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2. 個々の試験結果の要約

2.2 試験1218.2(12日間反復-2型糖尿病患者)

外国人

2

型糖尿病患者における瓶入り粉末製剤(PIB)によるリナグリプチンの用量漸増反復 経口投与(1,2.5,5および

10 mg 1

1

回投与,12日間)の安全性,忍容性,薬物動態およ び薬力学を検討するランダム化,二重盲検,用量群内プラセボ対照試験

参照先: 試験

1218.2[CTD 5.3.3.2-1]

目的:

リナグリプチンの用量漸増反復経口投与の安全性,忍容性,薬物動態および薬力学を検討する こと。

方法:

年齢

36~65

歳の

47

例の

2

型糖尿病男性患者を対象に単施設,ランダム化,二重盲検,用量群

内プラセボ対照,用量漸増反復投与デザインによる試験を実施した。患者は

9

例ずつ

4

群にラ ンダム割付けされ,12日間治験薬を反復投与した。各用量レベル(1 mg,2.5 mg,5 mgおよび

10 mg)で 3

例の患者にはプラセボを投与した。投与

1

日目から

20

日まで,リナグリプチン,

DPP-4

活性および血漿中グルコース値の測定用に採血した(1日目および

12

日目は頻回採血)。

投与

1

日前,1日目および

13

日目に経口糖負荷試験(OGTT)を実施した。1日目から

12

日目 まで尿検体を採取した。探索的なバイオマーカーとして,GLP-1およびフルクトサミンを測定 した。回帰モデルを用いてリナグリプチンの用量比例性を検討した。リナグリプチンのトラフ 濃度について,時点を反復効果とした線形混合モデルを用いて定常状態に達するまでの時間を 推定した。各時点の差を線形混合モデルにより算出される

t

統計量を用いて比較した。ANOVA により,探索的に個々の患者のベースライン値で補正を行った

OGTT

から

0~2

時間後の血漿 中グルコース値の時間曲線下面積(AUEC0-2,norm)および補正を行っていない血漿中グルコース 値の時間曲線下面積(AUEC0-2)を投与量ごとに比較した。その他の薬物動態および薬力学パ ラメータの記述統計量を算出した。

結果:

薬物動態:検討を行った用量範囲においてリナグリプチンは非線形的な薬物動態を示し,用量 の増加に伴う単回投与後および反復投与後の

C

maxおよび

AUC

の増加は用量比を下回っていた。

初回投与後および定常状態のいずれの場合も,リナグリプチン投与

1~3

時間後に最高血漿中濃 度に達した。定常状態に達するまでの時間は,1 mg群の約

7

日間から

10 mg

群の

2

日間へと用 量の増加に伴って短縮した。累積係数は中程度であり(RA,AUC

1.18~2.03

の範囲),用量の増 加に伴って低下した。

リナグリプチンは用量依存的な見かけのクリアランス(CL/F)を示し,定常状態において

431 mL/min(1 mg)から 1850 mL/min(10 mg)へと 4.3

倍上昇した。

定常状態における終末相での半減期(t1/2,ss)は全用量群で同程度であり,113~131時間の範囲 であった。

定常状態における見かけの分布容積(Vz

/F

,ss)には,CL/Fと同程度(4.6倍)の用量に伴う増加 がみられた(1 mgでの

4510 L

から

10 mg

では

20800 L

へと増加)。投与間隔(24時間)内での リナグリプチンの尿中排泄率は,

1

日目が投与量の

1%未満,定常状態が投与量の約 3~6%であ

り,腎排泄が主な排泄経路ではないことを示唆していた。

単回投与後および定常状態の主な薬物動態パラメータを表

2.2: 1

に示す。

表2.2: 1 リナグリプチン1~10 mgの反復経口投与後のリナグリプチンの主な薬物動

態パラメータ

リナグリプチン 1 mg (N=9)

2.5 mg (N=9)

5 mg (N=8)

10 mg (N=9) パラメータ 単位 gMeangCV% gMeangCV% gMeangCV% gMeangCV%

AUC0-24 [nM·h]

{ng·h/mL} 40.2 (39.7) {19.0}

85.3 (22.7) {40.3}

119 (16.0) {56.0}

161 (15.7) {76.1}

Cmax [nM]

{ng/mL} 3.13 (43.2)

{1.48} 5.25 (24.5)

{2.48} 8.32 (42.4)

{3.93} 9.70 (29.8) {4.58}

tmaxa) [h] 1.50

(1.00-3.00)

2.00 (1.00-3.00)

1.75 (0.917-6.02)

2.00 (1.50-6.00) AUCτ,ss [nM·h]

{ng·h/mL} 81.8 (28.3)

{38.6} 117 (16.3)

{55.1} 158 (10.1)

{74.7} 191 (17.4) {90.0}

Cmax,ss [nM]

{ng/mL} 4.52 (29.0)

{2.14} 6.58 (23.0)

{3.11} 11.1 (21.7)

{5.24} 13.6 (29.6) {6.43}

tmax,ss a) [h] 1.50

(1.00-3.00)

1.50 (1.00-3.00)

1.50 (1.00-3.00)

1.50 (0.500-3.00)

t1/2,ss [h] 121 (21.3 ) 113 (10.2) 131 (17.4) 130 (11.7)

CL/F,ss [mL/min] 431 (28.3) 757 (16.3) 1120 (10.1) 1850 (17.4) Vz/F,ss [L] 4510 (32.1) 7400 (13.1) 12700 (17.7) 20800 (22.7)

RA,Cmax 1.44 (25.6) 1.25 (10.6) 1.33 (30.0) 1.40 (47.7)

RA,AUC 2.03 (30.7) 1.37 (8.19) 1.33 (15.0) 1.18 (23.4)

a)tmaxおよびtmax,ssは中央値および範囲(最小値-最大値)を示す。

引用元:CTD 5.3.3.2-1,試験1218.2,Table 11.5.2.1: 2-3より作成

薬力学:すべての用量のリナグリプチン投与によって血漿中の

DPP-4

活性が阻害された。12 日目のトラフ時における

DPP-4

阻害率の中央値は,1 mg,2.5 mg,5 mgおよび

10 mg

群におい てそれぞれ

60.0%, 77.0%, 85.5%および 90.0%であった。リナグリプチンの血漿中濃度と DPP-4

阻害率に良好な相関が認められた。リナグリプチンの血漿中濃度が約

3.2 nM

(1.5 ng/mL)では 血漿中

DPP-4

活性が

50%阻害され,5.29 nM(2.5 ng/mL)を上回る濃度では DPP-4

活性が

80%

阻害された。2.5~10 mg群では

DPP-4

の阻害によって血漿中

GLP-1

濃度の平均値が

12.4~

14.0 pmol/L

に上昇し,1 mg群での上昇はこれらより小さく,5.11 pmol/Lの上昇であった(プ ラセボ:2.78 pmol/L)。血漿中グルコースの

AUEC

0-2および

AUEC

0-2,normは,ベースライン(投

1

日前)に比べて

5 mg

でそれぞれ−81.7 mg·h/dLおよび−31.5 mg·h/dL,10 mgで−111 mg·h/dL および−62.8 mg·h/dLと統計学的に有意に低下した。

結論:

リナグリプチンの

C

maxおよび

AUC

は用量比以下の上昇を示した。定常状態の

AUC

および

C

max は,

1 mg

から

10 mg

にかけて約

2~3

倍上昇した。定常状態に到達するのに必要な時間は,

1 mg

群の約

7

日間から

10 mg

群では

2

日間へと用量の増加に伴って短縮した。リナグリプチン投与

1~3

時間で最高血漿中濃度に達し,100時間を上回る長い半減期が認められた。この長い半 減期は薬物動態的な特徴を表す半減期ではなく,累積係数は

1.18~2.03

と小さかった。リナグ リプチンの血漿中濃度と

DPP-4

阻害率に良好な相関が認められた。視覚的判断の結果,約

3.2 nM

(1.5 ng/mL)および

5.29 nM(2.5 ng/mL)を上回る血漿中リナグリプチン濃度によって DPP-4

活性は

50%および 80%阻害される。