2. 個々の試験結果の要約
2.22 試験1218.32(Thorough QT(TQT))
結果:
主要解析によって,プラセボとの比較にて
1
時間目から4
時間目のQTcI
間隔の平均変化がリ ナグリプチン5 mg
で−1.1 msであり,100 mgでは−2.5 msであることが示された。両側90%信
頼区間の上限はリナグリプチン5 mg
が0.5 ms
であり,リナグリプチン100 mg
が−0.9 msであ った。これはあらかじめ規定された非劣性の限界である10 ms
を十分に下回っており,プラセ ボとの比較にてリナグリプチン5 mg
および100 mg
投与後にQTcI
間隔の臨床的に重要な上昇 がないことが示された。副次的評価項目についても同様の結果が得られた。プラセボと比較し て薬剤投与後30
分目から24
時間目のQTcI
間隔の平均変化は,用量5 mg
が−0.9 msであり,用量
100 mg
が−2.1 msであった。両側90%信頼区間の上限は,リナグリプチン 5 mg
が0.4 ms,
リナグリプチン
100 mg
が−0.8 msであり,あらかじめ規定された非劣性の限界である10 ms
を 十分に下回っていた。プラセボと比較して,リナグリプチン5 mg
投与後の任意時点におけるQTcI
間隔の変化は−2.0~0 msの範囲にあり,リナグリプチン100 mg
では−4.7~−0.9 msの範囲 にあった。リナグリプチン5 mg
投与後1
時間目およびリナグリプチン100 mg
投与後6
時間目 に,プラセボに対する差が最大となった。リナグリプチン5 mg
および100 mg
とも,投与後の両側
90%信頼区間の上限の最大値は 2.5 ms
を十分に下回っており,したがって非劣性の限界である
10 ms
を下回っていた。1
時間目から4
時間目のQTcI
間隔のベースラインからの平均変化をモキシフロキサシン(400 mg単回投与)およびプラセボ間で比較することで,測定感度が示された。差の解析によ
り
6.9 ms
の平均値が得られ,90%信頼区間の下限は5.4 ms
であった。予め選定した時点である2
時間目の差の解析により6.7 ms
の平均値が得られ,90%信頼区間の下限は 4.4 ms
であった。3
時間目に最も大きな差が認められ,推定効果量は10.5 ms, 90%信頼区間の下限は 8.1 ms
であっ た。これらの結果に基づき,試験実施計画書の要求事項に従って測定感度が確証された。さら にモキシフロキサシンおよびプラセボ間でのQTcI
の差の最大の推定効果量は,本剤の予想範囲である
10~12 ms
の範囲内にあり,本試験がQT
間隔の長さの重要な変化の検出能を有することが示された。
プラセボとの比較によるリナグリプチンおよびモキシフロキサシンの主要評価項目および副次 的評価項目の結果を,表
2.22: 1
にまとめる。表2.22: 1 リナグリプチン(5 mgもしくは100 mg)またはモキシフロキサシン(400 mg)投与後の主要および副次的QT評価項目の統計解析
評価項目 間隔/時点 [時間]
プラセボに対する変化 [SE]
両側90%信頼区間
[ms] 下限 [ms] 上限 [ms]
リナグリプチン 5 mg
QTcI N=43 間隔1~4 −1.12 (0.96) −2.72 0.48
QTcI N=43 間隔0.5~24 −0.91 (0.81) −2.26 0.44
QTcI 任意時点b -2.0~0.2a -2.0~-4.4a 0.3~2.4a
リナグリプチン 100 mg
QTcI N=44 間隔1~4 −2.49 (0.96) −4.07 −0.90
QTcI N=44 間隔0.5~24 −2.09 (0.81) −3.43 −0.75
QTcI 任意時点b -0.9~-4.7a -3.2~-7.2a -2.1~2.0a モキシフロキサシン400 mg
QTcI N=44 間隔1~4 6.94 (0.96) 5.35 8.52
QTcI 間隔0.5~24 NC NC NC
QTcI 任意時点b 0.0~10.5a -2.0~8.1a 2.1~12.8a
a) 範囲を示す。
b) それぞれリナグリプチン5 mg,リナグリプチン100 mgまたはモキシフロキサシン400 mg投与後1,6 および3時間目の最大の変化
引用元:CTD 5.3.4.1-1,試験1218.32,Table 11.5.3.1: 1,Table 11.5.3.2: 1-3,Table 15.5.3.2.2: 1より作成
プラセボと比較して,臨床的に重要でない用量であるリナグリプチン
100 mg
の投与下におい て,2~3
拍/分程度の軽微な心拍数の上昇,およびこれに対応するRR
間隔の低下が認められた。本試験ではプラセボまたはリナグリプチンのいずれにも,
QTcI, QTcN
またはQTcF
間隔の著明 な変化は認められなかった。QTcB
間隔のベースラインからの変化については,プラセボ投与下の2
例の被験者(被験者番 号19
および37)およびリナグリプチン 100 mg
投与下の5
例の被験者(被験者番号3, 7, 14,
19
および37)が 30 ms
の閾値を超えた。このうち被験者番号14,19
および37
は,試験中に少 なくとも1
種類の別の投与群での投与下においてもベースラインからの変化(QTcB)が30 ms
の閾値を超えていた。60 ms
の閾値を超えた被験者はいなかった。QTcB
間隔の絶対値について は,プラセボまたはリナグリプチンに著明な変化は認められなかった。リナグリプチン
5 mg
の単回経口投与後のt
maxの中央値は2.00
時間(範囲:0.50~3.02)であり,
C
maxの幾何平均値は7.05 nM
(幾何変動係数:28.5%)であった。 AUC
0-24の幾何平均値は101 nM·h
(幾何変動係数:25.1%)であった。リナグリプチン
100 mg
の単回経口投与後のt
maxの中央値 は1.52
時間(範囲:0.50~6.03)であり,C
maxの幾何平均値は267 nM(幾何変動係数:66.65%)
であった。AUC0-24の幾何平均値は
1760 nM·h(幾何変動係数:59.2%)であった。用量を 5 mg
から100 mg
へと20
倍にすることで,C
maxは臨床用量である5 mg
でのC
maxの約38
倍に達した。結論:
本試験の結果から,リナグリプチン
5 mg(臨床用量)または 100 mg(臨床用量を上回る用量)
の単回投与により