうだ」をもとに報告 された回答の内容を分類し,例示することで示す。
(1)伝聞や様態などをおもに表すと見られる類
この類には次のようなものが見られ,いずれも採用し
た。
a 〜ソーダ
5622.19[amedaso:da]
6287.81[ame3aso:3a]
7405.86[ame3aso=na]
b 〜ゲダ
4643.56[amedagedana=]
6369.32[amedagena]
6480.89 [alne3agena]
c 〜ゴトアル
7302。56[amenogotoaru]
7354.43[ameNgotsuaru]
7370.30 [alneNgotoaru]
d 〜ヨーダ
3767,18[amed勾。:da:na:]
4763.11[amen勾。:dana]
e 〜フーダ
3791.09[amedaΦuda]
5614.96[amenoΦu:da]
f 〜ラシー
565396 [amera∫i=]
5699.61[amera∫i:]
9 〜ミタイ
6572,14[amemitaOa]
h その他
6412.87[amedaslkoda]
641854[amedaguwお:daze]
7414.61[amenika:raη]
0247.31[?amYt∫agesaり]
0276.51[?ami?amb琶]
1213.88[?amUe=gisai]〈雨であるらしい。>
1242.26[?amir旦je=gisa:]
このうち,6412.87に見られるシコ形は広戸惇『LLI陰 方言の語法』(島根新聞社,79ページ)に伝聞の形とし て記述が見られる。また,7414.61に見られるニカーラ ン形は,弱い推量や推定のように記述されることが多い ようだが,フーダ,ラシーに準じて採用した。6418.54 は「具合」に基づくと考えられる(《175》にも類似形 が見られる)。ヨーダなどに準じて採用した。
(2)引用の形式をもとにすると見られる類
引用の格助詞「と」や動詞「言う」またはそれらの組 み合わせのような形式である(ト・トイウ・イウなど)。
この類は,伝聞に連続すると考えられることから採用し た。語形のバリエーションがきわめて多い。
2772.75[amedatsε]
2785.15[amedadzε]
4684.87[amedatoj a]
4694.72[amedato]
4715.52[amedattsa]
5633.42[amedaseuwa]
5660.50[アメジャゾ]
5662.78[amedattei田zoコ 5666.89[amedatosaコ 5669.19[amedatojo:]
5696.62[amedat句。]
5793.74[amedattej田ttet勾。]
6605.36[amedatt∫ujo]
6610.08[amedattejo]
6634.32[amedatt∫ojo]
6656.31[amedattesa]
6697.59[amedattq田tteruIgana:]
6700.04[amedatt∫巧。]
6721.33[amedatteコ 7401.80[amezona]
7404.20[ame3a oruno:]
9249.94[amed3ateju=ηana:]
「言う」にあたる部分のテンス・アスペクトは特に区 別なく採用している。ただし,この中の一部,例えば,
2785.15,5660.50,7401.80に見られるゼ・ゾ・ド形は後 に(4)として挙げる不採用とした「断定・詠嘆表現」と連 続する。しかし,引用の形式と終助詞との区別が困難で あることから採用しているので,注意してほしい。
以上の(1×2)は,伝聞の形式と判断して採用したが,以 下の(3×4)は採用しない。
(3)推量表現
これは,伝聞表現からの距離が大きいと見られ,採用 しなかった。
2751.10[amedene:gana]
5675.36[amedambe:]
6497.57[amed3arona:]
6613.68[amezur句。]
(4)断定・詠嘆表現
これも伝聞表現から大きく外れると見て,採用しなか
った。
4628.23[amedano:]
5761.80 [arneda]
6533.61[am句ana:]
7407.66[ame3ano:]
その他,待遇もしくは文体に関わるもので丁寧な形が 回答されることがあったが,これも採用しなかった。
7339.76[ame3aso:desu]〈上>
B.語形の統合
伝聞表現の語形の統合にあたってもっとも大きな問題 になったのは,終助詞の分離であった。
終助詞付き回答の扱いは,基本的にAαをとった(第 4集解説書11〜12ページ参照)。ただし,統合の方法が 変則的であり,必ずしも統合規則αに従うものではない。
ここでは,次のような方針で統合を行った。
a 融合などにより末尾の母音が変化した可能性のある ものは仮想しない(終助詞付き回答として扱わな
い)。
b 融合に基づく可能性はあるが,固定した表現となつ ていることが考えられるものは仮想しない(終助詞 付き回答として扱わない)。
caとbに該当するものの他は,仮想する。
例えば,次の回答は 5566.95[アメヤソーニャ]
〈am(オasoona>に基づく可能性はあるが,仮想しない。
次の回答も
277197[amedaQterε]
〈amedattera>に基づく可能性はあるが,仮想しない。
また,以下のような回答は 4706.43[amedattsa=]
5631.78[amedattsa:]
トサなどに基づく可能性はあるが,ツァで表現が固定し ていることが考えられ,仮想していない。
一方,以下の回答は,
7363.12[アメテッタイ]
7374.12[アメテッタイ]
ともに近隣の7362.09に回答された[アメテチバイ]を 参考に,<ameteci>を仮想した。
なお,次の回答は末尾になんらかの融合が発生してい る可能性はあるが,不明なので仮想せずそのままの形で 扱っている。
7370.96[amet:句u:toN]
・ [amet:∫U:t・N]
ところで,A.で(2)に分類した回答(引用形式に基づく 語形)は採用したが,ここには,伝聞表現(引用的表現)
がどこまでなのか,終助詞が付いた形なのか,というこ との判断に迷うものが多く含まれている。例えば,
4694.72[amedato]
5638.67[amedato]
のような語形とAの(2)に例示した 5669.19[amedat句。:]
5696.62[amedat(オ。]
のような形を較べると,jo(0)は終助詞のようにも見え ると同時にtojo(o)が「という」のような引用の表現の バリエーションにも見える。後者だとすれば,jo(0)を 終助詞としては扱えない。また,伝聞形式として従来よ
り記述される〜チョやそれに類似した〜チャのような形 のまとまった分布を考慮すると,トやテなど引用の格助 詞と目されるものにヨややなどの形が付いたものを一概 に終助詞付きとして扱うわけにはいかない。いずれにせ
よ,個々の地点についての語構成に対する判断が必要と なるが,困難である。
本土方言について,このような迷いが生じるものを集 めると当然のことながら格助詞らしい形式を持つ前半部 分(ト,テなど)と「言う」(またはその一部分)もし くは終助詞としての判断に迷う後半部分(ヨ,ヤ,ワな ど)から構成されることがわかる。これらについて整理 すると次のようになる。
前半①:格助詞的形式
to do te tee ci
前半②:格助詞と「言う」の融合的形式
cjuu cju tluu zjuu cjoo zjo djo cuu cu ZU SeU CeU SOU ZO
後半1:「言う」もしくはその最初の音に類した形式
jo joo ja jaa i e ε ijo
後半H:「言う」の末尾の音に類した形式 wa waa wai a
以上の分類をもとに前半・後半の組合わせに従い,次 の基準で形式的に後半の扱いを決めた。
①.+1→1を終助詞として扱わない ◎+H→Hを終助詞として扱う ②+1→1を終助詞として扱う ②+H→Hを終助詞として扱う
つまり,後半1は前半によりその扱いが決まり,後半H はすべて終助詞として扱うことになる。
以下,《174》「雨だそうだ」に現れた語形をもとに扱 いを例示する。
⑦+I
t句0→ <t句0>
5696.62[amedat句。]→〈amedat句。>
6607.36[amedat(オ。]→〈amedat句。>
t句00→ 〈t切00>
5669.19[amedat(ヵ。:]→〈amedat(加。>
5679.04[amedat〔噂。:]→<amedat(ガoo>
t句a→〈t句a>
4652.79 [arnerat句a] → 〈arneratqja>
4684.87[amedatqla]→〈amedat句a>
toi→ 〈toi>
5549.32[amedatoine]→〈amedatoi−ne>
5612,62[amedatoine]→〈amedatoi−ne>
《175》 6387.62 [takaito麺a] → <takaitoija>
toe→ 〈toe>
6594.20[amed3atoe]→〈ame勾atoe>
t・ ・→〈t・ ・>
6667.81[amedato廿。]→〈amedato麺。>
dqjo→ 〈dqjo>
5771.36[amedad句。]→<amedad句。>
5780.84[alnedad(嚇。]→〈amedad句。>
dqloo→ 〈dqjoo>
1778,45[amedad(麺。:]→〈amedad〔巧oo>
2608.90[amedad句。:]→〈amedad句oo>
d(オa→ 〈dqja>
3702.70[amedad(オa]→〈amedad〔オa>
4609.27[amedad句a]→〈amedad句a>
dqjaa→ <d(オaa>
4712.15[amedaε句a:]→<amedad句aa>
tq・→〈t句・>
6610.08[amedattqo]→〈amedatt〔オ。>
6615.89[amedatt句。コ→〈amedatt句。>
t句・・→〈t句・・>
6621.07[amedatt句。:]→〈amedatt釘oo>
6636.30[amedatt句。:]→〈amedatt句oo>
t句a→〈t句a>
4676.57[amedat句a]→〈amedat〔麺a>
5668.17[amedattq a]→<amedatt釘a>
tei→ 〈tei>
《175》647995[タカイテイワ]→〈takaitei−wa>
te句a→〈te句a>
7305.22[ameteja]→<amete句a>
7659.62[amedatteJa]→<amedatte句a>
cUO→〈C輔0>
6700.04[amedat劇。]→〈amedaccijo>
②+I
qu㎎・→〈quuj・>
6621.07[ameda可ujo]→〈ameda(juujo>
6657.54[amedatt∫u巧。]→<amedacquujo>
加ゆ→〈脚」・>
6641.25[amedatquJo]→<ameda両uujo>
qoqjo→〈qloojo>
6621.07[amedat∫ojo]→〈ameda(joojo>
6643.17[amedat可Qjo]→〈amedac(jooづ。>
勾。ε→<勾。一ε>
3726.68[amedad30ε]→<ameda勾6一ε>
C呵・→〈cuuj・〉
138
6655.44[amedattsuIjo]→〈amedaccuu→o>
zujo→ 〈ZU=jo>
3765.93[amedadz山jo]→〈amedazu→o>
Z句・→〈Z・」・>
5579.79[アメジャゾヨ]→<ame勾azojo>
Z句a→〈Z・ja>
6645.47[amedaz(ガa]→〈amedazoja>
①+H
tewa→<te−wa>
5661.77[amedattewa]→〈amedatte−wa>
②+H
quuwa→〈qUU−wa>
5666.89[amedatt∫u:wai]→〈amedac句uu−wai>
8394.21[amejat∫u:wa:]→〈am句a(加u−waa>
可uuwa→〈OUU−wa>
5661.77[amedatOulwa]→〈ameda両uu.wa>
cuwa→〈CU−wa>
6595.01[amed3atts山wai]→〈ame勾accu,wai>
8352.08[amed3attsりw句。]→〈ame勾accu−w勾。>
zoa→<zO−a>
3725.49[amedadzoa:]→〈amedazo−a>
なお,②に現れる[tju]は見出しでも〈tju>に統合 している。また,②+Hの最後に提示した[dzoa:]が くzoa>に統合されることについては,第4集解説書9ペ ージ左14行を参照のこと。
さて,このような方針を一貫させたが,そのために次 のように近隣に存在する類似の性格を持つ可能性がある 語形が異なる扱いになってしまうこともあるので,注意
したい。
7659.31[amedatte:d3a]→〈amedattee一関a>
7659.62[amedatteja]→<amedatte句a>
同時に形式的な取り扱いを行っているので,たとえ次 のように終助詞であることが調査者によって提示されて いても終助詞としては扱わない。やはり扱いに注意が必 要である。
4712.15[amedaεoja:](daは断定,εoは引用の「と」
ja:は終助詞)→〈amedadojaa>に統合
なお,ここに前半①としたものはおもに引用の格助詞 と見られるが,引用の際に格助詞を用いない(「雨だ言 う」や「高い言う」のような形式,いわゆる「ト抜け」)
地域も知られている。そのようなことから,前半①をと もなわないで後半1にあたる形が見られるものは,そこ
までを引用の形式として扱った。、
746022[amedaiwama∫i]→〈amedai−waanasi>
ク [ame3aiWa=na∫i]→〈ame勾ai−WaanaSi>
ク [amejaiWa:naSiコ→〈amqai−WaanaSi>
647995[アメヤイワコ→〈am句ai−wa>
この扱いは本土方言にあてはめている。したがって,
琉球では外れるものがある。
《175》 1233.52 [takahand顛a:]
→ 〈takahaNdijaa>
《176》 1233.52 [?uitand噸a:]
→ 〈?uitaNdiづaa>
琉球で特殊な扱いを行ったものがある。琉球では〜テ ィサのような形が伝聞の形として記述が見られる。これ
に従い,
1251.04[?a:mid両endiha:]→<aamidueNdihaa>
1260.68[?am匂antisa]→〈am aNtisa>
のように統合し,サは終助詞としては扱わなかった。そ して,以下のような形もティサとは別と考えられるが,
ティサに準じて処理し,サの類を終助詞として扱わなか
った。
0275.97[?amYne=∫i?it∫us勾a:]
→〈amYneeSi?i句USajaa>
ク [?amit∫i?it∫US句a:]
→ 〈am冨ci?i(jusajaa>
1261.22[?amidussa:]→〈amidussaa>
1261.92[?amid両andissa:]→〈amid両aNdissaa>
実際には0275.97の場合は,併用語形として他に
0275.97[?amft∫i?it∫undal]
が見られ,サは終助詞として独立性が高い可能性が考え られるが,終助詞には扱わない方針を一律に適用してい
る。
なお,本土では,琉球のティサに類似したテサ・トサ が見られるが,〈te−sa>やくto−sa>のようにサを終助詞
として扱っている。
4652.79[amedatosa]→〈amedato−sa>
5666.89[amedatosa]→〈amedato−sa>
6623.54[amedattesa]→<amedatte−sa>
6656.31[amedattesa]→〈amedatte−sa>
このように琉球と本土で類似の形態であっても扱い が異なるので,注意が必要である。
上記の方針から外れるケースについては,適宜先行研 究などをもとに判断し,終助詞を分割した。
その他に引用形式に基づく語形では「〜と言う話だ」
「〜と言うことだ」のような回答が現れた。これらにお いては「話だ」「ことだ」までで伝聞表現としてのまと まりを持つと判断し,見出しにもすべて挙げて記号化を 行った。
3710.70[amedatt亀山・hana∬dade:]
→ 〈arnedaccjuuhanasida−dee>
4658.69[amedats山:gonda]→〈amedacuugoNda>
5639.17[amedatt∫田:hana∫ida]
→〈amedaccjuuhanasida>
5731.34[amedatt∫u:gododa]
→〈amedaccjuugododa>
6397,11[amett∫u:hana∫id句。]
→〈ameccjuuhanasi−dejo>
7333.97[アメダチュコッダ]→〈amedacjukodda>
7365.25[アメダチューコッダ]
→〈amedacjuukodda>
8300.81[ametteyu:9・tainai]
→ 〈anlettqUUgOtai−nai>
8303.70[アメチューグタッタナー]
→ 〈anleCjUUgUtatta−naa>
831295[amed3attsりhana∫id3a?]
→ <an、ezjaccuhanasi勾at>
8342.32[ame3att∫uko33at]
→〈ame勾acquk・z勾at>
C,関連項目
関連項目について簡単にふれておく。
推量表現(237〜240図)にはゴトアルの類が採用さ れており,意味の広がりなどの観点で参考になる。
また,ゴトアルの類は希望表現(227〜231図)にも 現れる。
様態表現(241・242図〉には,A.の(1)の類と類似の 形が多く現れる。
伝聞表現では引用の形式が多く現れる。これは,第1 集32図「田中という人」が関連する。
ゲダの類がまとまった分布を見せるが,第4集で扱っ た将然態(200,201図)にもゲの類が見られる。ただ
し,将然態ではソゲという形が多く現れるのに対し,伝 聞表現にはこれがまったく現れない。
《176》「いたそうだ」は,第4集の過去回想表現a
(特に190・191図「いたよ」)との関連を考慮したい。