2. 個々の試験結果の要約
2.21 試験1218.37(4週間薬力学)
外国人男女
2
型糖尿病患者における,様々な2
型糖尿病のバイオマーカーに対するリナグリプ チン5 mg
およびシタグリプチン100 mg
の1
日1
回経口投与の影響を検討するための,ランダ ム化,二重盲検,プラセボ対照,並行群間比較試験参照先: 試験
1218.37[CTD 5.3.4.2-1]
目的:
2
型糖尿病患者における24
時間血糖コントロールに対するリナグリプチン5 mg
およびシタグリプチン
100 mg
の影響をプラセボと比較すること。このほかにも様々な薬力学評価項目(例:GLP-1,インスリン,DPP-4
阻害率)を検討することとした。方法:
男性
86
例,女性35
例,合計121
例の年齢28
歳~76歳の2
型糖尿病患者を対象として,ラン ダム化,二重盲検,プラセボ対照デザインにより,多施設共同試験を実施した。年齢が18
歳以 上80
歳以下,スクリーニング来院時のBMI
が40 kg/m
2以下,導入期開始時のHbA1c
が6.5%
以上
10.0%以下であり,過去に未治療または 1
種類の経口血糖降下薬による治療を受けている患者を試験に組み入れた。既に別の経口血糖降下薬の投与を受けている患者には,2週間のウ ォッシュアウト期間を設けた。2週間のプラセボ導入期の後に患者を
3
群にランダム化割付け し,リナグリプチン5 mg 1
日1
回,100 mgシタグリプチン1
日1
回,またはプラセボを28
日 間投与した。−1,1,28,29および30
日目に食事負荷試験(MTT)を実施した。−1,1,28,29
および30
日目の空腹時およびMTT
後の血漿中グルコース,活性型GLP-1,活性型および総 GIP,インスリン,C-ペプチド,グルカゴン,HbA1c,フルクトサミン,1,5-アンヒドログルシ
トール,および血漿中DPP-4
阻害率によって,各薬剤の薬力学的反応を評価した。主要評価項目は,28日目の加重平均血糖値(WMG)のベースラインからの変化,および
28
日 目のMTT
後のGLP-1
のAUEC
0-2のベースラインからの変化であった。プラセボに対するリナグリプチンの優越性の検定は,4週後の
WMG
のベースラインからの変化および
GLP-1
のベースラインからの変化について,薬剤および糖尿病前治療薬を固定効果とし,ベースラインの
HbA1c
を共変量とした共分散分析(ANCOVA)により検討した。副次評価項目,探索的評価項目および安全性評価項目は記述統計により評価した。このほかに
も食後
C-ペプチド濃度を用いてデコンボリューション法によりインスリン分泌速度(ISR)を
推定し,グルコース濃度を用いて補正した。
結果:
被験者背景およびその他のベースライン値:本試験には
121
例をランダム化割付けした。ラン ダム化割付けした患者数は,参加3
施設とも同様に分布していた。40
例がプラセボ,40
例がリ ナグリプチン5 mg,41
例がシタグリプチンを投与された。被験者背景およびその他のベースライン値は,投与群間で同様に分布していた。有意ではなか ったが,HbA1cのベースライン値に若干の不均衡が認められ,これはシタグリプチン投与群に
おける
HbA1c
のベースライン値がわずかに低いためであった。プラセボ投与群とリナグリプチ ン投与群の比較については,HbA1cのベースライン値に有意な差は認められなかった。インス リン,インスリン抵抗性のHOMA
指数,およびインスリン分泌のHOMA
指数のベースライン 値は,投与群内および投与群間でばらついていた。主要評価項目:本試験の主要評価項目は,28日目の
WMG
のベースラインからの変化,および28
日目のMTT
後のGLP-1
のAUEC
0-2のベースラインからの変化であった。WMG
およびGLP-1
のAUEC
0-2のいずれについても,プラセボに対するリナグリプチンの優越性が示された。リナグリプチンについて,4週間投与後のプラセボ群に対する
WMG
のベース ラインからの変化量は−19.9 mg/dL(95%信頼区間:−28.0~−11.9;p<0.0001)であった。4週間 投与後のプラセボ群に対するGLP-1
のベースラインからの変化量は,18.1 pmol·h/L(95%信頼 区間:12.4~23.9;p<0.0001)であった。感度分析の結果,両主要評価項目ともプラセボに対す るリナグリプチンの優越性が確認された。副次評価項目:副次評価項目は,28日目の空腹時血漿中グルコース濃度(FPG)のベースライ ンからの変化および
28
日目のMTT
後の血漿中グルコースのAUEC
0-3hのベースラインからの変 化であった。いずれの副次評価項目の解析においても,プラセボに対するリナグリプチンの優 越性が示された。4週間のリナグリプチン投与後のプラセボ群に対するFPG
のベースラインか らの変化量は−10.8 mg/dL(95%信頼区間:−20.4~−1.2)であり,プラセボ群に対する血漿中グ ルコースのAUEC
0-3のベースラインからの変化量は−106.5 mg·h/dL(95%信頼区間:−147.0~−66.0)であった。リナグリプチンによる血漿中グルコースの
AUEC
0-3の数値的な低下はWMG
の低下より大きく,時間で補正したAUEC
0-3hの低下は35.5 mg/dL
であり,WMG
の低下は19.9 mg/dL
であった。リナグリプチン
5 mg
の反復投与28
日目のトラフ時のDPP-4
阻害率の中央値は82.2%, 28
日目の
GLP-1
のベースラインからの変化量は16.0 pmol/L,28
日目のグルカゴンのベースラインからの変化量は−16.8 pg/mLであった。
また
4
週間のリナグリプチン投与によって,プラセボ群に対するベースラインからのHbA1c
の変化量は−0.27%と統計学的に有意に低下(p=0.0021)し,プラセボ群に対する1,5-アンヒド
ログルシトール濃度の変化量は1.8 µg/mL
と統計学的に有意に上昇し(p<0.0001),インスリン 分泌の指標であるHOMA-IS, disposition index,および食後グルコースで補正したインスリン分
泌も上昇した。28日目のHOMA-IS
の幾何平均値の比(リナグリプチン/プラセボ)は投与初日 の5.7%から投与 28
日目に24.2%に増加し,disposition index
は1.83,MTT
後4
時間の血漿中の グルコースの曝露量で補正したインスリン分泌は28.7 µg/mL(p=0.0003)であった。
またグルカゴンのピーク濃度のベースラインおよびプラセボに対する低下も認められた。プラ セボ群に対するリナグリプチン群の
28
日目のグルカゴンピーク濃度のベースラインからの変 化量は−16.8 pg/mL(95%信頼区間:−28.7~−4.9;p=0.0064)であり,プラセボ群に対するリナ グリプチン群のグルカゴンのAUEC
0-2のベースラインからの変化量は−18.7 pg·h/mL(p=0.0452)であった。
全評価項目ともプラセボに対するシタグリプチンの優越性が示されたことから本試験の感度が 確認され,シタグリプチンはリナグリプチンと同程度の効果を示した。
結論:
本試験の結果,
WMG
の減少およびDPP-4
阻害を介したGLP-1
の血漿中存在時間の延長によっ て,リナグリプチン5 mg
投与によりプラセボよりも優れた24
時間の血糖コントロールが達成 されることが示された。
ドキュメント内
トラゼンタ錠 5mg CTD 第 2 部資料概要 2.7 臨床概要 臨床薬理試験 日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社
(ページ 96-99)