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解析的検討における適正パラメータによる推定

第 5 章 実応答データを用いた確率的部分空間法の同定条件に関する検討

5.3 実応答を用いた検討結果

5.3.1 解析的検討における適正パラメータによる推定

評価の方法は,検討対象となるパラメータ値と振動数の推定結果との関係性を表現したスタビリゼ ーション図を用いて影響分析を行うこととした.なお,スタビリゼーション図には分析対象とする加 速度応答のパワースペクトル分布を併せて表示していることから,パラメータの設定値に応じた推定 結果の安定性やばらつきなどの変動を視覚的に確認できる.

さらに,着目するパラメータが推定結果に及ぼす影響を定量的に評価するために,観測された加速 度データから求まる応答値と,前進SSIの同定計算から算出される推定結果の誤差を,パラメータご とに残差平方和(SSE)の平均値として下式(5.1)のように定義することで評価することとした.

2

| ˆ

N k k i

SSE Y X k N (5.1)

ここに,Yk k| は第3章3.3節3.3.2項の式(3.39)で表される観測データに基づく応答行列,Xˆkは第3 章3.3節3.3.2項の式(3.38)で表される状態推定行列,Nはデータセグメント長である.

-94-表-5.3.1より,2.59Hzの第2モードや6.33Hzの第5モードは検出率が70%以上と安定して推定さ れている.また,その他のモードも時間帯によっては推定結果が得られない場合も見てとれるが,励 起状態が小さい常時微動を対象とした推定においては,検出率が40%以上と比較的安定して推定され ているといえる.一方,10Hzから20Hzまでの帯域においては,パワースペクトルのピーク値が顕著 ではないことからも推定が容易ではないといえるが,SSI 法による推定結果はばらつきが目立ち,各 モードに対応する推定値を特定することは難しかった.

減衰定数については,一般的に常時微動を用いた推定は困難であると捉えられているが,妥当な値 であると想定される0.02付近にある時間帯が限定的にはあるものの,表-5.3.1に示す変動係数は0.5 以上と比較的ばらつきが大きく安定性は乏しいと言わざるを得なかった.

(a) 観測された常時微動の加速度波形(Ch.4)

(b) 観測常時微動の周波数分布(全Chの合計)

図-5.3.1 観測された常時微動(A橋)

(a) 振動数の推定結果

(b) 減衰定数の推定結果(第1~6推定モード)

図-5.3.2 A橋の常時微動における振動特性推定結果(解析検討時の適正パラメータ)

表-5.3.1 推定結果一覧(解析検討時の適正パラメータ)

PSPとはPower Spectrum Peakの略である.

検出 回数

推定 回数

検出率 _Dr(%)

PSP

(Hz)

平均値 (Av)

標準偏差 (SD)

変動係数 (CV) 第1モード 13 48.1 1.73 0.052 0.025 0.476 第2モード 20 74.1 2.59 0.047 0.026 0.554 第3モード 12 44.4 3.00 0.043 0.020 0.477 第4モード 18 66.7 4.35 0.040 0.024 0.605 第5モード 19 70.4 6.33 0.039 0.020 0.508 第6モード 11 40.7 8.40 0.036 0.022 0.611

27 対象モード

振動数の推定結果 減衰定数の推定結果