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交通振動を用いた検討結果

第 5 章 実応答データを用いた確率的部分空間法の同定条件に関する検討

5.4 交通振動を用いた検討結果

5.4 交通振動を用いた検討結果

-106-(a) B橋の交通振動における振動数推定結果の変化

(横軸:振動数,縦軸:特異ベクトル長,実線は交通振動加速度のパワースペクトル)

(b) 特異ベクトル長による残差平方和(横軸:特異ベクトル長,縦軸:残差平方和)

図-5.4.2 交通振動に対する特異ベクトル長の影響分析結果(B橋の振動数推定結果)

同様に,他橋の交通振動に対しても検討した結果,得られた交通振動に対する特異ベクトル長の適 正範囲を表-5.4.1に示す.表-5.4.1より,交通振動に対する特異ベクトル長の適正範囲は30前後と なり,常時微動に対する適正範囲と同等レベルであるものの,A橋については常時微動よりも適正範 囲が減少する傾向を示した.特異ベクトル長が変動する要因としては,通行する車両の重量や速度に 応じて橋梁の励起状態も異なることや,通行車両自体の振動等のノイズ影響を完全には分離できてい ないことなどが要因として考えられる.

Length of Singuler Value Vector

表-5.4.1 特異ベクトル長の適正範囲(交通振動)

対象橋梁 特異ベクトル長

A橋 20 ~ 28

B橋 32 ~ 50

C橋 20 ~ 26

5.4.2 初期モデル次数

前述の特異ベクトル長と同じく B 橋を対象に検討を行った.図-5.4.3 (a)に示すスタビリゼーショ ン図より,初期モデル次数が55以上の場合にパワースペクトルがピークを示す帯域と符合する2.04Hz,

7.01Hz が安定して推定されている.一方,初期モデル次数が95 以上となるとパワースペクトルがピ

ークを示す帯域と符合する4.82Hzが推定されなくなる.また,図-5.4.3 (b) に示す残差平方和につい ては,初期モデル次数が小さいほど大きくなっており,特異ベクトル長と逆の傾向が見られた.以上 を考慮して,交通振動に対する初期モデル次数の適正範囲は55~90と推測した.同様に,他橋の交通 振動に対しても検討した結果を表-5.4.2に示すが,特異ベクトル長の影響と同じく,初期モデル次数 が常時微動における適正範囲に比べてA橋は減少し,BおよびC橋は増加する傾向にあることから,

交通振動に伴うノイズの影響を受けていること等が要因と推測される.なお,C橋の交通振動に対す るスタビリゼーション図を図-5.4.4に示すが,常時微動に比べて通行車両により 2.15Hz,2.96Hz 付 近の振動が極度に励起され,常時微動において卓越していた0.37Hzは認められない.そのため,本分 析では帯域分離推定法は適用しなかった.

-108-(a) B橋の交通振動における振動数推定結果の変化

(横軸:振動数,縦軸:初期モデル次数,実線は交通振動加速度のパワースペクトル)

(b) 初期モデル次数による残差平方和(横軸:初期モデル次数,縦軸:残差平方和)

図-5.4.3 交通振動に対する初期モデル次数の影響分析結果(B橋の振動数推定結果)

表-5.4.2 初期モデル次数の適正範囲(交通振動)

対象橋梁 初期モデル次数 A橋 38 ~ 42 B橋 55 ~ 90

C橋 80 ~ 180

Matrix size parameter.k

図-5.4.4 C橋の交通振動における振動数推定結果の変化

(横軸:振動数,縦軸:初期モデル次数,実線は観測常時微動加速度のパワースペクトル)

Matrix size parameeter.k